第4回には洛南高出身のG高田和幸(商4=京都・洛南)、F三浦健一(スポ3=京都・洛南)、F松本秦(スポ1=京都・洛南)が登場。高校時代の思い出やリーグ戦にかける思いを伺った。
※この取材は8月21日に行われたものです。
――最初に他己紹介をお願いします
高田 洛南高校出身の1年、松本秦くんです。高校では被っていないので当時はあまり知りませんでしたが、学年を上げるごとにプレーの質を上げていきました。大物感というか、1年生らしくない態度の大きさがプレー面に良く出ることが多いので、大学バスケだけでなくその次のステージでも爆発して比江島慎(現・宇都宮)くらいになって欲しいと思います。
松本 三浦健一さんです。高校が洛南高校で一緒で、自分が1年生の時に3年生でした。入学する前の練習では良い人だと思っていましたが、入ってみるとカッコいいけど少し真面目なイメージは変わりました。けれどもスイッチがハッキリしていて、バスケじゃない時はちょけているし、遊んでいるし、うるさいしという感じですが、バスケの時は切り替えてやっているところがすごいと思います。大学では寮も一緒ですし、すごく仲良くさせてもらっています。
三浦 4年の高田和幸くんです。僕が高校の頃から1個上で知っているので、もう5年目です。同期というくらいの仲の良さです
高田 お前から言うんや(笑)。
三浦 僕が勝手に思っちゃっていますけど、それくらい深い絆があって、自分のしたいプレーも分かってくれますし、逆に何をしたいかを理解してやっているつもりです。長年寮も同じで仲良くやっているからこそ、良さをお互い生かせていると思います。こんなちゃらんぽらんな後輩とも良く優しく接してくれますし、同じ洛南で仲良くやらせてもらっています。
――今の3人の関係性を教えてください
高田 僕らも上の星川(令5スポ卒)さんや松山(令6スポ卒)さんに仲良くしてもらっていい意味で上下関係が無かったから、硬くかしこまっても良い関係性になれないので、舐められても何も言わずに良い関係性になれていると思います。
松本 接しやすいです。大学生になってほぼはじめましてでしたが普通にみんなと変わらず接しています。

対談中の3選手
――洛南高での印象深い出来事はありますか
高田 僕はこの2人と違って下級生の頃から試合に出ることが多くなく、監督からも色々言われることが多かったです。しかし3年生になってヘッドコーチが変わって、そこは僕らの代とも関係性が良くて試合にも出させてもらったので、やっと日の目を浴びられました。最後の1年はすごく楽しくて、2年しんどくて1年楽しくてという感じです。
松本 1年生の時は(三浦)健一さんや星川さん(堅信、現・長崎)さんがいて全国に連れていってもらいましたが、次の年になって1年間一度も全国大会に出られない苦しい時期になりました。自分たちが3年生のときはインターハイに負けてしまいましたがチームで話し合って、ウィンターカップに出ることができました。最後勝ち切れなかったことは悔しい思い出ですが、ウィンターカップに出て試合を出来たことは一番の思い出です
三浦 毎年遠征があるのですが、岐阜の山奥の下呂に行くことが思い出です。みんなで練習や練習試合を頑張って温泉に入ることが楽しかったです。3日間くらいありましたが部屋の風呂は一度も使わず、練習が終わったりご飯前でも入りまくりました。ご飯前に入ってご飯後にも入って朝にも入ったり。
松本 ご飯めっちゃ美味くないですか。フレンチトースト食べまくりました。
三浦 めちゃくちゃご飯が出てくるんですけど、すごくいい思い出でした。
高田 洛南のOBの方がやっている旅館で、年に2、3回行っていて。普通に泊まりに行ったらなかなか行けない値段なので贅沢ですね。
三浦 多分僕らは浮いてました。タンクトップではしゃいだりしていたので(笑)。周りの人はなんだこの集団はと思っていたとは思います(笑)。
――早大は洛南高やライバルの東山高が多い環境ですがやりやすさはありますか
高田 洛南が多いことはやりやすいです。基本的なやりたいバスケットが似ているのでやりたいことをすぐ分かってくれてプレーに実行できます。安心感というか、スムーズにプレーできるなと上の先輩とも後輩とも思います。
松本 知っている人が多いというのは個人的に嬉しいです。試合中や練習中に思ったことを伝えて、それを受け入れてくれる先輩方がいるので自分も思い切れる環境です。
三浦 同じ京都なので高校はライバルでも大学では溶け込むことが速いと思います。それは同級生じゃなくても上級生でも思いました。そこはチームプレーにつながるので、良さなのかなと思います。
――今年はスプリングマッチで洛南高との対戦がありましたがいかがでしたか
三浦 向こうがやりたいことは何年か前に自分がやりたいことと同じだったので、それを頭に入れながらプレーをしていました。懐かしさを感じながらアジャストできて、手加減なしにやりました
松本 僕はOBと言っていいか分からないくらい、卒業して2週間くらいだったので2年くらい一緒にバスケしていた人との対戦でした。練習の5対5と変わらない感覚でした。相手のやりたいことは分かるし、相手も僕のやりたいことが分かるし。とりあえず倒せて良かったですね。
高田 その時期は自分の調子が上がっていなくて、でも洛南だしやりたいことをやろうかなと思っていました。それでも向こうがやりたいことを分かっているのにされてしまって怒られました。相手にすると良いバスケをするなということを実感しますし、日本人しかいなくても勝てるようなバスケのシステムが浸透されていて、何年経っても洛南らしいバスケになっていて素晴らしいと思いました。

