【連載】ラグビー部 対抗戦開幕特集『Challengers』 第3回 FL田中勇成×FL萩原武大×FL粟飯原謙

特集中面

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 対抗戦開幕対談は早くも折り返し。今回は早大の中でも特に競争が激しいFLでしのぎを削る3名。FL田中勇成(教4=東京・早実)、FL萩原武大(スポ4=茨城・茗渓学園)、FL粟飯原謙(スポ4=神奈川・桐蔭学園)、それぞれのラグビーへのこだわりや、ラストイヤーの覚悟に加え、夏合宿での思い出エピソードなど様々なことを語っていただきました!

※この対談は9月19日に行われたものです。

ーーまずは左隣の方の他己紹介をお願いします

田中 萩原くんです。寮長をやってくれているので、グラウンド外のことを4年生としてまとめてくれています。普段は穏やかですが、グラウンドに入るとすごく変わって闘争心溢れるプレーを見せてくれる選手です。

粟飯原 ありがとうぐらい言ったら?

萩原 あ、ありがとうございます(笑)。

一同 (笑)。

萩原 粟飯原謙です。彼は切れ物というイメージで、頭の回転も早いですし、グラウンドでも4年生として、リーダーとしてFWを一番引っ張っていってくれているので、本当に頼りになる存在だなと思っています。

粟飯原 ありがとう。田中勇成くんです。バイスキャプテンをやっていて、身長158センチメートル。

田中 いや、166センチね?(笑)

粟飯原 もう少し大きいみたいです。彼は良い意味で不器用というか。口が達者ではない分、プレーで引っ張ってくれる存在なので、そういったところに無意識に惹かれていくプレーヤーも多くて。そういうところでチーム内外問わず、いろんな人を魅了してくれるのかなと思います。

田中 ありがとう!

粟飯原 いらないです(笑)。

ーーそれぞれのラグビーの強みとして何を挙げられますか

粟飯原
 萩原くんの強みは、良い意味で癖者というか。相手が思い通りにいかないきっかけのプレーをしてくれるので、対戦相手にいるとけっこう嫌だなと思います。プレー自体もいろいろなポジションができますし、そういった意味でもどのタイミングでも上のチームで絡んでくる存在なので、バックローとしてもこの器用さを持って、層を厚くするには良い見本なのかなと思っています。田中勇成くんは、ディフェンスリーダーとしてチームを引っ張ってきてくれているというのがあって。このサイズというのを言い訳にしないように、プレー一つ一つを泥臭くやっている姿が彼の一番の強みかなと思います。

萩原 粟飯原は、BKもできるぐらい身体能力が高いです。けれど身体能力だけじゃなくてちゃんとラグビーIQも高いですし、自分がどこまでプレーできて、それ以上は無理なのかをちゃんと分かっているので、自分を100パーセント引き出すのがすごく上手だなと思っています。僕がなりたくてもなれないようなタイプの選手なので、同じポジションとして憧れるというか、嫉妬する部分もあります。

粟飯原 (嫉妬するのは)お前だけじゃないよ。みんなする。

田中 嫉妬するんだ(笑)。

萩原 するよー、あれだけのプレーして(笑)。田中は副キャプテンとしてチームを引っ張ってくれているのもそうですし、同じポジションで見たら身体が大きいわけではないですけど、それを補うぐらいのワークレートの高さであったりとか、コンタクトの速さだったりとか、見てて本当にすごいなと思いますし、自分も負けちゃいけない部分だなと思います。

田中 はぎは、死んでも死んでも生き返ってくるようなプレースタイルで。試合中もボロボロなのにまだやれるんだって思わせてくれるようなプレーヤーなので、みんなに勇気を与えてくれる存在だなと思っています。謙は本当に僕と真反対で、僕にないものを全て持っているような才能ある選手なので、それが上手くハマってお互いに良い所が出せればなと思っています。

粟飯原 俺のことそんな褒めたくないんでしょ(笑)。

田中 嫉妬しちゃうから?(笑) 逆にもう切り離せるぐらい自分とは正反対の選手だなと思います。

対抗戦・日体大戦にステップを踏むFL田中(撮影:村上結太)

