第3回は尾瀬雄大(スポ2=東京・帝京)、小澤周平(スポ2=群馬・高崎健康福祉大高崎)、田村康介(商2=東京・早大学院)の2年生トリオが登場。昨年にブレイクを果たし、チームの主軸としての活躍が期待される3人。私生活の様子や打撃面でのこだわり、さらには来シーズンに懸ける思いなど、様々な話題について深掘りする。
※この取材は12月16日に行われたものです。
「(昨秋は)自信がついたシーズンだった」(田村)
――他己紹介をお願いします
田村 小澤は野球をやっている時はすごくメンタルが強いんですけど、私生活は一人では何もできないくらい(笑)。いつ風呂に行ってもこいつ(小澤選手)がいる長風呂な一面もあります(笑)。
小澤 尾瀬はいいことがあるとすぐに顔に出ちゃう人です(笑)。 LINEの返信も早くて、ビックリマークとかつけてくるときは、いいことがあった時で分かりやすいです(笑)。あと、部屋の物がめちゃめちゃ少ないです。
尾瀬 田村は結構見た目が怖くて(笑)。いかつい顔をしてるんですけど、でもめっちゃ優しいです。部屋が隣で最近ずっと一緒にいて、1人でふざけている変わった人ですね(笑)。めっちゃ面白いです。
――最近ハマっていることはありますか
田村 尾瀬の部屋でやるパワプロですかね、2013(笑)。
――どこのチームを使いますか
田村 強いのはソフトバンク、巨人ですかね。
――小澤選手、尾瀬選手はいかがですか
小澤 自分は吉納さん(吉納翼副将、スポ3=愛知・東邦)の部屋でやるスマブラ(大乱闘スマッシュブラザーズ)です。推しキャラはブラックピットですね。
尾瀬 自分は勝手に人の部屋に入って、入り浸るみたいな感じですね。勝手に田村の部屋に入って寝たり、松江(松江一輝、人2=神奈川・桐光学園)の部屋に行って勝手に寝たりとか。人の部屋の方が落ち着くんですよね(笑)。
田村 (尾瀬選手は)寮生活初めてだからね。
――部活以外での3人の関係性はいかがですか
尾瀬 (小澤選手とは)学部一緒で授業も一緒なんですけど、ゼミも一緒で、こいつ(小澤選手)の発表とかよく聞くんですけど、何言ってるのか分からない(笑)。
小澤 自分(尾瀬選手)では(プレゼンが)できているみたいな感じなんですけど、写真貼り付けただけみたいなスライドで平気でプレゼンするので、そこは尊敬します(笑)。そのメンタルを(笑)。
田村 2人とは学部も違いますし、この感じからも分かるようにぼっちですね(笑)。3人で一緒にいることはないです。基本、授業がある時とかはあんまり会えないので。野球やる時ぐらいです。
――ここからは新チームについて伺います。新チームの雰囲気はいかがですか
尾瀬 やるときはやって、それ以外はみんなで楽しくみたいな、メリハリがついていて、いいチームなんじゃないかなと思います。
小澤 意味のあるメニューが増えた気がします。今までの練習の意味がないと言うわけではないのですが、質が重視されてきたかなという印象があります。
――具体的にはどういった練習が増えましたか
小澤 守備だったら特守で、ただ横に振られて飛んだりするだけじゃなくて、ゲッツーを投げるところまでしっかりやる練習を15分間取ったりしています。そこで体力作りと質を重視した練習がしっかりとあるので、そこが変わったところだなと思います。
――田村選手はいかがですか
田村 昨年は熊田さん(熊田任洋、スポ4=愛知・東邦)という絶対的な存在がいたのですが、今年の代はそんな感じではなくて、みんなが同じ立ち位置から協力し合っている感じがあります。一から一緒にやっているところがあって、仲良くできています。それが変わったところです。
――そんな新チームの印出太一主将(スポ3=愛知・中京大中京)と吉納副将はどのような方ですか
小澤 自分はずっと一緒にいるので。野球をしていない時は友達みたいな感じで仲良くしてくれているのですが、練習になったらはしっかりとチームをまとめています。話を聞いたら、印出さんは中京(中京大中京高)の時から大変だったみたいで、それをまとめあげるという能力が中京の時からできていると言っていたので、(部員が)ついていきやすい環境にしてくれています。
田村 吉納さんと印出さんは共通点があって、私生活はめっちゃ面白くてふざけるんですけど、グランド行ったらそんなことはないです。厳しく喝を入れる時もありますし、チームのために動いてくれて、そこのメリハリがある2人だなと思います。
尾瀬 印出さんはキャプテンではあるのですが、こっちの意見も聞いてくれるというか、こっちが思ったことをすぐ言いやすい環境を作ってくれているなと思います。すごくいいキャプテンです。
――前のチームから新チームでも継続していることはありますか
小澤 基本的なことは継続しているのですが、変わったのがキャッチボールです。だらだら声を出すのではなくて、シーンとしたところで集中してやるようになりました。必要な時に必要な声を出すということと、グラウンド内ダッシュを徹底しようとなったので、意味のあることが新たに増えた感じです。
