【連載】ソフトボール部 インカレ直前特集『Rise as One』第1回 武晃平×福永隆稀

特集中面

男子部第1弾は、プライベートでも仲が良いという、福永隆稀(スポ3=大阪・北野)と武晃平(スポ3=東京・狛江)の内野手2人組。チームを盛り上げる2人のインカレへの意気込みを伺った。

※この対談は、7月30日に行われたものです。

他の部に負けないくらいのいい人、優しい人が揃っている(福永)

対談中の福永

ーーまずは、他己紹介をお願いします

福永 スポーツ科学部3年の武晃平です。武は、根がとても真面目な人なんですけど、結構お調子者というか、唐突に変なことを言い出すようなタイプで。どちらの面も持った、結構面白い人だなと思います。

 同じくスポーツ科学部3年の福永隆稀です。人間性の面で言うと、基本的にはふざけている人ですが、自分と同じく真面目な面も持っていて。大人に見えるんですけど、意外と気持ちのアップダウンが激しい人です。でも、一緒にいる時間が長いので、考えていることが分かるようになりました(笑)。ソフトボールでは、去年のインカレ(全日本大学選手権)にも出場して、結果を残しているので、チームの中で頼りになる存在だと思います。

ーーソフトボールを始めたきっかけは

福永 自分は小学校から高校までずっと野球をやっていて、大学に入ったタイミングで、野球は(やらなくて)いいかなと思いました。そうしたら、たまたま、所沢キャンパスのスポ科のオリエンテーションの日に、クラスの中で野球をやっていた人で固まって。それで、部活に所属していなくてサークルを迷っている人を探していたら、齋藤拓哉(スポ3=青森・弘前学院聖愛)と出会ったんです。その日にソフトボール部の見学に行って、面白そうだなと思って、その週のうちに体験に行って、入部を決めました。

 自分も同じく、小学校から高校までずっと野球をしていました。大学でも何かしら部活はやりたいなって思っていた中で、今年の3月に卒業されて、今も学生コーチをしていらっしゃる、中内さん(中内俊太朗学生コーチ、スポM1=東京・筑波大付)に結構熱心に声をかけていただいて。たまたまグラウンドの上で会った時に話してくださって、体験に行きました。その時に、今ショートとピッチャーをやっている金丸(佳史、人3=東京・佼成)に、「俺入るからお前も入れよ」と、軽い感じで誘われて、そこで入部する決心がつきました。

ーー早大男子ソフト部の魅力は

福永 普段は変な人ばっかりっていうか、ふざけている人も多いし、日本語が通じない人も多いし、いろいろな人がいるんですけど(笑)。でも、みんな根は優しくて、他の早稲田の部活を見ても負けないくらいのいい人、優しい人が揃っているんじゃないかなと思います。

 変な人が多いんですけど、ソフトのことになると真剣になる、切り替えがちゃんとしているのが、この部の魅力だと思います。練習が終わったら結構ふざけているけれど、練習中とか試合中はみんな切り替えて真剣にやっています。

福永 あと、魅力とはちょっと違うかもしれないですけど、夏休みの練習の時に、みんなで学食でお昼を食べたあとに、じゃんけんで勝った人がアイスを奢るっていうのをよくやっていて。人数が多い時は3000円くらいになっちゃうんですけど、ハイリスクローリターンを賭けて、じゃんけんをしているっていうのも楽しいところです(笑)。

 男気で、じゃんけんに勝ったら全員分買うんです。

福永 自分たちが1年生の時に、1年生同士でアイスを買うっていうのが流行って、夏休みに全員で行くようになって。元々ソフト部は、先輩が後輩に奢ることがよくあるんですけど、気づいたらみんなでじゃんけんをするようになっていました(笑)。

