【連載】男子バスケットボール部 関東大学リーグ戦前特集『REDEEM』第2回 C初宮嘉一×F藤山拓翔

特集中面

第2回にはチームを支えるビッグマンのC初宮嘉一(スポ4=東京・頴明館)とF藤山拓翔(スポ2=新潟・開志国際)が登場。リーグ戦にかける思いと共に、今季から新体制となったチームの裏側の話を伺った。

――他己紹介をお願いします

藤山 頴明館高出身のスポーツ科学部4年、初宮嘉一さんです。身体能力を生かしたリバウンドや、意外と器用なシュートタッチが武器で、ストレッチ5の役割を担っています。チーム内でもムードメーカーで、一緒にインサイドで切磋琢磨してやっています。

初宮 開志国際高出身のスポーツ科学部2年、藤山拓翔です。得意なプレーはスリーポイントとダンクです。最近スリーポイントを倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭54教卒=東京・早実)からいろいろ言われていますが、入るので。自信持って良いと思います。

藤山 初宮さんも入るので。昨日の練習なんてジャブステップからスリー決めてました。

――互いの関係性について教えてください

藤山 前のバイト先が同じです。初宮さんはもうそのバイト先来ていないのに、ちゃっかりご飯かだけ来て(笑)。

初宮 美味しいご飯食べに行きました(笑)。

藤山 同じバイト先だった期間は1、2カ月ほどでしたが、バイト終わりにラーメン屋行ったりとか、来週も野球見に行ったりします。

――HCが変わり、昨年から4年生のビッグマンが3人卒業した中、ご自身の役割の変化はどう感じていますか

初宮 倉石さんのバスケットが5人外にいる感じなので、スクリーンもかけない方がいいかなみたいな。そこが難しいなと思います。

藤山 求められていることは無駄なことをしないことと、しっかりインサイドを守ること。空いたらスリーも打っていいんですけど、ディフェンスもオフェンスリバウンドもどっちも飛び込むことが大事かなと思います。

――倉石HC体制となって一番変わったと思う点はどこですか

藤山 バスケのプレー自体が変わりました。前の三原学アシスタントコーチ(平15スポ卒=東京・安田学園)の時は結構セットプレーをやっていましたが、今年はとにかく動きの中で、全員が動いてパッシングしてチャンスがあれば迷わず打つという感じです。本当に困ったらセットプレーを使うみたいな。

初宮 とにかく走って走って走りまくる。練習や練習試合からショットクロックを14秒でやっていたり、どんなにキツい練習があっても最後にはラントレーニングがあったり、結構走ってます。

――2年前の倉石HC体制に比べての変化はいかがですか

初宮 みんな感じていると思うんですけど、倉石さんが今年にかけている気持ちが違うと感じています。平久江さん(平久江卓総監督、昭59卒)も、倉石さんの気持ちが違うから俺らも違うんだよって言ってましたし。本当に気持ちが全然違うなと思います。

対談中の両選手

――ビッグマンとしてはシュート力に定評のある2人ですが、外のプレーに対してはどのように取り組んでいますか

藤山 最近は練習だと、どのポジションの選手もスリーを打っています。時間を割いているので、試合中も空いていたらどんどんシュートを打っていく意識になっていますね。打たなかったら今まで練習してるんだから打てよって言われるので。

――先日の関東大学新人戦の山梨学院大戦では6本の3Pシュートを沈めました

藤山 代々木が好きです。代々木第二体育館が好きで、なんか打ったら入るみたいな感じです。

初宮 大田区(総合体育館)と全然違う。

藤山 大田区は本当に入んなくて、相性なんですかね。その試合は代々木で自信を持って打てたので、そこがシュートに影響したのかなと思います。倉石さんもシュートは気持ちという人なので。

――初宮選手は昨年の入れ替え戦で決めたブザービーターが印象的です

初宮 あれはもうたまたまで、瑛司(下山、スポ3=愛知・中部第一)が前に出て来いという合図を出して、適当に投げたら入りました。あれで点差が広がって、そのままの流れで勝てたので本当に良かったです。

