【連載】早慶レガッタ直前特集「To Win」第7回 小山知起主将×前田蓮×宮澤光樹

特集中面

 最終回は、小山知起主将(創理4=東京・早実)、前田蓮(文4=東京・早実)、宮澤光樹(スポ2=長野・諏訪清陵)の3名が登場。早慶戦に憧れて漕艇部の門を叩いた主将、2年連続で対校クルーを導くcox、そして対校唯一の2年生ーー。それぞれの立場から早慶レガッタを語っていただいた。

※この取材は3月11日に行われたものです。

「知識や経験を多く積ませてもらった」昨シーズン(宮澤)

質問に答える宮澤

――漕艇を始めたきっかけを教えてください

前田 漕艇部に入部したきっかけは、1年生の時に早慶レガッタを観戦したというところが一番大きいです。高校までは陸上部で活動していたのですが、ケガとかがありました。何か新しいことを始めようと思った際に、大きな会場で隅田川というような観光地で行われている大会を見て、実際に自分もここで活躍したいと思いました。

小山 自分は野球ですが、前田と同じく高校まではボート以外の活動をしていました。自分はたくさんの観客がいる中、様々な人に応援されて試合を戦うっていうことを夢見て、ずっと小学校の時から野球をやっていました。しかし自分の代の夏の大会はコロナ禍だったことで限られた数の観客しか入らず、自分が夢見ていた舞台とはちょっと遠い舞台になってしまいました。大学では野球を続けないことにしましたが、他のスポーツで大舞台を経験できるものはないかと探した時に自分はYouTubeで早慶レガッタを見まして、そこで一目惚れしてここに出たいという思いが強くなり、自分が1年生の時の早慶レガッタはもうすでに自分が入部してる状態で見ました。

宮澤 自分は高校からボートを始めましたが、高校で始めた理由は知り合いの先輩に誘われたからです。早大に入った理由は、インカレや早慶レガッタの動画を見た時にすごく雰囲気が良いと思い、こういう環境で勝ちを目指したいと思ったからです。

――昨シーズンはどんなシーズンでしたか

前田 昨シーズンは早慶レガッタの対抗戦に出場させていただき、その後の全日本選手権では上手くいきませんでしたが、インカレで2位という優勝まであと1歩という結果でした。その後は国体の埼玉県代表で2位になれてすごく良いシーズンだったと思う一方で、インカレも国体も優勝まであと1歩足りない、自分の詰めの甘さを少し感じたシーズンではありました。今年は対抗エイトでもう1回優勝して、全日本選手権でも社会人と戦って良い結果残し、最後にインカレで優勝できるようにしたいです。もう見えている目標が優勝というもの1つしかないので、良い意味で緊張感を持ちながらもそこに向けてやっていこうかなという感じです。

小山 自分は未経験として1年生から入った中で、昨年は初めてボートがどんな競技なのかが分かったシーズンだったと思います。1年生の時からフィジカルは強かったので、先輩たちから期待してもらって対抗に乗る機会も何度ありました。しかし昨シーズンの早慶レガッタでは、対抗エイトに乗っていたのに途中でセカンドに降ろされるということを経験しました。そこでフィジカルだけではなく、何か変わらなければいけないなということをすごく感じ、コーチとよく話すようになりました。ビデオも今まで以上に見るようになりまし、そこでボートに対しての向き合い方がすごく変わったかなと思います。それで全日本で3位という結果が出まして、インカレでもストロークに乗せてもらいました。自分の中ではボートがやっとどんな競技かがわかってきて、やっと他大の強い選手と勝負ができるようになったと思いました。それでも分かりたての段階だったこともありまして、結果としてはインカレは2位でしたし、全日本も3位に終わり1位は届かない結果でした。チームを束ねる立場にはなりましたが、自分のボートの質も磨いて今年こそ1位になれるようにやっています。

宮澤 昨年は一言で表すと、成長かなと思います。昨年は自分は早慶レガッタには出ていませんでしたが、全日本、インカレとずっと4年生と一緒に船に乗らせてもらい、今まで自分が持っていなかった知識や経験を多く積ませてもらいました。今年の早慶レガッタは昨年積み重ねた知識や経験とかをフル活用して挑んでいきたいと思います。

