【連載】ハンドボール部 インカレ前対談「Rise Beyond」第1回 鍋島弘樹×所真大×小柴創×豊田創志

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第1回は、鍋島弘樹(スポ3=福井・北陸)、所真大(社3=岡山・総社)、小柴創(スポ3=千葉・昭和学院)、豊田創志(スポ3=千葉・市川)の3年生グループ。チームの最前線で活躍する4人に、関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)での成長や改善点、インカレでの注目ポイント、インカレへの意気込みを伺いました。

※この取材は10月28日に行われたものです。

――自己紹介をお願いします

豊田 スポーツ科学部3年の豊田創志です。ポジションはCBをやっています。

小柴 スポーツ科学部3年の小柴創です。ポジションはLWとPVをやっています。

 社会科学部3年の所真大です。ポジションはLWとCBをやっています。

鍋島 スポーツ科学部3年の鍋島です。ポジションはバックプレーヤーです。

――――右隣の方を紹介する形で、他己紹介をお願いします。

豊田 小柴くんはよくも悪くも子供だなという印象です。楽しそうに遊ぶし、美味しそうに食べるなと思います。でもハンドボールになると、真面目にやってくれるので頼もしいです。

小柴 真大は他の3年生と比べて頼りがいがあります。4年生と話す時も3年生の代表として話を聞いてくれていて頼もしい存在です。プレーに関してもサイドはもちろん、サイドだけではなくてバックプレーヤーもできてとにかく頼もしい存在です。

 弘樹は責任感が強いという部分が一番の人物紹介になるかなと思います。自分が調子の悪い時もチームのためを思って行動できるし。責任感持ってプレーできるところが彼の良いところだと思います。プレーに関しては僕ら(3年生)の中で一番実績のある選手で、小学校中学校高校と全国大会優勝を経験しているような選手なので、頼りがいのある存在です。

鍋島 豊田くんと初めて出会ったのは入学式当日で、それまで結城くん(颯太、スポ3=千葉・昭和学院)と小柴とは練習で会う機会があったのですが、初対面で一緒に入学式に出たという気まずいスタートから始まった関係です(笑)。今となっては良い思い出で、あとよく練習の後に昼ご飯に行きます。プレーに関しては、色々な場面で色々なポジションを任せられている選手だと思います。すごく難しいところをキャプテンから要求されていても、そこにしっかり応えていく姿勢というのがとても良いところだと思います。

対談中の鍋島

――次は左隣の方の初めて会った時の第一印象を教えてください。また、次は左隣の方の初めて会った時の第一印象と、一緒に活動してきてその印象が変わったエピソードがあれば教えてください

豊田 僕も弘樹は最初とても気まずくて(笑)。どんな人かもわからないし、(入学式の日は)1日一緒にいたけれど一言も話さないみたいな感じで(笑)。北陸高校はウェイウェイやっているイメージだったので、弘樹も勝手にそんな感じかなと思っていました。でも彼は意外と真面目で、ハンドボールに対して真摯に向き合っているなというのが今の印象です。

小柴 豊田くんと初めて会ったのが中学校の頃に千葉県で一緒に戦っていて、その時は全く話さなくて、怖い印象というか話しかけづらい印象でした。初めて話したのは高校の時の国体で一緒のチームになった時で、話してみたら結構ふざけて面白い人だなと思いました。それでふざける人だと思って大学で一緒にハンドボールをしてみたら、真面目な一面もあってギャップがありました。

 創と初めて会ったのが入試の時、共通の知り合いから創と結城颯太のことを「イケメンとゴリラがくるよ」と聞いていたのですが、見たらすぐわかって(笑)。第一印象は見た目通り性格もクールなのかなと思っていました。でも今はいじられつつもいじりつつもという感じで、愛されキャラだなと思っています。周りから見たらそこはギャップなのかなと思います。

鍋島 真大とは高校の時から練習試合をやっていて、真大のお父さんが総社高校の監督をやっているので先生の子供が同い年にいるんだという印象から始まりました。まさか大学で同じチームでやるとは思っていなくて、そういう仲間ができるということがうれしかったのは覚えています。真大はコミュニケーション能力が長けていると思っていて、フランスに2人で行った時も、言葉が通じにくい中でも堂々とコミュニケーションをとれるのがさすがだなと思いました。

――3年生はどんな学年ですか

豊田 個人的には仲が良いなと思っています。ご飯に行ったり遊びに行ったり良くしますし、他の学年と比べても仲が良いなと思います。ハンドボールに対しても真面目に向き合う人が多いので来年のチームも楽しみです。

小柴 創志と同じで、他の学年と比べて仲が良い学年だと思います。ハンドボールに対しても真面目だし、ルールや礼儀と言った部分についても真面目で。この学年で入れて良かったなと思っています。