田村 自分的には継続されているところがなくて、完全に切り替わったイメージです。今まで練習も毎日守備とバッティングで2つ短い時間でやっていたのですが、今はバッティングだけ、明日は守備だけという感じで、メリハリをつけた練習を考えながらやっています。昨年はそういう意味ではあまり効率的な練習できてなかったと思うので、一気に変わったと思います。
――尾瀬選手は何かありますか
尾瀬 全く同じことを言おうとしていました(笑)。
「来シーズンは首位打者獲得を」(尾瀬)
――ここからは、東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)を振り返ります。秋季リーグ戦は、最後惜しくも3位に終わりましたが、お三方にとって秋季リーグ戦はどのようなものでしたか
尾瀬 まあ、悔しいというのが一番ですかね。優勝が懸かっている早慶戦をして、あと一歩で優勝だったというところで逃したので、目の前で慶応の優勝を見て悔しかったです。
小澤 自分は、結果を見れば分かりますが、とても悔しいシーズンだったなと思っています。課題はバッティングと明確ですが、その中でも具体的に言うと変化球だったりアウトコースの球を結構攻められたりして調子を崩したというところがあったので、課題がはっきりしたシーズンだったと思います。
田村 自分は、自信がついたシーズンだったなと思っています。たった4試合しか出ていませんし、まだまだプレーに粗さがありますし、弱点しかまだないですが、しっかり打つべきところで打つことができたと思います。神宮球場で結果を残せたというのが大きな自信になりました。
――秋季リーグ戦でお互いのプレーの中で何か印象的なものはありますか
田村 まず小澤は(立大1回戦で)ホームランを打った打席です。あれがなかったら、相手チームに流れが行ってしまっていたと思います。なかなか結果も出ていないシーズンだったにもかかわらず、その中で1本絶対打つというすごさを感じました。尾瀬は、練習でもしたことがないレフトに急きょポジションが回った時にファインプレーを見せたところが、やっぱり適応能力というか、守備位置関係なく守備がうまいのだなと思いました。
小澤 田村はリーグ戦初打席で尾崎さん(尾崎完太、法大4年)から打ってベンチに帰ってきた時に泣いていて、何で泣いているのか分からなかったのですが(笑)。でも、自分も初打席でツーベースヒットを打ってめちゃくちゃうれしかったことを覚えているので、あのような場面でパッと出されてパッと打てるのは才能だと思うので、すごく印象に残っています。尾瀬は慶大1回戦で、自分がサヨナラヒットを打った打席があるのですが、その前の打席の尾瀬に打ってほしいとは思っていたのですが、(自分に打順が回ってきてほしかったので)ランナーを2人とも返してほしくはなかったんですよ。そこで、尾瀬がランナーを1人返していい感じに打ってくれたので、本当に感謝しています(笑)。
尾瀬 田村は自分が打った後に小澤がサヨナラヒットを打ったという試合(慶大1回戦)の最終回の先頭打者で、ヒットを打ったのがめちゃくちゃ印象に残っています。(カウントが)ワンスリーだったのですがフォアボールを狙っていくのではなくて、レフト前ヒットを打ったので、そのようなメンタルがすごいなって思いました。でも、その後に田村がガッツポーズをしていたのですが、
田村 いい、いい(笑)。
尾瀬 内から出る喜びというか(笑)。田村のかわいさが見えたガッツポーズでした(笑)。小澤はやっぱり早慶戦で打ったサヨナラヒットですかね。自分は一塁ランナーだったので、小澤がヒットを打った後に抱き合ったのですが、めっちゃニコニコしてうれしそうに寄ってきて(笑)。
小澤 いや別にこっちから寄っていったわけではない(笑)。
尾瀬 その顔がすごく思い出に残っています(笑)。
――続いて、小澤選手個人の質問をさせていただきます。先ほど昨秋はバッティングの調子が奮わなかったというお話がありましたが、振り返っていかがですか
小澤 1回打てなくなって、そこからが大事だと思いました。東大戦は5割くらい打てていましたが、その次の明大の村田選手(村田賢一、4年)の変化球に(タイミングを)はずされて、そこからフォームが崩れていったという感じでした。その修正力と集中力がまだ足りないなと思いました。バッティングは、ほとんど9割メンタルで決まると思っているので、負の感じにいかないよう、メンタルを立て直して自分のバッティングを見つめ直せるように、この冬バットを振りまくって、技術をつけて、絶対的な自信を持っていこうと思いました。
――守備のポジションについて、熊田選手が抜けてしまうとポジションがシャッフルされると思いますが、それについてご自身のポジションについてはいかがですか
小澤 希望はセカンドで出しています。どこでも守れるのが一番いいのですが、セカンドを挑戦していきたいと思っています。
――続いて、尾瀬選手に伺います。慶大1回戦では、9回裏無死満塁の場面で同点打を放ちましたが、この打席で意識されていたことはありますか
尾瀬 ノーアウト満塁だったので、もう逆に開き直って、何を打っても1点くらいは入るだろうという気楽な気持ちで打ちに行きました。
