【連載】女子バスケットボール部 インカレ直前対談 『BLOSSUM』 第2回 G山宮好葉×F衣川璃来

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対談第2回はG山宮好葉(スポ2=東京成徳大)とF衣川璃来(スポ2=埼玉栄)の二年生コンビ。同じ授業を受けていて部活の外でも仲良しな二人に、今シーズンを振り返ってもらった。
※この取材は11月29日に行われたものです。

一一お互いに他己紹介をお願いします

衣川 選手としては、一緒にコートに立っているととにかく安心します。オフェンス面でももちろんですが、特にディフェンス面で自分のマークマン以外の他の人のカバーする力がほんとにすごくて、リバウンドの予測とか、ルーズボールへの執着心とか、カバーに行くタイミングとか、その予測もチームの中で1番優れている所かなと思います。人としては、本当に真面目でしっかりしているんですけど、どこか頭のネジが外れている所があるっていうか、でもすごい優しくていつも助けてくれます。

山宮 璃来さんのバスケは独特なリズムがあって、誰にも止められないです。ドライブとかで気づいたら得点をばんばん取ってきてくれる人で、自分も一緒に出ててパスが出しやすいし、スリーとかもいい所でたくさん決めてくれるので心強い存在です。普段は結構不思議なというか、寝てる印象が強くて、璃来の世界があるみたいで、結構自分にはあんまり分からない世界の話をしているので、まあ不思議なんですけど、意外とみんなのことを見てて、たまに面白いです。

一一具体的にはどういった世界ですか

衣川 あんまり言ったことがないんですけど、魔法の世界やファンタジーの世界が大好きで、そういう映画も大好きで、あの空想とか想像ををしたりとか、そういう話を一緒にするのが好きです。

一一その話をよくする人はいますか

衣川 同期のG橋爪花奈(文構2=埼玉・早大本庄)が、いつも付き合ってくれています。

一一お二人が初めて出会ったのはいつですか

衣川 中学で戦ったことはあるんですけど、そこまで面識があったわけではなくて、高校の大会で会いました。

一一お互いの第一印象と今の印象の違いはありますか

山宮 試合で当たっただけなので、喋ったことは早稲田に入るまでなかったです。

衣川 プレーの面では一緒にやらないと分からないことばかりで、戦った時には全然分からなかったディフェンスの面だったりとか、そういうリバウンドとかルーズボールとか、一緒のチームになってみてほんとに凄いなと思う部分がたくさんありました。

山宮 高3の体験入部の時にちゃんと顔を合わせて、あ、この子同期なんだって感じでした(笑)。本当にずっと黙ってて、まじで何も喋ったことなかったから、本当に喋れるのかなって最初は思っていました。

一一今の2人の関係性を教えてください

山宮 学校でもほぼ同じ授業を取っているので、それで部活も一緒なので結構仲良くさせてもらっています。

山宮 この前新人戦があって考えて練習をする機会が多かったんですけど、その時に短い期間で結果を残すために、チームビルディングとかをよく考えてくれて、自分がキャプテンという感じになっていたんですけど、私の代わりにミーティングとかでもたくさん喋ってくれたので、尊敬しています。

衣川 同じみたいになっちゃうんですけど、やっぱりポジションもガードっていうのもあって、チームのことを考えるのもそうだし、周りのプレーだけでなく、声掛けとかも周りのことまでサポートする所に関して、安心感というのもそれの1つなんですけど、自分にはないところなので、それがすごい尊敬してるし、好葉の良さかなと感じます。

一一バスケを始めたきっかけはなんですか

山宮 私はお母さんがバスケをやっていて、お兄ちゃんと二人で体験にいって楽しくてそのままやっています。

衣川 私は家族で誰もやっていなかったんですけど、友達がやってて、それで誘われて始めました。

一一これまでで特に印象に残っている出来事を教えてください

衣川 自分は高3のウィンターカップの最後の試合です。ウィンターの試合の5日前くらいに自分がケガをしてしまって、結局試合には出れましたが負けてしまいました。周りのチームメイトが自分の分まで一生懸命頑張ってくれて、自分もケガをしている中でのプレーではあったんですけど、最後の試合っていう思いで頑張って、勝てなかったけど内容的には自分も後悔ない試合だったし、チームみんなで楽しく試合が出来た印象が強く残っています。

