【連載】競泳 インカレ前対談『燿』 第10回 入江崇也×新開誠也×山口遼大

特集中面

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第10回に迎えるのは、入江崇也(スポ3=大分・佐伯鶴城)、新開誠也(スポ3=鹿児島情報)、山口遼大(スポ3=東京・暁星)。バタフライを専門とする同期の3人に、いよいよ明日に迫ったインカレへの意気込みを伺った。

※この対談は8月14日に行われたものです。

 

お互いについて

ーー他己紹介をお願いします

入江 早稲田大学スポーツ科学部3年の山口遼大さんです。東京都出身で、小さい頃からジュニアオリンピックなどの全国大会で常に決勝に残るような選手で、スプリンターとして早稲田大学でも活躍しています。今回のインカレでは50メートル自由形と100メートルバタフライに出場します。

山口 同じくスポーツ科学部3年の同期、新開誠也です。ジュニアの頃からずっとバタフライで、僕も一緒に決勝で泳いだり代表に行ったりしていました。今回も100メートルバタフライと200メートルバタフライに出場します。特に200メートルではメダルを取るだろうと思っていますし、100メートルは、僕にとってはライバルであり戦友でもあるので、一緒に頑張っていけたらと思っている仲間です。

新開 同じくスポーツ科学部3年の入江崇也です。専門は僕と同じで100メートル、200メートルのバタフライです。普段の練習グループも一緒で毎日練習していますが、水泳に対してすごく真面目で、一生懸命取り組んでいる印象です。あとは、同じ九州出身ということもあって、中高生の頃から試合でよく一緒になっていました。

ーー趣味やオフの過ごし方を教えてください

入江 オフはどこか観光に行くことが多いです。車でドライブして遠くに行くことが多く、先日は「角川武蔵ミュージアム」という美術館に行きました。これからは美術館巡りもしてみたいと考えています。

山口 基本的にオフは外に出ることが多いです。部屋にいるのがあまり好きではなくて、ふらっと出かけて買い物をしたり、洋服を見たりしています。アーティストではMrs.GREEN APPLEが好きで、ライブにもよく行きます。本を読むのも好きで、ミステリー系をよく読みます。

対談での山口

新開 僕は本を読むのが本当に苦手で、読むことがほとんどできません。格闘技を見ることがすごく好きです。「RIZIN」という総合格闘技の団体を見に行ったり、ライブ配信を購入して見たりしています。あとは後輩をいじるのが大好きです(笑)。

競技面について

ーー今シーズンはどのような目標を立てて臨んでいますか

入江 今シーズンの目標は、インカレで200メートルバタフライでは決勝進出、100メートルバタフライでは最低でもB決勝進出です。さらに自己ベスト更新も目標に掲げています。前回のインカレでは思うようにパフォーマンスができなかったので、「インカレの借りはインカレで返す」ということを意識しています。

山口 今年もインカレでメダル獲得を大きな目標にしています。種目にはこだわらず、メダルを取り続けることが大事だと思っています。昨年は50メートル自由形でメダルを取れたので、今年はリレーや100メートルバタフライでのメダルを狙っています。どちらの種目でも決勝に残ることを最低限果たし、そのうえでメダルを狙いたいです。

新開 日本選手権では思うような結果が出せなかったので、気持ちを切り替えるのに少し時間がかかりましたが、特に200メートルバタフライでインターC突破を目指しています。自己ベストから約1秒縮めれば突破できるので、まずはそこを目標にしています。突破できれば、メダルも狙えると思うので、そこも視野に入れています。また、リレーにも関わることになると思うので、4日間タフなレースになるはずですが、最後まで気持ちを切らさず全力で駆け抜けたいです。

ーー目標に対して、現在の手応えはいかがですか

山口 今シーズンは思うように結果が出せないことが多いです。特に50メートルバタフライが厳しい結果のことが多いのですが、早慶戦の100メートルバタフライでは、主務としての仕事をして忙しい中でも集中力を高めて泳げたのは収穫でした。僕はインカレ最終日に2種目あるので、高い集中力を4回細かく発揮する必要があります。早慶戦で得た「瞬間的に集中する力」を本番でも発揮できるようにしたいです。

