【連載】軟式庭球部 全日本学生選手権(インカレ)直前特集『ACE OUT』 第1回 髙田淳貴×飯干開生

特集中面

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 第1回に登場するのは髙田淳貴(政経3=東京・早実)と飯干開生(社3=東京・早実)。3年生となった今シーズン、レギュラーとして最前線でチームをけん引してきた。仲間を誰よりも想い、胸に熱き魂を宿すふたり。インカレがいよいよ目前に迫る中、その眼差しの先に見据えるものとはーー。燃える覚悟に迫る。

※この取材は8月19日に行われたものです。

ーー他己紹介をお願いします

飯干 髙田淳貴です。彼はコンピューターのようで心を持っていなかったのですが(笑)、大学に入ってからいろいろなことがあり心を持つようになりました。笑顔がチャームポイントです。

髙田 彼は飯干開生と言います。本当に明るくて、みんなを笑顔にすることができる人です。いつも一緒にいて楽しませてもらっています。テニスと勉強を両立しながら真面目に頑張っています。

ーーお互いの初めて会った時と今の相手の印象を教えてください

飯干 初めて会った時は眼鏡をしていて伸びかけの坊主でした。今よりも笑顔が少なくて、ロボットみたいな感じだったのでやばいなと思ったのですが、意外とノリがよくて、見た目以上に接しやすいと思いました。今もあまり変わっていないですが、少し柔らかくなったと思います。

髙田 初めて会った時は結構真面目なイメージがありました。今も真面目ですが、いろいろなところが抜けていたり、すぐにふざけたりするので、そういうところは面白いと思っています。

ーー競技以外の場面ではどのような交流がありますか

飯干 最近は一緒に映画『鬼滅の刃』を見に行きました。一緒にお酒を飲んだり、ご飯を食べたりすることもあります。遊ぶことが多いです。

ーーお互いのプレーの魅力を教えてください

飯干 クロスですね。引っ張りがもうとにかくすごい(笑)! 相手前衛がポーチボレーに出ても、彼は無限に引っ張ります。彼の引っ張りには無限の可能性がある。クロスのバリエーションが100種類ぐらいあると思います(笑)。

髙田 身体能力が高いので、コートを走り回って全部取りに行ったり、スマッシュを多く打ったりする印象があります。元々後衛だったのもあり、ストロークが上手だと思っています。

ーー競技はいつ、どのようなきっかけで始めましたか

飯干 姉が小学校の頃にテニスをやっていて、僕もコートの端で打たせてもらっていてそのまま始めました。

髙田 兄の影響で小学3年生ぐらいから始めました。兄の中学校の県大会を家族と見に行った時に、テニス面白いなと思い、その帰りにラケットとシューズを買いました。次の週ぐらいにはジュニアクラブに通い始めました。

ーー今のポジションにはどのような経緯でなりましたか

飯干 僕は中学2年生の最初まで後衛でした。顧問の先生に前衛をやってみなさいと言われ、やってみたら面白いなと思い、そこから前衛を続けています。

髙田 僕は最初から後衛です。ジュニアの頃に一緒に入ってきた子が身長が高くて、前衛をやると言い出したので、僕は自然と後衛をやっていました。

ーー得意なプレーはありますか

飯干 攻めたレシーブをして3球目を取りに行くのが高校までは一番得意でしたが、今はスマッシュですね。自分の後衛が打ち切った後に上がってきたスマッシュを叩くのが得意です。

髙田 僕は、飯干が言ってくれたように、自分でもクロスが得意だと思っています。高校の時にコーチに付きっきりで練習をさせてもらっていた影響で、クロスしか打てないと言えるぐらい、クロスが得意です。

ーー早実から早稲田に進学されましたが、早実を選んだ理由を教えてください

飯干 早稲田大学OBの高倉(和毅、令5社卒)さんにずっと憧れているので早実に入りました。高倉さんは僕と中学が同じで、早実から早稲田大学に入ってたので、僕も同じように進学したいと思い、早実を目指しました。

髙田 僕はテニスも勉強もできるところがいいなと思っていました。いろいろ探していたのですが、飯干が早実に行くと聞いていたので、飯干が行くなら行ってみようかなと思い、早実を選びました。

ーー昨年のインカレはどのように印象に残っていますか

飯干 昨年はペアが4年生でした。(インカレまでは)個人戦で全然勝てず、思うような結果が出なくて辛い気持ちも少しありました。でも、インカレでは振り切って、のびのびとできたのでよかったと思っています。

