【連載】インカレ直前特集『Keep it Real』【第4回】高美優主将×新宮怜美副将×原田理子副将×中村真緒×根井望×松本日和×吉澤一花

特集中面

 振り返れば、コロナ禍の真っ只中から始まった彼女らの4年間も残すところ全日本大学選手権(インカレ)のみとなった。女子部の対談の最後を飾るのは4年生7人。高美優主将(スポ4=福岡中央)、新宮怜美副将(スポ4=京都西山)、原田理子副将(スポ4=千葉経大付)、中村真緒(基理4=千葉・長生)、根井望(スポ4=東京・吉祥女)、松本日和(スポ4=東京・日大二)、吉澤一花(人4=東京・桐朋女)だ。見えない敵と戦い、様々な困難や制約を乗り越えながらソフトボールに真摯に向き合ってきた4年間。個性あふれる虹のような7人が4年間の集大成であるインカレへの熱い思いをぶつけた。

※この取材は8月17日に行われたものです。

「最後まで楽しみながら、笑って終わりたい」(高)

主将として最後のインカレを迎える高

――まず、右隣の方の他己紹介をお願いします

吉澤 (松本選手は)一見クールに見えるのですが、ハートは熱い人です。すごく視野が広く、足が速い選手なので早稲田ソフトボール部の周東(周東佑京、ソフトバンク)です。

松本 新宮はザ・早稲田のエースで、1年生のころからすごく重荷を背負いながらプレーしてくれているなと思います。すごく頼りがいのあるエースで後ろがエラーしてもすべて抑えてくれる選手だと思います。

新宮 原田はいつもニコニコしているのですが、すごく負けず嫌いで、キャッチャーっぽいけどキャッチャーっぽくない感じです。キャッチャーは優しくて、包み込んでくれるようなイメージだとは思います。(原田選手は)それに加えて、バッティングでも守備でも自分が何とかなしなければという気持ちを感じます。バッテリーとして自分(新宮選手)を第一に配球を組んでくれて、視野が広くて、司令塔に似合っているなと思います。

原田 高は自分にも厳しく人にも厳しいところがあって、人にも厳しく言う代わりに自分に対しても厳しいというのが伝わってきます。キャプテンや4番などチームとして重いものを背負っていても、それをみんなには見せないようにチームを引っ張ってくれているので、頼りになるキャプテンだなと思います。試合中ではここ一番の場面で一本打ってくれますし、人としてもみんなを引っ張ってくれるキャプテンなので信頼されていて、人望も厚いなと思います。

 中村はすごく優しくて心暖かい人だなと思います。どんな時でもいつも周りを見ていて、自分が気づかないことでも教えてくれるので本当に周りを見て行動できる人だなと思います。大学生になってからソフトボールを始めたのですが、練習でも分からないことがあればすぐに聞きに来てくれますし、少しのアドバイスで中村自身がすごくうまくなっているので、自分も刺激をもらうことが多いです。すごく頼りになります。

中村 根井は思い切りのある人で、いい意味で自由な子です。周りがミスが多くて落ち込んでいるときでも、根井の一言でチームが盛り上がったりするので、根井の一言が早稲田に大きな役割を果たしているなと思います。プレーでも一球に懸ける思いが見ていて分かるので、インカレでもそういったプレーを見せてほしいなと思います。

根井 吉澤は1年のときからすごく努力家で、このチームで誰よりもスイングをしてきた人だと思います。積み重ねてきた努力は絶対にインカレで花開くと思いますし、地道に遅くまでバットを振り続けて、結果も残す、頼りがいのある人だと思います。個人的にもいろいろな相談を乗ってもらったりしているので、器が大きく、大切な親友です。

「早稲田のエースとして全試合完投して無失点で抑える」(新宮)

気迫あふれる投球でインカレ優勝に導く新宮

――4年生はどのような学年ですか

中村 私が大学で新しくソフトボールを始めたということもあるのですが、初めて体験入部に行ったときに、新宮が「ソフトボール楽しいよ」と第一声に言ってくれました。周りの子もソフトボールの楽しさを私に一生懸命伝えてくれて、どの代よりもソフトボールのことを愛している代だと思います。

吉澤 7人の個性が爆発している学年なのかなと思います。ハマるとすごく団結するので、7人で旅行に行ったときも盛り上がりがすごいですし、試合中もこの学年が盛り上がるとチームが盛り上がるなと思います。それぞれの個性は強いのですが、団結するとまた更に強くなるなと思います。

