【連載】野球部 新体制始動特集『臥薪嘗胆』第3回 越井颯一郎×壽田悠毅

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 第3回は越井颯一郎(スポ3=千葉・木更津総合)と壽田悠毅(社3=東京・早実)が登場。今季の経験を糧にさらなる成長と飛躍を見据える3年生2名。来季への意気込みなど、それぞれの思いを伺った。

※この取材は12月20日に行われたものです。

「オフの前日は午前2時ぐらいまでグラウンドにいる」(壽田)

――まず初めに他己紹介をお願いします

越井 壽田の第一印象は、本当に一晩中練習してるなということです。練習中はもちろんですが、自分がお風呂に入ったり寝たりする時間でもまだグラウンドにいたりして。本当に意識が高いなっていうのが印象ですね。

壽田 越井は、自分は普段ピッチャーとはあんまり関わりがないんですけど、その中だったら仲が良い選手です。なんで仲良くなったかはあんまり覚えてないんですけど、ガキ大将みたいな感じでみんなにいじられてるのもあって仲良くしてもらって。その反面野球ではとにかくストイックで食事も気にしてますし、投げる感覚だったり球速へのこだわりは自分が見ててもとてつもないものを感じるので、練習はすごく真面目で、オフの時はすごくふざけるという印象ですね。

――素振りは1日どれくらいされてるんですか

壽田 数にはこだわってないです。自分は1人で練習するのが好きなので、21時に全体練習が終わってそのあとから日付が変わるまではグラウンドにいて、オフの前日は2時ぐらいまでグラウンドにいる感じですね。

――4年間過ごしてきてお2人の思い出は何かありますか

壽田 自分は内部進学で、越井はスポーツ推薦で今まで過ごしてきた高校の雰囲気や入学の仕方も違って、自分はあんまり話さないんですけど、越井はよくしゃべる性格で。でも意外と遊びの感覚とかは合ってる気がして、距離感とか価値観的なところは合ってる気がします。

越井 壽田はあんまり遊びとかに興味がない気がするんですけど、食堂とか寮の中で何気ない会話をするのがすごく思い出に残ってます。

――越井選手は釣りにはまっていると聞きましたが、どなたと一緒に行くことが多いですか

越井 髙橋(煌稀、スポ2=宮城・仙台育英)や安田(虎汰郎、スポ2=東京・日大三)とか、あとは小松(龍一、スポ1=岩手・花巻東)とかと行くことが多いです。この間は千葉の房総半島まで車を出してみんなで行きました。全然釣れなかったんですけど、すごく楽しかったです。都内でも釣り公園に練習後に行ったりしますね。釣った魚をから揚げにしたりして食べてます。

――房総半島は安田選手の地元ですね

越井 ずっと自分のシマだって騒いでて(笑)。安田は外房の方なんですけど。この間は内房の方で釣りをしました。

――壽田選手はゲームがお好きと聞きました

壽田 自分はSwitch2とPS5を持ってて、RPG系のゲームが好きなんですけど、寮ではスマブラがすごく流行っています。寮に入ってからは自分の部屋をみんながゲーム部屋みたいに使って好きな時間に帰っていく感じで。自分も最近はスマブラを見るだけじゃなくてやるようにもなりました。

――続いて野球の質問に移ります。お2人が目標にしている選手はいますか

壽田 自分はバリー・ボンズ選手(元サンフランシスコ・ジャイアンツ)が好きで。初めて観戦した試合が東京ドームで行われたマリナーズとアスレチックスの試合で、そこからメジャーリーグに惹かれました。その中でバリー・ボンズ選手にはまりました。自分と同じ左打ちで足も速くてホームランも打てて肩も強い。走攻守どれをとってもスキがない選手だったので、それが好きで今もバッティングの参考にしています。自分が不調だったり見直すべきところがある時は、バリー・ボンズ選手の動画を見たりします。

――バリー・ボンズ選手のどのあたりを参考にしていますか

壽田 バットがボールに当たるまでの体の使い方がすごくきれいで。体幹で打ってるというか、足も使って打ってて、ボールに当たるまでバットを加速させる技術がすごく上手いので参考にしてます。