――それぞれ理想とする選手を教えてください

藤山 早稲田だったら健一さん(三浦、スポ3=京都・洛南)じゃないですか。結構努力型というか、インサイドの知識があって、外もそつなくこなせるので、大学生の中だったらお手本になる存在だと思います。

初宮 やっぱレブロンをイメージしていて。

一同 (笑)。

初宮 最近はカイリーのシューズを買って、カイリーの気分になってやっていました(笑)。シューズによって気分が変わりますね。今日は自分がカイリーだと思ってやっていました(笑)。

最上級生として献身的なプレーが光る初宮

――チームの課題となるリバウンドをに対してどのような意識で取り組んでいますか

初宮 もう相手を抑えるだけ。抑えて、周りに取ってもらって。5人全員でリバウンドを取ってすぐ走るようなチームになっていきたいと思って頑張っていますし、これからも精度は上がってくと思います。

――昨年はG岩屋頼主将(スポ4=京都・洛南)がチーム最多のリバウンドを獲得しましたが、ボックスアウトへの意識はいかがですか

藤山 自分より大きな留学生がいたら、僕たちインサイドはとにかくその留学生を抑える。ボールは地面に落としていいから、周りの人に取らせることを意識しています。オフェンスリバウンドは飛び込んでいく意識ですね。

――初宮選手は今年が最後の年となりますが、かけている特別な思いはありますか

初宮 今年は1番優勝を目指せると思っているし、本当にみんなで頑張って優勝したいです。

――初宮選手はBチームにも在籍していたこともありますが当時はいかがでしたか

初宮 1年生の時はAチームしかなくて、2年の時は最初BチームだけどもスプリングトーナメントからAに行きました。そこからはAとBのどっちもいて、午前Aの練習してからBの練習もするという感じでとてもキツかったです。

――藤山選手に質問です。今年から背番号を28から9に変えましたが理由はありますか

藤山 特に深い意味はないんですけど、大きい数字は見栄え悪いので(笑)。あと高校3年の時に9番を着けていたので、その9番を着けてもう1回気持ちを切り替えようかなと思いました。

――藤山選手は今シーズンからプレータイムを大きく伸ばしましたが意識の変化などはありますか

藤山 一番はHCが変わったのがあるんでしょうけど、チームや倉石さんから求められていることはリバウンドや外のシュートだと思います。インサイドもアウトサイドもやることが僕のやるべきことだと思っていて、逆にそういうプレーができない時は控えに秦(松本、スポ1=京都・洛南)や初宮さんに任せるという気持ちで自分のやれることをやっていこうと思っています。

――新人戦は全試合でフル出場でしたが体の状態はいかがでしたか

藤山 関東予選の新人戦の時はすごく疲労が溜まっていました。それでも40分間試合に出れることは貴重な経験でしたし、自信にもつながりました。疲労も多かったけど得られることも多かった大会だったと思います。

ーー初宮選手は新人戦をご覧になられていかがでしたか

初宮 めちゃくちゃキツそうだなと思っていました。(帝京平成大戦は)前半リードされていたのによく勝てたなって、なんで勝てたくらいに思いました(笑)。毎回熱い試合をするので見てる側もすごく楽しかったです。

――新人インカレでは早大が敗れた相手である日本経済大が地方勢初の優勝を成し遂げました。実際戦ってみても手強さは感じていましたか

藤山 どのシュートでも、特にスリーポイントとか全部入って。途中本当に勝てないなという感覚がありました。でも途中2Qに追いついて、この流れなら勝てるんじゃないかと思いましたが、相手は流石に優勝しただけあって強かったです。

初宮 試合後倉石さんめっちゃ怒ってたよ。

藤山 関東6位として出ている中、日本経済大をはじめとする関東以外のチームに負けてはいけないという話をされました。関東でバスケをできる人は少なくて、その代表として大会に出ているわけだからしっかりしないとという気持ちですね。

