第2回は、菅原駿トレーナー(教2=岩手・盛岡第四)、宮田京平広報(人2=大阪・大教大附平野)尾上悠利(スポ1=大阪・大体大浪商)、増井浩介(スポ1=愛知)の対談です。スタッフとしてチームを支える菅原トレーナーと宮田広報。1年生にして最前線で活躍する尾上選手と増井選手。別の角度からチームに貢献する4人に、お互いへの思いやインカレに向けた意気込みを伺いました。
※この取材は10月12日に行われたものです。
――まずは簡単に自己紹介を順番にお願いします
宮田 2年生の宮田京平です。広報やってます。
尾上 1年の尾上悠利です。ポジションは逆45やってます。
増井 1年の増井浩介です。ポジションは逆サイドです。
菅原 2年生の菅原駿です。トレーナーやってます。
――次に右隣の方を紹介する形で他己紹介をお願いします(宮田→菅原、尾上→宮田、増井→尾上、菅原→増井)
宮田 駿はめっちゃ良いトレーナーです。スタッフの中でもトレーナーが1番競技を支えているポジションだなと思っていて。(練習前)早く来てテーピングを巻いたり、(選手が)血出たらすぐ行ったり。そういうとこでやっぱり1番チームを助けているすごいトレーナーだなって思ってます。あとめっちゃ良いやつです!
尾上 京平さんがインスタで「Game Day」とかモチベーションビデオを上げてくれると、試合頑張ろうって気持ちになります。部活以外のところで言えば、自分の家に人をいっぱい呼んでパーティーをしたい人なので、楽しい陽気な人かなと思っています。
増井 (尾上は)ちょっとアホキャラなんですけど、ハンドボールになったらめちゃくちゃ頭良くなります。ものすごい考えて、ものすごい工夫して、チームで1番ハンドボールを真面目に取り組めるやつだなって思ってます。あとは同じ左利きなので、これからも仲良くしたいなと思っています。
菅原 増井選手は左利きで、春リーグもずっと活躍してくれて。秋リーグの途中、肉離れになっちゃって離脱することになったんですけど、それまで一生懸命頑張っているのをずっと見てたし、けがして復帰するまでのプロセスもしっかり自分で考えて指示通りしっかり毎日やっているのも見てたし。今日復帰だったんですけど、ちゃんとハンドボールできていたのですごい良かったっていうふうに見てました。
――次は左隣の方の第一印象を教えてください(宮田→尾上、尾上→増井、増井→菅原、菅原→宮田)
宮田 悠利は推薦組だったのでちょっと早めに合流していて。僕出身が大阪で一緒なんですけど、浪商(尾上の出身高校)って言ったらもうヤンキーだと思って(笑)。もう1人出村(龍、スポ1=大阪・大商大堺)っていう大阪の子がいて、彼の大商大堺もどっちも僕はヤンキーだと思ってたので、最初は怖かったです(笑)。
尾上 増井と初めてしゃべったのは、たぶん国体の入浴中ですね。高3の今の時期で。風呂の中で初めてしゃべって、その時の第一印象としては「こいつ真面目やな」っていうふうに思ってました。
増井 駿さんと初めて会ったのは、練習に初めて来た時とかだと思うんですけど、見た目から分かる真面目さというか、この人はきっちりしてる人なんだって思いました。最初はトレーナーってスポ科の人なのかなと思っていたんですけど、駿さんは実は教育学部で。そこでさらに熱意を感じたというか、第一印象に加えてその後の印象でも真面目さが感じられた部分かなと思います。
菅原 京平と初めて会ったのは去年の4月で、その時には僕はもうトレーナーで、彼は選手で。境遇的にちょっと似ているところがあるなと思いました。彼は結構なんか集団に対する貢献度が高かった選手で、その面では僕とは異なるんですけど。2人ともハンドボールのレベル差的に、早稲田っていう強いチームの中で苦しんでいるところがあって。僕はそれで選手やめたんですけど、僕がトレーナーやってる間も選手としてずっと頑張ってて、なんか応援してました。
「気にしてくれるスタッフの存在に気づいて、僕もスタッフ側で頑張ろうと思えた」(宮田)
――宮田PRが広報に転向したきっかけや、菅原TRがトレーナーとしてこの部に貢献しようと思ったきっかけを教えてください
