早大の1番打者としてチームをけん引し、ここまで東京六大学リーグ戦通算90安打を記録している尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)。節目の100安打、そしてチームの4連覇に向けて、リーグ戦直前の心境に迫った。
※この取材は9月9日にオンラインで行われたものです。
型にはまりすぎていた

――改めて春のシーズンを振り返って
もっとできたなって思っています。リーグ戦中とか全日本(大学選手権)をやっている時は、もちろん調子も悪くはなかったし、全部打ち取られてたとか、なんかダメな方向に行ってたってわけじゃないんですけど、結果として、もっと行けたなっていうのが振り返った時に出てきますね。
――春に成長した点は
単純にちょっとパワーがついたなっていうのは思っていて、それは去年の冬からずっとこう、ウエートをやったりとか、自分の体とも向き合ってやってきてるので、それがちょっとずつ春も成果が出だしたのかなと思います。
――夏に向けて見つかった課題はありますか
去年がすごく自分の中で良かったので、それを変えないようにと思ってやってはいたんですが、型にはまろうとしすぎていたという感じがあります。別に悪いことではないと思いますし、自分の形を作るっていうのはもちろん大事なんですけど、そこに集中しすぎるのも良くなかったのかなっていうのは思っています。難しいんですけど、同じ形で打つ中でももっと思いっきりの良さがあってもよかったのかなとか、もっとガツガツ自分から行っても良かったのかなっていうのは思います。
――春はリーグ戦の中でチームの結束力が強くなったように感じます
結束力が高まったっていうのは多分もちろんそうだと思うんですけど、みんな途中から慣れてきたなっていうのは思っていて。初めて出る選手、4年生になって初めて出るみたいな選手も多かったので、その辺りの硬さみたいなのが最初はあったのかなと思って。元々みんな力のある選手ばかりなので、それが途中から硬さが取れてきて、みんな自信をもててきたのかなと思います。
思い切ってやっていこうと
――この夏全体を総括して
結構充実した夏を過ごせたなと思っていて。春は、さっきも言ったように型にはまりすぎてたみたいなところがやっぱり自分の中で課題だなと思っていたので、良い意味で荒々しくというか、こう思いきりよく、三振してもいいし、変な凡打になってもいいから、もう思い切ってやってこうって思って夏を過ごしてきて、それがここに来てちょっとずつ形になってるのかなとは思っています。
――1番重点的に取り組んだことは
ウエートですね。どっちかというと自分はバットを振って振ってみたいな感じで、仕上げようと思ってやってきているんですが、それはもちろん継続しつつ、でもそれよりもウエートっていうか、自分の体を鍛えるみたいなところに焦点を当ててこの夏をやってきました。
――長打を打ちたちという話がありましたが、ウエートは長打につながっていますか
そうですね。ウエートをやったら長打が増えてきましたね。
――この夏の思い出は
結構真面目な話にはなっちゃうんですけど、魚沼で練習がきつい中でもウエートも欠かさずにやって。この夏はとにかく体鍛えようと思ってやっていたので、それをキャンプで疲れてる中でもやり切れたっていうのは、自分の中でも良かったかなと思います。
――キャンプではチーム練習の時間も多かったと思いますが、ウエートはどのように取り入れていましたか
夕方練習が終わって、宿舎に戻ってきて、宿舎にウエートのスペースがあったので、あんまり時間はなかったんですけど、ご飯食べてからやったりとか、その中でも帰ってきてすぐやったりとか、夜にやったりしました。
――オールスター戦に参加されました。振り返って
オールスターは3回目なので、結構顔ぶれ的にも知ってるメンバーが多かったので、楽しくやりました。
――試合では花のポーズがありましたが、どなたが考案されたのですか
あれは今津(慶大4年)ですね。試合前の円陣の時に、ローズドリームスなんでこれでいきましょうって言っていたので、みんなでやりました。