――4年間女子部に所属して、人間的に「ここは成長したな」と感じる部分はありますか

根井 今までこんなに強いチームでやってきたことはなかったので、大学に入ってから初めて全員が真剣にソフトボールに取り組むチームに所属しました。その中で、同期や先輩や後輩からソフトボールに対する姿勢であったり目上の人に対する気遣いであったり、社会人にこれからなっていく上で大事なこと、体育会でないと得られないようなことを経験できています。なので、人として大きくなれた気がします。

中村 考えることがこの4年間で大切だなと思いました。大学から新たに競技を変えてソフトボールに挑戦したので、ゼロからのスタートでした。そのため、自分で考えて動かないと自分の技術も向上しないですし、チームの一員としての役割を果たせないので、考えることをこの4年間を通して学ぶことができました。プレー中もみんなからのアドバイスを受けて、それを吸収して、打席作りとかも始めの頃より自分で考えて少しずつ体現して。考えながらソフトボールに取り組めたかなと思います。

 先を見通す力が、身についたとは言えないのですが、いい経験をさせてもらえたなと思います。プレーだけではなくて、他の行事の運営であったり、練習試合を組むにあたっての準備であったりなど、早稲田のソフト部でしか経験できないこともあったので、そういった学びができたのは自分の成長になりました。

原田 大学4年間で予測するということが身につきました。小、中、高とやってきたソフトボールとは違って、早稲田のソフトボールは学生が主体となる部活でもあるので、監督さん(長谷川誠監督、平5文卒=長野・松商学園)など上からの指示だけでなく、自分たちで考えて動くことが必要だなと思います。ソフトボールは準備と確認が必要なスポーツなので、先を考えて予測することが4年間で学んだことです。

新宮 4年間でコミュニケーション能力が成長したと思います。一人一人いろいろな考え方があって、いろいろなバックグラウンドがあって。話してみないと相手の気持ちがわからなかったり、話してみてやっと理解できることがあったりすると思います。なので、自分一人の考えではなく、4年生7人なら7人の考えがあるので、7人で話して7人の考えが一つになると思うので、そういうコミュニケーション能力はすごく大事だなと思いました。

松本 目標に対してどのように計画してどのような努力をすることで、その目標が達成できるかという思考を身につけられたと思います。自分の技術であったり、自分に今何が足りないかを分析したりした上で、どういった練習をすればいいのか、どういったアドバイスを吸収していけばいいのかを自分の中で取捨選択して自分に合った練習方法を考えて、その目標を達成できたと思います。

吉澤 人との出会いの大切さを学んだと思います。同期はもちろん、いろいろなバックグラウンドを持った人たちと出会えました。その人たちと話すことで自分にはなかった価値観であったり、物事への向き合い方や考え方というのを学ぶことができました。早稲田のソフトボール部で4年間やってきて、すごく大きな学びになったなと思います。

「新宮が思いっきり投げて、そして無失点で終われるようなリードを」(原田)

勝負強い打撃と扇の要としてチームをけん引する原田

――今年のチームの特徴は

 昨年のチームは4年生が下級生の頃から試合に出ていた人が多く、プレーで引っ張ってくれる先輩が多かったチームでした。今年は一人一人の力がチームの勝利につながっていると思います。新宮を中心に守備は守って、打撃でどこまで点を取れるのかという試合が多くなると思うのですが、その中で誰か1人が打つ、誰か1人の活躍で勝つというよりも、一人一人が力を合わせて勝つというのが今のチームだと思います。

――1年間の公式戦を振り返っていかがですか

根井 秋季リーグ戦(東京都大学連盟秋季リーグ戦)は優勝を収めることができました。まずは新宮が素晴らしい投球を5試合続けてくれて、野手が何とか点を取って勝ったという試合が続いた印象があります。(昨年の)インカレで悔しい結果で終わってしまって、そこから7人で集まって、これからのチームをどうするのかというのを話し込んで、すぐに試合という感じでした。みんながソフトボールやこのチームに対する思いがフレッシュなまま試合に臨んで、それがいい結果につながったと思います。

中村 関カレ(関東大学選手権)は結果として初戦敗退になってしまって、吉村先生(吉村正総監督、昭44教卒=京都・平安)もおっしゃっていたのですが、ソフトボールの怖さを知ったと思います。関カレは自分たちらしさを体現することが思うようにできなかったという思いが強いのですが、関カレを通して4年生もチームも強くなれたと感じています。