髙田 僕は石森(崇大、令7スポ卒)さんと約2年ずっとペアを組んでいたので、最後の個人戦は気合を結構入れて、頑張ろうと思ってやっていました。結果的には一昨年より良かったですが、悔いが残る結果になってしまったとも思います。でも、石森さんと2年間頑張ってきた成果は出せたと思っています。団体戦は2日目の1・2試合目に出ましたが、全く歯が立たず、どちらもボコボコで負けました。その後の矢野(颯人、令7社卒)・端山(羅行、令7社卒)組、浅見(竣一郎、スポ2=宮城・東北)・安達(宣、スポ2=奈良・高田商)組がレベルの違う戦いをしてくれて頼もかったです。そのおかげで、僕らはのびのびプレーできて、楽しく試合ができました。

ーーインカレ後には代交代を迎えました。今年のチームの特徴はどのように感じていますか

飯干 全員で戦う、というのを感じています。

髙田 昨年より人数も実力も劣る分、みんなでチーム一丸となって頑張ろうと、士気が高まって頑張っています。

飯干 4年生は優しくて、いい意味で親しみやすいです。1年生と4年生も仲が良くて、いい雰囲気のチームだと思います。

ーー松本翔太主将(スポ4=香川・尽誠学園)はどのような主将ですか

飯干 松本さんはいい人でしょ! 僕は中学が一緒だったので、気を使うことはほとんどなく、接しやすいです。たまに周りが見えなくなってしまう姿も見ますが、基本的には1つのことに集中できるタイプで、しっかりついていきたいと思えるような人です。

髙田 僕は今、ペアを組ませてもらっていますが、テニスへの熱意がとても伝わってくる先輩です。キャプテンとしても、みんなを引っ張って、絶対インカレで勝とうという雰囲気をつくってくれています。ペアを組んでいてもずっと引っ張ってくれていて、尊敬できる主将です。

ーー関東学生春リーグ(春リーグ)、東日本大学対抗(東カレ)の振り返りをお願いします

飯干 春リーグはほぼ5番で出ました。今まで5番で出ることがあまりなかったので、とにかく緊張していました。明治戦で5番勝負が回ってきたのですが、緊張しすぎて試合内容を覚えていないです。そのくらい5番に慣れていなかったので、今後慣れていきたいと思います(笑)。

髙田 もう遅いよ(笑)。

飯干 東カレは自分の感覚的には調子が上がった状態でした。Aチームに入って、しっかり頑張ろうという気持ちで臨みましたが、あと1歩のところで勝てませんでした。実力や技術では劣っていないのに、気持ちの部分で競り負けました。インカレは気持ちの部分ではまず絶対に負けないということを考えています。

髙田 春リーグは悔しいというよりも、自分にがっかりしたみたいな感じでした。自分のプレーが全然できなかったと思っています。僕は松本さんと組んでいるので、どうしてもチームを勝たせなければいけない立場でもあります。プレッシャーではないですが、その意識は少しあった気がしています。4番でずっと出ていて、1ー2で、自分が負けたらチームが負ける状況で回ってきた時もあったので、そういう時にチームを勝ちに導けなかった悔しさが残っています。東カレは春リーグと比べたら他の大学と戦えたと思っています。でも、競った試合でしっかり勝ち切らなければいけないと思います。インカレでも競る試合が多くなってくると思うので、自分たちで勝ちにいけるようにしていきたいと思います。

ーー個人として、特に強化してきたポイントはどこですか

飯干 ボレーやスマッシュはもちろんやってきましたが、特に力を入れたのはポジションに早く入ることです。いかにラリー中に自分の間合いをつくって、相手後衛と駆け引きできるかというのを意識して、早くポジションに入ることを強化してきました。

髙田 自分の持ち味は速いボールで相手を圧倒することだと思っていますが、やはりそれだけだと強い大学には勝てないので、最近はロブなど、相手としっかりラリーできるようなボールを打てるように、強化しています。フットワークも重視しています。足を動かしてボールに入れるように、フットワークを意識してやってきました。

ーーインカレに向けて、チームの仕上がり具合はいかがですか

飯干 練習試合を見ているといい感じだと思っています。でも、春リーグの入れ替え戦の前もそう思っていたのに結局負けてしまったし、東カレの時もそうでした。いい感じに仕上がってきていますが、それがインカレで通用するかと言われたらまだわからない状態だと思います。

