初回を飾るのは谷口宗太郎主務(人4=福岡・修猷館)、渡邉琉斗副務(法4=東京・本郷)、そして委員を務める高橋侑誠(政経4=東京・早大学院)、吉田慎太郎(政経4=東京・早大学院)の4名。スタッフとして悲願の『荒ぶる』にむけ、チームを裏から支えることで日々奮闘を続ける彼らの熱い思いを伺った。
※この対談は4月18日に行われたものです。
ーー他己紹介をお願いします
高橋 修猷館高校出身で、高校時代はキャプテンもやっていた谷口宗太郎です。ポジションはFLをやっていました。現役の時は顔がアンパンマンみたいな人で、入部当初の頃の写真を見返したら、もう今と全然違くて。
谷口 前はもっと顔がパンパンで、今は2分の1ぐらいになったかも。
吉田 仕事のし過ぎでね。
高橋 僕と谷口は最初の1年間は選手として一緒にやっていました。僕も谷口もケガに苦しんだんですけど、今は主務っていう形でチームにいい影響をもたらしてくれています。本当にこのチームに欠かせない存在です。学生とコーチ陣の間で要求とか、選手の要求とかをうまく対処するみたいな感じで、日々頑張ってくれてると思います。
谷口 本郷高校でポジションはWTBの渡邉(琉斗)です。普段は選手と副務を兼任しながら、グラウンド内のところの統括してくれています。私生活の部分は結構変わってるところが多いなっていう印象で。面白いなと思うときもあれば、腹立つ時もあります。結構個性とあくが強い人です。変わっているところは言語化しにくくて。でも、本当に頭がいいので、そこはもう本当見習いたいところですね。
渡邉 出身は早大学院の吉田(慎太郎)です。グラウンドサポートスタッフとして1年生の途中からずっと最上級生というか、トップでスタッフを回してくれています。僕はグラウンド内の統括をする副務という仕事なんですけど、実際にグラウンド内を整備する上で、自分がわからないことがあったらとりあえず吉田に聞くみたいなところは正直あって。本当に頼りになるスタッフだなっていったところは常日頃から思っているところです。私生活はすごい謎が多くて。 4年間結構仲良くしているつもりではあるんですけど、あんまりよくわかんなくて。何考えてるかもよく分からないんですけど、まあいいやつで、それに頭がいいです。音楽が好きで、同期みんなでカラオケとか行った時に歌っているのを聞いて、うまいなって思います。
吉田 侑誠(高橋)という名前で早大学院出身です。現役の時はSHをずっとやってました。高校時代のクラスメイトだし、大学でも学部学科まで一緒。今のラグビー部でもスタッフとして部署も同じで。本当に履歴書に書いたらほぼ同じで、ほとんど同じ人間です。色々あって、グラウンドサポートスタッフになってくれて、一緒に仕事することになって。本当に頼もしい存在です。ほっといても勝手に良い仕事してくれるので、うまくやってくれるなって本当に信頼してます。
スタッフは選手にエナジーを与えられるような存在になって欲しい(谷口)
ーー自分の仕事で大変だと感じるところはどんなところですか
高橋 そんなに派手じゃないというか、本当に地道な準備のところだと思います。選手のようにプレーで表現することができないのがなかなか難しいところですかね。やっぱり選手のようにすごいプレーをすることや結果という形で自分のしたことが表れるわけではないので、モチベーションを維持するのは難しいと思います。でも、僕たちが絶対にチームに必要な仕事をしているっていうのは思ってるので、自分たちがやってる事がちゃんとチームにいい影響をもたらせているってことを信じて日々活動しています。ハプニングは、去年のジュニア選手権の早明戦の当日に上井草のワイヤーが切れてしまって。急遽朝になって(会場として)使えないっていうのが判明して、八幡山でやったことがあったんですけど。そこは結構大変だった思い出もありつつ、でもスタッフ全員で乗り越えたいい思い出ですね。
谷口 昨年は副務としてチームに携わらせていただいて、 その延長線上に主務っていうのがあります。実際主務になって、3ヶ月ぐらい経つんですけど、やっぱり取り扱う情報の量だったり、あとは渉外業務が一気に増えた感じもしています。人と人の板挟みに合うっていうことが増えてきたっていうのと、情報が学生の中で1番最初に入ってくる分、そこの取り扱いとかはより慎重にしていかないといけないっていうところも大変なところです。部の運営の根幹になっている責任っていうのは、やっぱり実際に主務になってみて感じるところです。自分で言うのも変ですけど、すごいことやってるんだなっていうか、こんなこと学生がやっていいの?みたいなこともやったりとか。本当に自分の仕事の質とか量っていうのが、部を左右するんだなというのは日を追うごとに実感しています。
