第2回に登場するのは西村悠太郎副将(人4=福岡・筑紫丘)、安孫子徹(スポ3=東京・昭和)、鈴木涼介(スポ3=福島・安積黎明)、畠山陸(スポ1=高知西)の内野手4人組だ。外野同様、主力であった4年生の引退により昨年から大きくメンバーか変わった内野陣。学年が1年生から4年生までと幅が広いうえに実践経験の少ないメンバーもいた中で、切磋琢磨(せっさたくま)しながらリーグ戦、練習試合を戦い抜いてきた4人にお話を伺った。
※この取材は8月31日に行われたものです。
「試合経験の無さが露呈してしまった」(鈴木)
春季リーグについて振り返る鈴木
――ソフトボールとは直接関係がないのですが、ご覧になっていた五輪の競技や印象に残っているシーンはありますか
西村 ソフトボールの優勝は良かったなと思っています。大丈夫ですか、これで(笑)。
安孫子 自分は体操の団体を見ていて、最後の準優勝したところとかはすごいなと思っていました。体操は一切やっていなかったんですが、すごいなと思いました。
畠山 自分は結構男子のサッカーを見てました。最後の3位決定戦は最初から最後まで見ていて、自分も悔しくなるくらいの試合展開だったので、印象に残っています。
鈴木 野球を見ていました。久しぶりに野球がオリンピックの競技として復活したということで、野球選手が思いも熱くプレーしていて、気持ちがプレーに表れていていました。ソフトボールもですが、「野球っていいな」と思いました。
――ここからはソフトボールの話題に移ります。東京都大学連盟春季リーグ戦(春季リーグ戦)とその後の練習試合を通じての収穫や課題を教えてください
西村 春季リーグの中で印象的だったのは、日体大戦です。リーグ戦では0―3で負けて、投手陣は奮闘してくれたのですが、バッター陣が打てないということで、打撃スタイルの見直しなど、いろいろな選手が自分を変えるきっかけになったのが日体大戦でした。その成果をインカレで発揮することが、日体大戦に意味を与えるものだと思っているので、(日体大戦は)大きな収穫だったと思っています。
安孫子 新チームで迎える初めての公式戦ということで、1年生も入ってきたばかりで、いろいろ試しながらやっていました。ページシステム(特別ページシステム)の方では、監督の指示を試して、それがうまくいく、うまくいかないということをやっていました。そこで見えた課題を現在までの練習試合でいろいろ試すことができて、得た課題が今着々と良い方向に向いているので、それは良かった点かなと思います。
――具体的にはどのようなことを試されたのですか
安孫子 今までだと0(小技)か100(強くスイング)のどちらかしかなかったものが、バスターとかを試すようになりました。最近でいうと、それがうまくいかなかったから振り切ってみようとかと調整できている段階なので、課題が見えた点については良かったかなと思います。
――畠山選手はいかがですか
畠山 自分は今年から入学して、初めての春季リーグ戦に出させていただいて、今まで高校でやってきた自分の打撃スタイルとかが、リーグ戦を通じてどこまで通用するかを実感することができました。そこから自分の中の課題として、打席の中でしっかりと振ることがありました。リーグ戦が終わってからいろいろ試していく中で、今年のインカレでの自分の打撃スタイルをこういう方向にする、ということを決めることができました。
――具体的にはどのような方向にしようと決めたのですか
畠山 最初は小技メインでやってきたのですが、リーグ戦が終わってからは、打席の中でしっかりと振ることを意識して練習してきました。練習試合がなかなかない状況で、うまく試すことができませんでした。チームで求められていることが小技の方だったので、そっちの方向で行くことにしました。
――鈴木選手はいかがですか