吉澤 春季リーグ戦(東京都大学連盟春季リーグ戦)は、いつも早稲田はなかなかいい結果を残せないということが多かったのですが、準優勝という結果を残せたのは冬にやってきたことがいい形で表れたなと思います。ですが、日体大に負けてしまったということで、まだまだ課題があり、危機感を持ってやらないといけないとも感じました。

松本 全総(全日本総合選手権大会東京都予選会)はもともと出る予定ではありませんでした。人間科学部のソフトボール大会が被っていたので、棄権する可能性が高い試合でした。ですが、1年生が男女ともに10人ずつくらい入部してくれたおかげで、人間科学部の人たちも参加してくれたおかげで、全総に出ることができました。やはり全員で戦うことができなかった分、ソフトボールの楽しさであったり、全員で力を発揮するということの大きさであったりを改めて確認させられた試合だったと思います。また、下級生の八角美海(スポ1=東京・神田女学園)と佐藤晴(人3=大阪女学院)が投げてくれて、2人にとっては大きな成長だったと思います。

原田 東日本インカレ(東日本大学選手権)は正直、「悔しい」で終わった大会でした。バッテリーとしてもいつも通りの投球ができないというムシャクシャした思いと、バッティング面でも打てなくて。昨年はいい結果を残したのですが、自分たちはそういったことは意識せずやっていこうという気持ちでした。ですが、うまくかみ合わないのが最後まで続いてしまって、すっきりしないまま終わってしまったのが東日本では感じました。東日本の負けがあったからこそ、この1か月のインカレまで「こうしていこう」という気が引き締まる思いで、インカレで挽回してやろうと思う大会でした。

新宮 東日本に関しては昨年優勝して、今年は初戦敗退という結果でした。守備、攻撃ともに課題が残る大会だったなと思います。個人としては東日本の前にコロナにかかってしまって、ケガもあったので東日本までの1週間で調整をしてという感じでした。自分自身としては全然万全の状態ではなかったですし、不安が多い中で東日本を迎えなければならず、そういった不安がチームに影響を与えてしまったのかなと反省しています。他のチームは守備もいいですし、打力もある中で、バッテリーとしては無失点として抑えるというのを目標にしていたですが、そこを守り切れなかったというのが今回はすごく悔しかったです。守備でも簡単に点を与えてしまったというところと、攻撃でも工夫がないままアウトが積み重なっていって、結果1点のみで終わってしまいました。インカレでは1―0や2―0といった厳しい試合になると思うので、東日本でインカレを想定した中で1点しか取れなかったというのは、すごく大きな反省になったと思います。東日本を終えてからは大きく成長しているので、東日本でいろいろ課題が出たのはチームとしては大きかったと思います。

「みんなの声援に応えられるよう、今までにないくらいきれいなヒットを打ちたい」(中村)

4年間の思いをインカレでの打席にぶつける中村

――根井選手、中村選手、高選手、松本選手、吉澤選手にお聞きします。今季のバッテリー陣をどのように見ていますか

 バッテリーは本当に頼もしい存在です。ピンチでもしっかりと抑えてくれますし、バッテリーがいい分、自分たちが打てないのが歯がゆく、不甲斐ない部分はあるのかなと思います。ですが、このバッテリーだからこそチームが成り立っていて、強いチームになっていると思います。

松本 常に上を目指しているバッテリーだと思います。昨年、(新宮選手は)渡邉さん(渡邉佳子、令5スポ卒)と組んでいましたし、原田も野手で正捕手ではないですが試合に出ていました。この1年間で2人のバッテリー間の信頼が、ずっとバッテリーを組んでいたような気もしますし、新鮮な感じもあります。お互いで「次はこうしてみよう」などが毎試合あるので、すごくいい組み合わせだなと思います。安心感もありつつ、常に挑戦し続ける姿勢を忘れていないので、野手としてもこの2人が決めたことに対してしっかりと守り切りたいという思いが強いです。

吉澤 ザ・安心感という感じです。バッテリーとしてもともとすごい人たちなのに、練習の中で先生からの指導も受けて進化し続けているなと思います。野手もバッテリーとは別に練習してはいますが、ブルペンで投げているのを見ていたり、試合での投球を見ていたりしても、すごく進化していると思います。だからこそ野手としても守りたいという思い使命感はあります。ザ・安心感ですね。