渡邉 僕は2つあるかなと思っています。まず日常的な部分って言うとやっぱり選手と副務を兼任しているという性質上、なかなか選手としても、副務としても、時間が足りないなっていっていうのは常日頃感じているところです。ありがたい経験をさせていただいているということは感じているんですけれど。一方でなかなか自分のやりたいことや、やらなければならないことがやりきれないってことが起きているので、そういった部分は谷口を始め、色々な人に迷惑をかけながらなんとかしています。そういった部分はすごく大変だなというのを感じてます。2点目としては自分の業務上 、下級生とかに仕事とか要は雑用みたいなものを頼まないといけない場面が多々起きてしまうことですかね。自分は1年生の時にそういった雑用やらされる側だったので、自分が下級生の頃はこういうことを やりたくないとかなんで必要なんだろうって感じてたんですけど、逆にそれをやってほしいという立場になりましたね。必要だから頼んではいるんですけど心苦しいというか、下級生の子が嫌がる気持ちも分かるというのはあって。そういった部分は大変というか、結構難しいものだなっていうのは感じてますね。
吉田 学年も重ねてきて実はあんまりないかなと思っています。一番大変だった時期としては、1年生の 11月頃からの2、3ヶ月です。このグランドサポートスタッフという部署を諸事情があって1人で担うこととなったのですが、その時期は1年生で右も左も分からなくて。対抗戦に関しては、初めてということもあって本当に何もわからない中で、11月の早慶戦から自分の仕事をすべて1人でやらなきゃいけないっていう時期でした。周りの先輩方の手をお借りしながら、同期に支えられながら仕事をして、なんとか決勝までこぎつけたっていうのを鮮明に覚えてます。でもあの時期の大変さがあったからこそ、今ある程度余裕を持って仕事できてると思いますし、その時期の僕の姿を知ってくれてるからこそ、監督やコーチ陣からの信頼を少し得られているのかなと感じています。
選手としても副務としても、後悔がないようにしたい(渡邊)
ーー昨年は自分にとってどんな1年でしたか。印象的に残っている瞬間など併せて教えてください
高橋 僕は昨年でスタッフ2年目になって、グラウンドサポートスタッフっていう元々の仕事と一緒にマネジメントスタッフという監督周りの業務だったり、後は主務副務と一緒に仕事する機会が昨年から増えて。さらに一応今年から正式に委員会のメンバーという形ではあるんですが、去年も委員会に参加させていただいたことで、スタッフとして色々なチーム運営を肌で感じながら、チームに携わらせていただいた1年間でした。
一昨年の最後に京産大戦で惨敗したチームが本当に変わっていこうというのを委員をはじめ、チームとして変えていこうというのを目の当たりにして。本当にチームってこうも変わるんだなというのを実感しました。チームに対する見方とか、チームや組織運営のやり方を肌で感じられた1年間だったと思います。3年生になってから上級生という立場になって、下級生の子や周りの子たちを上手く指示を出しながら仕事をすることも考え始めたかなと思います。今年は最上級生となりましたが、後輩への関わり方を学べたかなと思います。
全部の出来事が思い出深いのですが、中でも春の新潟遠征は印象的です。僕にとっても初めての遠征で、自分自身もかなり成長できたかなと思います。遠征の前段階から準備はしてきたつもりだったんですが当日は雨が降って、練習で使うビブスとかも含めて雨の時の想定が自分の中では完璧にできていなかったところとか不備があって。その経験からどんな状況においても完璧にするというか、色々な可能性を想定して準備することの大切さを学びました。試合自体は勝ててよかったなという思い出です。
谷口 去年は選手を引退して副務になるということで、立場が変わる瞬間を経験して、生活リズムが変わったというか、選手が活動している時間外で一番活動しなければならないというところで全てが変わったような感じです。正直なところ、選手を引退して副務をやるというところに関しては正直後ろめたいところも最初はあって。でも監督だったりコーチの方々と時間を共にする中で色々な気づきがありました。例えば、練習メニューの1個やメンバーを1人決めるためにものすごい時間をかけていて意思決定というところに対してコーチの方々が熱量をかけて取り組んでいる姿を見て、自分も組織のために頑張らないといけないなと思いました。
