【連載】秋季リーグ戦開幕前特集『求』【第1回】伊藤樹×小澤周平×尾瀬雄大

特集中面

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 第1回には伊藤樹(スポ2=宮城・仙台育英)、小澤周平(スポ2=群馬・高崎健康福祉大高崎)、尾瀬雄大(スポ2=東京・帝京)の2年生トリオが登場。昨季はチームの中心として好成績を残した3人に、今春の活躍や東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)について、またプライベートの話などさまざまな話を伺った。

※この取材は9月5日に行われたものです。

(春季リーグ戦は)「調子が上がらない中で貢献できるところはできた」(伊藤樹)

質問に答える伊藤樹

ーーまず、左隣の方の他己紹介をお願いします

尾瀬 伊藤樹は一言でいうとバカですね(笑)。小澤とかよく授業が一緒になるみたいなんですけど、とにかくバカですね(笑)。本当に頭が悪いです(笑)。頭は悪いんですけど、ピッチングになると変化球を投げたり、頭のいいピッチングをしたりするなと思います。

小澤 尾瀬雄大は、バカ(笑)。勉強もダメだし、地頭もダメだけど、野球に対する姿勢は人一倍強いと思います。リーグ戦に向けて自分で調整していっているというところは、自分も見習わないといけないなというくらい意識が高いです。

伊藤樹 周平は、バカって言いたいところなんですけど(笑)。ホームランとか派手なプレーが野球の中では出てると思いますが、結構心配性です。いちいち連絡してきて大丈夫かどうか確認してくるという、野球のプレーとはギャップがあります。

ーー先輩も含め1番仲の良い部員は誰ですか

伊藤樹 自分は齋藤正貴さん(商4=千葉・佐倉)が一番仲良いかなと思います。

小澤 いっぱいいます(笑)。同期だったら、尾瀬と一緒にいることが1番多いです。上だと、吉納さん(吉納翼、スポ3=愛知・東邦)、生沼さん(生沼弥真人、教4=東京・早実)、茅野さん(茅野真太郎、教4=東京・早実)、そのあたりですね。

尾瀬 そうですね。小澤ですかね(笑)。

ーー春季リーグ戦を振り返っての感想をお願いします

尾瀬 春季リーグは、ベストナインを取れたので良かったかなと思っています。最初の方にたくさん打って、最後落ちてしまって首位打者を取れなかったので、秋は首位打者を取りたいなと思っています。

伊藤樹 春は、ロングリリーフとか抑えとかをいろいろやらせてもらって、調子が上がらない中で貢献できるところはできたと思います。まだまだ自分の調子を合わせられなかったところは、未熟な部分が出たなと思います。

小澤 自分は、ベンチ入りもできるかできないかくらいのところで頑張っていた時に、急にスタメンになって、目の前の試合に集中することしかできなかったんですけど、秋はもっと主力になってくると思うので、春季リーグの反省というか経験を生かしてやっていきたいと思います。

「初回の1打席目を意識してやっている」(尾瀬)

質問に答える尾瀬

ーー次に、個人の質問に移らせていただきます。まず、伊藤樹選手にお伺いしたいと思います。甲子園で母校の仙台育英高校が準優勝しましたが、刺激をうけた部分はありますか

伊藤樹 試合はずっと練習の合間に見ていました。結果的に慶応さんに負けてしまって、2年連続優勝することはできなかったのですが、自分が関わっている最後の学年が3年生だったので、すごく成長した姿を見ることができました。準優勝までいけたというのはすごいことだと思うので、誇らしく思います。

ーーこの夏全体の練習のテーマを教えていただきたいです

伊藤樹 秋、先発をして勝ち星をあげるということが自分の中で目標としてあるので、走ることだったり投げ込むことだったり単純なところからスタートして、試合の中でも先発を意識した配球をテーマにやってきました。

ーー変化球の研究に熱心な印象がありますが、この夏新たに習得した磨きをかけた球種はありますか

伊藤樹 この夏はカットボールに一番磨きをかけたと思います。

ーー秋のリーグ戦では、先発起用が予想されますが、その点はいかがですか

伊藤樹 ピッチャーは先発してなんぼというか長いイニングを投げて勝ち星をあげるということが大事なことだと思うので、1戦目2戦目関わらず長いイニングを無失点で抑えられるように頑張りたいと思います。