――昨年の早慶レガッタを振り返っていかがですか

前田 昨年は初めて早慶レガッタに出場して、対校エイトという1番プレッシャーのかかるポジションでしたが、すごく楽しかったなと思いました。何も知らない状態だったので、チャレンジャーとして怖さを知らずにやれたことがすごく良かったなと思います。今年はそういう意味では知り尽くした上でのプレーではありますし、去年優勝しているコックスということで観客の皆さんや、OB、OGの方も応援してくださると思います。その分少し緊張感は増しますが、楽しんでやっていきたいと思います。

小山 昨年は第二エイトの出場で負けてしまいました。自分は一昨年も対校エイトで負けているので、またかという感じでした。2年連続で試合にならず、最初に離された差がずっと縮まらないままゴールするという、本当に見ていてもやっていても面白くないようなレースをしてしまいました。昨年は第2エイトの練習でも慶大にきれいに抜かされたこともあり、負けるべくして負けたと思います。本番で急にうまくいくようなことはないんだなということを思い知らされたレースでした。

宮澤 昨年の早慶レガッタは準備などのサポート陣として参加させていただきましたが、自分はその準備の中心に立っているわけではないのにすごい大変で、これだけ様々な方が大変な思いをして準備してくださっていることを知りました。早慶レガッタ当日の自分はスタート地点で出ていく船を抑える役割をしていましたが、スタート地点についている選手たちの緊張感を1番身近で感じましたし、スタート後のレースを配信で見ていましたが、本当に見ながらずっと鳥肌が立っていました。ゴール手前の桜橋には人が大勢いて、この中にいたらすごい楽しいだろうなと思いながら見ていました。そして来年自分も絶対ここでレースしようと思いました。

――小山主将にお伺いします。昨年ギリギリで対校エイトのメンバーから落選した時の心境はいかがでしたか

小山 ビデオを見ると素人でも分かるくらい自分が下手だったということが大きな原因でした。人によって漕ぐ長さに差が出て、上手い人は長いのですが、自分は極端に短かかったです。早慶レガッタの前の選考では先輩たちより速く漕ぐフィジカルで乗れてはいましたが、8人一緒になって漕ぐとなった時にはフィジカルの差以上に技術的な差の方が全体のマイナスが生まれます。なので自分もビデオを見ながら、いつか降ろされるのかもなということはなんとなく感じてました。コーチからトップダウンのような感じでエイトから降りろと言われたのですが、その時は納得していて、特に悔しいというよりはもう1回やり直そうという前向きな感じでした。

「(小山は)一番熱心にやっている」(前田)

宮澤の発言に笑顔を見せる前田と小山主将

――今年のチームスローガンである「To Win」に込めた想いを教えてください

小山 まず成績面で昨年は完全優勝に1歩届かなかったり、インカレで男子はエイトで2位でしたし、女子も総合優勝を目指していましたが総合3位でした。去年は飛躍の年ではありましたが、全部1位になれずに目標には1歩届きませんでした。このような結果に対する意味合いもありますし、生活態度も自分たちの代は大事にしています。早く寝ることであったり、ご飯を夜遅くに食べないことであったり、アップをしっかりすることだったり。ここで部員が生活している理由は青春を送ることやその他のバイトなどという楽しさを感じるためにここに居るわけじゃなくて、全員が漕艇部で勝つためにいるということを日常から意識してもらうためにも「To win」というテーマにしました。

――小山主将が主将になった経緯を教えてください

前田 小山しかいなかったというところが大きいかなと思います。技術だけで言ったら、代表の岡田とかが代表になっても良いと思う一方で、小山の生活面やボートに対する取り組みはみんなが認めるところでした。小山が何かやろうと決めたら多分全員ついていくだろうという思いがあったのが本当に率直な理由かなと思います。

――主将になってからの心境の変化はありましたか

小山 気負わないつもりですが、やっぱり結果を出さないといけないということは常々意識してます。前田が言ってくれた通り、ボートのことは副将にも信頼をおける人はいるので特に自分が気負うことないです。しかし主将である以上、タイム測定があるときは常に自分がベストを更新し続けないと後輩や同期のモチベーションにも繋がらないと思います。自分が誰よりも早いタイムを出し、それをさらに更新することで後輩や同期のモチベーションになって欲しいと思います。口でたくさん何か言うよりも、なるべく結果を出し続けられるように意識しています。