根井 自分に対してすごく厳しいバッテリーだと思います。こっち(野手陣)としては「アウトにできたからOK」と思っていても、途中の過程に対して一つ一つ丁寧に分析していているので、自分たちが見えていないところまで細部までこだわって日々取り組んでいるなという印象です。自分としてもハッとさせられるというか、尊敬しています。試合ではどんな時でもきっちりと抑えてくれますし、だからこそ打撃陣も援護したいなと刺激を受けるバッテリーです。どんなときにも大崩れしないですし、バッテリーがいいからこそ練習でも質のいい球を打つことができます。試合で球の早いピッチャーにあたってもそこまで怖くないですし、「怜美ほどじゃないかな」と思えます。すごく考えているバッテリー2人なので、(普段の練習から対戦していることから)打撃陣にとってメンタル的にも技術的にもプラスになると思うので、すべてが尊敬できるバッテリーです。そういった感謝も踏まえてインカレでは打撃陣が爆発できるように頑張ります。

中村 自分のためにではなくチームのためにということを思い続けているバッテリーだと思います。練習では新宮が投げた球に対して新宮自身が「アカーン」と言っていて、何がアカンのか私にはわからないのですが、一球一球、考えてピッチングしているのだなと日々感じています。そうしているからこそ、試合でも素晴らしいピッチングができるのだと思います。常に高い意識をもって2人で切磋琢磨(せっさたくま)しながら頑張っているのだと思います。

――新宮選手、原田選手にお聞きします。バッテリーのお二人から見て野手の4年生の印象はいかがですか

新宮 自分は中学からソフトボール始めてずっとピッチャーなのですが、今までは自分一人で三振を取って、打ち取って、無失点で抑えようと思っていました。ですが、大学に来て初めて野手を心から信頼することができて、この人たちだったら自分は大丈夫だというか、この人たちが後ろにいるから思い切って投げられると思いました。それは多分、日々のコミュニケーションなど、そういう会話でまずは信頼ができるようになって。それで、ソフトボールしている中で自然に信頼できるという関係が作りあがっているかなと思います。そこの信頼感や任せられるという気持ちは、今までに一番強いなと思います。自分が練習ではすごい顔に出るタイプで、自分でいろいろ考えている分、うまくいなかった時は感情をコントロールできない時があります。試合では、自分の中でうまく感情をコントロールできるのですが、それでも4年生は自分が緊張しているところや不安なところをいち早く気づいてくれて、声をかけてくれて。ピンチの場面では、内野の近くの4年生が自分がうまくいってなさそうだなと思ったらすぐに声をかけてくれて、自分としては心の支えになっていますし、このみんながいるから思い切って投げられるという、そんな野手だなと思います。

原田 自分は今まで小、中、高とソフトボール続けてきて、野手とバッテリーは別といった感じがありました。ただ、大学では野手とバッテリーはここまで連携取るかというぐらい連携を取っています。特にピッチャーが一球投げるボールに対して、野手がこう動いて、ここにポジショニング取って、そこに飛んできてという。9人で守っている、9人で相手バッターに対して戦っている感じです。守備でも攻めているという感じがあり、バッテリーとしてはこの野手たちに任せれば大丈夫というのが全ポジションあるぐらい、信頼関係は築けているなと思います。あとは、自分は今年から試合に出させてもらえることが増えて、緊張して上がってしまうことが多いのですが、自分だけ反対側を向いて守っている分、正対してみんなの顔見ていると自然と頑張れるというか、力をもらえる感じがあります。安心しますし、みんなが頑張っている分、自分も頑張ろうと励ましてもらえるような、そんな野手陣だと思っています。インカレでも全員で相手と戦って、勝っていきたいなと思います。

「新宮が胸を張って『これが早稲田だ』と言えるような守備を」(根井)

守備の要として野手陣を引っ張る根井

――バッテリーのお二人は副将でもあると思うのですが、副将のお二人から見たと高選手はどんなキャプテンでしょうか

新宮 いつもニコニコしているなと(笑)。 ですが、それがチームの安心感につながっているなと思っています。練習では、一番チーム一人一人に厳しく声をかけてくれていますが、チームの雰囲気が暗くならないように、いつもニコニコしているなと思います。雰囲気を上げるためにチームについて厳しく言いますし、ニコニコして明るく振舞っているので、厳しくもできるし、チームの雰囲気を明るくすることができるキャプテンかなと思います。

