【連載】野球部 秋季早慶戦直前特集『集大成』 第2回 尾瀬雄大

特集中面/

<<特集表紙に戻る

 2年春から1番打者として早大をけん引してきた尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)。23日のプロ野球ドラフト会議では惜しくも指名漏れとなったが、最後の早慶戦に向けて気合いは十分。憧れのユニホームを着て臨む最後の舞台に向け意気込みを伺った。

※この取材は10月24日にオンラインで行われたものです。

本当にうまくいかない

――昨日行われたプロ野球ドラフト会議を振り返って
 悔しい、悲しいですね。

――プロ1本とのお話だったが、この先の進路については
 どこの企業が声をかけてくれるか分からないので、それはこれから考えていくところです。

――伊藤樹選手(スポ4=宮城・仙台育英)、田和廉選手(教4=東京・早実)が指名された時の心境は
 僕は自分の部屋で1人で見ていて、呼ばれた瞬間に寮で歓声が上がっていて樹と田和で連続で来てたのでもうすごい盛り上がりになっていました。先に指名されるのは2人だと思っていたので、そこでまず自分もほっとしたというか、嬉しい気持ちにもなったんですけど、自分が選ばれなかったらどうしようみたいな不安にもなったというか。おめでとうっていう気持ちもあるんですけど、怖かったですね。

――ここまでのリーグ戦を振り返って
 本当にうまくいってないですね。負けたんでもちろんそうなったと思うんですけど、うまく噛み合ってないのかなっていう感じですね。

――明大戦では目の前で優勝を許す形に
 悔しかったですね。もちろん明治はすごく強かったんですけど、あの2試合、僕たちは何もさせてもらえなかったなというか。ちょっと言葉にならないですね。

――ご自身の打撃に関しては
 数字が物語ってるように、全く自分のバッティングができてないですね。この最後のシーズンに向けてやれることは全部こうやってきたので、どこが悪いのかわかんないですけど、こういうこともあるのかなって思います。

――法大3回戦ではライナー性の当たりをキャッチする場面も。守備については
 ピッチャーも苦しんでましたし、個人的にもバットで貢献できてなかったので。なんとか守備で、ああいう場面でいいプレーが出せたのは、チームに貢献できたのかなと思います。

――その投手陣についてはどのように見ていますか
 僕らは3連覇してるだけあって、各大学がやっぱり早稲田を倒すっていう思いで多分やってきたと思います。どの大学のバッターもなんとかしてやろうみたいな気持ちがすごいこう守ってても伝わってきて、すごく研究されてるなっていうのも伝わってくるので、そこに対して投げてるピッチャーも大変だなっていうのは見ていて思います。

――チームとして4連覇がかかるシーズンでしたが、振り返ってみてプレッシャーはありましたか
 自分の中では感じてないと思っていました。ただ、この前石郷岡(大成、社4=東京・早実)とは、優勝なくなって、なんというか逆にスッキリしたなみたいなていうの話していて。なので、今思えば、ずっとリーグ戦を戦っていた時は、プレッシャーがあったのかなっていうのは思いますね。

――その意味では早慶戦はリラックスできるか
 そうですね、もう泣いても笑っても最後なので。このメンバーで野球をやるのも最後になりますし、僕としても早稲田のユニホームを着て野球をやりたいっていうのをずっと思ってやってきた中で、その最後の試合なのでそこは最後楽しんで、伸び伸びやって終わりたいなっていうのは思っています。

ここまでやってきたことに後悔はない

――早大野球部での4年間を振り返って
 この4年間はやっぱ自分の中ではすごい充実してたというか、自分の中でしっかり頑張ってこれたなっていうのは今一番思っていて。ドラフトでは指名されなかったんですけど、ここまでやってきたことに全く後悔はなくて、ずっとバットも振ってきたし、自分のやれることを4年間やってきたので、そこに対しての自信というか、やりきったという思いはすごくあります。

――この4年間の思い出は
 やっぱり首位打者を取ったシーズン(2024年春)が自分の中で一番いいシーズンだったので。自分の思ってることが全てこう、神宮で出せるっていう状態だったので、今までの努力が報われた瞬間というか、あのシーズンはすごく印象に残ってます。

――今シーズンは石郷岡選手には首位打者の可能性が残っています
 本当にすごいなと思ってますよ。ずっと練習も一緒にしてきたし、ずっとバッティングを見てるんですけど、3シーズンずっと3割打ってますし、自分も石郷岡のことは認めているので。最後、なんとか首位打者を取ってほしいなというのは思います。

――今季は黒﨑将太選手(文4=東京・国学院久我山)や松江一輝副将(人4=神奈川・桐光学園)など同期が活躍されています
 黒﨑とか松江とかって、多分他の大学にいれば絶対レギュラーだと思うし、実力がある中で、けど早稲田ではずっと出れてなくてっていう状況の中で、ずっとすごい努力してたのを見てるので。みんなもあいつらは出たら打つって思っていたので、その中でしっかり打つっていうのは、本当にすごいなって思います。

(早稲田の)泥臭いところが好き

――早慶戦への思い入れはありますか
 どんな試合よりも、やっぱり早慶戦が一番なので。盛り上がりもそうですし、あの雰囲気っていうのは多分何にも変えられないと思うので、最後の最後まで自分が試合に出て戦えるっていうのはすごい幸せなことだなって思います。

――尾瀬選手は早大に憧れたということですが、早大の好きなところはどんなところでしょうか
 泥臭いところが好きですね。華やかにっていうよりかは、とにかく泥んこになって、必死に全力疾走して、ヘッドスライディングして、ドロドロになって。打席の中でも粘って、フォアボール取って、デッドボール取ってみたいな。守備でも、ピンチを作ってもファインプレーが出たり、なんとか粘ってという中で、こう勝ちを取りに行くっていう、泥臭く執念でやってる野球が好きです。

――早慶戦でのご自身の注目ポイントを教えてください
 早稲田のユニホームを着て野球をやるのはもう最後なので、どのシーンにも注目してほしいです。

――早慶戦での目標はありますか
 最後勝って終わるっていうのはもちろんなんですけど、個人的にはまだ100安打を達成できてないんで。あと2本なんですけど、そこは最後に達成できるように今も練習しているんで。この練習の成果を出して、100安打達成して終わりたいなっていうのは思っています。

――チームで注目する選手は
 椎名(丈、教4=東京・早大学院)と清宮(福太郎、社4=東京・早実)ですね。この2人は同じ4年生外野手で、ずっと一緒にやってきていて、あんまり出場する機会はないんですけど、よく練習する選手です。まだこの2人は神宮でヒットを打ってないと思うんで、最後なんとか試合に出て、出れたらきっと打ってくれると思うので。そこに注目してほしいなと思います。

――最後に早慶戦への意気込みをお願いします
 何回も言うんですけど、早稲田のユニホームを着て戦うのはもう最後なので。この最高の早慶戦っていう舞台で、全力で思い切って楽しんでやりたいなと思います。

ーーありがとうございました!

(取材、編集 西本和宏)

◆尾瀬雄大(おせ・ゆうだい)
2003(平15)年8月14日生まれ。172センチ、77キロ。東京都・帝京高出身。スポーツ科学部4年。リーグ戦では「ヒットを打つとほっとした」とガッツポーズは控えめだった尾瀬選手。早慶戦でのはつらつとしたプレーに注目です。

※写真は早スポ野球班のインスタグラムでもご覧いただけます。

※野球部クラウドファンディングページはこちらから