【連載】野球部 秋季リーグ戦開幕直前特集『早稲田の栄光』 第10回 吉田瑞樹副将

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 扇の要としてチームとバッテリーを率いている吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)。昨季は初スタメンから一気にベストナインを受賞した。そんな吉田瑞副将が夏に取り組んだこと、ラストシーズンにかける思いについて伺った。

※この取材は9月9日にオンラインで行われたものです。

僅差の試合を勝ち切れている

――春はベストナインを受賞されました
 チームの優勝に貢献できたっていう点では良かったんですけど、個人としてはもう少し打率面であったりとか、守備ももう少しいい結果が残せたかなと思うので、課題もあるんですけど、一応取れたので嬉しく思います。

――オープン戦で印象に残った試合はありますか
 特にはないんですが、接戦が最近特に多くなってきています。最後のNTT東日本との試合は負けてしまいましたが、その他は僅差の試合でも勝ち切れているので、それがオープン戦では良い点だと考えています。

――全早稲田戦やオースルター等で感じたことはありますか
 全早稲田戦では、OBの方々と交流する機会があって、社会人のレベル、もう1個高いレベルで野球をされている方々の話を聞いて吸収することも多くありました。オールスターでは、これまでライバルとして戦ってきた他大学のメンバーとのコミュニケーションだったり、考え方を知ることができました。今後手ごわい相手になりそうだなっていう思いと同時に、その相手と対戦できることが楽しみになりました。

――環太平洋大戦では3安打となりましたが、打撃の調子はいかがですか
 全早慶あたりからあんまり調子が良くなかったんですけど、ここ最近ちょっとずつまた戻ってきたので、春は東大戦で1安打しかできなかったので、春よりも打てるように、まずは秋の入りでちゃんとやっていきたいなと思います。

――全日本大学選手権では6番を打ちましたが、違った点はありましたか
 いつも8番で立っている時は後ろがピッチャーバッターなので、色々と打つだけじゃないことも考えるんですけど、全日本は後ろに德丸(快晴、スポ1=大阪桐蔭)が後ろにいましたし、そういった点では自分のバッティングに集中できただできたのかなと思います。

――全日本ではレベルの高さを感じましたか
 そうですね。やっぱり六大学、東都以外にも、他のリーグでも勝ち上がってるチームは強いなっていうのはまず率直に感じましたし、他のリーグだとバッターの特徴だったり、やってくる野球もちょっとずつ変わってくるので、そういったところには学ばなきゃいけないなと思ったところも多くあります。

――秋の目標は打率3割とおっしゃっていましたが、意識していることは
 打率3割っていうのは1つの目標なんですが、もう1個はやっぱり出塁率を春よりも上げていきたいなと思っていて。選球眼と言う部分、フォアボールをもう少しもらえるようにできたらいいなというのは思っています。

――春とは違って追われる立場ですが、プレッシャー等はありますか
 今3連覇することができて、4連覇目っていうところでは、やっぱりそれなりの期待がかかると思いますし、相手もそういうチームだと思って戦ってくることは間違いないので、その点で少しプレッシャーに感じる面もあります。でも自分たちの代は春を取ってまだ2回目のシーズン、リーグ戦なので、そこまで強いプレッシャーみたいなのはないのかなと思います。

リーグ戦を経験して、視野が広くなった

――今の投手陣の状態については
 樹(伊藤樹、スポ4=宮城・仙台育英)はもちろん普通に調子よく投げれてますし、その他にも髙橋煌稀(スポ2=宮城・仙台育英)ですとか安田(虎汰郎、スポ2=東京・日大三)とか、下級生のピッチャー陣が春よりも良くなってきているなっていうのは感じています。ただ、まだうまいこと結果が出せてないピッチャーも中にはいるので、そういったピッチャーも含めてリードしていきたいなと思います。

――調子の上がらない投手をリードする際に意識することは
 その日の状態にもよるんですけど、一番はやっぱり守備を信じて、ちゃんと自分の持てるボールをストライクゾーンに投げられる、勇気を持って投げれるかどうかがまず大事なことだと思うので、そういったところを意識して投げさせたいです。

――春はスタメン捕手として試合に出場されましたが、成長したと思う点は
 リーグ戦も経験させていただいて、視野がちょっと広くなったというか、そういうところでは成長できたのかなと思います。あとはスキル面も試合に出てなかった去年に比べると多くの面で成長できているかなと思います。

――全試合スタメンとなりましたが、疲労などはありましたか
 3戦目も多かったのでそれなりにはありましたが、そこまで強く感じる疲労っていうのはあまりなかったです。

――盗塁阻止が多かった印象ですが、手応えはありますか
 そこまで何か変えたというわけじゃないんですけど、リーグ戦からいい流れでキャッチャーとしてできていたのがよかったかなと思います。

――同ポジションで尾形樹人選手(スポ2=宮城・仙台育英)がいますが、どのような存在ですか
 後輩としてはめちゃくちゃなめてるんですけど(笑)。それは置いといて、選手としてはやっぱりU18も経験してますし、ポテンシャルだけで言ったらすごく高いものがあると思うので、2人で切磋琢磨していいキャッチャー陣を作れたらと思います。

4連覇のチャンスがあるチームにいることが嬉しい

――副将としてこれからやっていきたいことはありますか
 副将ですし、4年生として後輩にいい姿、いい背中を見せれる最後の機会だと思いますし、チームでできるラストシーズンなので、そういった面も含めてキャプテンの小澤(周平主将、スポ4=群馬・健大高崎)をなんとか盛り立てて、後ろでカバーしながらいいチームを作れるようにやっていきたいと思います。

――春と比べてチームが変わったなと思うことは
 春の最後の試合もそうで、守備の乱れが負けにつながるケースがあったと思うんですけど、そういった面をなんとか夏のこの期間で克服しようと思ってチーム全体でやってきたので、そういった面で守備への意欲、意識っていうのは春に比べて高くなったと思います。

――今季期待したいと思う選手は
 ピッチャーでは髙橋煌稀が今一番良くなってきてるので。野手ではずっと言ってるんですけど、井櫻(悠人、スポ3=香川・高松商業)がやっぱり自分の推しなので。出るかわからないんですけど、出た時は注目してください。

――ラストシーズンとなりますが、何か感じることはありますか
 自分は3年生の時からベンチに入らせていただいて、この3連覇も一緒に見ることができたので、そういったところでは最後に、4連覇できるチャンスがある、そういうチームにいるっていうことはすごい嬉しいですし、1年生からきつい思いをして頑張ってきた4年生がベンチにも多いので、そういった仲間とチームでできるっていうことはすごい嬉しいなと思っています。

――最後に意気込みをお願いします
 4連覇がかかるシーズンですけど、自分たちは春優勝できて、まだそれ以上はないので、また秋のリーグも一戦一勝でなんとか秋のリーグ戦の優勝を目指して頑張りたいと思います。

ーーありがとうございました!

(取材 竹田朋矢、編集 西本和宏)

◆吉田瑞樹(よしだ・みずき)
2003(平15)年4月24日生まれ。178センチ、83キロ。埼玉・浦和学院高出身。スポーツ科学部4年。今年の都市対抗をチェックしていたという吉田瑞副将。早大OBのいるチームを中心に応援していたそうです!