鈴木 春リーグの中央戦が一番のキーポイントだったと思っています。中央大学は去年に比べるとだいぶ層が薄くなっていて、本来であれば3回や4回で(コールドゲームで)試合を終わらせなくてはいけない相手だったのですが、7回まで戦ってしまって、しかも接戦(3-1)で。チーム全体としての雰囲気の悪さとか、試合経験の少なさが露呈してしまいました。3年生の役割が分担できていないだとか、1、2年生のベンチワークが試合経験が少ないから、試合を円滑に進められていない要因になっているだとかが、改めて分かった試合でした。
――続いて、西村選手、安孫子選手、鈴木選手にお聞きします。昨年の主力だった4年生が抜けられて、チームで変わったことや今年のチームをどのような特徴があるチームだと思いますか
西村 まず最初に、昨年の4年生の存在はすごく大きなものだったというのがあります。今年の4年生は4人しかいなくて、さっき鈴木が中央戦でということを言ったのですが、4年生の存在感がなかったということも、4年生として反省しました。(人数が)少ないからこそ4年生が引っ張るということももちろんなのですが、今年は3年生がノリの良いチームで結構盛り上げてくれるので、4年生として助かっています。4年生は少ないけれど頑張る、3年生も元気がいい、ノリが良いから頑張るみたいな感じで、いい連携ができて、いいチームにまとまっているなと思っています。
安孫子 新チームが始まって最初は、前のチームの形を求めるというか、後追いする部分があったのですが、リーグ戦が始まって試合経験を重ねるにつれて、前の代のポジションの選手の形を追い求めるのではなくて、自分たちのスタイルでやるということが徐々にできてきています。右打者が多いなど前のチームとスタイルが変わっている部分はあるのですが、最近の練習試合ではそれを有利に生かせるようになってきているのかなと思います。
鈴木 3年生の話になってしまうのですが、キャラ立ちするようになったなと。3年生は良い意味で元気がいいので、6人がどういう役割を分担していくか、例えばプレーで引っ張るのが安孫子だったりしますし、僕とかは試合中は声を出して盛り上げるとかができるようになってきたのではないかなと思います。
――3年生の間で話し合いとかはされたのですか
鈴木 中央戦の後に3年生とキャプテン(澤優輝主将、スポ4=東京・国学院久我山)を交えてミーティングをして、「3年生にはこういう役割を担ってほしいから、お前はこういう役割を頼む」、「後輩の指導役を任せるよ」という話をいただきました。最近は徐々に結果にも出てきているのではないかなと思います。
――畠山選手にお聞きします。早稲田に入る前の印象と入った後の違いはありましたか。
畠山 入る前は学生主体のチームという風に聞いていて、実際に入ってみてキャプテンを中心に学生主体でチームをまとめていて大学生っぽいなというか。
鈴木 何それ(笑)。
畠山 そこに自分も入って、ソフトボールをプレーできることは楽しいです。あとは、チーム内で小技の選手やPG(ポイントゲッター)の選手というように、役割がしっかりと別れていて、自分の色を出してチームをつくっていくなという印象を受けています。自分もその役割を担っている分、しっかりとやらないといけないなと思っています。
「自信が持てるようになってきた」(安孫子)
ショートの守備について語る安孫子
――4選手は全員内野手ですが、得意なポジションはどこですか
西村 自分はインカレでセカンドを守るので、セカンドが一番得意かなと思っています。サードはソフトボール特有のバント処理があって、個人的には難しいです。サードよりかはセカンドの方が、全体を俯瞰(ふかん)して見られるので、楽というか楽しいので、自分はセカンドが向いているかなと思います。
安孫子 今守っているショートが得意かなと思います。それまではセカンドを守っていたので、最初は難しいなと思いながら守っていたのですが、最近自信が持てるようになってきたので、得意なポジションと言ってもよいのかなと思います。