菅原 僕は最初選手で入ったんですけど、元々の実力もそうですし、ちょっと病気かかっちゃって強い運動が厳しいなっていうところで、結構最初はやめようと思っていて。その時にちょうど駿と、同期の黒沼大幹(教2=東京・明星)と3人でちょっと話し合ったりして。2人が残ってほしいって言ってくれたことは結構大きかったです。あと去年の4年生でトレーナーの渡辺大輝さん(令6スポ卒=東京都市大付)もすごい気にかけてくれて。正直僕は実力的に言ったら、いなくてもいい選手だったので、そんな僕のことも気にしてくれるスタッフの存在に気づいて、僕もハンドじゃ貢献できないけどスタッフ側で頑張ろうかなと思えるようになりました。
菅原 僕は最初部活に入って2日ぐらいは選手でやってたんです。その2日間、ウエイトは全然重量持てないし、ハンドボールでも大学受験していたので体力も全然戻ってないし下手くそだし。しかもそうなった時に高校からのけがも重なってしまって。でも部活入るって自分で決めちゃってたし周りにも言ってたので、もう後には引けないなってなった時に、さっき京平が話してたと思うんですけど大輝さんがいて。その時は大輝さんの下(の学年)にトレーナーがいなかったので、じゃあ次のスポ科のちゃんとしたトレーナーが入ってくるまで、僕がつなぐくらいのことはできるかなと思って、それでトレーナーになりました。
――尾上選手と増井選手はハンドボールを始めたきっかけは何でしたか
増井 中学から始めて小学校まではサッカーやってたんです。中学が竹水中学校って僕が入学する前の年に全中で優勝してて、全然知り合いはいなかったんですけど、小学校のサッカーも弱くて勝てなかった分なんとか勝ちたかったから、競技を変えてハンドボールに進もうと思いました。それでなんだかんだ高校、大学と続けてきた感じですね。
尾上 ハンドボール始めたのは小学校2年生の秋頃なんですけど、それまでキタイスポーツクラブっていういろんなスポーツを教えてるスポーツクラブに入っていて。その中で僕は体操教室で体操をやってたんですけど、その時は僕結構背が高くてハンドボールに向いてるということでキタイスポーツクラブのハンドボール部の監督に「ハンドボールやってみないか」と誘われたんです。僕体操あんまり好きじゃなくて他の競技やりたいと思ってたので、まあ球技も好きだしハンドやってみようかなと。そこから体験に行って、ずっと今までやってきたっていう流れですかね。
――尾上選手と増井選手にお伺いしたいんですが、スタッフさん特にお二人(菅原広報と宮田トレーナー)はどういう存在ですか
増井 スタッフがいてくれないと僕たちは何もできないです。けがした時は本当にすごい頼りになりますし、信頼してるので相談にも乗ってもらいますし。今回のけがに関しては、ちょっと防ぎようがあったところなのでちゃんと叱ってくれましたし。駿さんは厳しいけど、厳しい優しさを感じられるので、駿さんいてくれないとけがした時はもちろんですけど、普段からハンドやる時困っちゃうなと思ってます。京平さんは、やっぱり僕目立ちたいので、インスタで写真上げてもらえるととても嬉しくて、それがモチベーションになってます。
尾上 駿さんはさっき増井が言っていたみたいに、僕らでテーピングを巻き合うとか絶対無理なので、絶対必要で頼りになる存在です。京平さんも、写真の加工とか自分にやれって言われたら絶対できないですし。2人ともいなくなられたらすごく困るしすごく頼りになる存在です。
「僕にできることはいち早く共有すること」(菅原)
――次は秋リーグを振り返っていただきたいんですけど、まず菅原トレーナーから。秋は連戦続きでしたし負傷した選手もいた中で、どういうことを意識して動かれていましたか
――僕普段はスポーツのことは勉強しない学部学科なので、そういう意味では至らないところがあるんですよ。そうなった時に僕ができることは何かって考えたら、いち早く周りに共有することだと思って。目の前で起こったこととか、自分しか知らないことを1つでも少なくするっていうこと。秋リーグで言えば、連戦が続いた中で浩介のけががあったんですけど、たぶん最初僕に言ってきたと思うんですよ。「ちょっと痛い」って言ってきて、肉離れかなって思った時に、まずはもう1人のスポ科のトレーナー(江澤彩夏トレーナー、スポ2=長野・松本深志)に共有して、大人のトレーナーさんにも共有して。なるべく自分1人で抱え込まないようにというか、共有しようということは意識していました。
――次は宮田広報に。去年の未公開動画を公開したりモチベーションビデオを出したり、秋リーグ開幕前から後方の活動に力を入れていた印象がありました。秋リーグ振り返っていかがですか
