【特集】稲穂祭・早慶戦直前特集 『あゝ歓声に血こそ湧け』後半

特集中面

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稲穂祭・早慶戦前対談後半は、リーダー4年生のリーダとしての4年間の思い出と稲穂祭・早慶戦への意気込みを伺った。

※この取材は10月22日に行われたものです。

春季リーグで魂の叫びを見せる星野

ーー4年間の活動で印象に残っている場面を教えてください

吉田 俺は六旗(六旗の下に)のオープニングの瞬間ですね。校旗を揚げる前に映像が流れたんですよ。「これから六旗始まります」みたいな。で、映像が流れてどんどん各校の校旗が揚がっていくんですけどその時、「俺もついに4年生になったのか」っていうことをすごく実感した瞬間でしたね。

郷田 めちゃくちゃあるあるだけど、春早慶で優勝した時に相手の塾歌を聴いた時が一番印象残ってる。塾歌で終わったんだなというのと優勝したんだって実感がわいてきて泣いた。

一同 塾歌って言うのがいいね。

郷田 そう、あれがもう泣けるんだよ。

植木 なんだろう。俺は部員昇格した時とかじゃないかな。厳しかった新人時代。やっぱり結構きつかったけど、それを乗り越えてちゃんと部員になれた瞬間っていうのはすごく印象に残ってますね。

二星 俺は新人の早慶戦前。最後の地獄(地獄巡り)を所沢でやったんだけど、薗田さん(薗田将直氏=令4法卒)が最後の一丸で大泣きして俺らを見ていて、その時の顔が忘れられない。いまだに記憶にある。

横田 それでいったら、やっぱり2年の夏合宿が印象に残っていて、真っ暗な中で最後地獄巡りをして、すごく遅い時間までやってもう道も真っ暗なんですけど、最後僕たち2年生が下になっておんぶするっていう種目が残っていて、すごく急な坂で「もう絶対ここでやるじゃん」みたいな坂で案の定やって、みんなで頑張って「絶対決めるぞ」って決意して一発で決めた時は普通に泣きそうになった。

星野 俺は春の明治3回戦で延長11回に5点入れたところで勝ったことですね。下級生の時は勝っても勝利の実感が自分に湧いてこないというか。とにかく応援と準備に必死でそれどころじゃない。4年になるとそういうのがなくなるから、勝つのがすごく嬉しくなる。で、春は逆転で勝った試合がすごくあったんだよね。法政1回戦もかな。僕は8回に持ち回で、それで得点が入って逆転するっていう。だから春はすごく逆転するっていう印象が強くて。あえて明治戦を選んだんだけど11回に5点を入れて一つの山を越えたなっていうのが僕の中では一番心が熱くなった。秋に勝つときは「もう早稲田強いしな」って感じるけど、春勝ったときはこの胸の熱さを感じるときが多かった。

一同 早稲田今強いもんな。

一同 明治相手にそれまでずっと勝ち点落としていたからね。

星野 そうだね。秋は春に勝ったっていう実績があるけど、春はそうじゃなかったからね。

園木 3年の箱根で応企補(応援企画補佐)だったから、小野さん(小野泰助氏=令6文卒)と二人で芦ノ湖に下見に行って、メジャーとか持って小野さんと二人で測量業者みたいなことして

一同 (笑)。

園木 本番も国道1号線に沿って、ランナーがいつどこにいるかを確認しながら連絡を取り合ってコンバット(『コンバットマーチ』)と紺碧(『紺碧の空』)を丁度いいタイミングでやる必要があるから、どこで戦況を見るかってことをちゃんと下見しなきゃって考えて国道1号線をひたすら歩いてた。10キロ位一人で歩道もないのに歩いてた(笑)。これが3年生の仕事かってなった。

園木 3年が苦労して4年がテク振って、楽しそうだなと思って。その時が真剣に応援に取り組もうって気持ちになった。

 

対談中の様子

 

――稲穂祭、早慶戦に向けて意気込みをお願いします

二星 今、明治に勝って早稲田の優勝確率が九十何パーらしいんだけど、例えば優勝が早慶戦前に決まったけど早慶戦は負けて勝ち点とれませんでした、みたいな感じに終わりたくないからちゃんと2連勝して終わろうと思います。

園木 一言でいうと、声のでかさと学注の内容が、自分が一番出せるものだと思っているから早慶戦の指揮台で一番盛り上がる学注をやって

一同 おー!

