第3回には東山高校出身のG堀田尚秀副将(スポ4=京都・東山)、G小泉広翔(商2=京都・東山)、F南川陸斗(文1=京都・東山)が登場。3人に互いの印象や今季の意気込みなどを伺った。
※この取材は8月20日に行われたものです。
――まずは他己紹介をお願いします
堀田 南川陸斗です。東山出身の1年生で、それ以外はあんまり知らないです(笑)。広島出身で今は田無の寮に住んでいます。
南川 小泉広翔です。東山高出身の2年生です。プレーの特徴はディフェンスがとても上手で、ガードとしてチームを引っ張っています。
小泉 堀田尚秀です。4年生で副キャプテンをしています。普段は女子よりも女子力が高く、料理ができたり爬虫類が好きだったりと多趣味なイメージがあります。
――全員が東山高出身ということで、当時の思い出深いエピソードなどがあったら教えて下さい
堀田 僕は高校2年生の時の、ウィンターカップ(全国高等学校選手権)の決勝戦が印象に残っています。自分自身何もできなかったという悔しさと、チームとして優勝に届かなかったという悔しさがありました。そこが一番記憶に残っています。
小泉 いい意味で一番記憶に残っているのは、高校3年生の時の近畿新人大会です。自分たちが入学してからそれまで一回も優勝することができなくて負け続けていました。でもそこで初めて優勝することができて、やってきたことが報われたような感じがしました。それからはずっと勝つことができたので、その最初の瞬間は一番よかった思い出です。
南川 僕は高校3年生の夏のインターハイ(全国高等学校総合体育大会)で優勝できたことが一番記憶に残っています。東山高として先輩方がずっと目標にしてきた全国大会での優勝を、初めて成し遂げられて嬉しかったです。
――東山高やライバルの洛南高の選手が多い大学の環境はどう感じますか
堀田 あまり意識したりはしないのですが、プレー外で高校の時の話をして仲良くできているのはチームとしてもいいことかなと思います。
小泉 関東のチームなのに関西弁を使っている人が多くて、半々ぐらいのイメージです。高校に似た感じで、環境としてはやりやすかったです。
南川 僕はこのチームに入って半年くらいになります。入ってすぐに知っている先輩や洛南で活躍されていた方々がいて、馴染み深い選手がたくさんいたという印象です。そのおかげですぐに溶け込むことができたかなと思います。

高校時代にはインターハイ優勝を成し遂げた南川
――自分が今一番自信を持っているプレーを教えて下さい
堀田 3Pシュートです。
――昨年は1試合辺りの3P試投数が約6.5本に対して2P試投数は約0.6本。かなり珍しい数字ですが意識などはいかがですか
堀田 意識的には2ポイントを打ちたい気持ちもあります。でもチームの役割や自分のスペースを考えた時に、やっぱり自分がそこで活躍することでチームも勢いづくと思います。なので外からしっかり決め切ることを意識しています。
小泉 これまではディフェンスだったのですが、最近は新人戦を通じてボールプッシュを意識するようになりました。なのでその部分には力を入れています。
南川 僕はドライブからの得点が得意で、いろいろなプレーができるというのも自分の良さだと思っています。でも悪くいうとこれといった強みがあまりなくて、その中で強いていうならドライブが得意という感じです。
――それぞれが理想としている選手を教えて下さい
堀田 富永啓生(現・北海道)さんと言いたいところなんですが、僕の究極の理想を言うならばNBA選手のタイラー・ヒーロー(現マイアミ・ヒート)です。3ポイントを得意とするスコアラーという形に自分も持っていけたら一番理想かなと思います。
小泉 あまり理想とかは考えたことがなかったのですが、今パッと思いついたのはボールプッシュでいうとウェストブルック(昨デンバー・ナゲッツ)さんで、参考にしています。
南川 僕は東山出身なんですが、洛南出身の比江島慎(現・宇都宮)選手に小学生の頃から憧れています。独特なステップからの得点であったり、サイドも上手だったりと万能にプレーをこなすところがすごく好きです。
――ここから個人の質問に移ります。堀田選手にお聞きします。関東大学選手権の筑波大戦のように、ベンチからの起用が増えている中で1本目のシュートというものすごく重要だと思うのですが、そこにおける心持ちなどはありますか