新開 僕にとって昨年のインカレはベストパフォーマンスができた試合でした。そこから日本選手権に向けては少し気が緩んでしまって、失敗してしまったという思いがありました。ただ、その後の地元鹿児島での国体予選では、調整をあまりしていない中でほぼベストに近いタイムで泳げたことが自信になりました。調整すればさらに1秒は上がる手応えがあるので、今シーズンの目標に近づいているという実感はあります。心配なのは、インカレは個人とリレーでタフなレースになるので、その練習があまりできていないことです。それでも練習でしっかり準備してきたので、気持ちを切り替えながら挑めるようにしたいです。

入江 この1年間、自分や他の選手のレース動画を見直し、競技力向上に努めてきました。4月からは安定して59秒台を出せていて、夏のインカレではさらに良いタイムが狙える手応えがあります。先日の関カレでは200メートルバタフライを久しぶりに58秒台で泳げたことは良かったです。予選からしっかり力を出せれば結果につながると思っています。

対談での入江

ーー4年生とは最後のインカレとなりますが、印象に残っているエピソードはありますか

山口 4年生の先輩方には本当に可愛がってもらいました。練習中も声をかけてもらったり、遊びに行ったり、部屋に集まってゲームをしたり。本当に楽しい時間を過ごさせてもらいました。最近は、主将の松田さん(藍青男子主将、スポ4=愛知)とはカラオケに行ったのも良い思い出です。最後のインカレでは成長した姿や僕らが次の早稲田を引っ張る存在になるという姿を見せたいです。

新開 僕も選びきれないくらい、4年生にはたくさん可愛がってもらいました。特に原さん(空輝、スポ4=東福岡)とは九州出身同士で中学生の頃から仲良くさせていただいていました。大学入学後も練習グループが一緒でしたし、冬の高地合宿でも一緒でした。リレーでも1年目からずっと同じチームで泳いできたので、最後は僕も力になって、空輝さんに良い色のメダルをかけられたらなと思っています。

入江 4年生は本当に後輩の面倒をすごく見てくれる人で、いつも関わってくれました。林さん(大輝、スポ4=大阪・同志社香里)とは、「同期が速い中で、なかなかベストが伸びない」という話をよく一緒にしていました。同じような悔しさというのは共感する部分があったので、今回のインカレではお互いにベストを出せるように頑張りたいと思います。

インカレについて

ーーインカレでの出場種目と、それぞれの目標を教えてください

山口 50メートル自由形と100メートルバタフライに出場します。両方で決勝進出とメダル獲得を目標に、この1年間やってきました。残り少ない期間ですが、頑張っていこうと思います。

新開 100メートルと200メートルのバタフライに出場します。200メートルでは最低でもメダル獲得、優勝を目指しています。100メートルは200メートルのレースが終わってから考えますが、自己ベスト更新でメダル争いに食い込めるよう頑張ります。

入江 200メートルバタフライで決勝進出、100メートルでは最低限B決勝進出を目標にしています。技術面では、後半の強みを生かせるレースをしたいと考えています。

ーー現在、重点的に取り組んでいることはありますか

山口 50メートル、100メートルどちらにも共通して、スタートの技術を磨いています。僕の武器はスタートからの飛び出しなので、その精度をさらに高める練習をしています。

新開 僕はあまり考えるタイプではないので、監督から渡されたメニューをしっかりとやるようにしています。特にキックが得意なので、ターン局面だとかスタートした後のドルフィンキックというのを生かせるように、練習中から自分で制限をかけて意識しています。200メートルバタフライの中では結構スピードある方だと思うので、そのスピードを生かしながら、残り少ない期間で体力面を仕上げていくつもりです。

入江 僕は200メートルバタフライがメインなので、後半の持久力を重点的に磨いています。スピード面が課題なので、ここにいる同期の2人がスピードのある選手なので、参考にしながら練習しています。また、力みによる失速を防ぐため、力感のない泳ぎを意識しています。

