【連載】卓球部 秋季リーグ戦直前特集 第3回 田村真吾副将×磯村拓夢×濵田尚人

特集中面

<<特集表紙へ戻る

 第3回には、男子部から田村真吾副将(基理4=東京・早稲田)、磯村拓夢(社3=福岡・希望が丘)、濵田尚人(社2=高知小津)の3人が登場。春リーグではそれぞれが勝ち点を奪取し、チームの勝利を引き寄せた。勝負のカギを握る3人に、秋リーグを目前に控えた今の心境を伺う。

※この取材は8月29日に行われたものです

ーー他己紹介をお願いします

田村 (磯村は)傷つけるかもしれないですけど、優柔不断ですね。

磯村 これって良いこと言うやつじゃないんですか・・・?

一同 (笑)。

田村 冗談ですよ(笑)。まあ優しいやつってことで。いざとなったら頼りがいがあって、インカレの時も藤元(筑波大2年)に勝ったりとか。実力もどんどんついてきて、全日学予選も通っていて。サーブがうまくて、パワーがすごいです。左利きで良い武器を持っている選手です。

磯村 濵田尚人です。彼は普段おとなしいんですけど、2年生になってだいぶ心を開くようになりました。兄(濵田一輝主将、スポ4=愛知・愛工大名電)は情熱を表に出すタイプですが、彼はそれを内側に持ち続けるタイプです。それが卓球にもすごく表れていて、粘り強さだったり、絶対に最後までボールをミスせず返すところだったりはプレースタイルにも表れている強みだと思います。最近は審判のプログラミングを作っています!

濵田尚 田村真吾です。自分の持っている思いをさらけ出して、前面に思いを出して周りを巻き込む力があります。プレーではサーブからの3球目攻撃を基本として、ラリーになってもパワーでねじ伏せる卓球です。自分がもしリーグ戦で当たったとしたら、絶対に嫌だなと思う選手です。後輩への注意も率先してやってくださる方です。

ーーお互いの第一印象を教えてください

磯村 尚人は本当におとなしいというか。すごく内気な子だなという印象でした。田村さんは逆に、気持ちが前面に出ているのを感じました。

田村 尚人と初めて会ったのは、尚人が高2の時に、岩手であった早稲田の夏合宿に参加していた時でした。めちゃくちゃ素直で、礼儀もちゃんとしていて、後輩力があると感じました。みんな尚人のことをかわいがっていて、人間的に魅力のあるやつだなと思いました。でも、意外と一輝には当たり強くて(笑)。そこのギャップが面白くて、ますますみんなから愛されている印象でした。磯村は1個下で入ってきたんですけど・・・。磯村には悪いけど気が合うなと思って(笑)。それこそ情熱があって、あんまり表には出していないけど、「やったるぞ」という野心があって。こいつと一緒に頑張りたいと思えるような第一印象でした。

磯村 照れるな(笑)。

濵田尚 磯村さんとは高3の時に初めて会ったんですけど、最初からもう2、3回会った感じで話しかけてくれて。

田村 距離感バグってるやつみたい(笑)。

一同 (笑)。

濵田尚 自分があまりしゃべらないというのもあって話しかけてくれて、すごくフレンドリーな方だなというのが第一印象です。田村さんは、初めて会った夏合宿の時から自分のことをすごく知っててくれていて・・・、ちゃんと卓球には詳しくて。

田村 どういうこと・・・?(笑)

濵田尚 卓球に対する情熱が深そうだなって。初めて会った時もアドバイスを求められて、卓球に対してすごくかけている方だなというのが第一印象です。

色々な人から祝福された勝利だった(田村副将)