ーー試合の話に戻ります。3年生になり、気持ちの面で何か変化はありましたか

福永 去年、自分はインカレに出たんですけど、その時は2年生で、試合に出ていた中では一番下の学年だったのもあって、自由にのびのびやらせてもらっていました。それが、一気に環境が変わって、4年生が2人しかいなくて、そのうちの1人はインカレをあまり経験していないということもあって、一気にチームの中心になるべき立場になったので、自分のメンタルの持ち方が結構変わったかな、と思います。特にプレーでは、自分がミスしたらダメだとか、自分がここ一番で結果を出さないといけない、という思いが強くなったかなと思います。

 去年のチームまでだと、自分はそんなに試合に出ていなくて、代打とか途中出場が多かったんですけど、この代になってからはスタメンで出るようになって、責任感というか、結果を出さなきゃいけない、っていう気持ちが強くなったと思います。

ーーご自身の強みは 

福永 強みは、バカになれるところかなって思います。比較的おとなしい人が多い中で、自分と武は、去年のインカレで、紺碧隊長っていう応援団みたいなものをやったんです。率先して自分がバカになって騒ぐ、大きな声を出してチームを鼓舞して流れに乗せるところは、自分の強みかなって思います。たまにちょっと羽目を外しすぎる時もあるんですけど(笑)。チームの雰囲気を明るくするっていうのが、強みかなと思ってます。

 強みは、安定感かなと思います。プレーの面でもチームの中でも、自分が安定して結果を出してチームを盛り上げたりとか。あ、あと、ケガなく頑張れることが強みかなと思います。福永はよくケガするんですけど。

福永 自分は、1年に1回ケガをしてしまう感じで。昨年も一昨年も、夏休み中にケガしてプレーできない期間が結構長かったです。武は、メンタル的にも技術的にも結構安定感があります。自分は、どちらかというと調子とかも波があるタイプなので、そこは結構武の強みだと思います。

ーー今年はケガしないように何か工夫されてることはありますか

福永 昨日(取材前日)軽くケガしちゃったんですけど、インカレは大丈夫だと思います。意識していることは、自分は家でストレッチとかはしてるんですけど、特に去年ケガしていた期間とかは、周りの人に「もう大丈夫だろ」と言われるぐらい、患部を大事に大事に治して。去年の冬は、捻挫で靭帯を痛めたので、癖にならないように頑張っていたんですけど、昨日同じところをちょっと捻ってしまいました。ただ、ストレッチを欠かさず行うことと、筋トレはやってます。筋トレは結構チームの中ではやってる自負があります。

 あといつも疲労回復にオレンジジュースを飲んでるね。

福永 あ、そうですね。疲れている時は、クエン酸の入ったオレンジジュースを飲むっていうのは日頃から意識しています。

武 自分も、それを参考にして、この前オレンジジュースを箱買いしました。

ーーオフの過ごし方は

福永 僕はこれまでは、ソフト部の同期と結構遊びに行ってました。ちょっと今とにかくお金がなくて、(オフの)月曜日も結構バイトしてます。ちなみに、去年のインカレ前は、武と隄(俊介、スポ3=埼玉・栄東)と加藤(雅隆、先理=愛知・名古屋)と自分の4人で、熱海にドライブに行きました。自分は免許を持ってないので運転できないんですけど、彼らがしてくれるので、後ろで座ってました。

ーー最近はどこかドライブに行きましたか

武 最近は行ってないね。

福永 ずっとバイトしてます。

武 行けてないので、そろそろ行きたいなと思ってます。

ーーどこか行きたいところは

武 海ですね。

福永 自分は免許を持っていなくて誘いづらくて、他からもあんまり誘ってもらえなくて。誘ってほしいです(笑)。

ーードライブに一緒に行ったとのことですが、ほかにソフト部以外での交流はありますか

武 2人ともスポ科なので、授業を一緒に取ったりします。あとは福永の家でゲームをしたり。お互いサッカーを見るのが好きです。僕が福永に影響されて好きになって、一緒にサッカーを見たり、その話をよくしています。

