【特集】航空部早慶戦＆全日本学生グライダー競技大会直前対談第２回　鈴木風真×平本大貴×川島旭陽

第２回は鈴木風真（社４＝東京・町田）、平本大貴（基理４＝神奈川・桐蔭学園）、川島旭陽（教３＝東京・早大学院）の３人に早慶戦、全国大会と短い期間に連続して行われる２つの大会について様々なお話を伺った。
第１回　【特集】航空部早慶戦＆全日本学生グライダー競技大会直前対談第１回　細川航希×牧野航太郎×松尾大雅 | 早稲田スポーツ新聞会

第３回【特集】航空部早慶戦＆全日本学生グライダー競技大会直前対談第3回　平川陶子×森裕翔×宮田航太郎 | 早稲田スポーツ新聞会

※この対談は２月５日に行われたものです

――自己紹介をお願いします

鈴木　社会科学部４年の鈴木風真です。役職は機体係をやっています。マイブームは進撃の巨人の動画を見ることです。

川島　教育学部３年の川島旭陽です。現幹部の主将をやっています。後は機体係と訓練係に所属しています。マイブームはイルミネーションを見に行くことです。

平本　基幹理工学部４年の平本大貴です。役職は訓練係の１つ前の主任を務めていました。マイブームはポケポケです。

――役職の仕事内容について教えてください

鈴木　機体係は機体のメンテナンスで定期的に内部の清掃をしたりとか、タイヤを分解してオイルを注し変えたりしています。

川島　主将としては、航空部がちょっと特殊な部活で学生の連盟をもっているんですけど、そこで自分は学生委員をやっていて、他校と関係性をもちながら色々な管理と運営を行っています。部内では、訓練をどういう位置づけにするかとか大きいところから小さいところまで、こういう人を飛ばしたいとか目標を目指して今日は何をやるかとか、自分から発案してやる形で今は動いています。

平本　訓練係は、ちょっと主将のことと被っちゃう部分もあるかもしれないんですけど、訓練を安全に効率的に行うためにヒヤリハットの取りまとめであったり、後は必要な機材の管理だったりライセンスを取るための計画を作ったりということを主にやっています。

――隣の人の紹介をお願いします

鈴木→川島　印象はうるさいですね。

全員　（笑）。

鈴木→川島　昼間もうるさいし、夜もいびきがうるさすぎて自分は一緒にいると寝られないので隣の部屋で寝ています。

川島　これ褒める方向じゃないの？（笑）

鈴木→川島　中身に関してもうるさくて、訓練中も声を張るっていういい意味でうるさいです。そういう感じですね（笑）。リーダーシップを発揮している感じです。

川島→平本　誰よりも身近な存在だと思いますね。平本さんがいるからやれたところもありますし、僕だけじゃなくて色々な人がそうだと思っています。明るくて、平本さんがいたから頑張れたみたいな部分もありますし、この部の原動力である人だと僕は思っています。訓練っていう活動の根幹の部分だと思っていて、活動の第一歩を踏み出す人っていうイメージですね。

平本　ありがとう（笑）。

平本→鈴木　風真は…なんだろうな。ムードメーカーなところがあって、風真がいると僕自身訓練が明るくできるし、逆に風真がいない時は寂しいみたいな。

川島　寂しいです（笑）。

平本→鈴木　いい意味で色々とやらかしてくれるので、そういう意味で部に活気を与えてくれていると僕は思っています。

川島　風真さんがいると飽きないですね。楽しいです。

対談中の鈴木

――高校までに航空部の経験がある人は少ないと思いますが、航空部に入部した理由を教えてください

鈴木　僕は入部が遅くて大学１年の２月に入ったんですけど、それまでは色々なサークルに入ったりしてあまり充実していない日々を送っていて、なんか暇だなと思って入りました。