――主将として新たに取り組んだことを教えてください

小山 主将としては特にありませんが、チームとして新たにできたルールはいくつかあります。具体的にはお昼ご飯は14時までだったり、消灯の時間を22時半から22時に変えたり、夜ご飯を20時以降に食べるのは禁止にしたり、具体的はそのようなところを変えました。以前からもっとこだわれるところがあるということは感じてたので、そこをルールとしてきっちりと決めて、漕艇に取り組める環境作りに努めました。

――お二方から見て小山主将はどのような主将ですか

前田 先ほども言った通り、信頼はすごく置いています。小山と自分は早稲田実業出身で1年生の時に同じクラスメイトという結構長い付き合いです。その時からすごい真面目な子と思っていましたし、実際漕艇部に入ってからも自分が知ってる中の部員で、1番努力もしてるし、1番熱心にやっているとも感じています。良い主将と同じ代でやれて僕は幸せですし、この主将とともに、今年は一緒に優勝を勝ち取りたいと思っています。小山くん愛してます。

宮澤 主将が小山さんになったと発表される前から1年生の中では主将が誰になるんだろうかという話がありました。先輩からのちょろっとした噂で小山さんになるという話が出た時は、1年生もみんな納得する感じでした。自分も小山さんも漕艇に対してすごいストイックですし、日常生活とかでもしっかりしているし、頼れる先輩だなと思っています。多分全員が頼っている人だろう思います。

前田 2年後の主将は彼です。2年後は宮澤くんです。

宮澤 はい。僕がやります。やばいやばい(笑)。

「(慶大に)負けるとうざくてうざくてしょうがない」(小山)

質問に答える小山主将

――早慶レガッタはどのような舞台ですか

前田 なにより特別ですし、晴れ舞台だなという思いがあります。隅田川で漕げるというのは日本の大学生の中で早大と慶大の選手だけで、特別な場所でやらせていただけていると思います。他の大学の選手に聞いても、1度は出てみたいという話を聞くぐらい、すごく大きな大会です。早大と慶大だけという特別な思いがあるので、他の大会以上に自分たちの懸ける思いがあると思います。

小山 負けられないっていう要素がどの大会よりも強いかなと思います。インカレに関しては対校戦ではなくて、多くのチームが出場します。もちろん勝ちたいという気持ちで、インカレや全日本に臨むのですが、早慶レガッタに関してはもう負けて清々しいみたいなところとは1番かけ離れています。負けるともううざくてうざくてしょうがない感じなので、本当に負けられないです。これほど熱い思いを抱かせてもらえる大会というのは早慶レガッタならではだと思うので、対校戦で1番面白い大会かなと思います。

宮澤 普段のレースだと予選、準決勝と勝ち上がって決勝まで行っても、船は4艇ほど出るレースですが、早慶レガッタは1発勝負で、慶大と早大の2艇だけというレースです。普段のレースと違い、こんなに自分たちが主役ということを実感しながらできるレースはないのでは思っているので、個人的には結構大きい期待を抱いています。

――早慶レガッタに対するプレッシャーはいかがですか

前田 昨年は怖いもの知らずで、本当にイケイケでギリギリ僅差で勝ったレースでしたが、今年は勝ってあたりまえというような目線での話があります。OBの方と話しても、前田は頼んだぞということを言われるので、そこに対するプレッシャーもあります。ただ、そのプレッシャーを跳ねのけて、優勝した瞬間の喜びは多分去年以上ですし、早慶戦で勝ち逃げできるのは僕と小山くんだけなので、最後は勝ち逃げして早慶レガッタを終えられるようにしたい楽しみの方が強いです。

小山 自分は昨年対校エイトを経験していない分、対校エイトの雰囲気を良い意味で忘れていると思います。昨年の前田の心理状況と似ていると思いますが、最後はチャレンジ精神でいきたいという気持ちが大きいので、プレッシャーというよりはなんとしても勝ちたいという気持ちです。周りを考えるよりも、ただ慶大だけを考えることはできていると思います。でも今まで負けた主将と話をすると、事の重大さは負けてから知る。とよく言われています。多分今の自分は事の重大さが分かってないので、このまま勝って重大さを分からずに終わりたいです。