ーーお互いに尊敬できるところは

田中 常に楽しませてくれるよね、謙は。

萩原 ムードメーカー的な役割だよね。

田中 ずっとふざけていられるのがすごいというか。頭が良いからずっといろんなボケをしてて、それで盛り上げてくれますね。

粟飯原 なんか2人にまとめられた感じがするんだけど(笑)。

萩原 じゃあプラスで言うと、やる時はちゃんとやる男だなと思います。ラグビーではFWをまとめてくれてますし、オンとオフの切り替えが素晴らしいですね。

粟飯原 萩原くんは、一言で言えば穏やかで。グラウンド内外で落差がすごくて、本当に別人です。確かに僕もある程度は切り替えるんですけど、メンタリティー的には比較的落ち着いてるというか、基本同じテンションでやっていて。けれど萩原くんは、スイッチが入るとバチっと決まっちゃうので、本当に一番熱くなった時は恐れ多いというか。

田中 誰にも止められなくなるね(笑)。

粟飯原 本当に半径1メートル以内には近づきたくないです。

萩原 なんでだよ(笑)。

粟飯原 でも少し優しすぎるところもあるので、そこが良いところでもあり、多少仇になっている部分もあるかなと思います。まあそこは本人に委ねます(笑)。

一同 (笑)。

粟飯原 田中勇成は、人間性としては本当に熱いプレーヤーで、そこは多分高校生の時から変わっていなくて。本人はいろいろなコンプレックスとかも持っていると思うんですけど、そこを払拭するために身体が大きい相手に突っ込んでいったりとか、良い意味で自分にプライドを持っているような。それをFW全体に伝播して、早稲田のプライド=田中勇成のプライドみたいなところに近づければ、きっとどんなビハインドの状況でも早稲田のラグビーというのは続けられると思うので、本当に早稲田ラグビーを体現してくれるようなプレーヤーです。

萩原 田中についてまだ言ってなかったんですけど、

粟飯原 いいんちゃう?言わなくて(笑)。

田中 俺もはぎのことあんまり言ってないけど、いいか(笑)。

粟飯原 お互い似ている部分は結構ありますね。

田中 確かに似てるよね。

粟飯原 私生活では人より早めに就寝しますし、プレーヤーとしての自分を一番大事にしているというか。確かに昨年よりも私生活の部分がセレクションで加味されているんですけど、あくまでも自分がラグビープレーヤーということを忘れずに私生活とラグビーを一貫して努めていて。そういった部分で共通してる2人ですね。まとめたよ今(笑)。

田中 ありがとう(笑)。

ジュニア選手権・明大B戦にてディフェンスに仕掛けるFL萩原

ーー反対に、ご自身が絶対にこの2人には負けないなと思うところはありますか

田中 えー難しいなあ。

萩原 じゃあ僕は立場的なものなんですけど、寮長をやっているので、寮内での気配りというのは意識的にやるようにしていて。そういう寮の問題だったり、良いところだったりは2人より絶対目についているし、気付けているかなと思います。

田中 情熱は負けたくないですね、ラグビーに対して。早稲田の中で自分が一番その熱さを体現しなくてはいけないなと思っています。

粟飯原 そうですね、負けてないところか。ありすぎる。

一同 (笑)。

粟飯原 比較的ボールを持って走る距離が長いので、ゲインする回数であったり、そこにコミットする力だったりというのは今まで自分が築き上げてきたもので。そういった部分はプライドを持って他の選手に負けないようにしていきたいなと思っています。

ーーラストイヤーとなった今年の春シーズン、これまでの3年間と何か変化はありましたか

田中 ラグビーとしてやっていることは変わっていないのですが、チームの絶対的なリーダーである佐藤健次(令7スポ卒=現埼玉WK)くんが昨年はいたけど、自分たちはそうじゃなくて。その分、全員でやっていくというか、4年生全員がリーダーシップを持ってやっていこうと始まった春シーズンだったなと思います。

萩原 僕自身、Aチームで試合に出させてもらってはいたんですけど、Bチームでの出場時間が長くて。そうなると4年生という立場もあって、チームを引っ張るとかそういった立ち回りが多くて、それは昨年なかったことなのかなと感じています。僕はあんまりチームを引っ張るのが得意ではなくて、どちらかというとサポートする方が得意かなと思っていたので、そこが一番難しかったですし、変わらなくてはいけない、成長しなくてはいけなかった春シーズンだったなと思います。

