【連載】応援部 早慶戦直前特集第4回 応援企画補佐対談

特集中面

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 早慶戦直前特集第4回に登場するのは応援企画補佐。応援企画部門の核を担う彼らに応援への思いや取り組みについて伺った。(スケジュール等の都合により、6人での対談となります。)

写真に収まる6人。左から森、小林、山口、武本、徳村、齋藤

ーー自己紹介をお願いします

武本 リーダー3年の武本啓良です。東京都・私立早稲田実業高校出身で社会科学部です。

山口 リーダー3年政治経済学部3年の山口和真です。出身校は東京都私立早稲田大学高等学院です。

小林 吹奏楽団3年文化構想学部3年の小林香凜です。出身は神奈川県私立桐光学園高等学校です。

徳村 吹奏楽団3年徳村咲希です。法学部で出身は埼玉県私立淑徳与野高等学校です。

 チアリーダーズ3年スポーツ科学部3年の森祐香です。出身校は愛知県私立南山高等学校女子部です。

齋藤 チアリーダーズ3年の齋藤愛衣です。人間科学部で出身校は茨城県立竜ヶ崎第一高等学校です。

ーーみなさんで1人ずつの紹介をお願いします

武本 この人を紹介するみたいな感じね。

山口 武本は事務仕事が結構得意なんですけど、同期の中で一番ユーモアがあってそういうギャップが非常にいいと思います。

徳村 私は今新人と関わる役職に就いてるんですけど、新人から結構人気ある感じですね。

小林 山口は前期も同じ役職に就いていたんですけど、頼りにしてます。

武本 3パートの中で調整役をやってくれてるといった感じですかね。僕は割と自分のパートばっかりになるんですけど、彼は他パートとの連携とかもやってくれてて、そういうところは信頼してますね。

徳村 (小林は)私は入部した時から仲良くしてるのですが、結構天真爛漫な感じですかね。

山口 さっき小林が言ってたように、前期も同じ役職だったんですけど、言いにくいことを割と言えるタイプなのは一緒にやっていて助かりました。

武本 よく部室にいるのでうれしいですそれは。あまり部室にいないんですよ、チアとかバンドの部員って。そういう中で数少ない来てくれる子なので。

小林 さっきも2時間くらい昼寝してました(笑)

齋藤 (徳村は)本当に仕事やってくれる。ほとんどやってくれる。頭上がらないですね。

武本 よく喋る人かな(笑)

小林 法学部なのにちゃんと両立していて、そこは1年生の時から変わらなくて凄いなって思います。

武本 リーダーに優しくしてくれる数少ない人ですかね。

徳村 森は各地に応援で飛んでるイメージ。

武本 凄いキャリアを歩んでる(笑)今度も出雲駅伝行くみたいなんですけど、そういう大きいのに飛び込んでいく感じで凄いなと思います。

齋藤 森の家は綺麗。

武本 齋藤とは前期に同じ補佐役職をやっていて。強く熱意を感じる子ではないけど、しれっと業務をやってくれてることが多くて。お願いしようとすると「もうやってるよ」みたいな。そういうところは気が利くなというか尊敬してます。

徳村 器用なイメージですね。

対談中の様子

応援企画補佐とは?

ーー応援企画補佐という役職についての紹介をお願いします

山口 応援部が応援活動と、あとはステージや渉外活動とかの2種類があって、そのうちの野球とかサッカーとかラクロスとか色々なスポーツの応援をするときの下級生のまとめ役だったり、4年生の責任者の補佐をするっていうのが3年生の応援企画補佐の役割かなと思っています。

武本 実際に何をやるかっていうのは、1個の応援活動の全体を仕切る当番って言われる人を3パートから1人ずつ3年生で出すんですけど(これは毎回応援企画部門からとは限らない)、その当番の部内資料が滞りなくできているかとかを見たりします。あとは応援活動を終えて今日の応援がどうだったみたいなことを話し合うときは応援企画責任者と応援企画補佐とその日の当番の人間で話し合ったりしています。何かの応援がある度に応援企画補佐は関わっているというイメージです。