川島　僕は大きく３つですかね。１つは高校からずっとクラスが同じだったやつに誘われて、宮田（航太郎　政経３＝東京・早大学院）なんですけど、誘われて体験搭乗で飛んでみて凄く楽しいなって思ったのと、大学生活で新しい全く関わったことない知らないことに全力で挑戦したいなっていうモチベーションがあったのと、後は活動している妻沼滑空場なんですけど、僕は熊谷に生まれて熊谷で育ったので凄く近かったっていうのも理由にはなるのかなと思っています。その３つですね。

平本　僕も大学で新しいことを始めたくて、最初この部活があるっていうことは知らなかったんですけど、早稲田って色々なサークルや部活があるからどんなのがあるんだろうって一覧表みたいなものを見ていたら、体育会の一番の下の方に航空部ってあってなんだこれって思って、空を飛ぶっていう体験を妻沼に来てやってみてそれが凄い楽しくて入部しました。

――ご自身の代はどんな代ですか

鈴木　４年生の代は割と人数もいて、色々な人がいて賑やかな感じってイメージですかね。

平本　４年生の代は個性があると思います。航空部って変わり者が多いので個性が際立っているのは当然なんですけど、91期（４年生の代）はいい感じにばらけているっていうか色々な個性の人がいて上手い感じにまとまっていて、その中に僕も一員としていられるっていうのは凄い誇りに感じています。

川島　４年生は仲がいい代っていうのが１個下から見てても思いますし、運営面で去年まで幹部だった方々ですけど、目の前のことに一生懸命で直向きな代だったなと思いますね。

――３年生はどんな代ですか

川島　自分はマイペースな代だなと思っています。自分のペースをもっているんですよ。

平本　間違いないね（笑）。川島　僕はやることをガッとやるペースで、今主で活動できている人もぶれない軸をもっていて、その中で航空部の活動を楽しんでいる代だなって思います。

対談中の川島

活動について

――六大学戦、関東大会とこれまでの大会を振り返って

平本　六大学戦は僅差で負けてしまって関東大会は勝ったんですけど、気象条件に大きく左右されるスポーツだなっていう風に感じて、六大学戦は条件が合う日が２日とかしかない中で僅かな点差で負けてしまって、関東大会は気象条件と発航順が上手く早稲田に味方してくれて勝てたのかなっていうところがあります。特に関東大会で言うと、飛べる選手も少ない中で番手が上手く回ってつないでくれて得点を重ねられたところがあったので、そこはとても良かったなと考えています。関東大会で勝ってそのまま早慶戦、全国大会に行けるのはいい弾みになっているのかなと思います。

――関東大会が終わってからチームとして取り組んできたことはありますか

平本　デュオっていう機体があって、３、４年生が主に複座でコーチの人と飛ぶっていう機体なんですけど、それで監督やコーチの人からしごかれながら鍛えてもらっているのがチームとしての取り組みで、選手だけじゃなくて１、２年生とかも大会を盛り上げようと頑張ってくれているのが広報とかの部分からも伝わってきていて、それは僕らとしては励みになっています。

――個人として取り組んできたことはありますか

鈴木　個人としては、昨年末にオーストラリアに行って１週間ちょっとグライダーの飛行練習をしたっていうことが１つと、普段の訓練でしっかり気象とか雲の動きとかを読みながら、どういう風に飛ぶか考えて飛ぶようにしていました。

川島　自分もオーストラリアに行って、ライセンスを取ってから大会に臨んで実際にはフライトはなかったんですけど、自分が飛ぶっていうことを強く意識して今大会に臨んでいるっていうのが個人的な意識です。それまでの１年や２年でも大会を経験していく中で、反省を自分なりに残しているからこそ実現したいと思って練習でもそうですし、何かしらのアクションを起こすようにしています。具体的には飛び方ですかね。こんなことを先輩は考えていたな、みたいなことを意識して飛んでいますし、逆にそれを自分がする番になってきていることも意識しているので後輩に伝えるようにしています。