 仲が良いというのは言ってくれた通りで。あとそれぞれ癖は強いとは思うのですが、その癖がうまく噛み合っているという感じがします。みんなが上手にお互いを知って、尊重しあっている感じがあります。ハンドボールに関してはプレーヤーほとんどみんなベンチに入れていて、チャンスをものにできている選手が多いのかなと。その点では良い選手が揃っている学年なのかなと思います。

鍋島 十人十色ですごく良い学年だなと思います。真大が言ったように、一人一人がハンドボールや普段の生活、部活のルールまでも良い役割を果たしているような。お互いがお互いを刺激し合っているような関係性だと思います。

対談中の所

――次に秋季リーグ(関東学生秋季リーグ)についてお話を伺います。秋季リーグで印象に残っている試合や、ご自身の良かったプレーなど教えてください。

豊田 秋季リーグは全体的に苦しい戦いの方が多かったと思うのですが、個人的には立大線が印象に残っています。唯一自分たちのやりたい試合展開に持って行けた試合なのかなと思っていて、自分たちのやりたいこともできたし出したい選手も出せたし。そういう部分で立大戦が一番印象に残っています。あと自分のプレーとしては筑波大戦の最後のスカイプレーです。この秋季リーグ、これまでよりプレー時間をもらうことができていたのに、あまり目立った結果を残せていなかった中で、唯一チームに大きく貢献できたのはこのプレーかなと思っています。

小柴 僕の印象に残った試合は東海大戦です。個人的な話になってしまうのですが、脳震とうで最初の2試合に出られなくて、その後の復帰戦が東海大戦でした。復帰してすぐチームに貢献できるかとても心配だったのですが、本番は自分の強みを生せたし勝つこともできて、自分のプレーに自信を持てた機会だったかなと思います。

 最終戦の筑波大戦です。スタートから7―1まで(点差を)開かれて、早稲田は最終戦勝てなくて雰囲気が良くないリーグが続いていたので、今回も危ないかなと思っていました。でも前半しっかり耐えて後半逆転できた試合展開というのが、個人的には早稲田の底力を感じられて印象に残っています。プレーとしては筑波大戦、シュート確率良く決められたのもそうなのですが、最後の方にディフェンスでチャージを取れたシーンを挙げたいです。大学生活で初めてチャージを取ったシーンで、これまでディフェンスではあまり貢献できていないなという自覚があったので、ディフェンスで1本マイボールにできたのがすごくうれしかったです。

鍋島 僕が印象に残っている試合は日大でやった2連戦かなと思います。やりたいことをやろうと準備してきた夏期間を経ても、やはり上位チームとはあれだけさがあるということを、試合を通して全員が感じた試合だと思います。今季からは協賛企業など関係ないところからも僕たちを応援してくれている人たちがいる中でのあのような結果が、個人的にはすごく悔しくて。小学生の頃から一緒にハンドボールやっているやつらが相手にいてその部分も悔しいですし、何もできなかったということを全員が感じた2試合だったのではないかなと思います。プレーとしては順大戦の最初10分くらいで僕が5点決めて、調子よかったのですが結果負けてしまったので印象に残っています。去年からずっと意識してきたオフザボールの部分であの試合は自分の良さを出せて、最初の方は貢献できたので、そのイメージを大切にしたいと思います。

――秋季リーグで成長を感じた選手はいますか

豊田 逆サイドの今西(央登、スポ2=奈良・郡山)です。みんな同じことを思うと思うのですが、秋季リーグにブレイクした選手だと思います。自分も秋季リーグ試合に出させてもらうこともあって、少ないチャンスをものにしてレギュラーをつかむというのはすごく難しいことだと実感している中で、彼はそれを実現して秋季リーグにレギュラーで出ていたことは、後輩ながも尊敬しないと行けない部分です。自分も良い刺激をもらって、今後彼のようになっていきたいと思いました。

小柴 僕も今西くんです。今まで(RWは)増井浩介(スポ2=愛知)が張っていて試合に出るチャンスが少なかった選手なのですが、浩介がけがしたのをきっかけに出ることになって。彼は結構緊張しがちで心配ではあったのですが、初戦と2回戦それぞれ6、7点取って、ずっと試合に出ていたかのように落ち着いていて。まだ2年生なのでこれからもっと成長してほしいなと思いました。

 黒沼(大幹、教3=東京・明星)です。春はスタメンで出る試合は少なくて、出場時間も伸びずといった感じだったのですが、夏にかけて出場時間が伸びて秋はスタメンでディフェンス・オフェンス両方やって。自分をスタイルをぶつけてきているなというのを感じました。あとやはり安定感があります。彼は1年生の時からずっとフィジカルトレーニングを一生懸命やってきている中で、その成果を多く見られた秋季リーグだったと思います。