髙田 みんな気合が入っていて、熱意も高まってきているとは思いますが、それだけだとまだ厳しいという感じではあります。春リーグも東カレも結果が出ていないので、本番になってみないとわからないですが、今回は頑張って結果を出せるように、とにかくチーム全員でやっていきたいと思っています。

ーーどの選手がキーマンになると思いますか

飯干 松本さんです。とても気合が入っていて、たくさん勝ってくれるのではないか、やってくれそうだと思っています。

髙田 僕と松本さんだと思います。松本さんはラストなので、とても気合が入っていると思います。松本さんが勝てば、チームもどんどん上がっていくのではないかと僕も思っています。僕も一緒に頑張って、最後に松本さんに勝たせてあげられるようにしていきたいです。

ーー意識しているチームや選手がいれば教えてください

髙田 どの大学も強くて勝たなければいけない相手ですが、個人的には同じ埼玉県出身の選手です。日体大の黒坂(卓矢)や野口(快)など、活躍している選手がいっぱいいるので、そのような選手には負けたくない気持ちがあります。

飯干 日体大は層が厚くて、競争力が凄いです。東カレは、Dチームでもすごい迫力で、何が何でも勝つ、というような気合が感じられるので、チーム全体としての仕上がりは高いと思っています。勝ち上がって準決勝で当たったら、もう全員が試合に出るような気持ちで一致団結してやらないと勝てないと思っています。選手で言えば、橋場(柊一郎)。東カレは29試合やって28勝1敗。とにかく橋場を倒さないと、1位にはなれないと思っています。僕が絶対に橋場を倒します。

ーー自分のここを見てほしい!というアピールポイントはありますか

髙田 インカレは本当に気持ちの勝負だと思います。とにかく声を出してプレーするので、そこを見てほしいです。

飯干 気持ちはまず負けない。なおかつしっかり勝つ。相手の大将を食いに行くところを見てほしいです。確定ではないですが、何人か坊主が発生すると思うので、それも楽しみにしてください(笑)。

ーー最後にインカレへの目標、意気込みをお願いします

飯干 まず団体戦は、試合に出て優勝を決めることです。個人戦はベスト8以内に入ることです。各大学の1番手を倒していきます!

髙田 団体は日本一になれるように。4年生が引っ張ってくれたチームなので、4年生を勝たせてあげられるようにしたいです。特に松本さんはペアを組んでもらっているので、日本一にさせてあげられるように頑張っていきたいと思います。個人戦も日本一と言いたいですが、まずはベスト4入賞できるように頑張って行きたいと思います。関東学生(関東学生選手権)がベスト8だったので、インカレはベスト4以上を目指して、天皇杯やいろいろな大会に出られるように頑張っていきたいと思います。特に主将の松本さんと主務の渡(健、スポ4=山口・徳山)さんは本当にチームのことを考えて1年間やってきてくれました。4年生5人を絶対に勝たせてあげられるようにチーム一丸となって頑張っていきたいと思います!

ーーありがとうございました!

(取材・編集 佐藤結)

◆飯干 開生(いいぼし・かいせい)(※写真右)

2004(平16)年5月31日生まれ。175センチ。東京・早実高出身。社会科学部3年。前衛。好きな芸能人にサンシャイン池崎、なかやまきんに君などのお笑いタレントを挙げてくれた飯干選手。最近は、マッチョネーズが特に面白かったとのこと!オフの日はアニメ鑑賞に全力を注いでおり、宝物はなんと五条悟タオルだそう! そんな飯干選手が、書道八段の腕前で綺麗に書いてくださった言葉が「全賭」。「自分の全てを賭けて戦うという意志」が込められています。今年の熾烈な3本目争いに食い込んでくるのは果たして飯干選手なのか!? 勝利への道を切り開く、飯干選手の姿に注目です!

◆髙田 淳貴(たかだ・じゅんき)

2004(平16)年11月8日生まれ。176センチ。東京・早実高出身。政治経済学部3年。後衛。Mrs. GREEN APPLEが好きだという髙田選手。なかでも、『我逢人』がお気に入りだとのこと!テニスにストイックに向き合う髙田選手ですが、高校野球を題材にした『ダイヤのA』が好きで、幼い頃の夢は意外にもプロ野球選手だったそう! 今年は、松本翔太主将と新たにペアを組み、大将らしい存在感を見せながら着実に成長してきました。インカレに向けては「楽しんでプレーしてチームを盛り上げていきたい」と意気込みを語ってくれました。全力で楽しみ、全力で勝負する髙田選手がチームを勝利へ導いてくれることでしょう!