畠山 自分は高校までショートを守っていたのですが、大学からはセカンドの練習をしています。(ショートとセカンドは)似たようなポジションだと思っていたのですが、打球に対しての入り方やバント処理の入り方が違う部分があるので、まだまだ課題があるなという状況です。
鈴木 高校時代はショートをやっていましたが、あまり守備はうまくなかったです。大学に入るとショートは厳しいなということでサードに回ったのですが、(畠山選手を見て)それでもうまい選手、守れる選手が来たので、僕はファーストに移りました。ファーストだと横に一発跳ぶだけでよくて、一瞬の反応に関しては自信があるので、ファーストが今は一番安心して守れています。
――春季リーグ戦ではポジションをシャッフルして、一人の選手がいろいろなポジションを守っていましたが、難しさや収穫はありましたか
西村 春季リーグでは個人個人の適性が分からない部分がまだあったので、それを見極める上でシャッフルしていました。収穫としては、いろいろなポジションを守ることで、他のポジションの気持ちや動きを理解できるというのが一個あったなと思います。全員そういう風に思っていると思うので、それが答えかなと。内野手は連携面が多いので、相手の気持ちを分かっているのと分かっていないのとでは大きな差が出てくるので、すごい収穫だったと思っています。
――西村選手にお聞きします。副将としてチームを引っ張る上で苦労したことはありますか
西村 中学の頃は副将をやってきた経験はあったのですが、引っ張ることは自分の中であまり得意ではなくて。どういう風に引っ張っていけばよいのかわからない部分があった中で、何回も言うのですが中央戦が大きなターニングポイントになりました。4年生の存在感がないという話題が上がってくるのは、チームとしてまずい状況で、その中で4年生としてどうチームを引っ張ればよいかを常に考えるようになりました。声を出して引っ張るというのもあるのですが、いろいろなかたちでチームを見れるようになって、キャプテンはいるのですが、それでも自分が前に出る意識を持つようにするところが苦労したなと思います。
鈴木 最近ようやく副将らしくなってきたよ。
西村 ありがとうございます!
鈴木 練習も試合もめちゃめちゃ声を出してくれて、最近はちょっとかっこいいようになりました(笑)。
――安孫子選手にお聞きします。ショートの守備にだんだん自信がついてきたということですが、守備についてのこだわりや練習をする際に意識していることはありますか
安孫子 実戦形式の練習の時でいうと、バッターのスイングを特に気にするようにしています。投手が投げる球に対してどういう反応をするのかを一球一球確認していますね。ポジショニングや一歩目をどっちに切るかはすごく大事にしている部分ですし、そこが守備では大事な部分を占めるのかなと思ってやっています。あと、ショートになるとセカンドに比べると前の打球の処理が大事になってきて、そこがずっと苦手だったので、ランニングスローとかはずっと練習してきました。
――続いて鈴木選手にお聞きします。今年からレギュラーとして試合に出ていると思うのですが、気持ちの面や試合への入り方で変化はありましたか
鈴木 去年は(試合に)出ていなくて、今年出るようになりましたが、春は完全に出ることが決まっていたわけではなかったので、自分は結果にこだわりました。特に出塁は自分に求められる役割だったので、自分が出塁できるかたちが何かを常に模索しながら春は戦いました。ようやく最近は安定してスタメンで使ってもらえるようになったかなと思っています。
――続いて畠山選手にお聞きします。高校と大学のソフトボールで最も違いを感じている点はどこですか
畠山 パワーとスピードの二つが大きく違うのかなと感じています。ピッチャーの球が速かったり、内外野の肩が強かったりして、自分が打席に立った時に、今までだと内野安打になっていた打球が、(相手の)肩の強さによってアウトになったりするので、変わったかなと思っています。パワー面でいえば、ホームランが出やすいところにも違いを感じます。
――その違いを受けて、プレースタイルに変化はありましたか