平本　僕は基礎の重要性っていうところを最近ひしひしと感じてきていて、グライダーを飛ぶ上で一番最初に飛ぶ旋回の科目や、直線滑空の科目や速度の目安を見て飛ぶっていうところが上手い人はきちんと徹底されていて、その上で得点も伴ってきているなというのを最近感じて、僕はなんだかんだ飛べればいいやみたいなテンションで飛んでしまっていたのが実力が向上しなかったところでもあるのかなと思うので、最近は基礎を徹底してどんなところでも自分が決めた速度で飛ぶことであったりっていうところを徹底するようにトレーニングしています。

――今年度の活動の中で印象に残っているシーンはありますか

平本　関東大会で、上昇気流がもうなくなってきていて競技も終了が近い中で飛んでいて、条件もあまり期待されない中でなんとか高度を上げて、最後誰も機体が浮いてなかった中で僕だけ浮いていた状況で進めたんですけど、そのフライトが減点が多くて結果的に０点で、関東大会はその後飛べなくなってしまったというフライトだったんですけど、僕としてはやりきったし悔いが無いフライトで、あれが学生最後のフライトだって言われても構わないくらいのテンションだったので後悔はないですし、特に印象に残っている場面と言ったらそれしかないですね。

川島　僕は関東大会の最終日ですかね。優勝して表彰を受けて、その後部員が全員来て外に出て、優勝旗を掲げながらランウェイに出て写真を撮ったり教官の方々からコメントをもらったんですけど、たまらなく充実感がありましたね。自分は選手ではなくて連盟の委員で、ちょっと客観的な視点でこの部を見ていた部分もあったんですけど、所属している自分自身も背中を押してくれるような瞬間だったなと思っています。

鈴木　自分はLSっていう機体に移行した時のフライトが印象に残っています。LSは高性能機なんですけど、その機体に中々監督に乗せてもらえなくて、何回もしごかれてっていう期間が何カ月も続いて、12月にやっと乗せてもらえたのが凄くうれしかったっていうのが記憶に鮮明にあります。

対談中の平本

大会に向けて

――慶大の印象を教えてください

平本　毎年そうなんですけど層が厚いなっていうのが今年も変わらない印象です。慶大はやっぱり１番手２番手は絶対に回ってくるし、それ以降もちゃんと周回できる選手が揃っているんですけど、でも早稲田の話になっちゃいますけど、早稲田も今年は負けていないと思うのでそこは自信をもって戦えると思います。

鈴木　慶大は飛ばす順番のだったりフライトの飛び方だったりとかが、しっかり戦略的に練られているなっていう印象です。六大学戦の時とかも飛ばし順とかを凄い戦略的にやっていると感じたので、頭を使ってやっているなという印象ですね。

川島　僕はチームというよりも組織というイメージなんですけど、凄いきっかりしている。後で痛手になるところにはとことんこだわりますし、それが積み重ねであり、OBとのつながりが強いということもあってだと思うんですけど、僕らがそこで弱い部分を見せてしまうとやられる相手だと思っています。それくらい１番のいい相手だと思います。

――早慶戦での自分の役割をどのように考えていますか

平本　僕は来たバトンを確実に次に回すことが役割だと思っています。

川島　僕は大会をつくる側だと思っていて、チームとしてモチベーションを上げたり準備をしたりとかして勝利をつくるっていう意味で、番手が回ってきたら差が出る面を担っていると思うので色々な面で立場もそうですけど、色々なことを決めてつくるっていうのが役割かなと思っています。

鈴木　自分は番手が回ってくるとしたらみんなが凄く回っている日で、最後回れるか回れないかで慶大との勝敗が決まるフライトに自分が飛ぶとしたらなると思うので、そこをしっかり決めることが役割だと思います。

――早慶戦への意気込み

川島　負ける気がしないです。それくらい突き詰めたと思っています。僕は競技としては主じゃないんですけど、先輩方を見ててたまらなく勝ちたいしたまらなく負けたくない、勝つ気しかしないですね。

鈴木　コーチの方々とか監督に凄くお世話になったので、その人たちに成長したところを見せて恩返しをしたいなっていう思いでいっぱいで、これまでこの部活に色々迷惑をかけてきたのでその恩返しをしたいなと思っています。