粟飯原 春シーズンはあまり試合に出ていなかったので、夏に意識的にしたことで言うと、FW全体を俯瞰して見ることですね。3年生までは好きなようにラグビーをさせてもらっていて、そういった面では責任感を持つ自覚があんまりなくて。熱くなったら一つの方向にガーっと集中するイメージだったんですけど、4年生になってチーム全体のマネジメントをしなくてはいけないですし、全員があがってしまっているような状況でも自分は落ち着いて周りを見て、チームの状況を判断していくのが重要だと考えていて。キャプテン、バイスキャプテンのサポートもそうですし、そういったところで自分が貢献できるといいなと思って、夏からはそういった切り替えで新しく努めています。

ーー新チームが始まってからそれぞれどのような思いで取り組み、どのような成長ができましたか

田中 僕はやっぱりずっと勝ち続けるチームを作りたかったので、内容も大事ですけど、結果にこだわっていきたいという中でスタートして。春は最後、帝京大には勝ちましたが、天理大、明大と結果が出ず、勝ち癖はつけられなかったなと思います。けれど負けた後の修正力だったり、負けている時やミスが続いている時のリーダーシップの取り方だったりを学べたので、秋に生かせることがいっぱいあったなと思います。

萩原 昨シーズンを振り返って、やっぱり試合に出られないまま終わったというのが一番悔しくて。それを強く持って臨んだのが今年の春シーズンだったので、プレーにおいては、がむしゃらにやってきて。それでもやっぱり自分の実力でAチームに上がったというより、ケガ人が出て穴埋めの形で上がったなという風に感じているので、成長よりも悔しさの方が強かった春シーズンでした。あえて成長を挙げるとしたら、やっぱりグラウンド外のことも見なくてはいけなくなったので、グラウンド内外のことを視野広く、落ち着いて見られるようになってきた春シーズンだったなと思います。

粟飯原 昨年はケガをして、プレーヤーとしてチームに貢献できる時間が少なくて。ラストイヤーに向けて良い意味でブランクが空いて、そのケガがあったからこそ自分に向き合う時間も増えましたし、チーム全体のこともやっていこうと思えるようになりました。あと、昨年の主将は高校時代からの同期だったので、そういった奴らへの敵討というか、同期の仇を討ちたいというのが一番念頭にあって。それは結果的に優勝することにつながってくると思うんですけど、そういった思いを持って春シーズンが始まりました。成長したところは、あんまりないですね。良い意味で成長してないです!良い意味で(笑)。

ーーチームとしてはこの春シーズン、どのような成長を遂げられましたか

田中 春の帝京大戦前は特に、個人でやりたいプレーをしているというか、なかなかチームになりきれない時期が続いていて。天理大、明大に負けて、やっぱりチームとしてやるべきことをやろうという声かけが増えた結果、最後に帝京大にあのような形で勝てて。春から夏にかけて、チームとして何がしたいのか、個人プレーに走らず、チームとしてどういうラグビーをしてどういう勝ち方をしたいのかというのが徐々に浸透してきたのかなと感じています。

萩原 佐藤健次さんという強烈なリーダーがいた昨年とは違って、今年はそれほど強いリーダーシップを持った選手がいなくて。その分、春シーズンから今に至るまで4年生がけっこうミーティングもしてますし、リーダーシップも成長が見られて田中が言ったようなチームの成長にもつながったかなと思います。

粟飯原 僕も同じで、キャプテンシーがあるプレーヤーが今年はいない分、それこそ15人、23人、そして150人超える部員全員で戦っていかなくてはいけない。タレントがいない分、一人一人がリーダーシップを持っていかなくてはいけないので、そういったところでは春からここまでで、委員会をはじめとする4年生が良いリーダーシップを取って部をまとめあげてくれているので、それ以外の4年生のメンバーも非常に助かっているというか、そういった部分で春より成長できているかなと思います。

対抗戦・日体大戦にてスクラムからボールを持ち出すNO・8粟飯原

ーー天理大、明大に負けていた中で、最後に帝京大に勝てた率直な思いをお聞かせください

田中 僕は嬉しかったですけど、ここで満足しちゃだめだなという思いがみんなよりは強かったのかなというのはあって。やっぱり結局優勝しないと本当に意味がないというのを昨年気付かされたので、ここからまだ長い道のりがありますが、優勝するまでは満足できない、頑張っていかなくてはいけないとは思いました。ですけど、2回負けてから立て直せたというのはチームの成長をすごく実感した試合でもありました。

萩原 純粋に嬉しかったです。やっぱり3連敗して春シーズン終わるのと、一定の成果を残して終わるのとでは、その後のチームの自信やモチベーション、自分たちがやっていることに対しての気持ちの持ち方も違うと思うので、あの帝京大に対して勝って終われたというのは嬉しかったですし、良かったことだなと感じました。

