ーー白井さんは楽団からの主務そして女性主務という異例の登用ですが、プレッシャーや不安などはなかったのですか
白井 1個上の方と役職面談する時に「もう本当に大変だよ」というようなことを何回も言われた分、覚悟ができたというか。あれだけ言ってもらった分、思ってたよりは意外といけるなという感じでやることができました。それこそ豊島悠代表委員主将兼連盟常任委員(教4=神奈川・桐蔭学園)とか3年生が助けてくれるところも大きいんですけど。なんとかなるかなって言う感じですね。

6月に行われた『六旗の下に』での白井(写真中央)(井口瞳撮影)
ーーこの役職をやる中で心掛けていることを教えてください
竹内 チアに関しては練習の環境とかを良くしたいなっていつも思っていて。4年生になるとできることもあるので、例えば3年生までに自分が感じていたクーラーが必要だなとか、もっと広い場所で練習できたらなとか、そういうのを少しでも叶えられるように動きました。3年生までの間、気になる点ををメモしていたので、それを4年目になり行動に移せることがうれしくてやってます。小さなことでも皆がなるべくより良い環境でできたらいいなと思って頑張ってます。
白井 風通し良くというか。外部に迷惑かけるくらいならこっちに相談してって感じなので。3年生とはちゃんと連絡取るようにしていて、「どうしたらいいですか」みたいな質問もしてくるようになって。連携が大事だと思います。3年生も仕事早い子が多いので助かってるというか、何事もサクサク進めたいので(笑)かなり前もって動くようにしてるよね
竹内 全てを早めに取り掛かるようにしてますし、白井はめっちゃ丁寧なんですよ説明が。私はまず一度、自分で考えてみてほしいタイプなので、そこまで説明し過ぎない方が良いかもって思う時もありますが(笑)
白井 お互いね。 松下 ちょうどいい塩梅をね。
白井 去年の例をすぐ送りたくなるんだよね。
竹内 それは多分、楽団とチアの違いもあるかな。チアは質問する前に自分で考えてみたいなところを新人時代から教わってきたので、それの違いだと思います。
松下 育ちの違いか(笑)
白井 融合しながらね、ちょうどいいところでやってる。
松下 仕事については2人が言ってくれたところなんですけど。3年生で主務部門の仕事をし始めてから外部の方との関わりが急に増えたっていうのがあって。その応援部を応援してくださるOB・OGの方々の声を直接聞ける窓口が主務部門で。この部門の特権かなと思っていて、そのような励ましのお言葉を部員全員に共有してあげるっていうところも重要で仕事かなと思っています。
4年間を振り返って
ーー応援部に入った経緯を教えてください
竹内 私は高校1年生の時に出身の愛知県のナゴヤドームで開催された全早慶戦を観に行ったことがきっかけですね。それを見てめっちゃ楽しそうだ、入りたいと思って、早稲田大学を目指し、応援部に入りました。なので他のものも見てなくて応援部一筋だったので、もう入って辛いことがあっても前向きにやって来れました。
松下 (早大)本庄って高校1年生で春に早慶戦を観にくるんですよ。それで初めて観たのが印象的で、コロナで高校の時に十分に野球応援をできなかったのが悔いがあって。大学でできる応援部というのと、中学から吹奏楽を続ける中でマーチングをやってみたいなっていう思いがあって、大学から新しいこともできて吹奏楽を継続できるのが応援部だったので。
竹内 知らなかった。
白井 何かでもらった法学部のパンフレットに2個上と3個上の法学部で応援部の吹奏楽団だった方が載ってらして。1日紹介みたいなページに載っていらっしゃって、そこで応援部を知った感じなので、別に応援部のステージとかは入学してから見た感じなんですけど、入学前から漠然と憧れていて。早稲田に入ってから新歓ステージを見て、直感というか、ここに決めようと思って入りました。中学の吹奏楽部がすごい厳しくて、色々厳しい3年間をみっちり送ってきてたので、私も辞めたいとかならずにここまで乗り切ってきた気がします。瑛も強いタイプだよね?