ーー応援企画補佐に就いたさまざまな経緯を教えてください

武本 前期は割と色んな補佐をやっていたんですけど、裏方がメインで。事務作業は割と好きなのでそういうものを前期にやっていたんですけど、応援部って応援する部活なので、応援部に入った以上は応援活動に携わりたいというか。応援部には応援企画部門っていうのがせっかくあるので。神宮なり他の応援なりに関わりたいなと思って志望しましたね。

山口 武本が言った通りで。応援部やるからには応援に関わりたいっていうのがありますし、早慶戦とか前期の箱根駅伝とかの大きいイベントの時は応援企画補佐が当番を担当するので、応援部のルーツにも関わるような大事なイベントの応援を中心となってやりたいなっていうのはあります。

小林 私は前期に副指揮という役職に就いていて、それは神宮などでの応援活動を音楽面から支える役職でした。その中でやはり応援企画部門との関わりもあって、応援を作っている部門は応援部にいる以上憧れだと感じたし、前期の応援企画補佐を凄く尊敬していて自分も前期のように、いい応援作れる人間になりたいなと思って志望しました。

徳村 私は応援が好きだったので、もともと応援に関わる役職をやりたいなっていう思いがありました。前期が終わって後期に何をしたいか考えたときに、私が応援部を辞めようと思っていた時期に今の応援企画責任者の方が止めてくれたということもあって、その人と一緒に活動したいなと思ったことも、1つの理由になりました。

 私も同じ感じですが、応援が好きで。スポーツ科学部ということもあって、体育各部に友人が多いので、友人を応援することがすごく楽しくて部活を続けるモチベーションになっていたので、その応援に携わる役職をやりたいなと思って志望しました。

齋藤 正直私は裏方の方が得意だなということは自分でもわかっていたのですが、今となっては(早慶戦で)指揮台で踊ることが結構モチベーションになっています。今も試験とか受けているのですが、この役職でやりたいことは当番として指揮台で踊りたいなという感じです。

質問に答える齋藤

ーー実際に球場で応援を行う際にどのような心構えでいますか

武本 野球以外の応援は大体3年生が当番として回すことが多いです。でも野球だと応援曲のサインを出すのは4年生なので、自分は実際に応援曲が流れているのを見て「こういう時にこの曲を出すのか」とか、もし自分ならどうするかとかを考えている時もある、本当にたくさんのことを学ばせてもらっています。

山口 野球応援において僕らができることは守備回を仕切ることなので、流れやテンポ、声の出しやすいコールなどを色々考えながらやってます。

小林 私は前期に副指揮だったこともあって、吹奏楽団はいかに安定した演奏ができるのかということが大事だなと思っています。吹奏楽団は今年30年ぶりにコンクールで金賞を取れたので、音楽団体としての技術が向上している中で、立ちながらの応援やアクションも行う野球の応援をする時に、観客の方と選手の方を繋ぐように音を綺麗に遠くまで飛ばすというのがどうやったらできるかということは考えています。

徳村 吹奏楽団は楽器の演奏などを頑張りたくて入ってきた子が割と多い中で、そのような子たちにも応援を楽しんで欲しいというふうに思っているので、まずは自分から楽しむ姿勢を見せて、みんなで楽しめたらいいなと思っています。

 最近は下級生が動けているかというのを気に掛けるようにはなりました。サイン伝達の役割を持つバクセンがちゃんと回っているかだとか、パネルの準備が全ての台ができているか。場内応援を下級生が滞りなく回れているかなど、適宜声がけをするようには意識しています。

齋藤 同じ。同じで。

ーー(前期も含めて)3年生になって急に部を回す立場になったことで何か変化はありましたか

武本 2年生から3年生になった時の差は、部員に上がった時よりすごく大きくて。今は部門で動いていて、4年生の下に3年生がくっつく形で動いているから、3年生が応援部の中核なんだなということをひしひしと感じました。