宮澤 自分は今年の対校エイトで新2年生で唯一出場します。自分1人だけということと、対抗エイトの中で初早慶レガッタになるのは自分だけという状況で今でも緊張しています。本当に足は引っ張れないなとすごく思いますが、受け身になっていても成長できないですし、余計先輩の足を引っ張ってしまうと思うので、同じクルーでこれだけ頼れる先輩たちがいるんだと思いながら自分からも積極的にガツガツ行きたいと思います。

――早慶レガッタに向けてどのような練習に取り組んでいますか

前田 船を速く走らせるためにどこから船を走らせるかということをみんなで意見を出し合って決めています。基礎に忠実に今はやっているので、ある種の特別な練習はしてないません。慶大は声を出してやってきますが、自分たちは自分たちの漕ぎや一体感を大事にして早慶レガッタに向けてやっています。

小山 後にはやるのですが、特に隅田川のための練習は今はまだしていないです。慶大を意識して練習するというよりは、インカレや全日本と変わらずまずは自分たちの船にこだわって、通常通りに船を速くしようとしています。

宮澤 早慶レガッタに向けて特別には何も考えていないです。通常通りということで長い距離を漕ぐメニューがトレーニングで多いですが、その長い距離の中でも、常にタイムを狙って強く漕ぐというところは全員でこだわって練習してます。

――新体制になって大変だったことは

宮澤 今の新体制になってからまるっきり新しいルールができて、1年生としては適応していくことが大変だったと思います。

前田 良い意味でも悪い意味でも、自分たちが言ったことを素直に受け入れてくれました。時には思うこともありましたが、チームとしては良い方向に向けていたと思います。

小山 自分たちの代はあまり人が考える余地を与えなかったです。いつにアップ始まって、いつから練習が絶対に始まるということがきっちりとしていました。1年生が忠実にルールを守っているからできるのですが、言い争いとかがなく全員がきっちり決まりを守っていました。その辺の不満などはないのでチームがスムーズに回ったという感じはあります。メニュー自体も昨年より格段に漕ぐ距離も長くしましたし、きついメニューも増やしました。そのおかげで特に自分たちのタイムもどんどん伸びていったので、成長していないことに不安を感じることはなかったです。普段の練習は大変だったと思いますが、その分結果もついてきてくれたので、満足という感じです。

――対校エイトに向けて意識していることは

前田 唯一オールを持たない、船の方向を決める舵取り役のコックスというポジションなのですが、最短距離コースの最短距離を通すというところが自分の1番の役割です。プラスで慶大と1対1の勝負なので、勝負どころをしっかり見極めて、きついところで彼らの内に秘めた力を引き出したいです。

――今年のクルーの特徴はありますか

前田 すごくフィジカルが強い印象があります。去年春からずっと対抗エイトのボックスを守ってきた中で、クルーは何人か変わっていきましたが、今のクルーが1番フィジカルが強くてタイムが落ちないと思います。ただ一方で、体力があるのにもう少し出力が出せないのかと思う時があることもネガティブな特徴です。その強いフィジカルを生かすために、ずっと良いコンディションで続けられるかというところが1番のキーポイントになると思います。

小山 今年は前田含め9人中7人が4年生なので、同期が多い年だと思います。体が4年生なって出来上がってきましたし、ケガや病気はあまりないので、そういった意味での強いクルーでもあると思います。自分たちの代は昨年からインカレや対抗エイトに乗せてもらう機会が多かった人が多く、場馴れしているので本番で慌てふためくことは起きないだろうなと少し自信を持っています。

宮澤 今のエイトは全員がパワーと技術の両方を兼ね備えていると思います。パワーを利用して良いタイムが出ればいいとかではなく、練習のビデオを見るなど考えながらボートをしているなと思います。