原田 やっぱり見た目からしても、ゆるキャラというか、ほんわかしているように見えるのですが(笑)。ただ、すごくこだわりが強いなと思っています。一つ一つのプレーであったり、日々の練習でも1つでも気になることがあれば絶対伝えてくれますし。いい意味で人に遠慮してない分、すごくストレートに伝えてくれるので、選手たちはハっとさせられる部分が大きいと思います。大変な部分もあると思うのですが、そうやって周りを見て言ってくれたり、考えてくれたりしている分、「自分たちももっと頑張らなきゃ」と思わせてくれます。大変な分、高が打ってくれたり、いいプレーをしたりするとチーム全員がうれしいですし、いい連鎖につながっているなと思います。

――松本選手にとって高選手はどのようなキャプテンでしょうか

松本 新しい早稲田のキャプテンだなと思います。多分これまで、学年でそこまでリーダーシップを発揮したり、まとめるタイプだっだりというわけではなかったと思います。なので、もしかしたら本人からしたら、このキャプテンというポジションがすごくしんどい時もあったと思いますし、自分自身がキャプテンをしてきて悩むこともたくさんあったと思います。それでも高の色を出して、高のやり方でチームをまとめてくれたかなと自分は思います。 だからこそ、私たちも高についてきていますし、後輩たちもついてきていると思うので、すごくいいチームを作ってくれたと思います。

「大量得点を初回から取って、優勝したい」(松本)

チャンスメーカーとしての役割が期待される松本

――ここからはインカレの質問に移ります。高選手にお聞きしたいのですが、インカレの組み合わせを見た時の率直な感想を教えてください

 相手がどこだろうと本当に自分自身、インカレがすごい楽しみという思いです。組み合わせとしては、1回戦が同志社で、勝てば2回戦はもしかしたら中京と当たる可能性があります。中京とは1年生の時と3年生の時にインカレで負けていて、そのリベンジができると思うとワクワクしますし、そこに対して前向きな気持ちしかなかったです。インカレに向けてまた1つモチベーションが上がった感じがしました。

――今年のインカレを勝ち抜くためのキーマンになるような選手は誰だと思いますか

松本 自分は4年全員かなと思います。ピッチャーだけでなく、4年全員が打って守って。4年が打てなかったら仕方ないというくらい練習をしてきたので、そこに後輩たちは信じてついてきてくれたらなと思います。4年も新宮が打たれたら仕方ないというか、もう悔いは残らないところまでやってきているので。それでも、新宮はしっかりと投げてくれると思いますし、あとはバッティングでどれだけチームを支えて盛り上げていけるかだと思うのですが、それももう4年次第かなと思います。

 自分は3年生かなと思います。3年生がスタメンとして試合に出ている選手もいるのですが、やはり4年生は絶対気持ちが入ると思うので、その中で絶対緊張もして、うまくいかないこともあると思います。ただ、その中で3年生の活躍というのが、自分たち4年生にとってもすごい刺激になると思いますし、そこで3年生から盛り上げてくれると、よりチームがもっと高いものを目指して、盛り上がっていけるのではないかと思っています。

根井 自分は2年生だと思います。自分自身が2年生のときに思っていたことなのですが、2年生は何かうまくいかなかった、気が長かったという印象がありました。ケガが続いていたのもありましたが、早稲田の2年生はなかなか結果が出ない時期だと思っています。そういった悔しい思いを、多分、今の2年生もいろいろ抱えているのではないかと思います。そういった気持ちも踏まえて、全部受け止めて、さらにそれを乗り越えて、インカレでできる子たちだと思います。4年生や3年生は頑張るしかないですし、やるだけなのですが、2年生はこれからも長いですし、1年生がたくさん入ってきてこれから大変になった時に、今の時期にどれだけ頑張れるかというのが、今のチームにとって、とても大きいのかなと思います。下からの力は自分たちにとって必要ですし、本人たちも大事な時期になると思うので、インカレでは2年生の活躍に期待したいですし、一緒に頑張りたいなと思っています。

新宮 自分も4年生だと思っています。チーム全員、1年生から4年生までが一人一人の役割があって、それぞれの輝き方があると思うのですが、このチームは4年生が作り上げてきたチームなので。4年生のカラーに後輩たちが一生懸命ついてきてくれて、そのカラーに向かってきてくれて、今の早稲田があると思います。4年生が一人一人の強い自覚と責任を持って、いろいろ努力してきて、最後に集大成としてインカレを迎えるので、(インカレで)全てを出しきるために、4年生がチームを引っ張っていく、盛り上げていく必要があると思います。その結果として、そこに後輩がついてきて、チーム全体として盛り上がるかなと思うので、まずは4年が団結して、4年で盛り上げていきたいなと思います。