鍋島 2年生の河原(龍成、スポ2=福井・北陸)です。小学生の時からずっと一緒にハンドボールをやってきた後輩なのですが、去年の秋にけがをして1年間ハンドボールができなかった選手で。その1年間があれにとってどんな時間になるのかすごく不安な気持ちがありました。ハンドボール投げ出さないかとか。でも彼自身、試合にかける思いや勝ちに対する思いがすごく強くなったのではないかなと思っています。途中で自分がベンチに下げられたら「なんで俺代えるんだ」みたいな姿も見ましたし、そういう部分を出すようになったのは悪い部分とも捉えられるかもしれないですけど、僕から見れば「自分がやるんだ」という思いが強くなったように感じられて。とても成長したなと思います。

対談中の小柴

――続いてインカレに向けたお話を伺っていきます。インカレが4年生と戦う最後の公式戦となりますが、4年生との思い出や印象深いエピソードを教えてください。

鍋島 涼雅さん(村松涼雅、商4=岩手・不来方)とはアルバイトが一緒で、ずっと話すし、よく涼雅さんの部屋に行って涼雅さんがポケモンしているのを僕が見に行っています。先輩ではあるのですが同級生かのような関係で、すごくリラックスして話せる相手です。4年生みんなそうなんですけどそんな先輩です。あと紺碧寮のみんなでバーベキューにいったのはとても良い思い出です。

 僕が一番仲良い先輩は外種子田さん(崚汰副将、スポ4=鹿児島・国分)で、僕と創の部屋にもよく来ますし、原宿行ったり吉祥寺行ったり2人で遊ぶことも多くて、良い先輩だなと思います。あと年末に守屋さん(雄司主将、スポ4=神奈川・法政二)と外種子田さんと2年生の坂下瑞紀(スポ2=鹿児島・鶴丸)と4人で、外種子田さんの実家に行ったりもするので、本当に良くしてもらっているなと思います。

小柴 4年生は寮生が多いので、寮で一緒に過ごした時間が思い出です。僕たちが入学してからずっと4年生は寮にいたので、お風呂とかご飯とか4年生のいる寮生活が当たり前だったのですが、これが終わってしまうのを考えると結構寂しいです。思い出としては溝口憲次朗さん(スポ4=長野・諏訪清陵)と外種子田さんと、ベランダで椅子に座ってただ過ごしたのは良い思い出です。終わって涼しくなって虫がいなくなった頃にカップ麺一緒に食べたり、何してたかとかはあまり覚えていないのですが楽しかったです。

豊田 僕は3人と違って寮にいないので私生活で4年生と関わることは少ないのですが、悠吾さん(西村悠吾副将、人4=千葉・市川)や理仁さん(奥田理仁、人4=群馬・富岡)と練習終わりに一緒に野球していたのはとても印象深いです。特に悠吾さんは高校から一緒でずっとお世話になっている先輩です。午前練が1時くらいに終わって、それから昼食食べずに4時くらいまでここで野球をしたこともあります(笑)。その日は夏で結構練習もきつくてみんな疲れていたのですが、野球に一番ハマっていた時期でもあって上裸で走り回りながら野球やっていました。あと4年生全員、自分たち後輩が生意気なのにも関わらず優しく接してくれて、4年生とは同級生くらい仲良くしてもらっているので、いなくなっちゃうのは寂しいです。

――インカレでのご自身の注目ポイントはどこですか

鍋島 僕の強みはディスタンスシュートやカットインなので、そこには注目してほしいです。また秋季リーグが終わってからディフェンス頑張ろうという思いが強くなっているので、ディフェンス面でのチームへの貢献度も一つ、注目してほしいと思います。

 この大会ではサイドをやることが多いと思うので、秋季リーグで個人的に公開が残っているシュート確率という部分はしっかり高めていきたいです。インカレでは強気なサイドシュートを見てほしいです。あとセンターとしてはスタートから出るというより、チームの流れを変えたり冷静なゲームメイクをしたりが求められていると思うので、そこも頑張ります。

小柴 ディフェンスのフットワークと予測力です。入学してからずっとディフェンスを売りにしていたので、そこは注目してほしいです。この3年間ディフェンスしてみて、自分の強みを出していても対策されて通用しない場面が出てきたので、強みを出すだけではなくて駆け引きをしていく。そんないつもとまた違ったディフェンスを見せたいです。

豊田 僕はスタートから出る可能性は少ないかなと思っているのですが、途中から出た時の流れを変えるプレーは自分の持ち味だと思いますし、注目してほしいです。試合に出る時間は多くないと思うので、出ている時はずっと注目してもらえればと思います!

