第11回に登場するのは吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)。昨年まではなかなか出場機会に恵まれなかった吉田瑞副将だが、今季は開幕から正捕手として扇の要を任された。勝負強い打撃で印象深い活躍を続ける苦労人に、これまでの率直な感想と早慶戦への抱負を伺った。
※この取材は5月24日にオンラインで行われたものです。
抑えることの難しさ

――これまでのリーグ戦を振り返っていかがですか
(個々で見ると)うまくいってる事といかなかった事があったんですけど、総合的に見て頑張れてるほうかなと思います。
――正捕手として実戦でのスタメン出場は初めてと思いますが、何か感じたことはありますか
他大学のレベルの高さ、野手のレベルの高さを感じましたし、その中で抑えることの難しさを感じました。
――今季の投手陣を全体でみると、本調子のピッチャーばかりではないですが、そういったピッチャーをリードする時に意識していることはなんですか
ピッチャーのレベルと調子にもよるんですけど、一番はピッチャーがその日一番いい投げられるボールを選択していくことです。先発で投げるピッチャーはその日の調子が悪くても、いかに最少失点で切り抜けられるかということで、メンタル的に落ちないようにポジティブになれるような感じで話しています。
――吉田選手が実戦で出ていく中で、参考になったキャッチャーは誰かいますか
去年のキャプテンの印出さん(印出太一、令7スポ卒=現三菱重工East)とは(シーズン中も)リーグ戦の話をさせていただいていて、学べることも去年より多かったと思います。
――吉田選手の個人の成績を振り返っていかがですか
東大、法政とあまりいいバッティングではなかったんですけど、立教戦と明治戦であげられてきているので(全体としては)そこそこいい感じできていると思います。守備面では大量失点する場面が多いのでそこはバッテリーで反省しなくてはいけない点かなと思います。
――直近6試合での打率が22打数9安打、打率が4割を超えていますが、好調の要因はなんですか
東大・法政のところで気負いすぎていたというか、思ったようにバットが振れていなかったので、もう一回キャンプでやったことを振り返ってみて自分に何が足りないのかということを見つめ直したことが立教戦からの好調につながっているのかなと思います。
――ご自身のこれまでの成績を100点満点としたら何点をつけますか
70点ぐらいですかね(笑)。
――その理由は
勝ち点を落としてしまった試合があったというところと、バッテリー間の失点がらみのことと、最初の週の所のチャンスで打てなかったりで、もろもろあって70点ぐらいかと。
――ご自分に厳しいのですね。
そうですね(笑)。(試合の)主導権を握るのがバッテリー(の役割)なので勝てなかったのはバッテリーの責任です。それが大きいのかなと思います。
――守備面で意識していることは
キャッチャーは(投手の球を)ストップして後ろにやらないというところで練習をしてきたので、そこは守備面で意識しているところです。
――改めてご自身の強みを教えてください。
バッティング面では勝負強いバッティングと言わせていただいているんですけど、ここぞの場面で打てるのが長所かなと思います。守備では後ろに(ボールを)やらないというのが長所かなと思います。
エースとともに

――ここまでで印象に残った試合は
明治の3回戦の試合です。
――その試合について、吉田さんが決勝ホームランを打ちましたが、改めてその時の感想をお聞かせください
あの打席は先頭バッターということもあって、ホームランということより出塁することを意識していたんですけど、あのような形でホームランを打てたことはよかったと思います。
――明大2回戦時の伊藤樹選手(スポ4=宮城・仙台育英)のノーヒットノーランについて、吉田選手から見ていかがですか
すごく集中していたというか、立教戦はコンディション不良でうまくいかなかったことが多かったので、その点いつもの樹が戻ってきたなと感じました。
――ノーヒットノーランの時のベンチの雰囲気は
同点だったのでなんとか樹に勝ちをつけられるようにという雰囲気でした。
――明大3回戦では小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)に「樹しかいない。」と進言されたそうですが
3回戦の継投の時は雰囲気を変えられるのは樹しかいないという判断でした。
全員で大舞台を

――今シーズンの新戦力はいかがですか
大内(碧真、スポ3=埼玉・浦和学院)や德丸(快晴、スポ1=大阪桐蔭)もそうですけど、代わりに出ていく選手が結果を残していってるのがチームとしていいことだと思いますし、競争ができるチームなのでこの夏でスタメンがどうなるかわからないですけど、いいスタメン争いが出来るといいと思います。
――早慶戦のキーマンを挙げるならだれを上げますか
ピッチャーだったら先発2人(伊藤投手、宮城誇南投手、スポ3=埼玉・浦和学院)だと思いますし、打線だったら尾瀬(雄大、スポ4=東京・帝京)だと思います。
――どうして尾瀬選手を挙げたのですか
明治戦は苦しんだところがあったんですけど、ここぞの場面で打ってくれるのは尾瀬なので。一番気合が入ってると思います。
――早慶戦で警戒する選手はいますか
慶応打線はどんどん振ってくるという印象があるので、特に1、2番(今津慶介、3年、小原大和、3年)をどう抑えるかというところが一番かなと思います。
――吉田選手は甲子園の経験があると思いますが、早慶戦に対して緊張は
早慶戦に限らずどの試合も緊張しますが、人も多いですし早慶というところで負けられない試合になるので、今まで以上に緊張するかなと思っています(笑)。
――最後に早慶戦の意気込みをお願いします。
慶応には絶対に1敗もできないので初戦から全力で戦う準備を一週間かけて頑張ってやっていきたいと思います。
ーーありがとうございました!
(取材、編集 竹田朋矢)
◆吉田瑞樹(よしだ みずき)
2003(平15)年4月24日生まれ。178㌢、83㌔。埼玉・浦和学院高出身。スポーツ科学部4年。早大史上2人目のノーヒットノーランに、伊藤樹選手の女房役として貢献した吉田瑞選手。打撃力が注目されがちですが、今季は守備面でのレベルアップにも注目です。