ーー続いて尾瀬選手に伺います。東京六大学オールスターについて伺いたいと思います。野球部のインスタグラムの公式アカウントで「ホームラン打ちます!」との意気込みがありましたが、振り返ってみていかがですか

一同 (笑)。

尾瀬 ホームラン狙ってたんですけど、打てなくて悔しいですね。

ーーオープン戦について7月29日のJFE東日本戦、30日の青学大戦とどちらも尾瀬選手の安打からの大量得点がありました。春季リーグ戦に続き尾瀬選手が出塁することでチームに流れができていますが、意識し続けていること、逆に変えた部分などありますか

尾瀬 自分はずっと1番を打っているので、自分が1打席目でヒットを打って出塁すれば、大体初回に1点入っていい流れで試合が進むので、初回の1打席目を意識してやってます。

ーー以前にスピードボールに対して振り負けないことが課題というお話をされていましたが、オープン戦を通して手応えなどはあります

尾瀬 少しずつパワーがついてきたかなとは感じているので、リーグ戦やってみないと分からないんですけど自信はあります。

ーー守備打撃を問わず、春より成長したと感じている部分はありますか

尾瀬 やっぱり夏はずっとパワーというかスイングスピードとか、単純に体の強さというかウエートもやったし、ご飯をいっぱい食べて体重を増やしたので、いい感じに仕上がってきたかなと思います。

ーー試合を見ていて、リーグ戦に近づくに連れて仕上がってきた、調子が上がってきたと感じているのですがその部分はどうでしょうか

尾瀬 キャンプの時は、色々自分の中で試したりとか、ホームラン狙ってみたりだとか、長打狙ってみたりだとかというのが多くて、崩れていた部分もあったんですけど、(リーグ戦が)近づいてきて単打というか(野手の)間を抜くようなバッティングを意識して良くなってきたかなと思います。

ーー続いて小澤選手に伺います。「サード守備の際は相手の応援を慣れて楽しむくらいになった」と早慶戦前におっしゃっていましたが、特に好きな相手チームの応援はありますか

小澤 東大の応援が結構好きです。

ーー入学時、早慶戦前にも意識されていた、慶大の外丸選手からは2安打2打点と初戦では同点打も放ちました。高校時代のリベンジは果たせましたか

小澤 これからも戦う相手で、まだ勝ち負けついていないと思うので、これから圧勝できるように頑張ります。

ーー入学時のルーキー対談で、自身の代名詞について「内野のティカ」とおっしゃっていましたが、春季リーグでの活躍を通じて代名詞に近づけたところはありますか

一同 (笑)。

小澤 忘れてました(笑)。

ーーオープン戦を個人的に振り返っていかがですか

小澤 長打も率も残せていると思うので、もうちょっとだけ確率を上げて、ランナーがいない場面でもしっかり出塁できるようにしたいと思います。

ーー今年は春と夏にキャンプがありました。どちらも2年生の選手がキャンプの方に入ることが多かったと思うのですが、キャンプでの同期や先輩との思いでは何かありますか

伊藤樹 オフが1日あってシュノーケリングをやったのが思い出です。

小澤 椎名(椎名丈、教2=東京・早大学院)のアラームがうるさくて、渋谷(渋谷泰生、スポ2=静岡)と小澤がキレてました。

一同 (笑)。

尾瀬 吉田(吉田瑞樹、スポ2=埼玉・浦和学院)も起床時間の1時間前に勝手にアラームを設定して、1人で二度寝を楽しむという、同部屋だったので迷惑でした。

小澤 アラーム事件が盛り上がってました(笑)。

「自分たちの勢いで引っ張るくらいのつもりで戦っていきたい」(小澤)

笑顔で取材に応じる小澤

ーー続いて秋季リーグ戦について伺います。リーグ戦開幕まで2週間を切りましたが、最近の調子はいかがですか

伊藤樹 自分は先発と抑えどちらも今やっている形なのですが、キャンプに比べたらどちらの調子もそんなに悪くないかなという感じなので、このまま調整を続けながらやっていければいいかなと思っています。