山口 2年生は言われたことをやる学年という側面が強いと思うのですが、3年生になってもそういう部分はあるけれども、4年生の方針を汲み取って、そこから次をどう持っていくかは僕たちに任されています。考えることは多かったし大変だけれども、自分で考えてできるというのは結構楽しいところかなと思います。

小林 言ってしまえば、ただ単に楽しんで活動することはできなくなりました。それは考えなければならないことが色々増えて、ただ楽しんでいるだけじゃ済まないようになったということなので寂しい気持ちになった時もありました。けれども、その新人と2年生との時に楽しんで活動できたことが、今運営する立場になって活きていることもあるのかなと思っています。あとは、自分が色々考えて下級生に指示を出したことが形になって、下級生が応えようと頑張ってくれている姿を見ると、報われたような気持ちになりました。

徳村 それまで「ここをこうしたい」とか考えていたことを、今実際に形にできたり意見できたりする機会は多くある分、それを体現するためにどうしたらいいかを考えることが多くなりました。それは大変だった分、自分のやりたいことが形になった時にすごい達成感がありました。

齋藤 2年生の時に見ていた応援部と、3年生になってから見る応援部は全然違うなと感じていて。2年生の時は上辺だけ見ていたのが、3年生になって組織の根本の部分とか、OB OGの方とか、外部の方とか関係がすごく広がったことで、情報が多すぎて戸惑っていましたね。今はもう慣れてきて、結構楽しいです。

ーー応援企画部門全体の雰囲気はいかがですか

武本 部門の直属の責任者ということではないですが、主将(豊島悠代表委員主将、教4=神奈川・桐蔭学園)は野球応援の後に言ってくださるちょっとしたフィードバックがすごく刺さりますね。

山口 この前の法政戦とかは豊島さんの意見が強く反映された応援で、非常に楽しかったし、リーダーとしてはすごく好きな応援でした。応援企画部門でいうと、僕らが見ている景色と責任者が見ている景色はおそらく違っていると思うので、同じ企画に対しても受け止め方はそれぞれ違ってくると思います。必ずしも意見が一致するとは限らない中で、お互いを慮ってやるのが大事なのかなと思います。

徳村 吹奏楽団でいうと、小﨑さん(小﨑塁副将兼応援企画責任者、社4=埼玉・県立浦和)は役職発表の前日に小林と一緒にご飯に連れて行ってもらったりしていただきました。

小林 私も徳村も応援企画部門に入る前からお世話になっていたので、信頼関係の上で成り立っているかなと思います。

齋藤 朝日さん(朝日里咲応援企画責任者、教4=東京・吉祥女子)は絶対大変なのに、色々しっかり見てくださっていて。

 齋藤が昨日私の家に泊まりに来たんですけど、夜中に責任者が朝日さんでよかったねっていう話をしていました。朝日さんがいるから楽しいよね。

山口 応援に関する熱意が非常に高い2人なので、応援を成功させたいというところで(応援企画部門全体で)同じ方向を見ていると思います。

応援活動について熱意を持って語る山口

ーー夏合宿の練習はどうでしたか

武本 それこそすぐ東大戦だったので、秋の野球応援をどうしていくのかの確認と練習という感じでした。総合練習は我々が仕切って、「後期はこういうことをやります」ということやる時間があって。そこは合宿前からすごく話し合って、力を入れていました。『呼びかけコール』は部員も全然知らなかったのですが、なんとか説明してなんとか形にして東大戦に向かった感じです。

齋藤 練習の中で反省点は多く見つかったと思います。

小林 やりたいことは全部やった上で、色々見えてきたものがあって収穫が多かったです。

山口 後期になって最初の大きな仕事が合宿の総合練習で。最初だから試したいこともたくさんあったのですが、すぐリーグ戦が迫っているから、ちゃんと形にそこでしないといけないというところがあったので、チャレンジとクオリティの両立が非常に大変だった記憶があります。