――現状の仕上がりはいかがでしょうか

前田 もう1カ月を切っていますが、現状の仕上がりは、自分自身ですとまだ4割ぐらいと思っています。個人個人に課題がまだちらほら見えてるので、まずしっかりそこを潰したいです。レースペースのように実際に速く漕ぐところまで詰め切ってるわけではないので、最後に一気に詰めれば、伸びてくると思います。まだまだ4割ですが、合わせることはなく、体と神経、自分の心とメンタルというところも一緒に作り上げられるかなと思います。

小山 自分も4割ぐらいかなとは思ってます。ですが船自体のスピードが極端に遅いわけではありませんし、課題が自分たちの中でたくさんあるにも関わらず、そこそこのタイムで走れていることにはすごい伸びしろを感じます。あと1カ月間やることやればそこを詰められるなと考えているので、変にゆっくりすることなく、しっかりスピード感を持って技術課題の克服に努めたいと思っています。フィジカル面では多分全員今は絶好調なので、そこには全く心配はしていません。これから技術課題を克服し、クルー全体の完成度を高めていければ良いクルーになるかなと思ってます。

――ご自身の強みを教えてください

前田 自分の強みは相手に臆せずに思ったことを言えることだと思います。 漕手が漕いでいるのでコックスは受け身になりやすいですが、船をまとめ上げて何か作り上げるとなった時にはまとめ役が必要です。そこが自分の1番大きな役割で、自分の長所でもあると思っています。そこをしっかり生かした上で、色々なスポーツでの相手との駆け引きで磨いてきた勝負勘も自分の強みだと思います。

小山 自分2年連続でおそらくフィジカルと言っていますが今年はやめます。早慶レガッタへの思いが自分の1番の強みだと思います。早大の歴代の主将を見ると経験者の総数が多く、日本代表や目標であったり、インカレで勝つことが目標で入部してる主将が多かったです。自分は珍しく早慶レガッタに憧れて漕艇部に入った主将なので、早慶レガッタで勝ちたい思いは早大の歴代の主将より強いと思います。ですので、普段の練習から早慶レガッタを意識した声がけをするように心がけるようにしています。

宮澤 若さです。今の対抗エイトの中で自分が1番若いので、若さを持ち味にしてフレッシュに漕ぎます。

――レースで注目して欲しいポイントを教えてください

前田 スタート前に自分が荷物を後ろの船に渡すところを1番注目してほしいです。去年は隅田川の波に飲まれ、スタート前に体の半分以上を隅田川に落とすというすごいことやらかしてしまいました。大事なコックスのマイクを隅田川に流してしまって、自分がちゃんと予備を持ってきていたので最悪の事態は回避できましたが、周りの方々をヒヤッとさせました。今年はスタート前、前田は元気に船の上にいるぞと。そこを1番見てもらいたいと思います。レースになればいつも通り特別なことをせず、自分の力を出し切るだけなので自分はスタート前を見ていただければと思います。

小山 今年のレースの見どころは面白くないレースです。最初に早大が半艇身出ている状態でスタートし、例年アウトコースなのでだんだん同じスピードで走っても追いつかれていきます。それは仕方ないですが、今年は慶大と圧倒的なスピードの差を持ってスタートして1度も寄せ付けずにどんどん離して、慶大が1度も早大を見ずにゴールすることが1番面白くなく、1番楽しい見どころです。

宮澤 ゴールした後に喜んでいるところを注目していただければと思います。

――早慶レガッタに向けた意気込みをお願いします

前田 勝ち逃げが懸かっているのは先程の通り僕と小山くんだけなので、もう勝ち逃げたいです。小山くんの横で、俺負け知らないわ。勝って終わったわ。と言えるように、勝ちだけを目指して頑張ります。

小山 自分が入部した理由が早慶戦である以上、2年連続で負けている自分はもう負けることは許されません。勝ちたいという言葉しかないですが、本当に勝ちに行こうと思っています。

宮澤 新2年生の時点で対校エイトに選ばれている自覚をしっかり持って、緊張感を持ちつつ漕いで勝ちたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 長屋咲希、石澤直幸、石渡太智)

◆小山知起(こやま・ともき)(※写真中央)

創造理工学部4年。東京・早稲田実業高出身。

◆前田蓮(まえだ・れん)(※写真右)

文学部4年。東京・早稲田実業高出身。

◆宮澤光樹(みやざわ・こうき)

スポーツ科学部2年。長野・諏訪清陵高出身。