畠山 守備をする時は打球が速いので、今までよりも深くポジショニングを取るようにした方がいい、という課題が出ました。打席では(守備の)肩が強いからこそ、もっと工夫して打球を飛ばす方法を考えたり、打球の強さを自分で変えたりして、対策を練りました。
謎のプライベート
驚きの私生活を語られる西村
――ここからはプライベートについてお聞きします。まず、お互いの他己紹介をお願いします。まず西村選手の紹介をお願いします。
安孫子 バッティングでは、ライナーで内野手の間を抜いていくことが魅力で、サードを守っている人はそれが怖いのではないかなと思います。守備は僕が大事にしているポジショニングもすごいうまいです。変幻自在に動きながらポジショニングをして、ピッチャーを助けていく、ヒット性の当たりも全部取るみたいな素晴らしいプレーヤーです。
西村 大丈夫? 褒め過ぎじゃない(笑)。
鈴木 後でジュースおごってもらえば(笑)。
畠山 面倒を見てくれる先輩というか、自分がけがをした時も、すごく気にかけてくださったり、守備で悩んでいることがあって、セカンドについてのアドバイスを聞いたらすぐに答えてくださったりして、すごく面倒を見てくれる先輩です。
鈴木 このままだと良い先輩になっちゃうので、プライベートについて突っ込んでいこうと思うのですが、一言でいうと宇宙人だなと僕は思います。プライベートが謎というか、知らぬ間にいろんなことをしているんですよ。具体的に言うと、Instagramのグルメアカウントのフォロワーが5000人を超えていて、「お仕事の依頼はこちらまで」みたいなことを生意気に書いていて(笑)、それでただでご飯屋さんに行けるらしくてすごいなと思います。あとは、大したゲームではないのですが、日本で1000位になっていて、1位の人とつながってプライベートで勝手に会っていたりもします。とにかく謎ですね。
――続いて安孫子さんの紹介をお願いします。
西村 安孫子は冷静なタイプだと思っていて、入り込むよりも周りから一歩引いて見る人、全体をいつも俯瞰(ふかん)して見ている人というイメージがあります。でも、来年副将をやるように、(チームを)引っ張る意識が強くて、それがすごい向いているのかなと個人的に感じています。後輩として頼りがいがあるなと思います。
畠山 同じショートというポジションなので、自分が悩んでいることをずっと教えてくれて、練習後に一緒にノックを受けてくださって、毎球毎球捕球体勢をアドバイスしてくれる先輩です。
鈴木 このままだといい先輩で終わってしまうので(笑)。年は浪人していて一個だけ僕の方が上なのですが安孫子と同期なので、ちょっとかわいいな、弟みたいだなと思います。プライベートだと食べるのが遅い、めちゃめちゃ遅い。あとは、僕は毎回それで怒るのですが、ご飯が入らない、大盛を頼んだにも関わらず残す(笑)。お腹をすぐに壊す、プライベートは絶対遅刻する。プレースタイルはきりっとしている反面、プライベートはだらけてしまう部分があるので、プレーと(プライベートが)反比例している子だなと思います。プレーはすごく頼りになる子なので、そこは心配なくやれる子だなと思っています。
安孫子 自分の限界を知らないので、いけると思って頼むんだけど、いけない(笑)。
――畠山選手についてはいかがですか
西村 陸はシャイだけど、世渡り上手なのかなと僕は思っています。実力のある選手はおごりがちなのですが、礼儀面を怠ることはないので、先輩から好かれやすいタイプかなと。社会に出ても好かれる、かわいがられるタイプ、存在なのかなと思っています。
安孫子 最初はめちゃめちゃ人見知りな人だと思っていて、同じポジションだったので自分から話しかけるようにしたら、二カ月後くらいには結構なめてくるので、心を開いてくれた証拠だなとみています。毎回ノックをやる時に、一番エラーが多かった人がジュースをおごる、みたいな賭けをするんですね。最初に賭けなしでやる時は、めちゃめちゃエラーをするのに、賭けが出るとエラーしないんですよ。勝負強くて、毎回おごらされるので、そろそろ勝ちたいなと思います。
