【連載】野球部 春季リーグ戦開幕直前特集『覚悟』 第9回 寺尾拳聖

特集中面

<<特集表紙に戻る

 春季リーグ開幕特集第9回は、寺尾拳聖(スポ3=長野・佐久長聖)が登場。昨春の慶大2回戦に途中出場し、天皇杯奪還の歓喜を味わう一方で、昨年全体を通しては代打での出場も多く、悔しい思いも味わった。今シーズンこそは早大の主軸としてチームをけん引することが期待される寺尾に、今の思いを伺った。

※この取材は4月3日にオンラインで行われたものです。

自分ももっと活躍したい

――大学1、2年時の大学野球生活を振り返っていかがですか
 これまでは下級生ということもあり、(先輩方に)色々と教えていただくことも多かったのですが、上級生となって後輩たちに教えていく立場になっていくので、もっとしっかりとしなければいけないなという気持ちです。

――これまでの大学野球生活に点数をつけるとすればどのくらいですか
 50点です。

――その理由は
 2年生の頃からリーグ戦に出場はさせてもらっていたんですけれども、結果があまり出せていなかったので(点数を)下げました。

――香西一希選手(スポ3=福岡・九州国際大付)や宮城誇南選手(スポ3=埼玉・浦和学院)など、同期の活躍をどのようにご覧になっていましたか
 活躍しているのは素直にすごいなと思うのと同時に悔しい気持ちもあったので、自分ももっと活躍したいなという気持ちがあります。

――これまでの2年間で最も印象に残った試合は
 自分が出場した(2024年春季リーグ戦の)早慶戦2回戦です。

――大観衆の中で早慶戦の雰囲気を味わえた、などといったことが理由となりますか
 はい、そうです。

――「チーム小澤」の雰囲気や取り組み方で変わった部分はありますか
 去年の3、4番のような長打を打てる人が少なくなりました。走塁練習を小澤さん(小澤周平主将、スポ4=群馬・健大高崎)が先頭に立ってやってくれているので、そこは大きく変わったかなと思っています。

――昨秋に行われた全早明戦ではホームランを放ち、試合後には吉納翼選手(令7スポ卒=現楽天)から名指しで期待をしているといったお話がありました。その点についてはいかがですか
 素直に嬉しいというのと、その期待に応えられるように頑張っていきたいと思っています。

――続いて、浦添キャンプの質問に移ります。送球に関して重点的に取り組んでいるとおっしゃっていましたが、効果は感じていますか
 少しずつ安定はしてきているのかなと思います。

――打撃面で何か成長を感じたことはありますか
 キャンプでは振り込みを重点的にやっていたのですが、試合ではまだ結果が出せていないので何とも言えないです。

――キャンプ中最も印象に残った練習はありますか
 室内のバント練習です。

――特に意識していたことはありますか
 チームとしてバントが決まらないことが多かったので「もっとしっかりやろう」ということでやっていました。

4番が打つと優勝につながる

――オープン戦に話を移します。オープン戦では4番を任された試合もありましたが、個人的な感触や手応えを教えてください
 4番はチャンスで回ってくることが多くて、自分がランナーをかえせば勝てる試合も多かったのですが、その中で自分がランナーをかえせずに負けてしまう試合もあったのでそこは(難しさを)感じました。

――4番を任された際、小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)からは何か声をかけられましたか
 「自分がアウトになってもいいから、1点を取る姿勢をもっと(出せ)」と言われました。

――4番争いは熾烈(しれつ)ですが、寺尾選手ご自身の「早大の4番」に対する思いを聞かせてください
 去年は印出さん(印出太一、令7スポ卒=現三菱重工East)が打っていた打順で、印出さんの勝負強さが優勝につながったと思います。4番が打つと優勝につながるということは見ていて感じたので、自分が打てばチームの勝利につながるということを練習から見せていくことが必要かなと思います。

――寺尾選手が4番を任せられていた際、5番には前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)が入っていましたが、連携面でお話などはされましたか
 特にないです。

――オープン戦では社会人チームとの対戦もありましたが、社会人投手と大学生投手との違いは
 速いだけではなく、同じような球速でもキレがすごくて、変化球に関してもストライクゾーンからボールゾーンへと制球されて(バットを)振らされたので、そういった部分もしっかりしているなと感じました。

――寺尾選手の持ち味としてはパワーがあるということだと思いますが、今シーズンは引っ張り方向よりも逆方向への打球が多く見られると感じます。その辺は意識されているのですか
 (バットを)内から出す、ということは意識していて、逆方向に打球が飛んでいることは良いことなのかなと思います。

――少し話はそれますが、試合前に行う験担ぎ、ルーティーンについてお伺いしたいです
 試合前日の夜に(相手)ピッチャーをイメージしてスイングすることです。

――早慶戦など、大観衆の前で行われる重要な試合を経験されてきたと思います。そういった試合の直前に行うリラックス方法などはありますか
 緊張しているときは近くにいる誰かとしゃべったりしています(笑)。

――試合前などに聴く、好きな音楽などはありますか
 特に聴かないです。

――緊張するときはよく話すとのことですが、同期でよく話す仲の良い選手はいますか
 岡西(佑弥、スポ3=智弁和歌山)です。よくご飯を食べに行きます。

――東伏見でイチオシのご飯屋さんなどあれば教えてください
 定食屋の「なごみ」というところです。

勝負強いバッティングを見てほしい

――最後に、リーグ戦に向けて伺います。リーグ戦で見てほしいアピールポイントはありますか
 リーグ戦では勝負強いバッティングを見てほしいです。

――他大学で負けたくない選手、ライバル視している選手がいれば教えてください
 特にいないですね(笑)。

――最後に、今シーズンの目標を、チーム、個人それぞれ教えてください
 チームとしてはリーグ戦に優勝して日本一になること、個人の目標としては六大学で打点王をとれるように頑張ります!

――ありがとうございました!

(取材・編集 稲積優一)

◆寺尾拳聖(てらお・けんせい)
2004(平16)年4月23日生まれ。178㌢、85㌔。長野・佐久長聖高出身。人間科学部3年。試合前に音楽を聴いて気分を高め、緊張を解きほぐすアスリートも多い中、寺尾選手は「おしゃべり」と答えてくれました。自然体で試合に臨む寺尾選手のプレーから目が離せません!