山宮 自分は高校一年生のときのウィンターカップです。全然中学が強くなかったので全国大会に出たことがなくて、高校一年のインターハイもコロナでなくなってしまったので、初めての全国大会でした。チームとしては決勝に行ったんですけど、自分は試合に出場しませんでしたが、そこで初めて今先輩である江村選手(G優有主将、スポ4=愛知・桜花学園)とかを生で見て、戦えなかったけど、絶対この舞台来たいなとか、この全国レベルで戦えるようになりたいなってすごい思ったのが、いちばん印象に残ってます。

一一大学バスケならではの特徴はありますか

山宮 早稲田がそうなのかもしれないですが、すごくフリーランスなバスケットだから、選手同士で頭使って、プレーするとという所が、高校と比べ物にならないくらい必要になりました。

衣川 私はやっぱりフィジカルの強さなんですけど、高校の時はスピードとかだけでどうにかなっていたプレーでも、大学入るとコンタクトとかフィジカルの面で、それがないと簡単にフィニッシュには行けないし、ディフェンスでも押し負けてやられちゃうこともあるので、そういう基礎的な面で高校とは大分違うなと感じました。

一一オフの日はどのように過ごしていますか

山宮 今学期はオフの日に5限の授業を入れてしまったので授業が終わったらもう夜になっちゃっててほぼ何もしないんですけど、1日オフの時は、お昼くらいまで寝ちゃったり、実家が帰れる距離なので帰ったりして、のんびりしてます。

衣川 あんまり遊びに自分からは誘ったりはしないので、やっぱり寝るか、ゆっくり過ごすか、カラオケとかに行きます。

 

対談中の衣川

――今年1年間を振り返ってどうでしたか

衣川 長かったです。自分は長かったと感じました。

山宮 私はあっという間に感じました。

――お互いにそう感じた理由はどういうところですか

山宮 今年は新人戦の期間が長かったので、新人戦終わってすぐリーグに入るみたいな感じでした。もうリーグ戦が終わって今日が来ちゃったみたいな感じで、本当にあっという間に感じています。

衣川 新人戦の期間は1日1日、毎日を大事にしていたのでその分充実度が高かったです。終わってみたら新人期間は毎日毎日キツキツでした。

――優勝を果たした新人戦を振り返っていかがですか

衣川 楽しかった記憶しかないです。毎日の練習で先輩方とゲームをやらしてもらって、絶対に勝つ、絶対に勝とうという話を毎日していました。単純にバスケを楽しむことがみんなできていたし、練習でもどうやったら良くなるかを短い期間だからこそ詰めてやっていたこともすごく良い思い出です。同期のみんなで毎日考えながらできたのがとても良かったなと思っています。

山宮 初めて戦う地方のチームが多かったです。試合を追うごとに成長できて、特に決勝は1番良い試合ができたかなと思います。

――リーグ戦を振り返ってどうでしたか

衣川 個人としては、1巡目が本当に何もできていませんでした。プレータイムをもらえなくなったし、チームのために何も貢献できていなかったので、自分なりにモチベーションを上げて頑張ろうと思っていました。2巡目からは少しずつ良くなってきましたが、1巡目の負けも積み重ねていたので、あまり全然良い結果ではなかったです。浮き沈みが激しかった期間にリーグ戦になってしまったので、チームには迷惑をかけてしまったなと思っています。

山宮 私は去年と比べてとても成長できたかなと思っています。去年は少しタイムをもらっていましたが、去年は江村さんもいたし、自分がコートに立ってやる役割は自分の中では少ないなと思っていました。今年は得点を取ることが求められているなと思ったとき、いかに自分の得意なプレーで得点を取るかというのを考えながらリーグ戦を通してできたのはとても良かったです。もちろん全部が良い試合ではなかったですが、リーグ戦の最初と最後でできるようになっていることもすごく増えたと自分で感じているので、全体的には成長できたリーグ戦なのかなと思っています。