鈴木 一言でいうと、かわいい弟みたいな感じだと思っています。普段はかわいくないとか言うのですが、こういう場なので(笑)。本当に生意気で、4月から入学して5カ月くらいが経つのですが、ちょっかい出すと、「まじでうざい」とか平気で言うので、「年齢3個違うぞ」と思うのですが、そこは日本代表に選ばれていただけあって、肝が据わっていると改めて感じますね。
――最後に鈴木選手についてお願いします。
西村 鈴木は外づらはノリが良いのですが、根は真面目だと思っていて、自分のやっていることに対して意外と考えこんじゃうタイプかなと。意外とその日のプレーによって気分が変わってしまうタイプで、自分ができるとすごく乗るし、できないと意外と落ち込んじゃうタイプだと思うので、意外と気分屋なのかなと一緒にやっていて思います。実際同い年ですし、4年みたいな感じもするので、それはそれで頼りがいがあるなと思います。
安孫子 同期なので、最初に会った時にどういう反応するのかなと思っていたのですが、涼介はいきなり「おう!」と言ってきて、「何だこの人!」という印象だったのですが(笑)。誰にでもフレンドリーに行けるというか、みんなから心を開かれているので、しゃべる人も多いのかなと思います。あとは、チームの情報屋なので、あらゆるところから情報を仕入れて、「あいつこんなんだぜ」ということをすぐに教えてくれます。悠太郎さんの謎のプライベートを、涼介から知ることも多いのかなと思いますね。
畠山 この部活に入って、最初にキャッチボールをしたのが涼介さんで、最初から声をかけてくださいました。自分は小技をしているのですが、涼介さんをお手本にしています。でも、自分もいじってくれてうれしいのですが、結構いじってくるというか。その反面、たまに「お昼持ってるの?」とか言ってくれて、面倒を見てくれる先輩です。
鈴木 今日このあとお昼持ってるの?
畠山 持ってないです(笑)。
――続いて西村選手にお聞きします。ホームページ上で、オフの過ごし方に友だちと語ることを挙げられていましたが、具体的にどのようなことをされていますか
西村 (ホームページに情報を書いた)当時の話をすると、当時は寮に住んでいて、寮で友だちができるんですね。その友だちと部屋に集まって、ネットショッピングをしたり、一緒にドラマとかを見たりするという意味で、語ると書きました。今は寮も出たし、彼女もできたしということで、今はやってないですね。
鈴木 ちょっと自慢入れたよね、他の人を見て彼女の話をして(笑)。
――今はどのように過ごされているのですか
西村 さっきも言ったように、グルメ巡りが趣味なんですよ。コロナの前は、いろいろな飲食店に行って、食べまくることをやっていたのですが、今はそれができないので、彼女を家に呼んで一緒に料理を作ったり、映画を見たりというような生活です。
鈴木 うらやましいなぁ。
――安孫子選手にお聞きするのですが、好きな場所として本屋を挙げられていましたが、読書がお好きなのですか
安孫子 何ですかね(笑)、受験期に参考書を本屋に買いに行くじゃないですか、それで本屋に寄っていて、居心地が良かったんでしょうね。今はやっていないのですが、月の目標で本を一冊読むというのをやっていて、本屋に通うことが増えて、改めて居心地が良いなと感じましたが、そんなに本を読む人ではないですし、当時の自分が知りたいですね。
――鈴木選手にお聞きします。趣味にラーメン屋巡り、好きな言葉に横浜家系を挙げられていましたが、おすすめのラーメンはありますか
鈴木 浪人していた当時に、日々の疲れを癒せる唯一のよりどころがラーメンだったので、ラーメンにはまっていました。ここら辺だと、狭山ヶ丘にある『鈴ノ木』というしょうゆラーメン屋さんがかなり名店で、安孫子と行ったのですが、かなりおいしくて、畠山も今度誘おうかなと思っています。
畠山 ありがとうございます!