園木 応援歌を一番通る声で応援席に響かせたいね。「いい発声」で。

植木 いいことを言うと、早慶戦も稲穂祭もリーダーとして、4年間ここのために頑張るし、下級生時代もそれに向かってやってきたわけだし、1個上、2個上、3個上とご指導いただいて、ちゃんとここまで4年生の最後こういった舞台に立てることを感謝しつつ、優勝もかかっているのでこの大一番で感謝を表せるよう頑張りたいと思います。

星野 一言でいうと、『ベンチマーク』っていう監督が使っている言葉で。令和六年度ベンチマークじゃないけど、来年もリーダーは一人だし。春4年ぶりの優勝、9年ぶりの優勝パレードで、秋優勝したら9年ぶりの春秋連覇っていう。野球部の実績ではあるけど歴史に残る代になるから、そこはその代の4年生であったということを誇れるように全うするのはもちろんだけど1年間すべての行事を全うできたのはコロナ後初めてだと思うし、こだわるところをこだわりきったというところで、ベンチマークとして下の代に模範となるような応援を最後見せたいです。

郷田 早慶戦も稲穂祭も物凄く思い入れのある活動であることは間違いないんだけど、その先にある明治神宮大会の優勝とか、他の部活動でもアメフトで甲子園ボウルが狙えたり色々あって。今年の代交代式が12月19日で、主務と応援企画責任者としての役割を全うして後で振り返ったときに稲穂祭と早慶戦は一番やりきったと言える活動だったなと思えるようなものにしたいです。

地本 応援部らしからぬことを言うんだけど、明治戦が終わって早慶戦とあと明治神宮大会に行くかもしれないということで、いつ終わるかわからなくて。稲穂祭もその一回しかステージがなくて。リーダー練習責任者としての仕事も早慶戦で終わってしまうかもしれない。俺は俺のために、自分のために活動に悔いが残らないように太鼓なりテクなりやっていきたいと思っています。

横田 僕も悔いなくやりきるっていうことは1つあるかなって思っていて、何回もやめたくなった部活でここまでやってこられたからこそ嫌だった部分も含めていい形で終われればと思います。

吉田 一言でいうと『レガシー』を残すですね。ちゃんと春秋連覇の旗手として、早稲田大学校旗を持ち帰って、下級生の記憶の中に僕という人が影響を与えたということで『レガシー』を残したいです。

ーーありがとうございました!

 

(手前の列左から吉田、郷田、星野、植木、奥の列左から二星、横田、園木、地本)

 (取材・編集 井口瞳、橋本聖、写真 土橋俊介)

 

◆星野聖敬(ほしの・きよたか)

東京・早大学院出身。政治経済学部4年。役職は代表委員主将。好きな応援曲は『ダイナマイトマーチ』。確固たる意志で応援部を率いてきた。アツい応援に期待したい。

◆郷田悠生(ごうた・ゆうき)

岐阜・麗澤瑞浪高出身。文学部4年。役職は代表委員主務。好きな応援曲は『暴れん坊早稲田』。1年間主務として様々な業務をこなしてきた影の立役者。リーダー内の信頼も厚い。

◆植木建開(うえき・たつひろ)

愛知・千種高出身。人間科学部4年。役職は副将兼リーダー主務。好きな応援歌は『早稲田の翼』。気遣いができ、リーダーとしての責務を全うしてきた。姿勢良く、質の高いテクを振る。

◆吉田成ノ真(よしだ・せいのしん)

埼玉・早大本庄出身。法学部4年。役職は旗手。好きな応援歌は『ザ・チャンス』。旗手としての任務を全うするために努力し、鍛え上げてきた。

◆横田圭祐(よこた・けいすけ)

東京・成蹊高出身。人間科学部4年。役職は新人監督兼稲穂祭実行委員長。好きな歌は応援歌『Viva Waseda』。優しさ溢れる人柄の持ち主。稲穂祭での姿にも目が離せない。

◆園木俊成(そのき・としなり)

千葉・船橋高出身。社会科学部4年。役職は連盟常任委員兼記録編集責任者。好きな応援歌は『吼えろ早稲田の獅子』。文章センスや知識量は他のリーダーからも定評がある。

◆二星太誠(にぼし・たいせい)

東京・三田高出身。商学部4年。役職は学生動員対策責任者兼広報責任者。好きな応援曲は『雷轟』。学注のクオリティが高く、ユーモアセンスの良さが魅力。

◆地本大晴(ちもと・たいせい)

愛知・東海高出身。社会科学部4年。役職はリーダー練習責任者。好きな歌は応援歌『早稲田健児』。彼の繰り広げる伝統の勝利の拍手は圧巻。秋季早慶戦でも見られることを期待したい。