平本　１年生の時から早慶戦を見てきた中で、どんどん早稲田が慶應に追いついてきているなっていう印象があって、最近だったら慶大を追い越したなっていう風に感じることも多いんですけど、去年僕が３年生の時の早慶戦は優秀な先輩方がたくさんいて絶対勝てるだろうと思っていた中で負けてしまって、先輩方の姿を見てきた中で、今年はより部として、後輩たちもみんな早慶戦に勝つために頑張ってくれているし、選手も強い選手が揃っていると思うので本当に勝つ気しかしないし、気象条件も運も全部味方につけて何がどうなっても勝ちたいと思っています。

――大会に向けてチームの状況はいかがですか

平本　今早慶戦を目指してチーム全体が動いている中で、早慶戦が全国大会においても重要なポジションを占めると思っていて、早慶戦に勝って弾みをつけて全国大会に臨めれば全国大会も負ける気がしないし、そういったところで早慶戦に向けて頑張っているのも全国大会につながっているのかなと思います。

川島　航空部の卒業直前に大会が連続して２回あるっていうのが凄くいいと思っていて、もう明暗分かれるんですよ。勝つか負けるかで。どっちの大会も勝ったら自信もつきますし、この１年間を決めるといっても過言じゃないと思っていて、今後の航空部が常勝早稲田としているための最高の舞台だと思います。

鈴木　今の４年生のチームリーダーの森（裕翔　法４＝佐賀西）をはじめ、みんな去年から今年までできることは全部やってきたっていう風に胸を張って言えるかなと思っているので、自信をもっていける状況にあるのかなと思います。

――全国大会は４年生が引退する場になりますが、４年生はどんな存在ですか

川島　この航空部は部員にとって色々な場だと思っているんですよ。その部の実働的な部分も、場としての空気的な部分にも一番大きな影響を与えている代だなと凄く思っていて、みんなが好きな航空部の空気をつくった素晴らしい代だからこそ、結果を残して欲しいなって思います。とてもお世話になったと思っています。感謝しかないですね。

――４年生から下級生に向けてどういったことを残していきたいですか

平本　見ててほしくて、僕らのことを。航空部って結構タフな部活で、合宿だけじゃなくてその事前準備のところで教官方から色々言われたり、調整しなきゃいけないことが色々あったり、他の団体とか会社と付き合いながら部を運営していくのは本当にタフなことだと思っていて、そんな中で４年間続けられることっていうのは少ないというか、途中で辞めてしまう人ももちろんいるから、でも４年間続けたら達成感が得られてこういう姿になれるというところを見ていてほしくて、それを基に後輩たちが4年間部活を一生懸命頑張ってくれたらそれは凄い幸せだなと思っています。

鈴木　グライダーは楽しいよというのをみんなに伝えたいです。大会とか周回とかそういうことを部では目標としてやっていますけど、やっぱりそればかり追い求めていたらなんだか飽きちゃうところもあると思うので。グライダーって周回とかだけじゃなくて、オーストラリアに行ったらクロスカントリーできたり、関宿行ったらちょっと遠くに飛んで遠くの町を見るみたいなそういう楽しみ方もあると思うので、もっと視野を広げて、部活だけではなくて部活の後、社会人でもグライダーを楽しめるっていうことをみんなにわかってもらえたらいいなって思います。

――全国大会への意気込みをお願いします

鈴木　全国大会は自分は出ないんですけど僕の代が出るので、僕は４年間彼らを間近で見てきて一緒に成長してきた仲間なので、精一杯応援して支えていきたいと思います。

川島　名実ともに日本一。自分たちがなりますし、先輩方をそうする場なので絶対に勝ちます。

平本　全国大会に出る選手はプレッシャーを凄く抱えている中で飛ばなければいけないので、そういった視点からなるべく選手がフライトに集中して、リラックスしながら飛ぶことができる環境をつくりたいと思います。

（取材、写真、編集　井口そら）