松下 私は平坦に生きてるタイプ(笑)常に程よい感じで。

対談中の3人
ーー実際に入部してみてどうでしたか
竹内 厳しいのは承知の上だったのですが、上級生の方と同じ車両に乗らないとか、横断歩道の反対側に挨拶するとか、そこまでとは思っていなくて驚きも多かったです。けれど、徹底していて、なんて面白んだと。私も平然とやってきたというか、自分に負けたくないし辞めるのは嫌だなと思って続けて来られたって感じかな。
松下 最初はギャップがありましたね。流石に挨拶をあんなに本気でやるんだっていう。異文化体験みたいな感じだと思って、なんとかやってこれた(笑)
竹内 私も、そんな自分を自分で楽しむ部分もありました(笑)
白井 私は何も応援部のことを下調べせずに入ったので、説明を受けた時からそういうものだと思ってやってました。本当に中学の吹奏楽部で同じように挨拶とかしてたので。変だなと思うことはあったりもしますけど、全然辞めたいとかはなかったですね。
ーー3年の補佐の時期についてはいかがですか
白井 私は凄く楽しくて。仕事が凄く多くて、応援部は基本、3年生がなんでもかんでも企画したりとか準備して、4年生がゴーサインぐらいの感じなので。私は結構学対補佐でグッズ作ったりとか、応援企画補佐もやってたりとか、いろんなことやらせてもらって。自分が今までやってみたかった企画ができたり、広報とかもやってたので、なんかやってみたかったことが形にできるみたいなのがすごい楽しくて。それまでも自分なりには楽しくやってたんですけど、今思えば3年生になってから、どんどんやりがいが感じられるようになってきて、主体的に部活に臨めるようになったかなと私は思ってます。
松下 うん、楽しかった楽しかった。主務補佐と副務と、演奏会広報補佐をそれぞれ主務部門通年で、演奏会広報補佐も通年でやってたんですけど。実際、その2つが中心の補佐時代でした。主務部門は外部の人と初めて関わる機会で、メールを送るのも初めての時は、なんか怖すぎて。演奏会の方は、それこそポスターとかパンフレットとか、自分たちでアイデアを出して、それを形にしてっていう過程がすごいやりがい大きかったなという風に思ってて。やっぱ3年生のそういう発信力みたいなものは応援部ですごい重要になってくるかなと思っているので、やりがいのある年だったと思っています。4年生も楽しいけどね。
竹内 3年生はとにかく楽しくて、前期連盟補佐だったので六大学の同期と関わりが増えたことも楽しかったですね。あと主務部門になって、外部の方々とのビジネス的なメールのやり取りや、会話の仕方を学ぶことができたのも、自身の成長になりました。また3年生になると急に3パートで、4年生と少し距離が近くなるというのがうれしくて、上級生のことがすごく好きなので(笑)距離が近くなって話を聞いてもらえるようになったのは、3年生のうれしかったことかなと思います。
ーー4年間で最も印象的だったことは何ですか
白井 いっぱいあるけど、私は去年の春の早慶戦で。初めて優勝というのを目の前で見られて。当時私は副務も学生動員対策補佐もやっていて、早慶戦に仕事が集中していたんですよ。めっちゃ準備してきて、実際に満員の球場でみんなで応援して、大雨の中すごく面白い試合展開で。優勝パレードは警備人員として、神宮から早稲田まで帰ってくるというのをやって、表方だったらもっと楽しかったかもしれないですけど、裏は裏で楽しくて。朝からずっと神宮にいて疲れてるはずなんですけど、お祭り騒ぎで器材を降ろして終電ギリギリで帰ったのが思い出かな。一つ言うなら。
竹内 去年のチアステかな。1個上が引退するっていうのがすごい悲しくてめっちゃ泣きましたし
一同 ずっと泣いてる(笑)
竹内 基本的に涙もろいんですけど、1個上がいなくなっちゃうんだっていうのと、3年間経って自分も最上級生になるのかという感慨深さからでした。1番感動したことですね。
松下 新人の時の定期演奏会かな。応援部1年間やって良かったわって思って、ここから最後まで続けなきゃなって思った記憶があって。最後のドリルステージで応援曲メドレーをやるんですよ毎年。その時に会場にいるお客さんがハリセンをバンバン叩いていて、本当に神宮球場みたいな感じだなっていう風に思って、それが応援部らしい演奏会だなと思ってすごい素敵でした。先輩とかいろんな方が来てくださって、現役のことを応援してくださってることが伝わって感動しました。今年の定演も絶対成功させなきゃなって思います。

昨年のチアリーディングステージ。写真内のチアリーダーズは現4年生(土橋俊介撮影)
ーー今年の代はどのような代ですか
竹内 主将は他の人の意見を聞いてくれますし、私たちも助けようという思いから、より仲は深まりました。3年生ぐらいの時から3パート助け合わなきゃという意識が芽生えてきて、それはいいとこだよね。平等でリーダー、楽団とも言い合えるのが私はうれしくて1番好きな代です。
白井 みんな豊島のことが大好きなんですよ。いい意味で、常に主将が中心にいるなと思ってて。彼のこだわりとか大切にしてることもあると思うんですけど、私たちの意見もしっかり聞いてくれるのでそこがいいなと。我ながら、めっちゃいい代だと思っています!