――越井選手が目標にしている選手はいますか

越井 自分も壽田と同じでメジャーリーグが好きで最近だとポール・スキーンズ(現ピッツバーグ・パイレーツ)投手だったりゲリット・コール(現ニューヨーク・ヤンキース)投手だったりのメジャーリーガーの動画を見てレベルが違うなと感じてます。そういった選手を見てどういったことをやってるかを見たりしてます。あとはバウアー(元DeNA)選手のYouTubeを翻訳して見て参考にしたりしてます。

――今シーズンを振り返っていかがですか 

越井 自分は今シーズンは思い出したくないので、何もコメントできないです。本当に思い出したくないです。

壽田 たしかにそうだね。自分は春は沖縄キャンプのメンバーが決まる前ぐらいの紅白戦でケガをしてしまい、結果的にそれが右肘のじん帯部分断裂で3カ月は治らないだろうと言われてしまいました。その時は沖縄キャンプに初めて行くことになっていて楽しみにしていたんですけど、結局行けなくなってしまい、治ったのも春(春季リーグ戦)の明治戦ぐらいだったので何もできずとにかくリハビリに専念した3カ月でした。理想としては3年生から出場機会を増やして自分の代になりたかったので、焦りと悔しさがすごくて、治すためにできることはとにかくしました。秋(秋季リーグ戦)は代打で何打席か経験させてもらって、その中で初ヒットを打てたので、数は少なかったですけど今後につながるシーズンになったかなと思います。

「質の高い、打たれにくいストレートを」(越井)

――ここからは個別に伺います。まずは越井選手にお聞きします。春の序盤は好調で勝利の方程式にも入っていましたが、手応えは感じていましたか

越井 春先のキャンプでいい練習ができて、球速が上がったり、やりたい練習ができたりしたので、手ごたえも感じてました。今も春先の練習をもう一回という気持ちでやっているので、改めてすごくいい期間だったなと思います。

――そこから調子を落としてしまいましたが、何か原因などはありましたか

越井 気持ち的なところなのか技術的なところなのかまだ明確な答えは出ていないんですけど、今はそれを探りながらやっている感じです。また同じようなことは繰り返さないよう、トレーニングの仕方であったりはもう一度見直してます。

――その中で特に意識していることは何ですか

越井 自分の技術的な部分が大事なのもあるんですけど、そこに直結するのが私生活だと思っているので、睡眠や食事にも気を遣ってそうした野球以前のところも気を付けてます。

――木更津総合高時代よりも、大学に入ってからより速球派のイメージが付いたと思うのですが、何かきっかけはありましたか

越井 高校の頃はウエイトトレーニングが禁止だったので、今考えると高校の監督さんが伸びしろを残すために禁止にしていたのかなと思っています。大学でトレーニングをするようになってから、特に2年生の冬ごろから球速も出るようになってきました。自分の中で球が速い投手は150キロ近く投げるのが打たれにくい投手の指標かなと思うので、150キロを目標に取り組んでます。

――1番こだわっているのはストレートですか

越井 1番は質の高い、打たれにくいストレートを目指して練習してます。今はMaxが149キロなので、150キロ投げられたらなと思ってます。

――今持っている球種を教えてください

越井 スライダー、カットボール、カーブですかね。

――その中で1番よく投げている球種は何ですか

越井 カットボールですかね。ストレートに自信を持っているので、そこから少し変化するカットボールをうまく使ってゴロで打ち取りたいなと思ってます。

――越井選手は寮長に就任されたとのことですが、その経緯を教えてください。

越井 自分が綺麗好きで、部屋が綺麗になっているところだったりを評価されたっていう話を聞いて、さっき壽田の言った通り普段はふざけているので自分がなって良いのかなって思う部分はあるんですけど、最近寮が綺麗になってきているので嬉しいです。

壽田 寮長のおかげやな(笑)

――続いて壽田選手に伺います。秋季リーグ戦で初ヒットを放ちましたが、その時の感情や感触を教えてください

壽田 あの日は風邪をひいていて、寮に帰って測ったら38度くらいありました。ただそれが逆に良かったのか、監督(小宮山悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)から「代打行くぞ」と言われた時もリラックスできていました。チームも負けていましたし、何かできればという思いで打席に入りました。雨が降っていたこともあってピッチャーの球速も普段より遅くて、自分に運が向いているかなという中で、しっかり振ることが出来ました。気持ち的にも技術的にも良いヒットだったかなと思います。