粟飯原 僕も嬉しかったです。確かに先を見なくてはいけないというのもありますが、その場その場の勝利に対して全力で喜んじゃうタイプなので、率直に喜んでましたね。

ーーラストイヤーの夏合宿はどのような意識で臨みましたか

田中 今は寮生50人ぐらいとしか一緒に生活できてないですけど、合宿では全員と同じ空間に居ていろんな話ができますし、よりラグビーに集中できる環境なので、ここで一段階、二段階成長したいという気持ちと、最後なので後悔しないようにしようという気持ちがありました。

萩原 夏合宿は常にラグビーに集中できる時間で、ここから秋シーズンに向けてもちろん大事なアピールの場面にもなりますし、僕はBチームなので上がるしかないという中で貴重なチャンスだと思っていたので、きついですけど、やれることはやり切ろうと思って過ごしていました。

粟飯原 ラストイヤーだからどうということもあまりなくて、正直どこと試合するかもあまり分かってないぐらいで(笑)。それぐらいラフな気持ちでいたので、特に1〜3年生の時と何ら変わらずに同じ意識で臨めたというのは良いことでしたね。

ーー印象に残っているゲームや瞬間はありますか

田中 僕は試合ではないんですけど、グラウンド外でチームがまとまり切れないというのがあって、そこでグラウンド外のことについて委員会で話し合ったことですね。みんなが思っていることを言い合って、やっぱり今年はグラウンド内だけではなくてグラウンド外も大切にしていく、それが絶対グラウンド内にも表れてくるというので話し合いが始まって。率直な意見を委員会で話し合ったというのが自分の中では印象に残ってますね。

萩原 自分も正直試合が2試合だけでどちらも負けてしまったというのもあるので、印象に残っていたことで言うと、同じですね。なかなかあそこまでグラウンド外のことについて長時間、委員会で話したこともなかったので、良い機会でしたし、自分たちが成長するのに必要な時間だったなと思います。

粟飯原 僕もそうですね、委員会の話し合いが一番印象に残っていて。

田中 いなかったでしょ(笑)。

粟飯原 共同生活しているとやっぱり洗濯物がなくなってしまうことがよくあって。

田中・萩原 それは普段と変わらないけどね(笑)。

粟飯原 結局見つかったんですけど、自分の物にはちゃんと名前を書こうと思いました。

ーー夏合宿を経て、チームとしての完成度はいかがですか

田中 リーダー陣から引っ張っていくというのは言っていたんですけど、まだやっぱり受け身というか、そういう姿勢が拭い切れていないというのが僕自身も4年生もまだあると思うので。今年やろうとしてきた土台はけっこうできてきているので、あとは4年生の気持ちというか、ガッツというか。情熱みたいなものを出していきたいですし、チームももっと成長していくんじゃないかなと思います。

萩原 スキルとかは成果が出てきていると思いますし、田中が言っていたことと被ってしまうんですけど、4年生を中心に全員が貪欲さを持って、『荒ぶる』に向けてもう一段階、緊張感を持ってやることが大事かなと思います。

粟飯原 チーム全体で一人一人の強みが明確化したのかなと、夏のタイミングで思っていて。それはシニアチームだけでなくてジュニアのチームもそうですし、1人1つ、何か自分のプレーに自信を持てるものが見つかったのかなと思っています。

自分たちの努力が間違っていなかったということをこの1年で証明したい(田中)

ーー夏合宿の思い出エピソードなどはありますか

粟飯原
 長坂さん(管理栄養士)という方が毎日夜食を作ってくれて、おにぎりを握ってくれるのが本当に愛情が込もっていて。いつもだったら人が握ったおにぎりとか食べられないんですけど、長坂さんだから食べられるという。

田中 確かに謙は他の人が握ったおにぎり食べられないイメージある(笑)。

粟飯原 本当に僕だけじゃなくていろんな人にも夜食を握ってくれていて。それが一番今の自分を形作ってくれていると思っています。ここで感謝を伝えておかないと。

萩原 僕は、部屋っ子が一度体調を崩してしまって、検査結果が分かるまで部屋の人だけで過ごす時間があって。外には出られなかったんですけど、トランプとかゲームをして盛り上がって、だいぶ仲も深まりましたし楽しかったです。