竹内 主将もわからないことがあったらすぐ頼って聞いてくれて。それがこっちとしてもうれしくって。本当に仲がいいんです。
松下 本当に主将を軸に一致団結っていうのが一番合っているかな。豊島を支えなきゃっていうのもそうだし、3パート平等に令和7年度執行委員として引っ張っていかなきゃなみたいな意識が全員あるのかなと思うので。いい代だなと思っています。
竹内 主将として決めるべきところはビシッと決めてくれて、一方で3パートの話し合いにも協力的です。、それが豊島の良いところであり、またこの代のいいところです。
ーーこの代が始まる前にそのような豊島さんの姿は想像できましたか
竹内 できないです。
白井 本当にどうなるんだろうって思ってたんですけど。変わったよね。ちゃんとやる時はやるというか。練習熱心ですし。いざ指揮台に立ったらめちゃくちゃかっこいいので、助かるなと。
竹内 豊島で良かったです。
白井 豊島で良かったよね。本当。
ーー豊島主将、これはオフレコの方がいいですか
豊島 いやもう載せて載せて。
白井 友情出演(笑)
松下 こういうキャラクターもいいんですよね。
ーー引退までの意気込みをお願いします
松下 あと2カ月くらいですけど、この4年間悔いないように、もうとにかくこの主務部門の仲間と下級生と一緒に無事に令和7年度を終われたらなと思ってるので、駆け抜けます。
竹内 あと少しで同期や下級生、部長先生はじめ監督、コーチの方々ともお別れしなので、たくさん愛を伝えて潔く立ち去ります。感謝の気持ちもちゃんと言葉で伝えたいです。
白井 本当に数カ月で終わるというのも全く実感ないですけど、終わっちゃうものは終わっちゃうので悔いなく、もっと応援部が良くなっていくために最大限できることはして去りたいなと思っています。自分も悔いなく終わりたいですし、部にも可能な限り貢献したいなと思っているのであと数カ月頑張ります。
ーーありがとうございました!
(取材・編集 土橋俊介、写真 井口瞳)

写真は早スポ応援班の公式Instagramからもご覧いただけます。
◆白井綾乃(しらい・あやの)
埼玉県・淑徳与野高出身。法学部4年。代表委員主務。好きな応援曲は『暁』。綺麗な空を見ることが好きで、引退後は自然いっぱいの所に行きたいとのこと。定期演奏会では演奏位置がお客さんに近いため、色々な人と目が合えばうれしいそうです!
◆松下瑛(まつした・はな)
埼玉県・早大本庄高出身。政治経済学部4年。吹奏楽団主務兼演奏会広報責任者。好きな応援曲は『暴れん坊早稲田』。最近のブームは劇団四季の鑑賞とのことで、会員になったとのこと。定期演奏会では演奏会広報責任者としてパンフレットに注目して欲しいそうです!
◆竹内空(たけうち・そら)
愛知県・千種高出身。文化構想学部4年。チアリーダーズ主務。好きな曲は『得点校歌』。最近は夜に散歩することがブームとのこと。チアステ当日にはダンスメドレーで行う「とくべチュ」なアイドル姿に注目です!