宮田 まず夏休みの時間がある時に、今まで出せてなかったモチベーションビデオを出そうっていう話でいっぱい公開してました。あと今まではずっと(リーグ)最終戦にモチベーションビデオ出してたんですけど、モチベビデオなのに最終戦だけってなんか変だなっていうのはずっと思っていて。それでマーケティング班の人とも話して、今回からは最初にも出そうっていう話になって、今回新しい挑戦をしました。リーグ戦ではモチベ(ビデオ)出した試合全部負けてるんじゃないかっていうのは今あって(笑)。インカレは毎日モチベ頑張るので、その分ちょっと選手の2人には勝っていただきたいなって思ってます(笑)。
「2、3戦目で立ち直れたことは秋の良かったところ」(増井)
――続いて尾上選手と増井選手、秋リーグを振り返っていかがです
尾上 秋最初はベンチスタートだったのでメンタル的にそこまでしんどいことはなかったんですけど、途中で浩介がけがしちゃって左利きが他に2人しかいなかったので、僕が出るしかなくて。そこからはディフェンス練習を頑張ってやってましたね。オフェンスが得意なんですけど、とりあえずディフェンスが上手になれるようにと思って毎日練習してました。
増井 リーグ初戦の筑波戦はシュート率がひどくて、5分の0、6分の0なんじゃないかってくらいで。中途半端にやっていたわけじゃないんですけど、頭が真っ白になっちゃって。その中でその週末の第2、第3試合は自分の中でも良い出来だったって思える試合でした。そこで立ち直れたことが秋リーグの良かったところかなと思います。ただ、第1戦終わった後からちょっと右足痛いなってなっちゃってて。結果、第4戦以降外れるって形になってしまって。チームとしては、僕に急いで治させるんじゃなくて、インカレに向けて最大のパフォーマンス出せるようにって言ってくださったので、第4戦以降はもうゆっくり休んでインカレに向けて切り替えることができました。
――お二人(尾上選手と増井選手)は1年生の左利きという共通点がありますが、お互いの強みを教えてください
尾上 増井の強みっていうのは、とにかくサイドシュートの確率だと思います。安定してて、調子の悪い日がないんじゃないかなって。たぶんないわけじゃないんですけど、限りなく少ないし。そこはやっぱりすごいなと思っています。
増井 尾上はシュートがうまい。やっぱり小学校からやってるだけあるなって(笑)。手首柔らかくて、肩柔らかくて、球も速いのでめっちゃ尊敬してます。
――宮田広報、菅原トレーナーにお聞きします。仕事を通して特にやりがいを感じる瞬間はありますか
菅原 僕はとにかく、さっき言ったように次のトレーナーまでつなぐっていうのが自分の役割だと思っていて。江澤彩夏が入ってきてくれたので、ある意味それは達成したとも思っていて。新しく見つけるとしたら、彼女にできないことをやるべきだと思って、そういう意味では、ウエイトトレーニングの指導っていうところは1つかなと思います。最初1年生は基礎的な種目のフォームが上手くはない状態で入ってきて、4月5月ぐらいは1年生だけでウェイトトレーニングしてたんですけど、今見てもチームの中でも重量を上げられる方だと思いますし、そういう意味では下級生を中心に選手の成長を見ると、やってて良かったなっていうふうに思いますね。
宮田 僕はやっぱりモチベーションビデオとかを作った後に、みんなが見て喜んでる姿もそうなんですけど、特に悠吾さん(西村悠吾、人3=千葉・市川)とか楽しみにしてるっていうことを伝えてくれるとやっぱり嬉しいなと思いますね。さっきも浩介が「目立ちたがり屋だから使ってほしい」って言ってくれていたと思うんですけど、そういうの聞くと「いい写真あったら浩介使おう」ってなるので(笑)。楽しみにしてるって言われると頑張ろうって思えます。
「ものすごい強いチームなので楽しみ」(尾上)
――ではインカレについて伺っていきたいと思います。組み合わせ発表されましたがどんな印象をお持ちですか
菅原 大同大には2年前に負けてるから、次日体大、大体大って続くんですけど、まずは初戦に集中して、初戦勝ってほしいなって僕は思ってます。
増井 僕は初戦、勝てるんじゃないかなって思っていて、自信持っていきたいなって思ってます。ただその後日体、大体大って続いて、日体大に関しては秋も正直ボコボコにされてるので、ここで勝ってジャイアントキリングやりたいなと思っています。
尾上 大同大学には僕の中高の先輩がいるので楽しみだなって思っています。あとは大同に勝った後の連戦はどっちもめちゃめちゃ強いですけど、大体大はよく見ていた大学でもあるので、その強さは僕が1番知ってるんじゃないかなと思っています。ものすごい強いチームなので楽しみです。