福永 お互い何となく分かるからこそ、深い話はしないで、くだらない話をしてます。あと、武はサッカーのゲームがめっちゃ上手で、なかなか勝てないです。

武 負ける気がしないので、もうちょっと上手くなってほしいです(笑)。

インカレに向けて楽しんで練習したい(武)

笑顔で対談に応じる武

ーープライベートでも仲の良いお二人ですが、試合中は内野同士、どのような連携を取っていますか

福永 これまでは、武がファーストで、自分がセカンドを守ることが多かったので、自分的には、そこの間は抜かせたくないっていうのがあって。正直、武は、横の守備範囲が狭くて、取ってほしいところまでなかなか来てくれない時もあるので(笑)。そこのカバーをできるように心がけています。あとは、取ってほしい打球を取ってもらえるように、ここを守ってほしいみたいな風に伝えたりしていました。

武 守備のことで言うと、基本的に自分より福永の方が上手です。連携で言うと、ピッチャーが投げる時、一球一球、福永の位置を確認して、任せられるだけは任せて(笑)。あと、どこに飛んできそう、などの細かい話はするようにしています。

ーーこのチームが始動してから、印象に残っている試合はありますか

武 自分は秋にあった関カレ(関東大学選手権)の明大戦です。1回戦で、2部リーグの相手に負けた、というのがとても印象に残っていて。ソフトボールを始めてから、2部リーグのチームに負けるというのを正直あんまり想像していなかったので、負けたことでショックを受けた、という感じでした。その分、冬に頑張ろうっていう気持ちになれたので、印象に残っています。

福永 自分も、同じ明大戦が頭に浮かんだんですが、あえて違うところでいくと、去年の秋リーグ(東京都大学連盟秋季リーグ戦)の慶大戦です。その日、自分は試合に出ていたんですけど、試合の割と序盤にケガしてしまって。それで、去年の秋のシーズンを棒に振るかたちになったので、その試合のことは、今でも「あの時こうしていたらケガしていなかったかな」と考えたりするぐらいに記憶に残っています。チームとしては、武が言ったみたいに、明大戦の負けは、ショックで言葉も出ない感じで。ここまで野球をやってきたのも含めて、初めての感覚だったので、結構印象に残ってます。

ーー明大戦以降、チームとして取り組んで、改善したことはありますか

福永 明大戦では、自分たちのミスから相手に点をあげた部分も多かったので、まずは、自分たちの実力のなさを自覚して、本当に基礎の基礎から練習しました。守備で言ったら、手で転がしたボールを取る練習から始めて、小学生が教えられるような基礎的なメニューを反復する、というのを冬の期間はずっとやっていました。今では、基本的な技術はどの選手も向上しているので、そこは、負けを生かして改善できたところかなって思います。

武 守備でミスして点を取られたのもあるんですけど、それ以上に、点が取れなかったというのもありました。冬の間は、とにかくスイング数を確保すること、バットをたくさん振ることを結構重視して練習を行っていました。

ーー7月の東日本大学選手権を振り返っていかがですか

福永 率直に言うと、もう暑くて暑くて、とにかく大変だったな、という印象が強くて。結果も、準決勝で、いつも勝てない国士舘大に1ー3で負けて、次に繋がるような試合だったので、それを夏休みの練習に生かしていければな、と思っています。それと同時に、ものすごい暑さの中で、2日で3試合、それも長い試合をこなしたところが、インカレに向けては、実はいい経験だったんじゃないかなと思っています。

武 決勝まで行って日体大と試合して、優勝したかった、というのはもちろんあります。あと、福永とちょっと一緒なんですけど、とにかく暑かったですね。自分はDPとレフトで試合に出たんですけど、結構疲れたな、という印象です。試合に出たメンバーも出なかったメンバーもそういう印象があったので、最近はみんな自主練で暑い中を走るようになりました。そういうところで、みんなインカレに向けて、考えて練習できているのかなと思います。

