最終回は先日まで3x3U23日本代表の活動に参加していたG岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)とF堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)が登場。1年生時から試合に出続け、今年は主将も副将に就任した名実ともにチームを引っ張る2人に今季の意気込みを伺った。
※この取材は8月21日に行われたものです。
――最初に、他己紹介をお願いします
岩屋 堀陽稀です。なんやろ、明るいのが取り柄で、常にチームを明るくするように振る舞うことに気をつけてます。プレーはガンガンドライブに行くタイプで、スリーポイントも今シーズンは打っていこうと思ってます。
堀 岩屋頼です。冷静沈着にやってます。あ、キャプテンやってます。今シーズンはもっとチームをまとめて引っ張っていくので、よろしくお願いします。
――お2人の関係性は
岩屋 3X3とか、バスケの活動もそうですけど、授業も一緒に取ったりしていて、ほぼ大学生活は一緒に過ごしているので、関係性って言われたら…深いところにあります。
一同 (笑)。
堀 そうですね、一緒に教職(課程)の授業とか取っているので。関係性ですか。まぁ、深いところにあります。
一同 (笑)。
――教職課程の授業は大変ですか
岩屋 やることをちゃんとやっていれば大丈夫です。
――実習には行かれましたか
岩屋 洛南高に行きましたね。楽しくやらせてもらって、いい感じに息抜きができました。
堀 東山高に行きました。めっちゃきつかったです。教員とは何かというのを、しっかり教わりました。

対談中の堀
――先日まで中国での3X3の大会に出場されていましたが、そこでの思い出は何かありますか
岩屋 全部が深い思い出だったんですけど、個人的には、最後にツーポイントシュートを決めて勝ったモンゴルとの試合が一番印象深いというか、気持ち良かったです。
堀 バスケ以外だと何したかな。
岩屋 意外と何もしてない。
堀 3日間ずつ試合があって、その間の1日は練習を少しして終わりだったので、みんなで中国のショッピングモールに行って買い物をしたのがいい思い出です。
――5日目は惜しくも決勝で敗れましたが、試合を振り返ってみていかがですか
岩屋 どの試合もそうなんですけど、1個のミスとか、「あれ決めていれば」とか、そういうのがすごく出てくるのが3X3で。その最後の中国との試合も、「シュートが入っていれば」とか、「あそここうしていれば」みたいな、そういう思いが試合終わった瞬間にいろいろ出てきて、めっちゃ悔しいし、「もったいな」っていう感じで。 どこかにぶつけることはできない、難しい気持ちでいっぱいでした。
堀 僕も結構一緒のことを思っていたんですけど、やっぱり(現地の)応援がすごくて。中国でやっているので。その分、「勝ったら気持ち良かったのにな」と思いました。
岩屋 コートを囲う感じで観客が見ていたので、上からも。360度から中国のチームへの歓声が、うわぁって。(日本のチームの)1人がすごくうなだれていて、ほんまに漫画のワンシーンみたいでした。
――お2人が3X3を始められた理由は
岩屋 僕は去年U23のネーションズリーグの代表に招集されたのがきっかけです。それがあってから始めて、縁があっていろんな大会に行かせてもらっているっていう感じです。
堀 僕はU21のネーションズリーグにも呼ばれて、がっつり始めたのはそれがきっかけです。
――所属されているSHINAGAWACITYの環境はいかがですか
岩屋 今は頻繁に練習に参加できているわけではないんですけど、ディフェンスの強度とか、戦術とか、学ぶことが多いと感じるので、すごくいい環境で練習できているなって思います。
堀 みんな優しくていい人ばっかりなので、やりやすいです。
――3X3をやっていて、その中で得られるものや、5人制に活きているなと思う部分は
岩屋 ディフェンスで言ったら、スクリーンが多く起きたり、ヘルプが読めないっていうこともあって、1対1でしっかり守りきらないといけないっていう場面が多くて、ディフェンス力が大事になってくるので、ディフェンスは3X3を始める前と比べたら、強度が上がったと思います。オフェンスは、12秒しかなくて、その中でいかにシュートチャンスを見つけて打ち切るかっていうとこが大事なので、5人制だったらいろんなシュートセレクションがあると思って色々探してたんですけど、3人制をやってからシュートを打ち切るっていうことができるようになって、特にスリーのアテンプトは5人制でも増えました。
堀 僕はチーム事情的に、早稲田ではスクリーンをかける側になることが多いんですけど、3X3ではスクリーンのかける角度とか、細かい部分に気をつけていて、そのスクリーンかける技術とかは5人制に活きているのかなっていうふうに思います。