――ラストシーズンとなる来年に向けて、1番センターのレギュラーに定着するために意識していることはありますか

壽田 チームとして守備の部分を大事にしているので、まずは守備力を意識しています。1年生の時からお手本だった尾瀬さん(尾瀬雄大、スポ4=東京・帝京)が引退する前に聞いたりして、守備も上手くて送球も正確だった尾瀬さんを目標に送球などを大事にしています。個人的にはバッティングを売りにしていて、確率と力強さを両方持った1番バッターになりたいと思っているので、チームを勢いづけられるバッティングをできるように練習しています。 

――目指すはネクスト尾瀬

壽田 そうですね。自分の実績だとおこがましいですけど、来シーズンまずは自分がそれくらいの成績を出せるようにやっていきたいです。

――尾瀬さんから聞いたアドバイスで特に印象に残っているものはありますか

壽田 監督さんやスタッフの方から一歩でも遠い所を捕れるように、って言われてきたんですけど、そのためにはどうすれば良いかっていうのを詰め切れてなくて。一歩目の切り方とか、バッターの情報やスイングを見るっていう練習では見れない尾瀬さんの意識を細かく聞いて、一歩目の意識もポジショニングも全部自分の考えと違ったので、神宮であれだけ広い範囲を守るにはそれぐらい考えなきゃいけないんだな、というのは自分も新チームの時に感じましたし、練習だとよりバッターのクセもわかりやすいですし、まずはそこから意識しています。

――オフシーズンに重点的に意識していることはありますか

壽田 体と技術どちらも同じくらい大事にしています。技術の面ではとにかく数を求めることを意識していて、それが自分の練習時間にもつながりますし、置いてあるものでもマシンでもとにかく打つことを意識しています。体でいえばウーイトであったり。メディシンとかジャンプとかいろんなメニューをやって自分の体に刺激を与えて、振る力や投げる力など、全ての部分を技術的にも体的にも上げられるようにやっています。

――早実高から進学された壽田選手は、来年が早稲田7年目のラストイヤーになります

壽田 早実に入ったのは早稲田の野球部に入って神宮で活躍するためには高校から入った方がスポーツ推薦の枠を取るよりも確率が高いということが理由です。父が早大野球部のOBでもあるので、監督さんと写真をとったこともありますし、憧れを抱いてやってきました。ラストシーズン結果が出せるように早稲田のユニフォームを着れる喜びと誇りを感じて、大学の代表としてできることに感謝しながらプレーしたいと思います。

――来シーズンの自身のプレーで見て欲しいところはどこですか

壽田 肩の強さや足の速さ、打球速度やスイングスピードがハイアベレージで出せることが自分の魅力だと思うので、そこの部分の速さや強さを見て欲しいです。ヒットを打った後の塁上や守っている時の、早稲田が大事にしている気持ちが出ている部分を見て欲しいと思います。

「香西を胴上げできるように」(越井)

――ここからはお二人の質問に戻ります。チーム内で刺激を受けていたり、期待している選手はいますか

越井 宮城(誇南、スポ3=埼玉・浦和学院)や香西(一希主将、スポ3=福岡・九州国際大付)は、2人とも自分のやるべきことをできているので自分も見習わないといけないと思っています。小松は1年生であれだけの球速や変化球を持っているので期待しています。

壽田 自分が刺激を受けているのは井櫻(悠人、スポ3=香川・高松商業)と三戸(創太、スポ3=広島商業)です。自分が自主練習に行く時は彼らも同じくらいの時間グラウンドにいて、自分ももっと練習しなきゃなと思っていますし、彼らは強い思いがあって練習しているので刺激を受けています。期待しているのは一個下の髙橋海翔(スポ2=山梨学院)です。中学時代のチームが一緒で、後輩の中では仲良くしているので、秋は残念な結果でしたけど、ポテンシャルはあるので自分の代で覚醒してくれたら嬉しいです。

