【連載】春季早慶戦直前特集『慎始敬終』【第7回】野村健太

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 今春は開幕から「6番・一塁」でスタメン出場を続ける野村健太(スポ4=山梨学院)。立大1回戦で待望のリーグ戦初本塁打を放つも、中盤以降調子を落としている。現状をどう打破するのか、そしてラストイヤーの早慶戦にかける思いを伺った。

※この取材は5月19日にオンラインで行われたものです。

「勝ち切る力をもっとつけなければ」

立大1回戦で本塁打を放った野村

――4カード終えて今のチーム状況はいかがですか

 最初良いスタート切れましたが、(法大3回戦から引き分け挟んで)4連敗をしてしまったので、早慶戦で巻き返す気持ちで現在練習しています。

――今季ここまで4カードを戦って5勝4敗1分という結果ですが、この結果はどのように捉えていますか

 勝てる試合を勝ち切れなかったところが何試合かあったので、やっぱり勝ち切る力をもっとつけなければいけないなと思いました。

――先週の日曜日の試合で目の前で明大の優勝が決まりましたがその時の心境というのはどのようなものでしたか

 明大はずっと早稲田から勝ち点をとることを目標に今年やってきたと言われていて。それで思うままにやられてしまって本当に悔しかったですし、秋には本当にやり返すしかないと思っています。

――秋にやり返すにあたって今のチームに必要なことはどういったものがあると思いますか

 どこかでこれはいけるという油断があったのではないかなと思っています。リーグ戦が終わるまで一戦必勝で最後まで気を抜かずやり抜くということをもっと意識すれば、結果が変わってくるのではないかなと思っています。

――続いて今季の野村選手自身の成績についてお伺いしたいのですが、ご自身の成績についてはいかがですか

 僕自身も最初は良い調子を保っていたのですが、法大戦から(調子が)落ちてしまったので、もう早慶戦まで残り少ない時間ですが、頑張って調子を上げないといけないなと思っています。

――先ほどおっしゃったとおり、リーグ戦前半と中盤以降で結果が分かれてしまったと思いますが、要因というのはご自身ではどのように考えていらっしゃいますか

 打ちたいという気持ちがみんな強いと思いますが、僕の場合は打ちたい気持ちが体を力ませてしまって思うようなスイングができなくなってしまったのかなと思っています。

――立大1回戦ではホームランを2本放ち勝利に貢献するバッティングでしたが、改めてその試合を振り返ってみていかがですか

 その試合は序盤から良いペースで試合を運ぶことができて気持ちに余裕があったので、自分のスイングができたことは本当に良かったと思います。

――法大と明大という良いと言われている投手陣と対戦されましたが、2校の投手陣に対してはどのような印象をもちましたか

 球にスピードとキレがあるので、やっぱり簡単に打ち崩せないなと思いました。ワンチャンスをものにするしかないと思い知らされましたが、あの投手陣を打ち崩さないと優勝はないと思うので、常に練習から六大学のピッチャーを想定して練習して行きたいと思います。

――その中で特に印象に残った選手はいらっしゃいますか

 印象に残った選手は篠木(健太郎、法大、3年)投手が一番すごいなと思いました。

――理由は

 やっぱりスピード感が本当にすごくて。昨年の春に対戦した時よりもはるかにレベルアップしていたのですごいなと思ってしまいました。

――現在打撃の調子を戻そうとしている中で小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)や金森栄治助監督(昭54教卒=大阪・PL学園)から何かアドバイスなどは受けたりしていますか

 金森コーチからはバットを内から出せと言われていて、自分が調子の悪い時は全部バットが外側から出ているので、練習ではボールの内側を叩くイメージでバッティングしようと言われました。

――まだ期間が長いわけではないですが、成果は見えてきましたか

 成果というか正直気持ちの問題だと思っています。気持ちを強く持って打席に立つことができれば、自然と自分のかたちでバットを振ることができると思っています。

――続いて今季の守備面についての話になりますが、まずここまで無失策を維持していますが守備面についてはいかがですか

 チームとしても失策がゼロということで本当に自信になります。今までやって来た守備練習に意味があったんだなと思っています。

――法大戦でも好プレーがありましたが、そのプレーについてはいかがですか

 とにかく自分に飛んできた球は絶対取る気持ちで守っていたので、練習通りという感じでしたね。

「声援があればある場合ほど勝たなければいけない」

立大2回戦で三塁打を放った野村

――では続いて早慶戦についての話に移りますが、既に明大の優勝が決定していますが、今年の早慶戦についてはどのような気持ちがありますか

 4年間で最後の早慶戦になるので、やっぱりいつもの早慶戦とは違うのかなと思っています。

――早慶戦はたくさん観客が入ると思いますが、声援はどういった力になっていますか

 声援があればある場合ほど勝たなければいけないという気持ちが生まれるので、声援を力にして頑張っていきたいと思います。

――今季の慶応の印象はいかがですか

 今季の慶応の印象は、楽しくのびのびやっているなと思います。六大学の中継見ていても楽しそうに野球やっているなと思いました。

――慶応の先発は外丸東眞選手(2年)と谷村然選手(4年)の先発が予想されると思いますが、2投手についてはいかがですか

 2人ともコントロールの良いピッチャーで、明大や法大と同様に良いピッチャーの部類なので、ワンチャンスをものにすることを意識してやっていければ打ち崩せると思います。

――早慶戦ではどのような戦い方をしていきたいですか

 早稲田はもう優勝がなくなってしまったので、早稲田のファンだったり、ベンチに入れなかった4年生だったりといったような人達に勝利を届けられるような試合をしていきたいと思っています。

――では最後に早慶戦への意気込みをお願いします

 春はあと1カードしかなくなってしまいましたが、自分自身最後の年なので絶対に早慶戦勝利したいと思っています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 田中駿祐、丸山勝央、写真 田中駿祐)

質問に答える野村

◆野村健太(のむら・けんた)

2001(平23)年8月27日生まれ。180センチ。93キロ。山梨学院高出身。スポーツ科学部4年。内野手。右投右打。ベンチに入ることのできない4年生の分まで頑張ると語った野村選手。その熱い思いを打球に乗せ、早慶戦勝利へと導きます!