あと高橋からもあった通り、委員会のメンバーとして部の運営、学生の中での意思決定というところにも携わらせていただいて。特に去年はグラウンド外での取り組みの部分を大幅に変えていこうっていうのがチームの方向性としてありました。そういった中で健次(佐藤、令7スポ卒=現埼玉WK)さんだったり、小野(史裕、令7スポ卒)さんとか、先輩方がハードワークしている姿を見て、本当に4年生がどういう気持ちで臨むかが大事なんだなっていうのはすごい実感しました。あとは、自分の一個一個の判断がチームに影響するということも実感しました。1個でも連絡ミスがあったり、報告忘れとかがあるだけでも部の活動に影響を及ぼしているのだと失敗をする度にそう思いました。だからこそ今年は準備一つ一つにこだわってやっていかないと日本一は到底届かないなというのは思ってますし、1年間突き詰めていきたいなとは思っています。
印象に残った試合はすごいベタですけど、やっぱり決勝が一番印象に残っています。はっきり言って本当負ける気がしなくて。僕はワクワクが試合前から勝っていました。それに前半は風下で 12ー14で折り返していたので絶対いけるって感じていました。でもやっぱどこか後半は違和感があるというか、そういったものも感じつつ最後はあのような結果になってしまったっていうのが、帝京大という同じ相手に3回勝つ難しさも実感しました。結局、最後に勝つか勝たないかなんだなっていうのは思いました。それまでずっと勝ってきても、最後の最後で負けてしまうともうすべてが否定されたような感じというか、そういった感じがしたので、自分たちは最後の最後で勝つかどうかっていうのを常に見据えながら、日頃の準備に取り組んでいかないといけないんだなというのは痛感しました。
渡邉 僕は谷口と一緒で副務という立場になって、すごく視野が広がったなっていうのがあります。今まで関わりがなかったようなコーチとの会話が増えましたし、他のスタッフと実際に仕事をして選手として関わるだけじゃなくて、副務としても関わるようになったので色々と新しく知ることが多かったです。選手の時は違うカテゴリーで関わらなかった選手とも関わるようになって。 本当にこの早稲田のラグビー部に関係している全ての人と関わる機会が増えたなというもあります。色々な人たちの思いとか努力とかを知れたことで自分としても視野が広がりました。選手としても副務としても、人間としてすごく成長できた1年でした。
去年で印象に残ってる試合としては谷口と同じなんですけど、決勝の帝京大戦が一番印象に残っています。というか去年やった帝京大戦4戦とも全部印象に残っています。春は上井草でやって、すごく多くの観客の方がいらっしゃっていてこんなに上井草のグラウンドに人が入るんだって正直感じました。自分が動線とか警備の配置とかを担当したので、自分が入部して以来最多の観客の方が来るっていう状況でどう対処するかというのはすごく考えました。実際に試合には負けてしまったんですけど、その後の夏と対抗戦で勝つことができて。それは勿論、チームがやってきた成果っていうのが出たという部分ですごく印象残っています。決勝は本当に『荒ぶる』を今年こそ歌えるんだっていうような気持ちで試合会場に行ったので、まさか負けてしまうなんていうのは本当に未塵も持ってなくて。負けた後、僕は2日ぐらいショックで寝込んじゃいましたね。
吉田 僕は立場が変わるとかなかったので、いつも通り1年が始まるとは思っていました。それでも1つ上の先輩は、僕にとっては1年生の時から一緒に仕事してきた戦友と思ってるぐらいの方たちなので、その人たちの最後をどう飾るかっていうのはシーズンが深まるにつれて考えるようになりました。本当に笑顔で送り出したいと自分でも思ってました。去年のチームの運営というところにも関わった点からも、やっぱり(決勝で)勝ちたかったというのは今でもあります。その思いを抱えて今シーズンはぶつかっていきたいなと思っています。
去年印象残った試合は谷口君なら覚えてるかもしれないですけど、岐阜遠征ですね。1泊2日あったんですけど、スタッフを6人しか連れて行かないっていう小数部隊でした。かつ朝9時半キックオフ。先ほどお話しした通り1年生の時に1人でやっていたときは何ヶ月間の期間で忙しかったんですが、岐阜は1泊2日で局所的に忙しくて、本当にしんどかったです。今まで3年やってきた中で、本当に忙しかったので印象に残ってますね。夕飯も朝食もスタッフはホテルで飯が食べれなかったことも大変でした。