――今年1年で成長できた部分と課題だと思う部分を教えてください

山宮 去年は江村さんがいたので、同じガードで教えてもらいながら何かあったらすぐにコートの中で聞ける存在がいました。今年はそういった存在がいなくて自分たちで考えなければいけないし、自分たちが2年生ということ関係なく、チームを勝たせるために何ができるかをコートの中で考えながらプレーすることは難しかったです。その中でも去年と比べて、試合中のコミュニケーションが増えたのはよかったと思います。

衣川 得点を取るという面では、自分の役割がはっきりしている分、やるべきことが自分の中でもきちんと分かった上でプレーできたところはとても良かったです。その分点数があまり取れなかった時に、役割が果たせていないと考えてしまいネガティブになる部分もありました。去年はあまり責任やプレッシャーがない中で試合ができたからこそ気楽にシュートを打てていましたが、今年は逆にその1本のシュートに責任を持ちながら打っている状況でプレッシャーを感じていました。まだ2年生とも言われますが、コートに立てば関係ないのでもっとプレッシャーがある中でも決め切って、自分の役割を果たしていけるようになりたいなと思います。

――リーグ戦をチームとして振り返るといかがでしたか

衣川 リーグ戦に入る前に色々あって良いチーム状況じゃない中で始まったリーグ戦でした。そのような状況で始まりましたが、リーグが進むにつれて良くなっていったと思います。

山宮 最初に4連敗してあまりいい流れではありませんでしたが、2巡目は1巡目で敗れた東京医保大相手に延長戦に持っていけたのは、チームとしては調子を上げることができたと思います。それぞれの役割があまりはっきりしないまま始まった感覚だったので,自分の中では試合を重ねるにつれて出ている5人それぞれの役割が明確になってきて、お互いを少しずつ信頼し合えているのかなというのは感じました。

――現在チームで課題だと思っている部分を教えてください

衣川 交代で多くの選手が出る中でその一人一人の特徴が違うので、出ている選手に合わせたゲーム作りを自分が1番きちんとしなければいけないのですが、それぞれが得意なプレーを生かせていないと思います。それができる時間帯が増えれば、もっとチームが強くなると思います。

山宮 リーグ戦の時もずっと言われていましたが、リバウンドやルーズボールのところで、早大は身長がない分、もっと貪欲にならなければいけないです。ですがそれをコートに立つ5人全員がやるっていうところが今できてないと思います。ボールに対する執着心を持つ選手がコートにいればいるほど強いと思うので得点が取れなくても、そういう部分でチームの流れが悪い時でも維持できるようにもっと頑張りたいと思います。

 

――今年一番印象に残っている試合を教えてください

衣川 自分は2巡目の東京医保大戦です。ビハインドを負う、良い流れでなかったのですが、この試合は出だしからみんな盛り上がってできて、 絶対勝てた試合でした。それを落としたのはかなり悔しかったです。でも、延長まで持っていくっていうことすら1巡目ではできなかったので、それはちょっと自信にも繋がったし、まだやれるぞっていう気持ちになれました。

山宮 チーム的には同じく東京医保大戦です。自分はあまりプレータイムをもらえなかった試合でしたが、今まで早大が課題にしてきたところが少しずつできるようになっていた試合でした。個人的には、トーナメントの白鷗大戦が印象に残っています。チームとしては全然歯が立たなかったのですが、個人的にはすごく挑戦できた試合でした。今までは白鴎大だし、強いしという印象で、自分の中では上手く対戦できてこなかった相手でした。しかしトーナメントでは、この白鷗大戦はすごく自分のプレーができた試合でした。強い相手に対して挑戦できたというその結果が、自分の中で自信に繋がって印象に残っています。

対談中の山宮

――去年のインカレの戦いは振り返っていかがでしたか

衣川 拓大にはずっと勝っていましたが、自分たちの甘い部分が最後に出て最後逆転されてしまいました。4年生をこういう形で引退させてしまったのは悔しいし、去年4年生が少なかった分、その経験を活かして今年は絶対悔しい思いさせないように勝ちたいと思います。