宮田 やっぱり大同に勝っても日体、大体大っていう組み合わせは、すごいところに入ったなと思ったんですけど、インカレのGame Dayが初戦4年生(の写真)、次勝ったら3年生っていうふうに続くので。去年は2年生まで行って、僕らの同期の投稿が作れなかったので、今年はちょっと頑張っていただきたいです。
――インカレでのご自身の役割はどんなところにありますか
宮田 広報としてはやっぱりGame Day作ったり、モチベーションビデオ作ったりすることが主な仕事にはなるんですけど、個人的にはそこ以外、声かけの部分も意識してやっていきたいです。意味があるか分からないんですけど、ちょっとでも緊張ほぐせたらなとか、ちょっとハーフタイムで切り替えてもらえたらなとか考えて声かけしていたので、広報の仕事に加えてみんなの士気を上げることに貢献したいなと思います。
尾上 今日から増井が復帰ということですごい頼もしいんですけど、それによってたぶん僕がベンチスタートになるんですね(笑)。そこで(増井が)調子悪いことはないと思うんですけど、もしちょっと転けちゃった時があれば僕がそこをしっかり埋められるように、気を抜かずに頑張りたいなと思います。
増井 こうは言うんですけど(尾上は)すごいうまいので、転けてもいいやじゃないんですけど、支えてくれる良い仲間だと思うので2人で一緒に頑張っていこうかなって思います。とにかく秋リーグはもうスキップして、インカレを目指して調整していっているので、活躍したいなと思っているのと、あとはチームを勝たせたいなと。そこは1年生ながら頑張りたいです。
菅原 (インカレまで)1ヵ月ぐらいなんですけど、その期間でけがする選手がいないように、練習前・練習中のケアは呼びかけていきたいというふうに思いますし、ウエイトトレーニングも事故が起きないようにしっかり管理しなきゃいけないなっていうのはいつも通り意識したいです。インカレで言うと、僕がベンチに入って、大人のトレーナーさんもいるんですけどコート上には出られないっていう制約もあって、選手と直接コミュニケーション取れるのは僕だけなので、準備不足ではいられないなと。ちょっと怖い気持ちもあるんですけど、しっかり準備してやりたいと思います。
――最後に意気込みを一言ずつお願いします
宮田 試合は選手が頑張ってくれるので、それ以外のことでチームに貢献していきたいです。
尾上 全力で頑張ります!
増井 活躍するので見ててください!
菅原 しっかり準備して対応できるように頑張ります。
――ありがとうございました!
(取材・編集 片山和香、大村谷芳)
最後にインカレへの意気込みを書いていただきました!
◆菅原駿(すがわら・しゅん)(※写真右)
2005(平成17)年1月26日生まれ。岩手・盛岡第四高校出身。教育学部2年。色紙に書いてくださった『Readiness(レディネス)』は教育用語で「適宜性を伴った準備」を指すそう。自身の役割を把握し、その実現に向けて準備を惜しまない菅原トレーナーの誠実さがよく表された一言です!
◆宮田京平(みやた・きょうへい)(※写真左)
2004(平成16)年4月17日生まれ。大阪・大教大附平野高校出身。人間科学部2年。部活にアルバイトに大忙しな中、いつも笑顔が印象的な宮田広報。そんな宮田広報とマーケティング班が寝る間も惜しんで制作しているモチベーションビデオですが、インカレ中は毎試合上げてくださるそうなので要チェックです!
◆尾上悠利(おのうえ・はると)(※写真左から2人目)
2005(平成17)年4月5日生まれ。173センチ。大阪・大体大浪商高校出身。スポーツ科学部1年。増井選手から「チームで1番ハンドを真面目に取り組める選手」と紹介されていた尾上選手。試合後のインタビューでも「次はもっと工夫して」といった言葉をよく口にされています。パワーと工夫を最大限に生かしたプレーに期待が懸かります!
◆増井浩介(ますい・こうすけ)(※写真右から2人目)
2005(平成17)年10月30日生まれ。170センチ。愛知高校出身。スポーツ科学部1年。『超特急』という言葉を選んだのは、1年生らしく元気に、最後まで突っ走っていきたいからだそうです。練習中にはチームメイトから「浩介の逆サイドシュートは滞空時間が長く見える」と太鼓判を押されていた増井選手。持ち味の得点力でチームを勝利へ導きます!