谷口 ポムの樹に行ったよね。
吉田 朝も6時半にタクシー出るとか、もうそのレベルで。さらに脳震盪も沢山出てしまいました。
谷口 連れて行った選手は23人だけだったんです。開始10分ぐらいで4人ぐらい運ばれちゃって。
吉田 それぐらい脳震盪が出たせいでトレーナーが水を運べなくなってしまって。S&Cも連れてっていないから、僕がS&Cの仕事もしなきゃいけない上で、グラウンドスタッフの仕事もある。トレーナーもいない。
谷口 僕も交代管理しながら水を組んでました。
吉田 本当に岐阜で走り回ってましたね。あの試合は去年の1年間では印象に残ってますね。
谷口 あの時のおかげでメンバーの結束とか、スタッフの結束とかも一段階強まった気もします。
今まで以上に覚悟と責任を持ってやっていきたい(吉田)
ーー昨年と比べて今年のスタッフの雰囲気はどうですか
高橋 単純に人が減ってしまったというか。去年は4年生が多くて、人数も多いし、やっぱり引っ張ってくれる人が多かったので。いよいよ僕たちが引っ張らなきゃいけないという雰囲気があります。
谷口 去年は4年生が本当に優勝が見えるところまで準備の質のロードマップを1つ作ってくれたような感じがあるので、それを辿っていきながらもどうやって自分たちのカラーを出していくかって感じですかね。今年は今年なりの準備っていうものが当然あると思いますし、どうやってより高い質の準備をしていくかっていうのは模索中です。でも雰囲気としてはうるさい人多いよね。
高橋 おしゃべりというか、特に女性陣が(笑)。
渡邉 それでいうと活発で仲がいいのかなと思います。あまり部署ごとで固まっている印象はそんなになくて、結構和気あいあいと喋る。悪く言えば、うるさいんですけど。
高橋 やっぱり人数が少ない分、協力しながら横の繋がりというか、違う部署でも協力しないといけない場面は去年より増えたと思うので。
谷口 主務が頼りないので。
高橋 急に自虐ネタ(笑)。
谷口 自分でも思うんですけど、やっぱり僕が今までの主務と違う感じは自分でも思ってます。結構自分は勢いで行っちゃえみたいなところもあるので、そういったところは本当に色々なスタッフにアドバイスをいただきながら、気づかされながらやっています。
渡邉 去年は健次さんや主務の小野さんもそうですけど、すごく頼れる4年生の方が多くて。それはもちろんスタッフもそうだったのですが、今年はあまり選手もスタッフもすごい強力なリーダーシップを発揮して、この人についていけば大丈夫みたいな人がそんなにいない分、仲はいいのでみんなでまとまって対処していくというか、去年を超えられるようにやっていくしかないのかなっていうのは4年ミーティングとか、このチームが始まってから話してきたことです。
早稲田が優勝してよかったなと思える瞬間にするための1年にしたい(高橋)
ーーラストイヤーを実感した瞬間はありますか
谷口 1個1個の試合や行事がラストというところで、終わってみてからいろいろ思うところはありますね。例えば予選会とかも、僕や他の同期がいろいろ準備して回すのも最後だったし、入部式とかも当然最後ですし。1個1個の行事が全て最後を迎えていくとラストイヤーの実感が湧きます。
高橋 僕たちがいなくなった後のことを考えるようになりました。今年の春に選手も勿論ですが、新人のスタッフも入ってきてくれて。結構部署によって希望の人数に偏りがあるのですが、そういう時に新人の子たちをどのポジションにつかせたら、今後の部のためにいいかなとか、僕たちがいなくなった後も部がうまく回っているかとか、僕らがいなくなった後の部の将来のことを考えるようになってから、ラストイヤーを迎えたことを実感します。
渡邉 1年間の中で同じイベントは毎年1回しかないので、1年の中で自分が引き継がれてきたことを引き継いでいかなければならないっていうのは感じるところです。 そういう意味では確かに4年生というか最上級生になったんだなっていうのは感じます。あと自分は浪人してて、1個上に本郷の同期が多かったのでその同期が社会人なってもう自分しかいないなっていうのを感じると、最上級生になったんだなっては思いますね。