山宮 個人的にはあまり記憶にないです。逆にフラットな状態で普通に目の前のことに集中して頑張りたいなと今思っています。

――インカレは一発勝負ですがどのような気持ちで試合に臨みますか

衣川 本当に雰囲気が良い方が勝つし、盛り上がっている方が勝つと思います。このことは新人戦の時に意識してやって勝ってきました。それが1番大事だと自分たちは思っているので、本当に雰囲気良く全員で盛り上がってやれば、流れが来るかなと信じています。

山宮 雰囲気もそうですし、受け身になると小さくなってしまいます。その中で、チームとしても個人としても思いっきり、失敗をしても何回も挑戦することを意識しています。失敗したらみんなでミスを取り戻すとか、そういうところでみんなで思い切りできたらいいなと思います。

――インカレは4年生との最後の舞台ですが、改めて4年生はどういう存在ですか

山宮 試合に出て一緒に頑張っている選手や支えてくれている選手がいて、いろんな立場の選手がいるので、自分たちは試合に出させてもらっている分、責任感を持って4年生の思いも背負ってやらなければいけないと思っています。一緒に出ている選手たちとも最後の試合になるので、しっかりやり切って笑顔で終わりたいなと思います。

衣川 自分が良くない時も声かけをしてくれて、その部分でたくさん助けてもらいました。その代わりではないですが、インカレでは自分も4年生と良くない時も良い時も支え合いながら、声をかけ合いながらできたらいいなと思います。

――インカレでご自身のここに注目してほしいという部分を教えてください

山宮 本当に頑張ってウエートトレーニングをしてきたので、ディフェンスでしっかり相手を体で止めて力強くオフェンスをすることが、個人的に頑張りたいことです。また、チームやゲームの流れを読んで、上手くゲームコントロールしたり、当たっている選手にしっかり良いパスを出したり、 頭使ってプレーするので、そこに注目してもらいたいです。

衣川 私は思いっきり自分のプレーをコートで表現することが目標です。シュートを外したりとかミスしたりしても落ち込まないで、自分で自分を鼓舞して、コート立っている時間は常に挑戦し続けます。そこに注目してほしいです。

 

――早大のキーポイントと思っている部分を教えてください

衣川 みんなのアウトサイドシュートです。シュートが上手な選手が早大にはたくさんいるので、そこから流れが来てディフェンスもできたら1番ベストだと思います。

山宮 早稲田はスリーポイントシュートが入ったら止まらなくなるので、ディフェンスから頑張って、スリーポイントシュートを最後決められればいい流れが来ると思います。

衣川 また今年は強度の高いラントレを行ったので、その分みんなで走って走力の面で相手よりも上回るところができればかなり変わると思います。本当にきつかったので、ちゃんと結果として表れてほしいです。

――最後に、インカレに向けての意気込みをお願いします

山宮 4年生とは最後の大会になるので、4年生と楽しんで試合をするのが一番です。でもトーナメントできちんと勝ち進んでいく必要があるので、まずは1回戦から勢いを持って、自分たちのプレーをしっかり出して頑張りたいと思います。

衣川 それぞれ1人1人のカラーがあるのが早大の特徴なので、 それぞれが自分の得意なプレーをできるようにするのも大事ですが、誰か1人がダメだった時でも、それを周りのみんなでカバーし合いながら、 やるべきことをやって最終的に勝ちが来るように全員で頑張りたいです。

 

――ありがとうございました!

(取材・編集 和田昇也、田中瑠花、栗原礼佳、辻岡真波、石澤直幸)

山宮好葉(やまみや・このは) 写真左
2005(平17)年1月4日生まれ。162センチ。東京成徳大高出身。スポーツ科学部2年。オフの日もウエートトレーニングを欠かさない山宮選手。理由は「筋肉が大きい方がユニフォームを着たときにかっこいいから」だそうです!

♦衣川璃来(きぬがわ・りこ) 写真右
2004(平16)年7月6日生まれ。173センチ。埼玉栄高出身。スポーツ科学部2年。最近は『進撃の巨人』にハマっている衣川選手。結末が早く知りたくてアニメを見終わる前にネタバレを聞いてしまったそうです!