今春も早大競走部に新たな顔ぶれが加わった。200メートルで全国高等学校対校選手権(インターハイ)王者となり学生トップレベルの自己記録を持つ若菜敬(スポ1=栃木・佐野)。そして100メートルから400メートルまで様々な種目でマルチに活躍する松本悠斗(スポ1=佐賀北)。大学生活のスタートラインに立った2人に、今後の展望や目標を伺った。
※この取材は5月25日に行われたものです。
ルーキーの素顔

対談中の若菜(写真左)と松本
ーー他己紹介をお願いします
松本 若菜敬さんです。出身は栃木県の佐野高等学校です。専門種目は200メートルで、インターハイを大会新記録で優勝されています。一緒に練習をし始めてからまだ1カ月と少しくらいしか経っていないですが、自分が思っているよりは練習量は多くない印象で、どこにそんなパワーがあるのだろうと思っています。これから一緒に練習していく中でその辺りをもっと深めていければいいかなと思っています。
若菜 名前は松本悠斗で、佐賀県佐賀北高等学校出身です。300メートルが速いイメージです。一緒に1カ月ちょっと過ごしていて、練習などを見ている感じ、練習に取り組む姿勢というのが自分とは反対な感じで、結構量を走るような練習をしています。
ーーオフの日はどのように過ごされていますか
松本 自分は基本外出をあまりしたくないタイプなので、朝起きて溜まった分の課題をやるか、もう1回寝るかという感じです。
若菜 僕も外出する日はしますが、基本的には同じように寮の中で課題などをやる日にしています。最近は、寮生活になって、少しずつですが自分でご飯を作るようにしています。
ーー何を作られるのですか
若菜 本当に簡単に、肉を炒めて、野菜入れてみたいな感じで作っています。
ーー今まで行った遠征先でお気に入りの場所はありますか
松本 やはり高2のインターハイで行った北海道かなと思います。自分が住んでいるのが九州なので、気候面や環境面が自分が住んでいるところと全然違ったので、そこに適応するのが難しいなと感じたので、印象的だと思います。
若菜 気に入っているというか、印象に残ってるということだったらやはり福岡の博多の森陸上競技場です。自分が今持っている自己ベストを出したというのもそうですし、そこでインターハイで勝ったというのも思い出です。
陸上競技について

対談中の松本
ーー競技についての質問に移ります。陸上競技を始めたきっかけは何ですか
松本 自分は元々サッカーをするつもりでした。きっかけというほど大きなものではないのですが、サッカーよりも先に陸上教室の方を見に行って、そっちをやろうと思ったのが陸上競技を始めたきっかけです。
若菜 元々野球をやっていましたが、自分が小学校から中学校に上がるタイミングで陸上競技をしていた3つ上の姉の大会を見るついでに自分も陸上競技場に行っていました。試合を見ていて、かっこいいなと思ったのがきっかけです。
ーー今の種目を始めた時期ときっかけを教えてください
松本 専門種目がまだ自分の中では固定されていないのですが、高校の時に主にやっていたのは200メートルで、100メートルを始めたのは中3の始めくらいからです。高校に上がるタイミングで高校の顧問の先生から、大学では400メートルに挑戦してもいいけど、高校ではスピードをつけるために200メートル、100メートルでやっていった方がいいとおっしゃっていただきました。なので高校では200メートルを専門的にやっていました。大学に入ってからはまだ1カ月ぐらいなのですが、400メートルにそろそろ挑戦してみようかなと思います。
若菜 100メートルと200メートルをやっていて、始めた時期も同じで、中学3年の春に始めました。元々野球と陸上をやっていて、中学校3年のタイミングで陸上を始めようとなって、とりあえず100メートルと200メートルで出ようみたいな感じで始めたのがきっかけです。
ーーご自身の走りの強みは何だと思いますか
松本 自分の走りは、筋力が今不足してる分しなやかに走れるのが強みかなと思っています。ただ、自分の走りの場合は筋肉がつけばつくほど速くなると言われたらそうではないという感じなので、バランスよく(筋肉を)つけていけばもっとしなやかに走ることができるかなと思います。若菜 僕の走りの強みは、200メートルで言うと、コーナー抜けから後半にかけてが一番強みだと思っています。昨年の夏に世界大会に出場させていただいたのですが、その時もそれなりに海外選手と戦うことができたのでそれが自分の強みだと思います。
世界へ羽ばたく選手に

対談中の若菜
ーー早大を志望した理由は何ですか
松本 早稲田大学自体が大学陸上界の中でもトップクラスで、自分も良い環境に身を置いて、自分自身をもっと鍛えることができたらいいなと思ったので、早稲田大学を志望しました。
若菜 まずはU20の日本記録である20秒29を持っている大前祐介監督(平17人卒=東京・本郷)がいて、大前監督の元で指導を受けることができるというところで志望しました。
ーーお2人は既に大学陸上の舞台をいくつか経験されていますが、手応えはいかがですか
松本 大学で出た試合は、高校の時とは違って400メートルにチャレンジしていますが、やはり走り方であったり持久力だったりが全然違うなと感じています。でも、タイム自体はそこまで悪くないと思うので、もっとラウンドを踏めるような体づくりをしていければなと考えています。
若菜 まず、シーズンが始まって数試合出ています。自分は昨年の感じで言うと7月8月あたりにピークを持ってくるような1年のスケジュールでやってきました。ですが今年はユニバーシアード(ワールドユニバーシティゲームズ)を決める学生個人選手権であったり、関東インカレ(関東学生対校選手権)、日本インカレ(日本学生対校選手権)が早まっているので、少しピークの時期を早めにというところで、大学生の選手たちがもうこの時期に仕上がっているというのもあり、自分はそこに合わせたつもりでした。しかし、まだ調子が上がりきらない状態で、そこの違いを感じています。
ーー今後伸ばしていきたいところはどのようなところですか
松本 自分はまず体の線の部分が貧弱なところがあるので、ベースとなる筋力面の強化と、あとはケガをしないような体作りを今は徹底してやっていこうかなと思っています。
若菜 まずは自分の強みである後半というところを生かすために、もっと前半からいかないと、いくら後半が強くても後半で勝ち切れないので、前半の走りというところをできるようにしていきたいです。
ーー最後に、これからの4年間の目標を教えてください
松本 これから4年間の自分の目標は、学生チャンピオンになるというのはもちろんですが、それ以上にやはりシニアの舞台で戦えるような、日本代表まで上りつめられるような、そういった選手になりたいなと考えています。
若菜 やはり自分が学生の内にあるロサンゼルスオリンピックに出場するというところを1つ目標にしていきたいと思っています。
ーーありがとうございました!
(取材 佐藤結、長屋咲希 編集 會川実佑)

◆若菜敬(わかな・けい)(※写真右)
2006(平18)年10月4日生まれ。栃木・佐野高出身。スポーツ科学部1年。
◆松本悠斗(まつもと・ゆうと)
2006(平18)年9月25日生まれ。佐賀北高出身。スポーツ科学部1年。