吉田 正直、僕は最後という実感はまだないかなと思ってます。また今年も春シーズン来たなと思って、全然まだ来年もやるんじゃないかなみたいな気にもなってるんですけど。でもさっき侑誠が言っていたように、部の将来のことや、特にスタッフのことを考えるようになったっていうのは確かに実感しています。
渡邉 全体最適を考えるようになりましたね。自分が覚えなきゃいけない、っていうところから教えなきゃいけないってなると、おのずと全体最適みたいなところを考えるように。そういった点ではラストイヤーを迎えた感じはしますね。
ーースタッフの中で山場になる時期はありますか
谷口 早慶戦が北海道であって、その翌週に奈良で天理大戦があって、岐阜で早明戦があって。3週連続で遠征が入ってくることは、なかなか前代未聞ですね。
高橋 その週はしかも土曜にも試合があるので、土曜日は上井草にいて、終わってから出るって感じですね。
谷口 土曜日に試合をやった後の遠征が多分初めてで、前例のない日程なのでそこのオペレーションとかをどうしていくかっていうのも考えていかないといけないですね。選手が最高のパフォーマンス出すっていうのも当然そうですけど、その中でいろいろある制約とかそういったものをどう乗り越えるかっていうのは1個山場なのかなとは思いますね。
渡邉 スタッフの人数が少ないというリソースの限られた中で、どう回して行くのかみたいなところは考える必要があるのかなと思います。全員がやるべき仕事をしっかりこなした上で、足りてないところがあるかどうかを視野を広げて見ないといけないという部分で、タフな3週間なのかなと思います。
ーーラストイヤーはどんな1年にしたいですか
渡邉 やっぱり選手としても副務としても、後悔がないようにしたいです。本当に『荒ぶる』を取るために、毎日やるべきことをやるっていうことしかないです。突き詰めればみんなそうだと思うんですけど、自分は副務をやりながら、選手をやらせてもらってるっていう貴重な経験をさせてもらっているので。ここにいる侑誠とか、谷口とかは選手をやりたくてもできてない状況なので、そういう人たちの思いも背負ってっていうわけではないですけど、そういうことをしっかり考えながら、選手としても、しっかり部にコミットする。もちろん副務としても部のマネジメントを支えて頑張るっていったところは抱負としてはあります。また、1年間働き続けるっていうのはちょっとしたテーマです。さっき侑誠が言っていたけど、人数が少ない分誰かが欠けると、それだけでやっぱ回らなくなるというか多くの所にしわ寄せがいくので、体調崩さないとか、メンタルを病まないとか、自己管理でどうにかできる部分はしっかりするっていうのは去年以上に心がけてるところかなとは思います。
吉田 この中で、僕が唯一入部当初から、スタッフをやっていて。1年生の時からスタッフとしてスタッフの先輩を見てた人間としては、やっぱり選手と同じくらいスタッフもチームの勝利が見たいし、チームの勝利に貢献したいと思っている人たちばかりなので。もちろん自分もそうですし、この同期のスタッフたちもそう思ってるはずなのでこの思いを体現するように行動で示す年にしたいです。これまでの先輩の分の思いも背負って優勝に向かって自分がチームのためにできることを今まで以上に覚悟と責任を持ってやっていきたいなと思っています。
高橋 競技場でみんなで『荒ぶる』を歌うというか、その姿を達成できる絵しか見えないというか。本当にそこだけを目指してやっていくっていうのはもちろんですし、優勝しちゃったってことにならないようにそれにふさわしいチームになって、やっぱり早稲田が優勝して然るべきだったなって思われるような1年にしたいですね。それこそこの部のミッションとして、早稲田としてラグビーを通じて人々に感動だったり夢を与えるところも勝利と同じくらい僕は大事なことだと思うので。最後に優勝して『荒ぶる』を歌うことはもちろんですけど、それをみんなで、観客の方を含めて、いろんな人が早稲田が優勝してよかったなと思える瞬間にするための1年にしたいなと思います。
谷口 本当にここで日本一にならなかったら一生『荒ぶる』を歌う機会はないですし、何が何でも日本一になるっていう思いのもと、日頃の準備っていうのもこれが日本一に届くものなのかっていうのを常に考えながら進めていく必要があるなって言うのは思います。本当にすべては日本一になるために細かい業務から大きな業務まで、すべて念頭においてやっていきたいなっていうところです。個人として本当にこのチームに骨を埋める気持ちで、誰よりもハードワークして、こいつが主務でよかったなと先輩や同期、後輩、コーチ陣から思われるようになりたいです。