ーー早稲田で注目している選手を教えてください

山口 みんな調子が良さそうですが、僕は1個下の松下(湊、スポ2=東京・駒場)を挙げたいです。同じグループで練習しているのですが、この1年で練習へのモチベーションや考え方が大きく変わり、結果にも表れています。関カレ(関東学生選手権水泳競技大会)でも自己ベストを出して、今勢いのある選手です。一緒のグループの分一緒にいる時間も長くて、成長を身近で見せてもらっているので期待したいと思います。

新開 僕は2年の松井(理宇、スポ2=東京・日大豊山)には引っ張ってもらわないと困るなと思っているので、期待したいと思います。昨年は、結構悔しい思いをしていると思うので、その悔しさをどうバネにしているのか今年のインカレでわかると思います。この前の関カレでもベストに近いタイムで泳げていて、僕が知る限りいちばん最近頑張っていると思います。宮崎出身で、小4くらいから知っていたので2人で頑張りたいと思いますし、やってくれると思います。

対談での新開

入江 同期の飯田光達(スポ3=東京・八王子)です。大学生になって同期の中でいちばん早くインターCの標準を切って衝撃を受けました。主要大会で外したことはないと思いますし、勝負強く男気があって、エントリーランキングでもメダルを狙える位置にいるので期待しています。

ーーインカレの意気込みをお願いします

山口 今回も個人種目は昨年同様、最終日に2種目出ることになっています。僕の武器は、スタートからの飛び出しで、自分が持っているスピードを最大限生かしたレースが見どころであり、自分が自信を持って言える部分でもあります。インカレまで残り少ないですが、良いイメージ、良い自信を持って本番に臨めたらと思うので、自分が掲げた目標を達成できるようにしていきたいと思います。

新開 僕は、入場する時に僕があまり緊張していなさそうな表情だったら、多分速いと思います。顔がガチガチになっていなければ僕は大丈夫だと思うので、入場を見てもらえばその時の調子がわかると思います(笑)。人生で4回しかないインカレがもう2回も終わってしまいました。しかも毎年メンバーが違う中で、毎回が最初で最後のインカレだと思っているので、今年のインカレ良かったなと思えるようなものにしたいです。そして、4年生が抜けて僕たちが引っ張っていくという中で、4年生には「来年から任せたぞ」と言ってもらえるように、下級生にはこの代が一番上でよかったな」と思えるような、そういうチームにしていきたいと思っています。チームとしてももちろんですが、僕たち3年生の代が引っ張っていけるような結果を、まずはこの3年目でしっかりと残せたらなと思います。

入江 個人的には、大学に入ってから一貫して後半上げるレースというのを目標にしているので、後半に注目してほしいと思っています。高校までは、前半を攻めて後半は耐えるというレース展開でしたが、それだと限界が来るという話を藤井さん(拓郎監督、平20スポ卒)と相談していて、後半を上げるレースにシフトしてきました。そのレースプランや戦術などの頭を使った部分での成長を多くの人に、そしてこれまで支えてもらった人に見てもらったらいいなというふうに思っています。あとは、同期全員が決勝に残れるチャンスがあるという、すごい同期がそろっています。(全員決勝に残れるかは)結構僕次第というところもあるので、僕が決勝に残って全員で決勝に残れたらすごいなというふうに思っています。

ーーありがとうございました!

(取材、編集 大村谷芳)

◇山口遼大(やまぐち・りょうた)

2004(平16)年4月24日生まれ。179センチ。東京・暁星高出身。スポーツ科学部3年。Mrs.GREEN APPLEのファンだという山口選手。レース前に聴く曲は「アポロドロス」だと教えてくれました!

◇入江崇也(いりえ・たかや)

2004(平16)年4月17日生まれ。176センチ。大分・佐伯鶴城高出身。スポーツ科学部3年。入江選手の最近の趣味は、美術館巡り。今度は、国立西洋美術館に行ってみたいそうです!

◇新開誠也(しんかい・せいや)

2004(平16)年11月26日生まれ。169センチ。鹿児島情報高出身。スポーツ科学部3年。昨年同様、格闘技愛を語ってくれた入江選手。総合格闘家である堀口恭司選手の「考えすぎない姿勢」を参考にしているということです!