打率は2割3分7厘、長打はわずか4本と、今季は試練のシーズンとなっている前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)。しかし、明大3回戦では猛打賞を記録し、復調の兆しを見せている。そんな前田健副将に、苦しかったシーズン中の心境や印象に残った試合、そして迫る早慶戦への思いを伺った。
※この取材は5月22日にオンラインで行われたものです。
猛打賞を機に本領発揮へ

――ここまでの今シーズンを振り返っていかがですか
結果でも分かる通り、あまり調子がよくありません。もっと打っておけば楽な試合もあったし、勝てた試合もあったなという風に思います。明大戦の3戦目に3本の安打を打ったのですが、それをもうちょっと早く打てていたらと思います。
――特にシーズン序盤はあまり調子が上がりませんでしたが、その要因としては何が考えられますか。
上半身と下半身が連動するときにバラバラになってしまっていると思いますが、それがなかなか直らず修正できていません。それが問題で打てていないのかなと思います。
――コーチや監督からアドバイスはございましたか
金森栄治助監督(昭54教卒=大阪・PL学園)によく投げてもらっていて、小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)にもたまに投げてもらっています。一週間に2000球は打ったんじゃないかなと思います。あと、シンプルに軸で回るということは言われていました。
――明大3回戦では猛打賞を記録しましたが、復調の手応えはいかがですか
これを機に調子をつかめれば早慶戦でまた良い結果を出せると思うので、引き続き練習して良い状態になれるよう頑張りたいと思います。
――今シーズンで一番印象に残っている試合を教えてください
負けた試合なんですけど、延長戦で丸山(立大3年)にサヨナラ打を打たれた立大戦です。その試合は最初リードをされた中、一時逆転もしましたが負けました。チーム全員で一丸で伊藤樹(スポ4=宮城・仙台育英)の負けを消そうと団結して、逆転まで持っていけたのは良かったと思います。チームとして成長できたと思い印象に残っている試合です。
――ここまでのチームの戦いぶりを振り返ってはいかがですか
シーズン前半はリードしていても逆転されて負けるもったいない試合、勝てた試合がありました。ですが後半からは粘り強く、点を離されてもくらいついていく試合が増えたと思います。明大3回戦も、追いつかれたけど勝ち越して勝ったっていう試合なので、チームとしては良くなっているのかなと思います。
――ご自身の前を打つ小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)や寺尾拳聖選手(人3=長野・佐久長聖)の打撃はどう映っていますか
頼りになる3、4番だと思っています。他の選手も頑張っていますが、その2人が絡んだ得点が多いと思うので、よく打ってくれる頼もしい2人だなと思います。
――今シーズン、ここまでの収穫はいかがですか
やはりチームとして力があると思います。あれだけ離されて追いつくのはなかなか無いと思うので、そのみんなの力を発揮して早慶戦も勝ちたいと思います。
選手間のコミュニケーションを見てほしい

――早慶戦まであとわずかとなりましたがチームの雰囲気はいかがですか
雰囲気はいつも通り良い感じだと思います。
――3連覇がかかっていますがプレッシャーなどはありますか
新チームになっているので自分自身はあまり重圧を感じていません。
――慶大で注目している選手を教えてください
注目している選手は常松(広太郎、慶大4年)です。バットに当たったら打球は飛ぶので、その前の小原(大和、慶大3年)といった選手を抑えてランナーのいない状態で常松に回したいと思います。慶大はそこがキーマンになってくると思うので、常松とそこまでの1、2番をしっかり抑えれば意気消沈させることができると思います。
――ご自身の注目して欲しいポイントを教えてください
選手間とのコミュニケーションをやっぱり見て欲しいと思います。打撃どうこうではなく今はもうチームで勝てばいいと思っているので、投手とのコミュニケーション、内野とのコミュニケーションといったところを見てほしいなと思います。
――最後に早慶戦に向けての意気込みをお願いします
明法戦の試合結果にもよりますが、優勝か優勝決定戦がかかる大事な試合です。伝統のある早慶戦は早大が勝たないといけないと思うので、2連勝して、法大にも頑張ってもらって優勝したいと思います。
ーーありがとうございました!
(取材、編集 長屋咲希、石澤直幸)
◆前田健伸(まえだ・けんしん)
2003(平15)年5月23日生まれ。177㌢、90㌔。大阪桐蔭高出身。商学部4年。取材の翌日がお誕生日だった前田健副将。昨年の誕生日にはスタバのギフトカードをもらったそう。今年はどんなプレゼントをもらえたのでしょうか?