――今年から倉石平ヘッドコーチ(昭54教卒=東京・早実)が復帰しましたが、以前と比べて変化を感じるところは
堀 結構ハードな練習が多くて、鍛えられてるなって思います。
岩屋 速い展開のバスケットや、やっていても見ていても楽しいっていうバスケットを目標にしているっていうのをすごく言ってくれるので、それを目指して今はひたすら頑張っていて、すごく引っ張ってくれてるなって思います。
――とにかく走るということを基調としてやっていると思いますが、速攻に対する意識などはいかがですか
岩屋 バスケのショットクロックは、本当は24秒なんですけど、それをあえて14秒にして5対5をしていて、おのずと展開が速くなるので、そういう練習を積み重ねたことによって、トランジションの速さとか、シュートを積極的に打ったりっていう、そういうことに繋がってるんだと思います。
堀 やっぱり(早大は)ちっちゃいから、留学生とかがついてこられないスピードでやるしかないと思うので、そこはもっとこだわってやっていかないとなと思ってます。
――今シーズンはここまで、六大学リーグ戦を優勝して、スプリングトーナメント(関東大学選手権)では7位という結果でしたが、ここまでを振り返ってみていかがですか
岩屋 僕たちは去年と比べてあまりメンバーが変わっていないので、チームとして完成してはいないけど、他のチームに比べると完成度が高い状態で挑めました。春の試合は、他のチームはメンバーが変わったりして、完成していない中での試合だったから優位に試合を運べたかなっていうだけで、実力で言ったら変わらないし、全然どこに負けてもおかしくないと思うので、結果には特に満足していないです。
堀 一緒ですね。大体春は勝てるので、僕たち。 チームがどんどん出来上がっていって、他の大学がそうなった時にリーグで負けちゃうので。今年はどうなるかわからないですけど、勝てるように頑張りたいです。

チームの大黒柱である岩屋
――お2人は今年ラストイヤーですが、将来どんなキャリアを描いていきたいですか
岩屋 Bリーグに入って、活躍したいです。いっぱい試合に出て、いっぱい活躍して、今まで成長させてくれた人たちに恩返ししていければいいかなと思います。
堀 一緒ですね。Bリーグに入って、活躍して、お世話になった指導者に見てもらえたらうれしいです。
――来年はBリーグのドラフト制度導入の最初の年になりますが、史上初ということで不安などは
堀 どうなるのかわからないし、もし無理だった時にどうなるかもわからないし、わからないしか言えないです。でも「なんとかなるやろう」って思って頑張ります。
岩屋 不安です。とりあえず、いろんなチームの目に留まるようにこのリーグ戦を頑張りたいです。自分が活躍するのもそうですけど、チームが勝たないと見てもらえないと思うので、チームを勝たせられるように頑張りたいと思います。
――それぞれ目標としている選手は
堀 いないです。
――その理由は何かありますか
堀 なんやろ、あんまり…。
――人の真似ではなく、自分のスタイルで、ということですか
堀 そうです。
――岩屋選手はいかがですか
一同 (笑)。
岩屋 NBAとかもそうですけど、Bリーグのガードの人はそれぞれタイプが違ってもいろんな良さがあって、それぞれの選手の良さを自分でも身につけようとしているので、Bリーグのポイントガードの選手たちからはよく学ばさせてもらっています。

ドラフトに向けても大事な1年となる堀
――今シーズンから1部復帰となりますが、1部リーグに対する思いなどは
堀 1部を知ってるのが今の4年生と3年生の半分しかいなくて、正直めっちゃしんどいというか、結構タフになると思うんですけど、そこで落ちないようにチームとして戦いたいと思います。
岩屋 2部から上がってきたり、ずっと1部下位で、やっぱりどこのチームも、お客さんも、下馬評で言ったら早稲田は下っていうふうに思ってると思うので、逆に気持ち良く思いっきりやってやろうっていう気持ちで臨みます。
――他大学で意識している選手は
堀 代表メンバーに選ばれているような人たちです。ほんまに代表なんかっていう。やってやろうっていう気になります。
岩屋 僕もそういう代表の選手は1回倒しておこうと思っています。あと、筑波大の岩下准平は中学の時にも対戦していて、最後に負けていたり。そこはしっかりと倒そうと思っています。
――リーグ戦で個人的に掲げている目標は
堀 ケガをしない。ケガをしちゃったら僕はもう終わりなので。まずはケガをせずに頑張りたいです。
岩屋 スタッツもそうなんですけど、ある程度スタッツは(今までに)残してきたと思っていて、あとはやっぱり勝利の数だけ足りてないなと思うので、今年は(チームを)勝たせるっていうところ、頑張りたいです。
――最後にリーグ戦への意気込みをお願いします
堀 やっぱり、勝つ。勝ちたいので。入れ替え戦回避と言わず、上位に食い込めるように頑張りたいです。
岩屋 チームとして大事な大会っていうのもそうなんですけど、個人としてもいろんなところにアピールするチャンスなので、思いっきりプレーして、いい結果を残せるように頑張ります。
――ありがとうございました!
(取材・編集 石澤直幸、高津文音、村山涼、権藤彩乃)

◆岩屋頼(いわや・より)(※写真左)
2003(平15)年4月20日生まれ。183センチ。京都・洛南高出身。スポーツ科学部4年。今年は主将としてもチームを引っ張る岩屋選手。「スタッツは残してきたけど勝利の数だけ足りていない」とチームを勝たせる覚悟です!
◆堀陽稀(ほり・はるき)
2003(平15)年5月13日生まれ。188センチ。京都・東山高出身。スポーツ科学部4年。コテコテの関西弁が特徴の堀選手。先日訪れた中国では現地で売っているバッシュを購入したそうです!