堀田 今年は思うように出場できていなかったので、短い中で結果を残すというためにも1本目は何が何でも打ち切るという気持ちでした。ベンチで常に準備はしていて、そこでああいったいい形で回ってきて結果につながったことは、自分の中でも大きなことだったと思います。
――今年からチームでセットオフェンスが減っているという話がありましたが、シューターとしてのやりづらさはありましたか
堀田 ハーフコートに入ってからディフェンスされることが多いので、そういった意味では本数的に少なくなってしまいます。でもその分流れの中でチームとして思いっきり打っていいというのは自分としてもやりやすいですし、自分のタイミングがあれば好きな時に打てるので、セットがなくても特にやりづらさは感じてないです。
――堀田選手は自覚的にディフェンスは得意ですか、苦手な方ですか
堀田 苦手ですね。
――その中で意識していることはありますか
堀田 大穴にならないことをまずは目標にしていて、その中でも意識しているのは声を出すことです。最近だと岩屋(頼主将、スポ4=京都・洛南)、堀(陽稀副将、スポ4=京都・東山)が合宿に行っていて、自分自身が声でも引っ張っていかないとなと思いました。それに加えて、ヘルプに行ってボールをしっかり5人で守ることも意識しています。
――最終学年となった今、リーグ戦に向けた思いはこれまでと違ったりしていますか
堀田 自分のキャリア的にも、今後見る中で一番大事になってくると思います。そういった意味では気合はもちろん入っていますし、その中でも今までやってきたことでしか表現できないと思うので、気負いすぎず常にチャレンジ精神でプレーしたいです。
――今後のキャリアはどのように考えていますか
堀田 入学当初は全然違ったのですが、大学バスケをやっていく中で自分がどこまでやっていけるのか挑戦したくなって、Bリーグに行きたいと思うようになりました。

3Pシュートを武器にする堀田。昨季のリーグ戦では岩屋主将に次ぐ2部の3Pランキング2位であった
――南川選手にお聞きします。この間まで手術のリハビリに励んでいましたがどういった手術でしたか
南川 説明が難しいんですけど、簡単にいうと高校生の時から足首が悪くて、100%のプレーをするためにちょっとの期間手術をしていたという感じです。
――高校生の時からずっと痛めていた
南川 高校2年生の終わりぐらいにやったのがずっと続いていて、テーピングして誤魔化してプレーしていました。
――今の調子的にはいかがですか
南川 2.3カ月休んでいたので、少しずつバスケットの感覚を取り戻しているという感じです。
――フィジカル面は今どう取り組んでいますか
南川 僕は高校時代あまりウエイトトレーニングをやっていなかったのもあって、大学に入ってそこの差をすごく痛感しました。先輩方はそこに対する意識がとても高く、日々学ぶことばかりです。そう自分も頑張っていきたいと思います。
――ルーキーシーズンだと思いますが、現時点で大学での適応としてはいかがですか
南川 それこそさっきのフィジカルの話もそうですけど、自分の足りない部分をすごく痛感させられています。この一年で、少しでも通用する部分を磨いていけたらと思います。
――今まで広島、京都ですごしていますが東京に来てみてどうですか
南川 新しい環境でプレーするのは高校の初めと同じような感覚だったので、心機一転頑張っていきたいと思っています。
――小泉選手にお聞きします。6、7月の新人戦を振り返っていかがでしたか
小泉 始まりがまず試合に出れるかどうかわからない状況で、正直言って選手含めて1回戦負けか、日大に負けるかなと思っていました。でもいざ試合が始まってみると強くて、周りが良かったのもありますが、大会5日間を通してチームになっていく様子がベンチからも感じられたのではないかと思います。高校生の時にキャプテンをやっていた経験もあるので意識していた部分もありますが、あまりそこはできていなかったと思います。チーム一丸となって、秦(松本秦、スポ1=京都・洛南)はスターでしたけど彼が抜けてからも変わりなくプレーできたのはいい経験になったと感じています。
――ハードなディフェンスが持ち味の小泉選手でしたが、少ない人数でファールトラブルも気にする難しさがあったのではないでしょうか
小泉 まずは自分が2番目か3番目に大きい方だったので、サイズ的にガードにつけませんでした。ポジションが下もつかないといけない、ファールもできないとなると普段みたいなアグレッシブなディフェンスができたかはわからないです。とにかく40分間点を取らせないという意識で守っていました。