――他大学で期待している選手を教えてください

越井 慶應の広池浩成選手(慶大3年)は、同じ大学生とは思えない意識で練習に取り組んでいるので注目しています。

壽田 慶應の村岡(龍、慶大3年)と横地(広太、慶大3年)は中学のチームが一緒で、その時は自分は内野手でしたけど今は同じ外野手で、足が速くて投げれて打てる部分でタイプが似ているし、彼らも高校からの内部進学なので、高校での彼らの活躍を見てきましたし、大学でも自分より先にデビューして活躍してきているのを見ているので、ラストシーズンで自分が追い抜けるように頑張ります。

――新キャプテンの印象と新チームの投手陣、野手陣それぞれの印象を教えてください。

越井 自分の役割をわかっていて、それを全力で頑張ることが出来る香西がキャプテンになったので自分たちも安心ですし、優勝させたいなと思うことができるので良いキャプテンだなと思います。投手陣は去年の樹さん(伊藤樹、スポ4=宮城・仙台育英)田和さん(田和廉、教4=東京・早実)というダブルエースが抜けた穴を埋められるように頑張っていて、誰が先発投手になるかエースになるかまだわからない中でみんなが切磋琢磨して取り組めているのかなと思います。野手陣は4年生がごっそり抜けてポジション争いが激しい中で、高校の時から有名な選手やポテンシャルがある選手がたくさんいるので楽しみな野手陣だなと思います。

壽田 香西とはよく喋るんですけど、まず変わり者というのが第一印象です。ただその中で野球に対しての考え方や自分の中の軸がしっかりしていて、やるべきことを最後までやり抜く選手だと思うので人望があって頼もしいキャプテンだと思います。投手陣の雰囲気は野手陣と対象的で普段はふざけているんですけど、自主性が求められる環境なので練習ではすごく真面目かなと思います。野手陣は寺尾(拳聖副将、人3=長野・佐久長聖)以外はほとんど経験値がないので、全員が危機感を持っていてそれが練習にも表れていると思います。例年よりもAチームに下級生が多く入っていて、各人が自分の立ち位置を理解できているのが今の野手陣かなと思います。

――4年生となって意識することはありますか

越井 今年1年不甲斐ない姿を見せたので来年は結果に重きを置かなければならないと思っています。背中で引っ張っていければ良いなと思っていて、口で上手いことが言えないので行動や姿勢で示していかないといけないのかなと思っています。

壽田 背中で示すことが一番だと思っています。尾瀬さんも一番練習する人だったので、誰がいつ来ても壽田がいるなと思われるくらい練習しようと思っていて、下級生の力もないと勝てないのがこの代だと思うので、チーム全員で勝つために練習の量だったりを背中で示して引っ張れるようにやっています。

――来シーズンの目標を教えてください

越井 来シーズンはチームとして天皇杯奪還を第一目標にしていて、個人個人の力が結集したものが天皇杯になると思うので、自分含めてみんなが責任感を持ってやっていかないといけないと思っています。個人としては今までの結果からしてチームに何も貢献できていないのでチームに貢献したいですし、先発やロングリリーフを投げたりタイトルを取るなど、具体的な目標を掲げてやっていきたいです

壽田 自分の結果が良くてもチームの結果がついてこないとダメくらいの気持ちでいます。ただ個人的な目標としてはベストナインと、打率は自分が安定して三割打てば初回に点が入る確率が高くなると思うので最低三割打つことを何よりもこだわってやっています。

――最後に意気込みをお願いします

越井 四年生がたくさん抜けた早稲田で新主将の香西を胴上げできるようにを一人一人が危機感を持ってやっていければなと思います。

壽田 経験のないチームだということが最大の武器になると思うので、早稲田としてあるべき姿を神宮で体現できるように冬から練習していきたいと思います。

ーーありがとうございました!

(取材・編集 平壮真、大竹瞭)


◆越井颯一郎(こしい・そういちろう)※写真左

2004(平16)年7月8日生まれ。180センチ、87キロ。千葉・木更津総合高出身。スポーツ科学部3年。投手。右投右打。さらなる成長のため、食事や睡眠の質にもこだわっているそうです。早稲田の勝利に貢献する投球を期待しましょう!

◆壽田悠毅(すだ・ゆうき)
2004(平16)年9月28日生まれ。177センチ、85キロ。東京・早実高出身。社会科学部3年。打順とポジション、そしてレガースの色も尾瀬選手と同じという壽田選手。尾瀬選手のようなチームを力強く引っ張るバッティングに期待です!