――その後には全早慶戦に出場しました。振り返っていかがですか
やっぱ慶応は侮れないなと思いましたね。選手のレベルがどうとかそういうことではなくて、早慶戦っていう独特な雰囲気の中でも、慶応と勝負する時には接戦にもなるし、一歩間違えばやられるしっていうので、(リーグ戦でも)最後、早稲田と慶応で最後優勝争って、早慶戦をできれば良いなっていうのは思いました。
――遠征では野球教室も行いましたが、いかがでしたか
僕は結構ちっちゃい子供が好きで、小学生の子たちとかがニコニコしながら野球やってるのを見ると、なんか自分も楽しくなるので。こういう野球を楽しむみたいなところも大事なんだなっていうのは思いました。
――夏季オープン戦を振り返って
長打が増えたっていうのと、でもその分三振が増えたっていうのがあります。夏のオープン戦の成績が出ているんですけど、自分が長打が一番多くて、けど三振も一番多いみたいな成績になっていて。どっちかというと自分は三振が少なくて、ずっと単打でみたいな打者ですが、そういう点で今までの自分にはなかった成績で、違った自分がこう、この夏はできたのかなと思います。
進路はプロ一本

――進路について教えていただきたいです
進路はプロ一本です。
――リーグ戦では通算100安打が迫っていますが
100安打っていうのはずっと目標にしていました。自分は2年から出ているので、100安打なんていけると思ってなかったんですけど、今もう90本まで来てて、もうここまで来たらもう達成しないわけにはいかない数字まで来ているので、もちろん達成したいです。ただ、100本とか思っていたら全然良くないと思うんで、1打席1打席今まで通りやるしかないかなと思います。
――リーグ戦直前ですが、今の気持ちはいかがですか
ラストシーズンなので、もっと緊張するのかなとか、色々思うものがあるのかなと思ったんですが、意外と平常心というか、いつも通り練習して、もうすぐ開幕だから頑張ろうみたいな感じで。ラストだからどうとかっていう感じでもないですね。
――ご自身の調子については
調子はだいぶ良くなってきたかなと思っていて、キャンプ前とかに比べたらもう格段に良くなっています。自分の中でも長打がちょっと増えてきたりとか、今季の「こういう形でいこう」みたいなものが、ちょっとずつ出来上がってきてるのかなっていうのは思いますね。
――チームとしてリーグ戦に臨む上での雰囲気についてはいかがですか
個人の成績とかはやってみないとわからないし、選手によって調子が良い人もいれば悪い人もいると思うので、その辺は置いといて。でも、最近練習でも最後のシーズンだし、みんなで声出してこうみたいな話が出ていて、雰囲気的にも開幕に向かって上がってきているので、この勢いでリーグ戦に行ければ、またこの秋もいい結果が出るんじゃないかなというのは思っています。
――改めてこの秋の個人としての目標を教えてください
個人としての目標はないですね。もう優勝に貢献する、それだけですね。もちろん自分がいっぱいヒットを打ちたいんですけど、それよりもチームが勝つことがことを目指したいですね。チームが勝とうと思ったら、多分自分がヒットを打たなきゃいけないので、 自分の目標というより、チームが優勝して4連覇したいっていう思いが強いです。
――最後にチームとして秋のリーグ戦に向けて意気込みをお願いします
4連覇がかかったシーズンなので、多分今までのシーズンよりも一番多分厳しい戦いになると思います。そこでやっぱり粘って粘ってっていうのが早稲田の強さだと思うので、とにかく苦しい中でも粘って、最後に勝って優勝し、4連覇したいなと思います。
ーーありがとうございました!
(取材、編集 西本和宏)
◆尾瀬雄大(おせ・ゆうだい)
2003(平15)年8月14日生まれ。172センチ、77キロ。東京都・帝京高出身。スポーツ科学部4年。夏季キャンプ中に誕生日を迎えた尾瀬選手。ケーキやバルーンでお祝いされ、「いい仲間をもったな」と思ったそうです!