中村 1人が輝くのが早稲田ではないと思います。誰が1人キーマンではなく、全学年の全員が試合に出る、出ない関係なしにキーマンですし、チーム一丸となって試合に挑みたいなと思います。試合に出る9人だけが必要なわけでもないですし、それをサポートする人がいるからこそ、早稲田として試合を戦えると思うので、全員だと思います。

原田 自分もキーマンは全員だと思います。(女子部は)人数が多いチームではないですし、一人一人にできることも違いますし。ただその中で、試合で誰一人と欠けていい人はいないと思います。早稲田は全員で相手に向かっていくチームだと私は思っているので、そういう面では全員がインカレでヒーローになりえると思います。全員が活躍できる場がインカレの舞台だと私は思っているので、全員がキーマンとなって一人一人が主役として戦えたらいいなと思っています。

吉澤 キーマンは私。ですが、私一人が輝けばいいというわけではなく、全員が総力として戦っていくことが必要だと思います。その中でも4年生がキーマンであると思いますが、4年生の中の1人として、自分への覚悟として宣言させてもらいたいなと思います。最後なので、4年生は「自分たちが引っ張っていくんだ」という思いでやっていきたいです。インカレという大舞台でいい成績を残せるかどうかは、4年生が自覚を持って引っ張っていけるかどうかだと思っているので、自分がヒーローになるんだという思いを込めて、キーマンは私とさせていただきます。

「早稲田が一番長い夏を過ごせるように爆発したい」(吉澤)

インカレでの本塁打を打ちたいと意気込む吉澤

――最後に、インカレでのご自身の役割と意気込みをお願いします

吉澤 個人的にインカレでホームラン打ちたいなとすごく思っています。1年生の時からバッティングにはすごい力を入れてやってきたので、最後にインカレでホームランを打って花咲かせたいなという思いがあります。インカレは最後の大会ということで、この学年はちょうどコロナの時に入学した学年で、他の代と比べて、壁にぶつかったりすることが多かった代だったかなと思います。初めて開会式が例年通りに行われるインカレですし、最後の集大成として早稲田が一番長い夏を過ごせるように爆発したいなと思います。

松本 自分の役割としては、バッティングと、足を活かした走塁だと思っています。(打線では)クリーンアップを打たせていただいているので、得点圏のランナーを返すことが自分の役割です。あとは自分が塁に出れば、後ろには高であったり、原田や吉澤がいるので、大きい一本を打ってくれるためにも、自分が必ず塁に出て一点でも多く、得点を奪って勝ちにつなげられるようにしたいです。自分は野手として2、3年生のときにインカレに出させていただいているので、その経験を活かして、外野のどこに飛んでも守る準備はできているので、外野手全員で新宮が投げてくれた球を、必死に追いかけて取って、早稲田は無失点で押さえて。それで大量得点を初回から取って、優勝したいと思います。

新宮 自分は早稲田のエースとして最後、全試合完投して無失点で抑えるというのを目標にしたいと思います。もともと自分はバッティングはすごく好きで、バッティングは練習していました。ですが、ケガがあって途中で出来なくなりました。ただ、このバッター陣なら自分は大丈夫と任せられますし、自分はピッチングに専念できるなと思います。インカレとなると、相手も優勝したいという気持ちで全力で向かってくるとは思いますが、その思いよりもやっぱり自分たち早稲田の方が優勝したいって言う気持ちは強いと思います。4年が一致団結して一人一人が強くチームを鼓舞して、最後まで諦めなかったチームが優勝すると思います。どんなピンチがあったとしても、諦めずに、チームを最後まで信じて戦い抜けば絶対優勝できると思うので、一人一人が最後まで一球たりとも無駄にせず、一球入魂で優勝したいと思います。