1年生ながらチームの核として活躍している松本
――ここからは個人の質問に移らせていただきます。まずは高田選手、3月頃は調子が上がらない中、関東大学選手権からプレータイムを得ました。調子の推移はいかがでしたか
高田 2、3月は就活に追われていて、自分の人生を考えた中で就活に重きを置いてやっていました。体重も重かったし、練習時間もあまり確保出来ていませんでした。3月終わりくらいに就活も終わりが見えてきて、バスケをやれる体にしていきました。練習試合でも使っていただいて、プレータイムが増えていった春でした。
――卒業後のバスケ人生はいかがですか
高田 プロは目指さずに学生バスケで一区切りつけるつもりです。愛知県に帰るんですけど、就職企業にバスケチームはありません。愛知県にはクラブチーム、3人制のクラブチームも多いので、地元の体育館で友達もやっている草バスケをやりたいと思います。京都国体にずっと行きたいと思っていて、洛南のOBも多いのでそこを目指していきたいです。程よく楽しく息抜きとしてバスケをして、プロになった先輩、同期、後輩の応援をしていきたいと思います。
――本格的にバスケに取り組むのは最後の年となりますが特別な思いはありますか
高田 早関戦ではあまりシュートが入らず倉石さんにも色々言われてしまいましたが、もう落ち込んでもあまり意味ないなと思っています。今までは落ち込むことが多かったですが、試合に向けての準備を自分が納得するまでしていく気持ちです。チームが勝つことが一番嬉しいので、それに向けて少しでも貢献していきたいなと思います。

最後のリーグ戦に挑む高田
――続いて松本選手に質問です。現在怪我の状態はいかがですか
松本 良い感じです。チームとして求められているので、まだ完全ではありませんがリーグ戦は覚悟を決めて調整しています。
――日本学生選抜として世界大学選手権に出場されましたが感想はいかがですか
松本 復帰してまだ3日ほどだったのでプレータイムや、できるプレーも限られていました。思ったプレーはできませんでしたが、海外のチームとして対戦できたことや自分の目で相手を見れたことはとても良い経験になったと思います。
――世界大学選手権の時に比べて早関戦では着けているアームカバーが小さくなってました
松本 これ(アームカバー)あると打ちにくいので。当時は打ちにくさを取りました。今も打ちにくいんですけど。
高田 本当はもっと(シュートが)入るもんな
松本 本当は入ります(笑)。
――ここまで主力として素晴らしい活躍を見せていますが自信などはいかがですか
松本 最初は知られていないので警戒されないですし、周りのメンバーが引き付けて自分をオープンにしてくれました。リーグ戦が始まると試合数が増えていくと相手にスカウティングされていきますが、その中でも自分の得意なプレーを出していきたいと思います、
――続いて三浦選手に伺います。新人戦での松本選手の活躍をどうご覧になっていましたか
三浦 驚異的なスタッツで、見てて本当に面白かったです。自分がやらなければいけないという思いもあったと思いますが、それで怖がることなくしっかりリーダーシップを取れていたことは良かったと思います。
――六大学リーグ戦では得点王、関東大学選手権では得点ランキング5位の活躍でしたがスコアリングの意識というものは高まっていますか
三浦 1年生の時から試合に出させてもらっていて、今年も引き続き出させてもらっています。今年の4年生に頼っている自分もいたので、それに負けずにやろうと決めて頑張っています。いずれ4年生も抜けて、自分が最上級生になった時のことも考えてもっと貪欲に、自分がどんどん点を取る意識でやっています。それは倉石さんもおそらく思っているので、誰かに譲るより自分で点を取ろうと思っています。
――関東大学選手権では3P王に輝きましたが手応え、自信などはいかがですか
三浦 その日はシュートが入ったと思いますが、入らない日はあります。シュートは自分の武器なので打つように心がけていますが、どうしても人間なので。そういう日でもシュートを打ち続けてリズムを崩さず、打ち続けることが大事だと思います。
――今年からさらにフィジカルに磨きがかかっていると感じます
三浦 週4ウエイトでやっています。チームのノルマは最低限でそれ以上は各自でやっていいということがトレーナーの思考なので。「仕上がってきたね」とかプラスの言葉をかけられてやる気になります。増やしすぎは良くないですが、そのバランスには自信がありますし、練習の強度を考えながら自分なりにウエイトは頑張っています。
――現在の体重はどれほどですか
三浦 体重は実はそんなにありません。去年のリーグ戦前は92キロでしたが今年は88くらいしかないです。体重は減らしましたがフィジカル的には当たりが去年より強くなっていますし、脂肪を減らして筋肉を増やせたのが個人的に成功かなと思っています。