――東大の酒井捷選手(2年)と連絡を取り合っているというお話を聞きましたが、秋季リーグ戦後に何かお話されましたか
尾瀬 今でもよく連絡を取っていますが、酒井選手は打率が3割を超えてベストナインをとって、代表合宿(侍ジャパン代表候補による強化合宿)の選手にも選ばれていたので少し悔しいです。
――次に、田村選手に伺います。慶大1回戦でスタメンデビューを果たすと、カード3試合全てスタメンに抜てきされました。最初に起用を伝えられた時どのような気持ちでしたか
田村 急に伝えられたわけではなく、1週間前ぐらいから練習でそういう(早慶戦でスタメン起用される)雰囲気を感じたので、心構えはできていました。起用が伝えられた時はもうやるしかないと思っていたので驚きはあまりありませんでした。
――秋季リーグ戦は打率5割と好調でしたが、打撃面で結果を残せた要因はどのように考えていますか
田村 小澤が言っていた9割メンタルという考えを自分も持っていたので、失うものは何もないと割り切った気持ちで打席に入りました。それが結果につながったのかなと思います。
――来シーズンはどのポジションで勝負したいと考えていますか
田村 自分はあまりポジションにこだわりはないです。おそらくファーストかサードになると思うのですが、どちらでも出られるように準備していきたいと思います。
「目標は首位打者獲得。尾瀬と競った上で最後は少しの差で勝ちたい」(小澤)
――お三方への質問に戻ります。まず、来シーズンに向けて、これからの冬の練習で特に強化したいポイントはありますか
尾瀬 パワーや力強さを強化したいと思っています。秋季リーグで13本ヒットを打ったのですが、ツーベースが1本だけであとは全部単打でした。体は小さいのですが、バッティングは小さくならずにスケールの大きい選手になりたいなと思っているので、ウエートトレーニングやバットの振り込みなどの練習から力強さを意識してやっています。
小澤 技術的なことになるのですが、ボールに入り込んでいけるようなバッティングを目指して練習しています。メンタルの話を先ほどしましたが、メンタルがマイナスになると腰が引けてボールに入り込んでいけなくなるので、インコース怖がらずに踏み込んでいけるよう意識しています。
田村 自分もバッティングの話になってしまうのですが、昨年いた島川さん(島川叶夢、スポ4=熊本・済々黌)、野村さん(野村健太、スポ4=山梨学院)、熊田さんなどホームラン打てる選手が多く抜けてしまったので、その穴を埋められるような長打力を身に着けるために、今しっかり振り込んで練習しています。
――来季に向けての個人としての目標をお願いします
尾瀬 首位打者を取りたいです。春は途中まで首位打者争いをしていたのですが、終盤に失速して取れませんでした。先ほど力強さを求めると言ったのですが、自分に求められているのは、高打率を残して、1番バッターとしてヒット打って出塁することだと思っています。その役割の延長線に首位打者があると思うので取れるように頑張ります。
小澤 自分も首位打者を取りたいです。取れなくはないと思っているので、尾瀬と競った上で最後は少しの差で勝ちたいと思います。まあ負けないですけど(笑)。
田村 自分は謙虚にレギュラー定着を目標にして頑張りたいと思います。2人から常々聞いているのですが、活躍した次のシーズンが大事だと思います。相手から対策をされて打てなくなるシーズンが次の春季リーグ戦だと思うので、自分の苦手な部分をしっかり無くして、それこそ首位打者争いに割って入っていけるように自分も頑張りたいと思います。
――最後に来シーズンへの意気込をお願いします
尾瀬来シーズンは個人的には首位打者獲得で、チームとしては秋季リーグ戦で優勝を逃しているので絶対に優勝したいと思っています。
小澤 首位打者を取るには取れるなりの練習量と練習の質があると思うので、まずは練習をしっかり積みたいと思います。その上で、優勝に貢献したいです。
田村 まだ少ししか試合に出ていないのですが、秋季リーグ戦は目の前で優勝を逃して悔しい思いをしました。なので、来シーズンは自分がレギュラーとして出て、優勝できるように頑張りたいと思います。
ーーありがとうございました!
(取材・編集 小島大典、植村皓大)
◆尾瀬雄大(おせ・ゆうだい)
2003(平15)年8月14日生まれ。170センチ、76キロ。東京・帝京高出身。スポーツ科学部2年。外野手。1番打者として活躍を続けた尾瀬選手。来季の目標は首位打者獲得と話してくださりました。来季も切り込み隊長として稲穂打線に火を付けます!
◆小澤周平(おざわ・しゅうへい)
2003(平15)年7月26日生まれ。172センチ、74キロ。群馬・高崎健康福祉大高崎高出身。スポーツ科学部2年。内野手。長風呂だと話してくださった小澤選手。長い時には2時間もお風呂に入り、いろいろな人と話しているそうです!
◆田村康介(たむら・こうすけ)
2003(平15)年12月17日生まれ。178センチ、78キロ。東京都・早大学院出身。 商学部2年。内野手。試合前のルーティンはコーヒーを飲むことと答えた田村選手。ファミリーマートのコーヒーがお気に入りで、定期購入しているそうです!