ーーインカレを前にどんな気持ちですか

福永 授業も終わって、これから1カ月はインカレに向けてみんなで練習できる期間になるのが、自分は結構楽しみです。暑いんですけど、夏休みに全体で毎日集まってやる練習が個人的には好きで、気分も上がってきているな、と感じていて。このままチーム全体が同じ方向を向いて、意識高めで練習できれば、1カ月後には成長した姿でインカレを迎えられるのかなって思ってます。

武 対戦相手も決まって、初戦から強いところと当たると分かったので、チームとして、全体練習で伸ばせるところを最大限伸ばしたいです。夏休みで時間は結構あるので、自主練でも個人の課題と向き合いたいです。自分もインカレに向けて楽しんでやりたいと思っているので、1カ月後に成長した姿を見せたいと思います。

ーー楽しみ、という言葉がありましたが、今のチームの雰囲気は

福永 これまでの土日に集まる全体練習の時と比べたら、みんな元気に、いい感じの声かけもあり、コミュニケーションを密にとって、いい雰囲気で練習できてると思います。

武 授業期間の喜久井町キャンパスと所沢キャンパスで分かれて練習している時と比べて、コミュニケーションを取る回数が増えるので、雰囲気としてはひとつにまとまってきてるんじゃないかなと思います。

ーーインカレで勝ち進むために必要なことは

武 勢いに乗るために初回から点を取ることが必要だと思っています。自分も福永も上位打線で出ると思うので、実戦練習の中で、初回の攻撃とか最初の守備など、最初っていう部分にこだわって結果を出すことが、チームとしても個人としても必要なことかなと思います。

福永 自分は東日本(大学選手権)でも1番で出させてもらっていたのですが、このチームの1番は、初回、必ず塁に出ることが必要で。自分が5試合とも初回で塁に出たら、初回のうちに武が多分ホームに返してくれると思うので、そうしたらチームが勢いに乗って勝てるんじゃないかなって思ってます。

ーーインカレで自分の見てほしいポイントは

福永 追い込まれてからの粘りです。春リーグ以降、自分は粘り強さをテーマにずっと練習してきたので、特に1打席目はフォアボールで出るのを目標にしていて。本当に何球でも粘る気持ちで練習もしてきたし、それを打席でも心がけてるので、注目してほしいです。

武 打席での集中力を見てほしいです。チャンスで回ってくることが多い打順なので、人一倍集中して打席に立ちたいと思っています。

ーーお互いの注目ポイントは

武 華麗な守備です。彼がセカンドにいることでチームに安心感が生まれるので、守備を見てほしいと思います。
福永 コンパクトな右打ちです。元々彼は器用なので綺麗に打てるんですけど、監督の指示で逆方向に打てっていうのを言われて以降、さらにその右打ちの技術に磨きがかかってるので、そこにぜひ注目してください。

ーー最後に、インカレに向けた意気込みをお願いします

福永 先日組み合わせも決まって、決勝までの道のりも明確になったので、残り1カ月、そこに標準を合わせて、各チームをしっかり意識した練習をしていけば必ずいい結果を出せると思っています。まずは、意識と集中力を高めながら練習して、インカレでは全てを出し切り、全員が殻を破って、いい意味でお祭り騒ぎみたいな状態で、チームが勢いに乗って勝ち進んでいければな、と思ってます。

武 チーム全員が役割をこなして、あまり先を見ずに、一つ一つのプレー、一勝、っていうのを見ながら戦い、優勝します!

ーーありがとうございました!

(取材・編集 早崎静)

インカレへの意気込みを書いていただきました!

◆福永隆稀(ふくなが・りゅうき) (※写真左)

2003(平15)年6月9日生まれ。大阪・北野出身。 スポーツ科学部3年。ケガ予防の一環としてオレンジジュースを飲んでいるそう。万全の状態で見せる、華麗な守備に期待がかかります!

◆武晃平(たけ・こうへい)

2005(平17)年3月8日生まれ。東京・狛江出身。 スポーツ科学部3年。歌が好きで、あいみょんの『ラッキーカラー』をよく口ずさむとのこと。抜群の安定感を武器にした活躍に注目です!