――畠山選手にお聞きします。好きな言葉に土佐弁を挙げられていましたが、好きな言葉はありますか
畠山 土佐弁は、イントネーションが違うというか、語尾に「ちゅう」とか、「が」とか、「き」がつくだけなんですよ。
鈴木 「この前の試合で3個フライを上げた」を土佐弁にすると
畠山 この前試合でフライを3個上げたがよ、っていう感じですね。
一同 (笑)。
畠山 イントネーションが良いんですよね、落ち着くというか。たまに地元の友だちと電話して、土佐弁を聞いたら、「やっぱりこれだな」となるのが、土佐弁を好きな理由ですかね。
「楽しんでプレー出来たら」(畠山)
にこやかな笑顔で取材に応じる畠山
――続いて、インカレのことを聞いていきます。はじめに、インカレの印象を教えてください。
西村 社会人になってプレーをする予定はないので、個人的には競技人生ラストの大会なので、すごい緊張する舞台だと思います。自分は過去にあまりインカレに出たことがないのですが、ベンチにいるだけでも疲労するし緊張する大会です。こういうコロナ禍で開いてくださるので、全力で楽しむようにしたいなと思います。
安孫子 インカレは自分たちがやりたかったことが意外とできる場所なのかなと思います。昨年は一回戦負けというかたちになったのですが、打線のつながりとかは求めてきたことができていたので、試合の中でもチームが成長していける場所なのかなと思います。
畠山 今年が初めてのインカレということで、今まではYouTubeとかで決勝のダイジェストを見るくらいしかなかったのですが、この部活に入って、インカレで優勝するという目標のためにずっと動き続けているという印象を受けています。このインカレに全てを懸けていると言ってもいいくらい、チームが(インカレに向けて)動いているので、初めてなので緊張すると思うのですが、1年生なので楽しんでプレーできたらいいなと思っています。
鈴木 インカレは4年生が輝く場、後輩は4年生をいかに輝かせられるかという場だと思っています。4年生がチームの運営を核としてやってくれていて、チーム運営がうまくいかないとか、いろいろなことを我慢してきていて、その部分を解き放つ場だと思っています。4年生の活躍なくしてインカレは勝ち上がれないというのが絶対的にあって、後輩の力はもちろん必要なのですが、後輩がうまいかたちで4年生につないで、4年生が力を発揮してくれれば、おのずと結果がついてくる大会だと思っています。
――インカレでは日体大が最大のライバルだと思うのですが、今年の日体大をどのようなチームだと見ていますか。
西村 今までは絶対的なエース(小山玲央)がいたのですが、今は卒業されていることを踏まえて言うと、(すごい選手が)抜けた中でもある程度の強さを持っているチームだと思いますし、試合の中でも適応能力というか場面に応じて最適なプレーをする能力も高いと思います。個々人の能力もさることながら、そういう判断能力も高いチームだと思っています。
安孫子 昨年と比べると、投手も打線も個の力は劣っているとは思うのですが、その分小技を絡めて負けないチームを目指しているのかなと感じています。例えば、ランナー三塁でスクイズをしっかり決めてきて、負けないソフトボールを展開しているのかなという印象を受けました。
畠山 春季リーグで初めて日体大と対戦したのですが、振ってくるチームということを聞いていた中で、さっき安孫子さんがおっしゃっていたように、ここぞという場面でバントをしてきていて、そういった面も強さにつながっていると思いました。プレーの引き出しが多いというか、選手個人の力があるからこそ、引き出しの量が多いのだなというのが印象です。
鈴木 一言で言うと、スター選手が集まっているなと思います。例えば、高校野球で甲子園に行った選手がいたりだとか、大学ジャパンに入っている選手がいたりだとかするチームです。自分たちは日本代表とかは少ないのですが、考えてプレーしたりだとか、組織力としては圧倒的に上だなとは思います。今チームはいい感じなので、例年よりも戦力が落ちている日体大には、やることをやれば勝てるのかなと思います。
――日体大を倒す上でのキーポイントはどこにあると思いますか
西村 おそらく打線だなと思います。夏場なのである程度投手も疲労しますし、点を取られると思います。(投手陣は)もちろん完封を目標にしているとは思うのですが、春季リーグ戦で全く日体大から点を取れていない打線が、インカレまでの成長を出し切れるか出し切れないかが、やっぱりポイントになるのかなと思っています。