今季は圧倒的な得点力を見せている三浦
――再度3人の質問に移らせていただきます。他大の選手で意識する相手はいらっしゃいますか
松本 勝手に僕が思っているのは十返翔里(東海大1年)です。ポジションが一緒で、身長が一緒で、体格が一緒で、背番号も一緒です。ウィリアム・ジョーンズカップに行っていたり、最近だとカナダ遠征に行っていたり、自分がそのメンバーに入って行くには超えていかないといけない相手だと思います。未だ対戦がないので、リーグ戦で2回対戦できることが楽しみです。
三浦 自分と同じポジション、同じサイズの人はマッチアップしたいし、つかれた時にはやってやろうという感じですね。前までだったら同期の筑波大の星川(開聖、現・宇都宮)がいたんですけど、今はいないです。
高田 松野遥弥(専大4年)は地元が同じで、ミニバスもずっと一緒にやっていました。中学校も地元の地区大会でずっと対戦していて、ここまでは僕の方が上手い自信がありました。高校に入ってからは能力が伸びて、シュートが上手くて華のあるプレーをします。今では大学の中でも注目されている選手で個人としての能力は負けていますが、1対1よりもチームとして自分らしいプレーで勝ちたいと思います。地元の友達も遥弥のことについて言ってくるので、負けたくないと思います。
――それぞれ理想とする選手を教えてください
高田 辻(直人、現・群馬)さんですね。シューターとしてシュートはもちろん上手いですし、オールスターでもふざけるようなチームを盛り上げる姿やメンタリティを尊敬しています。高校の時にフリーナンバーの時は14番を着けていましたし、辻さんが群馬に移籍されて3番にしていたので、去年まで3番を着けていました。
松本 同じ洛南の先輩で比江島さんです。一番お手本にしているのは得点力で、日本代表の試合でも20点30点取ってきますし、ステップは真似出来ないですがシュート力は目標としています。比江島さんに一歩でも近づけられたらなと思います。
三浦 やっぱジャ(モラント、現メンフィス・グリズリーズ)っすね。理想としているというよりはあのバスケットを純粋に楽しんでいる感じですね。空中で勝負できるけど跳ぶまでの動きもすごくて、楽しんでいると感じます。ジャからは。
高田 ジャ呼びやめろよ(笑)。
三浦 ジャのバッシュも愛用していますし、好きですね。あれぐらい跳びたいです。
――リーグ戦で個人として掲げている目標を教えてください
高田 個人の活躍よりチームが勝つことが全てなので、どんなかたちでもチームの勝ちに貢献することです。
三浦 チームの勝ちはもちろんですけど、去年はチームを勝たせる選手と言って具体性がありませんでした。リーグ戦は長いので、その長い中でパフォーマンスの波を維持し続けるかが今後のキャリアにもつながると思います。タイトルを個人的には取りたいと思っていて得点王か3P王。狙っていきます。
松本 関東の大学のような強いチームと対戦したことがあまりありませんでした。倉石さんから言われていますが挑戦者という気持ちを持って、その中で自分の得意なプレーを最大限発揮したいと思います。
高田 目標の平均得点は?
三浦 俺去年20点とか言ってたよ。
松本 20点でお願いします!
――最後にリーグ戦への意気込みをお願いします
高田 後悔なくやり切れるように準備をして、全てを出し切るつもりで頑張ります
松本 4年生に笑って終わってもらえるように自分のできることを全部出して支えていきたいと思います。
三浦 1年目泣いて、2年目も泣いて。
高田 去年も泣いたん?(笑)。
三浦 勝って泣いちゃって(笑)。けれどもリーグ戦は悔しい思い出が多いので、人一番自分の中では気合いが入っています。最初から白鴎大が相手ですけど、僕たちはチャレンジャーとして早稲田らしいプレーで良い成績を残します。
――ありがとうございました!
(取材・編集 石澤直幸、権藤彩乃、高津文音、村山諒)

◆三浦健一(みうら・けんいち)※写真左
2004(平16)年9月7日生まれ。190センチ。京都・洛南高出身。スポーツ科学部3年。夏休みのオフには予定を立てて様々な場所へ遊びに行っている三浦選手。自然が好きで、「自然界隈」を自称しています!
◆松本秦(まつもと・しん)※写真中央
2006年(平18)7月3日生まれ。191センチ。京都・洛南高出身。スポーツ科学部1年。空いている時間にNBAゲームをプレーしている松本選手。ゲームの技術には自信がないので使っているチームはオールスターチームだそうです!
◆高田和幸(たかだ・かずゆき)
2003(平15)年7月24日生まれ。184センチ。京都・洛南高出身。商学部4年。アニメのジョジョがマイブームの高田選手。色紙に書いていただいた「ふるえるぞハート!」はジョジョの登場人物の名言です!