原田 自分の役割としては新宮が思いっきり投げて、そして無失点で終われるようなリードをすることです。また、バッティング面ではチャンスに強いバッターでありたいと思っています。インカレでは1点の重みというのがすごく大きいと思っています。その1点をどうやって取るか、どうやって1点を取られないようにするかというところがすごく大事になってくると思います。守備面ではしっかりとピッチャーをリードして、野手陣とも連携を取ってという守備ができればなと思います。バッティング面は、自分はいろいろな場面で回ってくる打順なので、それぞれの場面で適したバッティングをできるようにしたいです。初めてのインカレで、すごくワクワクが大きいので、それをしっかり勝負強さに変えられるようにやっていきたいなと思います。

中村 今まで自分自身、限られた打席数の中で、私が打席に立った時に、みんなすごく一生懸命応援してくれるのですが、その限られた打席の中でも、限られた回数しかその声援に応えられませんでした。インカレでは打席に立ったら、みんなの声援に応えられるよう、今までにないくらいきれいなヒットを打ちたいです。それが自分の役割だと思います。

根井 自分は守備の要として、きっと素晴らしいピッチングをしてくれるであろう新宮のピッチングを、足を引っ張らないようにと言うと少しマイナスに聞こえますが、隙を少しでもつぶしていきたいです。(インカレまで)これから1週間ですが、まだまだ自分たちが成長できると思うので、少しでも上を目指して成長して、新宮が胸を張って「これが早稲田だ」と言えるような守備を作っていきたいなと思います。打撃面での役割としては、自分がうまくつなぐことができるとチームが得点できることが多い印象が自分の中にあります。下位打線だからこそ、自分がつなげば上位打線には得点できるポイントゲッターがいるので、そこにしっかりつなぐことが自分の役割です。次の打者につなぐバッティングができたらいいなと思っています。

 バッティングではチャンスで回ってくることが多いと思うので、(インカレでは)そこでワンチャンスいかにものにできるかが重要だと思います。その1打席、ワンチャンスに集中して取り組みたいなと思います。また、インカレでは自分がいいプレーをするというよりも、一人一人が自分たちの力を発揮して、チームが勝てれば一番いいと思います。チームのみんなが思いっきりプレイできるように、その環境を持っていくのも自分の仕事だと思うので、そこも大事にしていきたいと思います。みんなが口をそろえて「目指すは日本一」と言っているように、本当に目指すところはそこにはなるのですが、最後までとにかく楽しみながら、あまり結果を気にすることなく、全員で楽しんで、4年間やってきたところを発揮して、みんなで笑って終わりたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 矢彦沢壮真、近藤翔太、林田怜空 写真 星野有哉)

4年生7人が集大成であるインカレで全てを出し切ります!

◆高美優(こう・みゆう)(※写真下段中央)

2001(平13)年8月16日生まれ。福岡中央高出身。スポーツ科学部4年。副将の原田選手から「頼れるキャプテン」と高選手。持ち前のバッティング技術で、ここぞの主将の一打に期待です!

◆新宮怜美(しんぐう・れみ)(※写真下段左)

2001(平13)年7月25日生まれ。京都・西山高出身。スポーツ科学部4年。松本選手からザ・早稲田のエースと紹介された新宮選手。インカレでも大黒柱として大車輪の活躍を見せてくれることでしょう!

◆原田理子(はらだ・りこ)(※写真下段右)

2001(平13)年7月28日生まれ。千葉経大付高出身。スポーツ科学部4年。バッテリーを組む新宮選手から「司令塔に似合っている」と原田選手。巧みなリードで新宮選手を支えます!

◆中村真緒(なかむら・まお)(※写真上段左)

2002(平14)年1月6日生まれ。千葉・長生高出身。基幹理工学部4年。高選手から「優しく心暖かい人」と紹介された中村選手。声援の後押しを受け、インカレでは4年間の全てをぶつける安打を見せてくれることでしょう!

◆根井望(ねい・のぞみ)(※写真上段右)

2001(平13)年11月17日生まれ。東京・吉祥女高出身。スポーツ科学部4年。中村選手から「思い切りのある人」と根井選手。守備の花形・遊撃手から思い切りのあるプレーで野手陣を鼓舞します!

◆松本日和(まつもと・ひより)(※写真上段左から2番目)

2000(平12)年5月12日生まれ。東京・日大二高出身。スポーツ科学部4年。吉澤選手から「早稲田の周東」と紹介された松本選手。インカレでは自慢の足を武器に相手バッテリーを揺さぶります!

◆吉澤一花(よしざわ・いちか)

2001(平13)年9月29日生まれ。東京・桐朋女高出身。人間科学部4年。根井選手から「努力家」と紹介された吉澤選手。インカレでの本塁打に期待です!