ーー春リーグは4位という結果となりました。田村副将は念願の初出場、初勝利を飾りましたが、振り返っていかがですか

田村 正直奇跡みたいな勝利でした。勝った瞬間は、自分がやってきたことが結実した、報われたというか。次も試合があるのであまり良くなかったんですけど、勝った時に泣いてしまって。後ろのベンチもすごく応援してくれていて、勝った時にみんなが「わーーーっ」って。高校のOBや親が来ていたり、慶大OBの人もメッセージをくれたり、色々な人から祝福された勝利でした。専大の同期の顔も知らない選手まで「すごかったよ」って言ってくれたりとかして(笑)。こんなことあるんだって思いました。今回リーグ戦に出場できて、意外と戦えるんだなって。自分はインターハイに出たこともなかったんですけど、4年間頑張ってきて、戦うことができるんだなというのは一つ自信になりました。4位という結果については、最初の方はチームにまとまりがなくて、「向かっていくぞ」みたいなのはあんまりなかった気がしています。それでも日大、駒大に4-0で勝てたり、最後の明大戦では櫻井(大地、スポ2=北海道留萌)が7番で勝ってくれて、良い試合ができたので。この流れを次に生かしていければいいかなと思いました。

ーー濵田尚選手はご自身の準備をしながら田村副将の試合を見ていましたが、勝利の瞬間を振り返っていかがですか

濵田尚 本当に自分の準備ができないくらい気になっちゃって(笑)。すごくうれしかったし、自分もこれに続いてやろうと思いました。場をめちゃくちゃ温めてくれたので、出たときはすごくやりやすかったです。感謝しています。

ーー磯村選手にお聞きします。日大戦で大きな一勝を挙げるなどの活躍を見せましたが、振り返っていかがですか

磯村 昨年チームとしては優勝できたんですけど、自分はずっと勝てていなくて。春リーグではどうしても勝利を挙げて、チームに貢献したいという思いがありました。その意味では今回2勝できて、少しはチームに貢献できたと思います。

日大戦で勝利を挙げた磯村。インカレでも要所で白星を挙げ、決勝進出に大きく貢献した

ーー濵田尚選手にお聞きします。前回の秋リーグと比べると苦しい場面の多い印象でしたが、振り返っていかがですか

濵田尚 初日に相手のエースに2敗してしまって、その2敗を引きずってしまったというのがあります。「相手はエースだからしょうがない」とマインドを切り替えるのが遅れたのが良くなかったです。後半戦ではやっと連勝できて、前回の秋リーグのような状態に持っていくことができました。今回はたとえ負けてしまっても、すぐに切り替えられるようにしたいです。

みんなが希望を持てる大会だった(磯村)

ーーインカレでは惜しくも準優勝となりました。振り返っていかがですか

田村 悔しいですね。目の前で見たので。最後に尚人が持っていかれた瞬間を。試合に入る時の道廣(中大3年)の目がすごくて。これはまずいなと。逆にあの勢いは見習わないとなと思いました。

濵田尚 悔しいし、申し訳ない気持ちです。あんなに緊張したことはなくて。勝てば優勝、日本一というあの場面で、正直自分のプレーができなかったのは悔しいですし、相手の勢いに飲まれた感じがすごくあって。悔しいです。

プレッシャーの中最後まで戦い抜いた濵田尚。下級生ながら頼もしい姿でコートに立った

磯村 結果としては悔しいですが、初戦から決勝に行くまでを通して、チームとしてまとまりが強くなっていったと思います。会場まで行っていないメンバーも含めて、みんなが「このチームでも勝てるんだ」という希望を持てるような大会だったと思います。

ーー田村副将にお聞きします。副キャプテンの立場から見て、今季の早稲田はどのようなところが強みだと思いますか

田村 春リーグやインカレでは優勝を目指してやってきた中で、負けてしまったので。僕らはなんで優勝できなかったか、というのは絶対に考えると思うし、簡単に優勝できないというのはみんな分かったと思います。それでも、優勝するということがどういうことかというのは2~4年生はみんな知っているし、1年生たちも優勝が簡単じゃないというのは理解したと思うので。合宿も通して、優勝に向かって個人個人がどういう行動をすれば良いかを考えられるようになってきたと思います。みんなが同じ目標に向かって、一致団結して戦えるというのが僕たちの強みだと思います。

磯村 すごく責任感の強い副キャプテンだと思います。チームのことを気にかけて、どうしたら良い方向に進むかをずっと考えてもらっていて。チームに目を向けている、責任感のある副将だと思います。