――今のご自身のポジションはどこだと考えていますか
小泉 今はポイントガードをやらせてもらっています。あまり小さい頃から考えてプレーしていなかったので、日々たくさんの人に教わっていて、考えることの難しさを痛感しています。

ポイントガードとして成長を見せる小泉
――再度3人にお聞きします。1部昇格を果たした昨年を振り返ってみていかがでしたか
堀田 一番目標にしていた1部復帰を果たせたことは非常に嬉しかったです。その中でも1部に入ってみて、その差をすごく痛感した部分がありました。1部に入ってみてリーグで戦っていく相手はみんな強いと思いますし、去年みたいにはいかないなと感じています。
小泉 自分はまだ1部のリーグを経験したことがないですが、スプリングを経験して強度の違いを目に見えて感じました。去年は4年生がプレー面というよりかは精神的にチームを支えてくれていた印象ががあります。自分も飯島慶記(令6卒=茨城・下妻第一)さんらの姿を見てきたので、短い時間でも試合に出たら貢献できるようにしたいです。
――今シーズンここまでを振り返ってみていかがですか
堀田 チームとしては通用する部分とそうでない部分がはっきりありました。特に留学生がいる相手はリバウンドのところであったり、アドバンテージを取られたりする場面も多いので、そこをリーグで最も解消して上の相手にも勝っていけたらと思います。
南川 今尚さん(堀田副将)が言ってくれたみたいに、1部の相手に通用する部分とそうでない部分が少しずつはっきりしていると思います。そう言った意味ではリーグに向けたいい材料集めはできているんではないかと感じています。
小泉 速いバスケットが今年の早稲田のテーマで、そこは通用している部分もあります。あとはそれを40分どれだけやり続けられるかで、それが勝利につながってくるのではないかと思っています。
――リーグ戦で対戦したい相手などいれば教えてください
堀田 あまりいないです。
南川 誰というよりかは同級生の1年生ルーキーが出ているチームには負けたくないなという気持ちがあります。
小泉 自分は中高時代の友達だったりとか、一緒にやっていたチームメイトが出ているチームには負けたくないと思っています。南澤空(白鴎大2年)とか佐藤友(東海大2年)とかですね
――個人として掲げているチームの目標を教えてください
堀田 3ポイント王を取ります。確率は絶対に4割超えで、どの試合でも確率良く決めたいと思っています。
南川 現状はあまりプレーでチームに貢献できていないので、少しでもプレータイムをもらえたら全力でチームに貢献することです。あとはプレー外のところ、ベンチであったりそういうところでチームを盛り上げて、雰囲気作りをしっかりできればなと思っています。
小泉 チームの状況で3番手のガードなので、試合に出ることは少ないかもしれません。それでも練習中などで自分らの出来が良ければ、特に頼さんや瑛司さん(下山瑛司、スポ3=愛知・中部第一)の刺激になると思うので、そういうところを目指して高められるように頑張りたいです。
――最後に意気込みをお願いします
堀田 早稲田らしい速いバスケットでもっと観客の人を魅了できるように、個人としてもチームとしても優勝目指して頑張ります。
南川 一部の中でも早稲田のバスケットが通用するということを見せられるように頑張ります。
小泉 速くて見てて楽しいバスケットを40分間ずっとやり続けられるように頑張ります。
ーーありがとうございました!
(取材・編集 石澤直幸、高津文音)

◆南川陸斗(なんかわ・りくと)※写真左
文学部1年。187センチ。京都・東山高出身。手術の影響により6月は松葉杖でキャンパスを歩いていた南川選手。「デカいケガしてるやつがいて周りは不思議だったと思う」と当時を振り返っていました。復帰しコートを駆け回る姿に注目です!
◆堀田尚秀(ほった・なおひで)※写真中央
スポーツ科学部4年。183センチ。京都・東山高出身。女子力抜群として知られる堀田選手。この夏に行ったBBQでも紫外線対策を徹底し、美白をキープ中です。美しい肌と描く放物線に注目です!
◆小泉広翔(こいずみ・ひろと)
商学部1年。181センチ。京都・東山高出身。南川選手と同じく東山高の指定校推薦で早大に入学した小泉選手。勉強の秘訣を聞くと、「いかに周りに流されないかが大事」とおっしゃっていました!