ーー春シーズンの目標はありますか
渡邉 まずチームの目標としては勝ち切るということです。去年も健次さんが「絶対に負けない」というような話をしてましたけど、今年も春季大会は全勝できるようにスタッフとしても選手が100パーセント試合に集中できるような環境作りをしていく必要があるのかなと思います。個人としては、選手として1つでもカテゴリーを上げるために、自分が目標としているところを日々意識しながら練習に取り組むことです。副務としてはチームの目標にしっかりコミットできるようにやるべきことを淡々と遂行していく以外に近道はないと思うんでそれをやるっていうところですかね。
高橋 スタッフとして選手が最大限のパフォーマンスができるようにミスなく準備して試合、グラウンドに送り出してあげるっていうのはもちろんずっと意識しないといけないなと思っています。ですがそうはいっても予想外のハプニングとか、本当にどうしようもない、防ぎようのないことは起きてしまうことなので、そこでいかに落ち着いて、4年生として経験とかを発揮して、対処、修正する。そういうところは今までよりも最上級生としてやらなきゃいけないところだと思うので、ミスというかそういうハプニングが起きた時も冷静に対処するっていうのは、意識したいなと思っています。
吉田 僕は春シーズンで後輩を自分以上の存在に育てたいなと思います。後輩スタッフ全員に、前年度の4年生を超えていってほしいと思っていますし、自分も超えなきゃいけないなと思ってるので。自分のスタッフとしてやってきた中で、自分なりのスタンダードみたいなのはずっと示してきたつもりでもあるので、見て何か学んでもらえれば嬉しいなと思います。この春シーズンの間で具体的にはどこまでかは分かりませんが、できる人間になってもらいたいなと思ってそのために自分で出来ることはすべてやりますし、後進の育成というのはこの春シーズンで注力したいなと思っています。
谷口 チームとしての目標はまず早稲田である以上、 落としていい試合は1個もないですし、全勝を目指すというのは当たり前として、その中でいろいろなチャレンジをしてほしいというのは思っています。これは選手を含めスタッフもそうですけど、先ほど高橋が言ってたように、突発的な問題っていうのも春はよく起こりがちですし、あとは遠征も入ってきて。今回で言うと京産大と天理大との試合もあったりして、東洋大から6週連続で試合が入るので、選手とスタッフどちらにおいても相当タフなシチュエーションが待っていると思っています。そういった中で自分が持っているものを最大限出してほしいなって思ってます。その経験が夏合宿以降も生かされて、最終的に日本一を取れれば僕はもうそれで十分って、言い方はあんまりよくありませんが思っています。スタッフは選手にエナジーを与えられるような存在になって欲しいというのは僕の中で1つテーマとしてあって、やはり今までのスタッフ像というのは淡々と仕事をこなしていくという感じで。それが悪いとかではなくて、そこからプラスアルファで選手に対して熱量を与えてあげられるようなスタッフになってほしいなっていうのは思います。僕もアップ中からどんどん声出していきますし、試合中も応援とかもベンチから出していこうとは心がけているので、やはりスタッフがチームを変えられるような組織になれればいいなと思っています。
ーーありがとうございました!
(取材、編集 村上結太、大林祐太)
※向かって左から
◆吉田慎太郎(よしだ しんたろう)
東京・早大学院出身。政治経済学部4年。選手時代はFBとして活躍されていました!音楽鑑賞が趣味で、最近は様々なアーティストのカップリング曲を聴くのがマイブームだそうです!
◆渡邉琉斗(わたなべ りゅうと)
東京・本郷高出身。法学部4年。副務と選手を兼任するマルチプレーヤー。谷口主務からは「本当に頭が良い」と太鼓判を押されるほど信頼を得ているそうです!
◆谷口宗太郎(たにぐち そうたろう)
福岡・修猷館高出身。人間科学部4年。選手時代はFLで、高校時代は主将も務めていました!現在は早大ラグビー部の主務として、部の要となるポジションで日々業務をこなしています!
◆高橋侑誠(たかはし ゆうせい)
東京・早大学院出身。政治経済学部4年。選手時代はSHとして活躍していました!最近は1度挫折してしまったプリズンブレイク鑑賞に再挑戦しているそうです!