尾瀬 最近ずっと良くなってきて、開幕に合わせて練習もやっているのであと二週間でしっかり仕上げられればいいかなと思います。

小澤 自分もいい感じに調整できているので。でもその日によって状態って変わってくるので、それでも打てるように練習してきたつもりなので、それを出せたらいいなと思います。

ーー秋季リーグ戦のご自身の見てほしいポイントや注目ポイントを教えてください

伊藤樹 先発をするってなったときに今までの自分とは結構違った自分が見られると思うので、抑えをこの1年ずっとやってきて、また違った部分が見せられると思うので、そこに注目してほしいです

尾瀬 自分の強みはバットコントロールだと思っているので、2ストライク追い込まれてからのバッティングだったり、しぶとくヒットを打つ姿だったりを見てほしいと思います。

小澤 自分は得点圏の勝負強さとフルスイングを見てもらえればいいと思います。

ーー早稲田の中で秋の注目選手やブレイク候補の選手をそれぞれ挙げて頂きたいです

伊藤樹 香西(香西一希、スポ1=福岡・九州国際大付)と越井(越井颯一郎、スポ1=千葉・木更津総合)と宮城(宮城誇南、スポ1=埼玉・浦和学院)の1年生3人のピッチャーかなと思います。今香西が一番調子良さそうで、1年生の3人かな..。

小澤 田村康介(商2=東京・早大学院)っているのですが、早大学院で今ファーストを守っていてバッティングがすごく良いので、リーグ戦に慣れてくれば率も残るしホームランも打てる選手なので、注目してみれば面白いかと思います。

尾瀬 じゃあ吉田瑞樹で。あいつはベンチは入れるかわからないのですが、U-18(侍ジャパンU-18日本代表戦、8月25日に練習試合が行われた)の時にホームラン2本打っていて、最近調子いいので、リーグ戦出たらかっ飛ばしてくれるかなと思います。

ーーリーグ戦で目標とする数字がありましたら教えてください

伊藤樹 最優秀防御率を取りたいと思っているので、防御率0点台を目標にしてかないと取れないと思うのでそこを目標にしたいと思います。

尾瀬 自分は首位打者で、首位打者取るには4割は打たないといけないと思うので、4割打って首位打者取ります。

小澤 自分は3割3本無失策でお願いします。

ーー最後にリーグ戦に向けての意気込みをお願いします

伊藤樹 春4位で終わって、昨年と同じような形になってしまったので、秋優勝することを目標としてずっとやってきているので、そこに貢献できれば2年生としては一番いいことだと思うので、優勝を目標にやっていきたいと思っています。

尾瀬 目標はもちろん優勝で、4年生は最後のシーズンで最後に懸けている思いはすごく伝わるので、その4年生のために優勝したいなと思っているのと、自分たちは2年生でずっと出ていて下級生なのですが、すごくやりやすい環境というか2年生がのびのびできる環境をつくってくれているので、その4年生のために2年生で頑張って優勝したいと思っています。

小澤 春と違ってここにいる3人は主力になってくると思うので、4年生が頑張ると言っているのですが、堅くなってしまうところもあると思うので、自分たちがフレッシュにというか、勢いで引っ張るくらいのつもりで戦っていきたいなと思っています。

――ありがとうございました

(取材・編集 田中駿祐、帖佐梨帆、小島大典、本田里音)

フレッシュな3人の活躍に今秋も注目です!

◆小澤周平(おざわ・しゅうへい)(※写真左)

2003(平15)年7月26日生まれ。172センチ、74キロ。群馬・高崎健康福祉大高崎高出身。スポーツ科学部2年。内野手。たくさんの先輩と仲がいいという小澤選手。キャンプでは先輩だけでなく普段絡みのない後輩にも積極的に絡みにいったそうです!

◆尾瀬雄大(おせ・ゆうだい)(※写真中)

2003(平15)年8月14日生まれ。170センチ、76キロ。東京・帝京高出身。スポーツ科学部2年。外野手。夏のキャンプ中に20歳になった尾瀬選手。先輩たちにお酒をおごってもらったそうです!

◆伊藤樹(いとう・たつき)

2003(平15)年8月24日生まれ。176センチ、78キロ。宮城・仙台育英高出身。スポーツ科学部2年。投手。秋には先発登板が予想される伊藤樹選手。(抑えの時とは)「また違った部分」を見てほしいそうです。伊藤樹選手の投球に期待です!