濵田尚 優勝という目標のために自分がどうしたら良いかを考えて、引っ張ってくれる副キャプテンです。

雄叫びを上げる田村副将。コート内外でチームを鼓舞する

ーー秋リーグに向けて、力を入れて取り組んでいることを教えてください

田村 合宿では、フットワークなどの基本的なところに力を入れていました。4年生としては、チーム作りをめちゃくちゃ考えていて。どうやったらチームを良い方向に持っていけるかというのは常に考えるようにしています。技術的なところでいうと、試合球が変わった関係で戦い方をそこに合わせています。前は下がるプレーが多かったんですけど、癖が出なくなって対応されるようになってくるので、なるべく前陣でプレーすることを意識しています。

磯村 自分はサービスと、そこからの3球目、5球目の展開に力を入れています。

濵田 自分は下回転に対するバックドライブに力を入れています。今まではバック側に来たボールもフォアで回り込んでいたんですけど、それだと限界があるので。バックで振れるように頑張っています。

目標は、「みんなの優勝」(濵田尚)

ーー皆さんにとってリーグ戦はどのような大会ですか

田村 青春ですね。

磯村 やばい、言いづらい(笑)。

一同 (笑)。

磯村 これまで中高と団体戦を経験してきた中でも、一番みんながこれにかけていて。各大学がそれぞれ色を持っていて、チームとして強い気持ちで挑むのがリーグ戦かなと思います。

濵田尚 優勝という一つの目標に向かって、みんなが声を枯らしながら応援するのは本当に青春だと思います。他の大会では味わえない、強い思いがぶつかり合う瞬間だと思います。

田村 野球で言えば甲子園みたいな。自分は中高で全然やっていなくて、インターハイとか全中も出ていなくて。何か一つの目標に向かって夢を追いかけるということをやっていませんでした。大学に入って、やるぞって思って卓球部に入ったんですけど、高校の友達に「お前青春してんな」って言われて(笑)。「新たな青春目指してるやん」って。その塊みたいな試合ですね。だから青春です。

ーー秋リーグへの意気込みをお願いします

田村 チームとしては優勝。2部落ちしないことも絶対に大事だと思います。そういうチームなので。2部にも落ちれるし、優勝もできるチーム。危機感を持って、一勝一勝を目指して頑張ることが大事だと思います。個人としては前回3試合出て1勝2敗でした。今回は1勝でも多く、具体的には3勝したいです。

磯村 チームとしては、みんなで向かっていって優勝したいです。個人としては、前回2勝させてもらいましたが、貢献するという意味ではまだ全然足りていないかなと。3年生になって、立場も少しずつ引っ張っていく側に変わってきています。4勝、5勝とか、自分が勝ってチームを支えられる選手を目指して頑張っていきます。

濵田尚 チームの目標は、絶対に優勝。この優勝をみんなで取りに行く。「みんなの優勝」というのが目標です。個人としては、1戦目で絶対に勝つというのが自分の中の目標です。1戦目で勝って、2戦目から最後まで良いかたちでつなげていきたいなと思います。

ーーありがとうございました!

(取材・編集 牧咲良、三浦佑亮)

◆田村真吾(たむら・しんご)(写真右)

東京・早稲田高出身。基幹理工学部4年。戦型は右シェーク裏・裏。地元が映画『PERFECT DAYS』の舞台の近くだという田村副将。映画に登場した銭湯に足を運んだり、小山元晴マネジャー(文3=鳥取敬愛)と映画について語り合ったりしているそうです!

◆磯村拓夢(いそむら・たくむ)(写真中央)

福岡・希望が丘高出身。社会科学部3年。戦型は左シェーク裏・裏。家事や作業中に耳が寂しくなるため、ラジオをいつも聞いているという磯村選手。オードリーさんや星野源さんのANNをよく聞くそうです!

◆濵田尚人(はまだ・なおと)

高知小津高出身。社会科学部2年。戦型は右シェーク裏・裏。映画『君の名は』をずっと見たことがなかったという濵田尚選手。2か月前に初めて見たところ、「あまりにも面白すぎる」と大ハマり。この日までに7回も見たとのことです!