――日本経済大はその後東海大や白鴎大も破って優勝しました

藤山 流石に東海大には負けるだろうと思っていたけど勝って。児玉ジュニア(日本経済大2年)なんかあの時シュートめっちゃ当たってましたし、全員上手かったですよ。

今季からプレータイムを大きく伸ばした藤山。新人戦では全試合フル出場だった

――再度お二人への質問に戻ります。1年での1部復帰となった昨シーズン全体を振り返っていかがですか

初宮 部の時はどうにかなったという印象が強いですが、今年は体の強さや細かいところも全然レベルが違うと思います。去年なんとかなった部分が今年はなんとかならないので、一つ一つ課題を潰していきたいです。

藤山 昨シーズンは試合に出る機会が少なく、ベンチから見ていることが多かったです。そういう中で自分のできることを探していました。今年は2部のチームより強いチームが相手ですが、求められていることをしっかりこなし、目立たないところでチームを泥くさく支える選手になりたいです。

――今シーズンのここまでを振り返っていかがですか

藤山 僕は今シーズン何回か出させてもらいましたが、その中で調子の波が激しかったです。僕はスタメンで出ているといえど定着しているわけではないので、危機感を持って練習でも試合でもプレーしています。バスケをやってるからには試合に出たいというマインドで今シーズンやってきました。

初宮 4年生になって求められるものが大きくなっていると感じます。ミスした時にチームの雰囲気が悪くなってしまうことがこの半年間結構多かったので、その部分はチームに貢献していきたいです。できるだけ後輩に還元していって、自分ができることを全力で頑張るもう半年間にしたいです。

――初宮選手は卒業後もバスケを続けますか

初宮 実業団でやっていきたいと思っています。5人制もやりつつ、3x3もやれたらなと。

――今年から1部の選手たちを相手にしますが、対戦したい相手はいますか

初宮 僕は留学生ですね。2部の留学生と1部の留学生って違うのかなって。モンガ(バンザ・ジョエル、白鴎大4年)とか1回触ってみたいです。高さを体感したいという気持ちがあります。

藤山 コネ(ボウゴウジィ・ディット・ハメード、日体大3年)と武藤俊太朗さん(明大3年)ですね。コネは僕がスプリングトーナメントでマッチアップしていて、あの時に負けてしまったことに自分の中では悔いが残っています。もう1回コネとマッチアップして今度はちゃんと止めたいなと思います。あと武藤さんは開志国際高の先輩で、オールラウンダー的な選手として健一さんと共に理想としている選手です。マッチアップして課題を見つけたいという意味でも武藤さんと対戦してみたいですね。

――リーグ戦の目標を教えてください

藤山 干されずに試合に出て、ちょっとでもいいから貢献したい。それぐらいですね。

初宮 苦しい時に流れを変えられる選手になりたいです。

藤山 そうです。同じです。僕もそれが言いたかった。

――最後にリーグ戦への意気込みをお願いします

藤山 今年の早稲田は今までと違うとみんな思っているので、確かに強いです。みんなに見てもらいたいです。今年が勝負の年なので。

初宮 強くて速くて、誰もついていけないバスケットをします。倉石さんは観客を魅了するという話をしているので。

藤山 1試合120得点が目標なので。1クオーターで30点取れば観客も楽しんでくれるみたいなことを倉石さんが言っていました。

初宮 応援されるチームになることが目標です。得点が入ってスピード感のあるバスケットを繰り広げます。

藤山 スピード感に注目して欲しいですね。

ーーありがとうございました!

(取材・編集 石澤直幸、大竹瞭)

◆初宮嘉一(はつみや・よしかず)

2003(平15)年11月25日生まれ。195センチ。東京・頴明館高出身。スポーツ科学部4年。カイリーのシューズを履いてカイリーになりきってプレーした体験を楽しそうに語ってくれた初宮選手。リーグ戦では初宮選手の足元にも注目です!

◆藤山拓翔(ふじやま・たくと)

2005(平成17)年8月2日生まれ。188センチ。新潟・開志国際高出身。スポーツ科学部2年。藤山選手がシュートの際に上を向くため上手く写真が撮れないと相談すると、ちょうど最近倉石HCから顎を引けとアドバイスされた話をしてくれました。今後はシュート精度と写真写りの改善に期待です!