田中 コーチの艶島さんとカツサンドを食べたことですね。すごく美味しかったです。

粟飯原 僕も部屋メン楽しかったです。みんな喜ぶので書いといてください(笑)。

田中 僕も部屋メンで馬刺しを食べて楽しかったです。

ーーラストイヤーの対抗戦への意気込みをお聞かせください

田中
 本当に全部が最後になってくるので、毎試合やり切ったと思えるように、後悔がないように、また全勝して対抗戦優勝したいですし、絶対に負けたくないです。ラグビーに懸ける、早稲田に懸けるという思いを全面に出して日々取り組んでいきたいなと思います。

萩原 僕自身、今はBチームで、このまま終わったらチームが優勝してもやはり悔いは残るし、心の底から喜べないのかなと思うので、一日でも早く上がることに全力を注いで、最後はちゃんとグラウンド上で笑いたいなと思っています。

粟飯原 まずはケガしないことを一番に考えて、昨年は悔いが残る年だったのでそれを大事に。あとはタレントがいない分、チーム15人で勝っていかなくてはいけないので、最後大田尾(竜彦監督、平 16 人卒=佐賀工) さんを胴上げできるように、全員で本気で優勝を目指していきたいと思います。

泥臭く、痛くて嫌だと言われるようなプレーを一つ一つ丁寧に(萩原)

ーープレー面ではどのようなことに取り組んでいきたいですか

田中 僕はやっぱりタックルにこだわり続けたいと思います。1個で試合を変えるようなタックルを目指して、自分のタックルでチームを勝利に導きたいですし、劣勢の時でもその一本で変わると思ってやり続けたいと思います。

萩原 僕も最初に言ったみたいに、謙のような目立つプレーはしたくてもできないので、泥臭く、痛くて嫌だと言われるようなプレーを一つ一つ丁寧に、自分から身体を張って積み上げていけたらなと思います。

粟飯原 そうですね、じゃあ目立つプレーを。

一同 (笑)。

粟飯原 僕は、FWが強みになるようなプレーをしたいです。セットプレーもそうですし、チームに元気を与えられるような、FWが前を向けるようなプレーをしていきたいと思います。

同期30人で最後にグラウンドで笑いたい(粟飯原)

ーー最後に『荒ぶる』への決意をお願いします

田中 自分は優勝するために早稲田に入って、昨年はあそこまで行ってつかみ切れなかったので、今まで積み上げてきたもの、自分たちがお世話になってきた先輩たちの分、昨年の4年生のために優勝したい、自分たちの努力が間違っていなかったということをこの一年で証明したいです。あとは、ずっと一緒にやってきた同期たちと最後は笑って終わりたいなと、本当にそれだけかなと思います。頑張りたいです。

萩原 ラグビー人生も最後になるので、個人として全国優勝はしたことないですし、早稲田にいる以上『荒ぶる』を目指すというのは当然のことだと思いますし。最後は結果が全てだと思っているので、『荒ぶる』を獲って全員で笑顔で終われればなと思います。

粟飯原 優勝したいのはもちろんですし、同期30人で最後にグラウンドで笑いたいです。今は、本当に優勝したいという気持ち、それだけで。優勝カップで良いお酒が飲めればもっと嬉しいですし、笑ってその日の夜みんなで楽しめればそれが一番良い終わり方かなと思います。あと、健次たちにも良い報告ができれば嬉しいです。

ーーありがとうございました!

(取材・編集 村上結太、安藤香穂、大林祐太)

◆田中勇成(たなか ゆうせい)

166㌢、87㌔。東京・早実高出身。教育学部4年。低いタックルとワークレートでディフェンスの要であり続ける闘志あふれる副将。誰よりも熱い思いでラグビーに向き合ってきたからこそ、世界陸上での村武ラシッド選手の涙に自分を重ねて感動していたそうです!

◆萩原武大(はぎわら たける)

177㌢、91㌔。茨城・茗渓学園高出身。スポーツ科学部4年。グラウンド内外で別人と言われるほど普段は穏やかな萩原選手。試合では泥臭いプレーでチームを土台から支える献身性を発揮しています!自動車教習所に最近通い始めたそうです!

◆粟飯原謙(あいはら けん)

180㌢、92㌔。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部4年。持ち前の身体能力とラグビーIQの高さで攻撃に違いを生み出す仕事人。チームではムードメーカーであり、本対談でも終止盛り上げていただきました!挑戦したいことはバイクの免許取得。

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