対談中の豊田

――インカレのキープレーヤーを挙げてください

鍋島 やはりキャプテンの雄司さん(守屋雄司主将)かなと思います。出場時間が長いわけでないのですが、今年1年を懸けた思いは雄司さん自身、とても強いと思うので、早稲田のキャプテンとしての魂のこもったプレーが見られるのではないかなと思います。期待しすぎると雄司さん退場しちゃうんですけど(笑)。でも絶対雄司さんはやってくれるので、キープレーヤーに挙げたいと思います。

 チームのトップスコアラーでもある崚汰さん(外種子田崚汰副将)がキーマンだと思います。一番点を取る選手ですし、大事な場面で1点を取るために1対1やミドルシュートを決めてきてくれる選手だと春と秋通じて感じているので。最終学年ですし本人も気持ちが入っていると思うので、チームを勝たすプレーをやってくれると期待しています。

小柴 大武さん(蓮、社4=神奈川・川和)です。僕らのチームの傾向的にゴールキーパーの調子でチームの結果が左右されるという部分があって。蓮さんの調子が良い時はチームの雰囲気も良くて勝てるし、逆に調子が悪いとチームが勝つことは少ないと思っていて。ゴールキーパーのサブの選手は試合経験が少ないので、どうしても蓮さんに出てもらう時間が続くと思うので、蓮さんには頑張ってほしいです。

豊田 僕もキープレーヤーは蓮さんかなと思っています。もちろん4年生全員に頑張ってもらいたいんですけど、蓮さんが調子の良い試合は春秋通じて勝てていたし、蓮さんがシュートを全部止めてくれれば負けることはないので(笑)。蓮さんには全部シュート止めてもらいたいなと思っています。

――最後にインカレに向けて意気込みをお願いします

豊田 今年の集大成を見せる大会ですし、自分たちが3年間お世話になってきた4年生の最後の大会なので、4年生を笑って送り出せるように自分たちも最大限貢献したいと思います。自分たちが笑うためにも4年生には笑って終わってもらいたいので、もちろん狙うところは日本一。最高の結果で終われるように頑張りたいと思います。

小柴 去年のインカレで1回戦敗退という悔しい思いを2、3、4年生全員が経験しているので同じ思いはしたくないですし、今回の4年生の勝つという思いはすごいので、僕たちもプレーで貢献できるように頑張ります。

所 去年初戦敗退、一昨年ベスト8で、目標の優勝には遠い所だったと思うのですが、僕らならやれると信じているので、そこに向かってアプローチしていきたいです。個人的にはこの秋季リーグに後悔が残っているので、インカレで今年のチームの集大成を見せて自分自身も成長したいと思います。

鍋島 4年生とハンドボールできる時間がもうインカレしかないという状況の中で、4年生にはたくさんお世話になったので、4年生と最後勝って終わりたいというのが一番です。また僕たちは自分たちだけでハンドボールをやっているわけではなくて、協賛企業の方をはじめとして色々な人の思いを背負ってやっているので、そういった意味でも日本一を取りたいと思っています。あと僕は地元が近くて家族が応援に来てくれるので、良いところが見せられたらなと思います。

ーーありがとうございました!

(取材・編集 佐野真悠子、大村谷芳)

鍋島弘樹(なべしま・ひろき)(※写真左)

2004年5月22日生まれ。178センチ。福井・北陸高校出身。スポーツ科学部3年。最近はYoutuberの「Lazy Lie Crazy」の動画を見ているという鍋島選手。チームの流れを作る重要なプレーヤーの1人である鍋島選手は、高いジャンプ力と瞬発力を生かしたカットインやディスタンスシュートに注目です!

所真大(ところ・まひろ)(※写真左から2人目)

2004年12月14日生まれ。170センチ。岡山・総社高校出身。社会科学部3年。美容院に行った際に店員さんにおすすめされたアマゾンプライムの「ラブトランジット」を先週くらいからずっと見ているという所選手。いつも笑顔な所選手ですが、毎試合見せてくれるLWとCBでのキレのあるプレーに期待です!

小柴創(こしば・あらた)(※写真左から3人目)

2005年3月8日生まれ。181センチ。千葉・昭和学院高校出身。スポーツ科学部3年。幅広いアニメのフィギュア集めが好きだという小柴選手。部屋にある小さい机の半分を占め、これ以上集めると作業ができなくなるそうです!小柴選手の3枚目ディフェンスで「強みを出すだけではなく駆け引きをして」変化をつけるプレーに期待です!

豊田創志(とよだ・そうし)(※写真左から4人目)

2004年6月17日生まれ。170センチ。千葉・市川高校出身。スポーツ科学部3年。スイカゲームにハマっているという豊田選手。ゲーム歴は2年、早稲田の部活で間違いなく1番上手いと語ってくれました!インカレでも、豊田選手の持ち味である、「途中から出た時の流れを変えるプレー」に注目です!