今後に向けて

ーーこの早慶戦で注目してほしい部分はありますか

 先ほどからお話しが出ている、秋から新たに始めたシェイクコールとかで、戦況に合わせた応援を形になりつつあります。そこを早慶戦に向けて磨き上げていけたらと思うので、そこに注目してほしいです。

徳村 今あった通り、後期取り入れたことを形にするのと、吹奏楽団で言えばコンクールでせっかく良い賞をとれたので応援でも音で引っ張れるように頑張りたいなと思います。

山口 結局僕らは色々新しいコールを入れたりして考えて応援しているわけではあるのですが、結局リーダーとしては最後の気持ちの部分も大事だと思います。この秋にかける気迫が僕らの見せ所だと思いますし、僕らが考えてきた応援に息を吹き込むのは結局そういう部分だと思うので、そういうところも含めて仕上がった応援を見てもらえたらと思います。

ーー観客の方に伝えたいことはありますか

小林 まず声を出してくださればうれしいです。我々がアプローチすることに対してよくわからなくても、まずは一緒に声を出して、ハリセンを叩いていただければなと思います。そうすれば、よくわからなくても早稲田の応援席の一員になれると思うので、まず楽しんでもらいたいなというのが願いです。

徳村 文言を戦況に応じて変えたことに関しては、台で文字を掲げているのでそこに注目してくれたらありがたいです。

ーー3年生残りの期間の意気込みを教えてください

齋藤 3年生になって運営に携わるようになったり、まとめる立場になったりしたので、より部員がまず盛り上がれるような応援にしたいなと思うので頑張ります。

 今の4年生と早慶戦で演技ができるのは今回が最後なので、その演技の完成度を高めることに力を入れていきたいなと思うのと、本番を成功させるために準備を頑張ります。

徳村 3年生になって、応援部の外の人と関わる機会が増えて、応援の依頼や渉外の依頼をくださることは当たり前じゃないということをすごく感じること多いので、この環境に感謝して最後まで頑張りたいと思います。

小林 今まで2回上級生の卒部を見送ってきたのですが、今回は1番長くお世話になった先輩の方々が最後の早慶戦やステージを迎える中で、感謝の気持ちを持っています。そして私たちがそれを引き継いで頑張っていきたいです。加えて体育各部の引退を迎える選手の方々に今までの感謝を伝えることができるように頑張りたいです。

山口 色々3年生になって考えることも増えたりしましたが、結局最後に人を動かすのは僕らが全力でやってる姿だと思うので、目の前のことを一生懸命に最後やり切りたいなと思います。

武本 3年生が応援部の中核というのはある中で、最後の下級生生活として応援や活動に全力を注ぎたいです。

(取材・編集 土橋俊介、写真 井口瞳)

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◆武本啓良(たけもと・あきら)

東京都・早実高出身。リーダー3年。最近のブームは色々な髪型を調べること。この1年様々な髪型にした中で、秋の早慶戦でどのような髪型に辿り着いたのか注目です!

◆山口和真(やまぐち・かずま)

東京都・早大学院高出身。リーダー3年。試合の日の昼食はコンビニの赤飯にするのがルーティンだそうです!

◆小林香凜(こばやし・かりん)

神奈川県・桐光学園高出身。吹奏楽団3年。神宮球場へ行く時のカバンは3個上の卒業生のものを使っているそうです。

◆徳村咲希(とくむら・さき)

埼玉県・淑徳与野高出身。吹奏楽団3年。試合後によく麻辣担を食べに行くそうです!極力安く美味しく食べる方法を探しているとのこと。

◆齋藤愛衣(さいとう・あい)

茨城県・竜ヶ崎第一高出身。チアリーダーズ3年。たくさんのサブスクリプションに加入している齋藤さんは、映画を見ることが趣味とのことです。

◆森祐香(もり・ゆうか)

愛知県・南山高出身。チアリーダーズ3年。ドラマと映画を観ることが好きで、今年1年間でドラマを20本、映画を50本を観ることを目標にしているそうです。