対談第7回は、ア式蹴球部女子(ア女)の副将を務めるMF淀川知華副将(商4=山梨・日本航空)。副将に就任した経緯や早慶戦への思いを伺った。

ーー副将を務めることになった経緯
4年生が5人しかいないなか、性格を考えると宗形はプレーで引っ張っていくタイプで、自分はチーム全体を見てまとめる役割が同期の中でできる方だったので、バランスも見つつ自分が副将になりました。自分は正直主将や副将はやりたくなかったですが、周りの同期に推薦してもらって副将になりました。
ーーチームメイトからの評価を聞いていかがでしたか
自分自身もやろうと思っていなかったので、驚きではありましたが、これまでの4年間の積み重ねの中でやる可能性はあるのかなと心の中で準備はしていました。
ーープレシーズンはチームづくりでどういったことを意識していましたか
「躍道」というスローガンを掲げたなか、「長所伸展」という言葉を意識しています。一人一人に思い切って自分らしさを出してほしいと思っているので、一人一人が出し惜しみせずに自分らしさを発揮できる環境をつくることを心にかけていました。
ーー他の4年生とはどう連携していますか
自分も含めてみんな口で引っ張ることは苦手なので、しっかりプレーの面で自分たちがやることを示していきたいと話しました。スローガンで決めた「凡事徹底」、「長所伸展」をみんなに意識してもらいたいです。主将と副将が練習の後にいつも締めで話す時や学生ミーティングを通して意識付けできるようにみんなで工夫してやっています。

ーー今季のここまでを振り返っていかがですか
優勝を目標に掲げている中、もっと前期で勝ち点を積み重ねていきたかったです。例年と比べて他チームとの差が全然なく1試合の勝ち点が重いからこそ、後期は勝つ必要があると思います。
ーー印象に残っている試合はありますか
東京国際大戦と東洋大戦は戦った時点では相手の方が順位が上で、勝てていれば勝ち点を積み重ねられた中、最後に失点したので苦い印象があります。日大戦は、関カレに自分が出始めて、個人的な自信も積み上がってた中、ダブルヘッダーという厳しい状況でしっかり勝ち切れたことで良い印象があります。
ーー個人のプレーにはどのような手ごたえがありますか
一昨年から中盤をメインにする中、自分の中でもできるプレイが増えたり、アシストにつながるパスができたりと自信は積み上がってきました。関カレの方ではサイドで出ることが多くなり、自分の強みとしてるハードワークや泥くささはしっかりプレーの中で発揮できたと思います。今後はもっとできるプレーを増やして、チームの勝利に貢献していきたいです。
ーーハードワークはどのようにして自分の強みになりましたか
お父さんが小学生の時にコーチでした。その時に「ハードワーク、ハードワーク」と何度も言われて、自分のプレーとして身についていきました。走るのがすごく好きになって、チームのために走ることが当たり前になりました。自分は足技が得意な技巧な選手ではないので、チームのためにプレーすることが強みだと思います。
ーー大学に入ってから、その強みに変化はありましたか
高校生の時にサッカーをつまらなく感じたこともあったので、大学に入ってからはサッカーを楽しもうと、自分のためだけにサッカーしようと思っていました。ただア女に来て、選手にはレベルの差があったり代表経歴のある選手たちもいるなか、心からチームメートを応援してサポートしてる姿を目の当たりにした時に感動して。そこでア女というチームに身を置いてく中で、チームのためにという軸は改めて固まったと思います。
ーーキャプテンマークを巻く試合もありました
関カレに出た時に、関東リーグとの強度の違いを一瞬で痛感しました。その強度の高い試合の中で「上手くやろう」と自分に意識を向けたら、失敗すると思ったので、チームのためにできることを全力でやろうという思いでピッチに立ちました。
ーーサイドハーフでのプレーはいかがですか
中学、高校でもサイドはやっていましたが、大学に入ってからはボランチになったので。監督から求められたことに関しては、サイドハーフというポジションでもしっかりと守備をして、チームの攻撃に勢いづかせることが求められました。自分はゲームの中で声を出す方なので、サイドから逆サイドのコーチングや声かけを意識していました。
ーー失点数が増えている点については、どのような思いがありますか
ア女は守備からということを監督から何度も言われているにもかかわらず、失点が増えているので悔しいです。クリーンシートの数が少ないことや最後の最後に逆転されるところで、勝負強さが相手に負けているなと。チームとしても練習の中で強度をあげてきてるので、フィジカルの部分でチームとして後期に向けてレベルアップしていきたいと思います。
ーー強豪・ア女の一員としてプレーする上でのプレッシャーはありますか
伝統あるチームなので前年の結果と比較することはよくあります。インカレ(全日本大学女子選手権)での優勝回数といった先輩たちが紡いできた歴史は、伝統ある大学として守っていきたいと思います。そこは他大学との違いを、内容と結果でしっかり見せたいです。

ーー早慶戦にはどのような印象がありますか
毎年お祭りのように盛り上がる上に、今まで無敗というプレッシャーもあるので、緊張する舞台だと思います。自分は今まで早慶戦に出たことがないので、楽しみな部分もあります。プロの選手たちが使う舞台でプレーできるという点に関してはとても楽しみです。
ーークラシコではどんなプレーに注目してほしいですか
自分はア女のエンブレムにも書かれている熱く、泥臭くハードワークすることを体現していきたいと思っているので、そういうプレーにぜひ注目していただけたらいいなと思います。
(取材 荒川聡吾)
♦淀川知華(よどがわ・ちか)
2004(平16)年1月2日生まれ。156センチ。日本航空高出身。商学部4年。関カレではチームを勝利に導く決勝点を決めたりとピッチ内外でチームをけん引する姿が印象的です。