安孫子 自分も悠太郎さんと一緒で打線が鍵かなと思っています。特に右打者ですかね。最近もチームで話になったのですが、右打者の活躍がないと勝てるものも勝てないというのがあります。左打者はある程度小技が確立されているので、あとは右打者がどれだけ打ってつなげるかが鍵かなと思います。
畠山 自分も打線かなと考えていて、特に左打者で小技をする選手は出塁が求められているので、いかに小技を使って出塁して、ランナーをためて、PG(ポイントゲッター)まで回せるかが鍵かなと思います。
鈴木 僕はつながりだなと思っていて、日体大はスター選手が多い分、それぞれのバッターを比べていくと、僕らの方が圧倒的に弱いと思います。ですが、線や束になった時に強くなるのが早稲田の特長なので、そういう意味では打線はつながり出したら勢いに乗ってかみついていく、ということをやれればいいのではないかなと思います。
――日体大以外で警戒している大学や選手はいますか
西村 途中で当たる関西のチーム、ノリの良いチームと当たる時は警戒しないといけないというか、気をつけないといけないと思っています。西のチームと練習試合をする機会もすごい少ない中ですが感じるのは、ノリと勢いでどんどん押してくることです。特にインカレでそういうチームを乗せちゃうと止まらなくなるので、そこでいかに自分たちのソフトボールで初回からつぶしに行けるかが鍵になると思います。
安孫子 順調に勝ち進めば(準々決勝で)福岡大と当たります。(福岡大は)昨年度も準優勝していますし、ピッチャー(海邉和也)が日本代表ということで、そこが一つの山場になると思います。その攻略に向けて、チームでいろいろ情報収集したりだとか、練習でもイメージしながら動いたりしている部分ではあるので、まず一つそこに集中していければいいのかなと思います。
畠山 多くの大学との試合を経験していないのですが、福岡大の話はチーム内でもとてもよく出てくるので、しっかりとイメージして、自分のプレーをできればいいなと思います。
鈴木 自分も福岡大学の海邉投手が一番の山場かなと思っています。高校時代から福岡大の海邉投手は知っていたので、その時からすごいピッチャーがいるなと思っていました。大学1年生の時に見てもすごくて、去年見てもすごくて、いい投手に着実にステップアップしていると思います。僕らも(福岡大を)倒せたらもっと強くなれると思うので、そこを倒してより優勝できるチームに短期間で成長したいなと思います。
――インカレまであと2週間ですが、今現在の調子はいかがですか
西村 すごく良い状態だと思っています。というのも、やることはもう決まっているので、そこに向けて精度を上げることだけになってくるからです。あとはコンディショニングというところで、自分の調子とモチベーションを高めるというところに、集中しているので、やることが決まっている分、状態が良いのかなと思います。
安孫子 あまり調子が良くなくて、自分でもどうしようかなと思っている最中です。最近練習試合をやっていて、ある程度こうしたら良いというスタイルは見つかったと思うので、今週来週と仕上げていければいいのかなと思います。
畠山 夏休みに入ったくらいから、インカレでのプレースタイルを一つに絞って、その中で自分は練習してきました。出てきた課題についても着実に克服して、自分の中である程度ここまで行けるだろうなというイメージは湧いているので、あとは少し調整して、インカレで結果を残すことに集中したいなと思います。
鈴木 最近やるべきことがかなり明確に見えてきたので、かなり順調に来ているのではないかと思っています。ここから打球を5メートル遠くに飛ばそうとか、足を0・1秒速くしようとしても無理だと思います。どれだけ万全な状態で試合において10割の力を発揮できるかだと思うので、そこの調子を整えることに残りの1週間は重きを置いていきたいと思います。
――インカレで優勝する上でのキーマンは誰だと考えていますか
畠山 インカレを優勝する上で一番大事だと思うのはやっぱり僕だと思っていて、
鈴木 いや、いいと思うよ。
畠山 小技で出塁することが求められているので、いかに初回で出塁してPG(ポイントゲッター)まで回すかというところで、僕が一番のキーマンかなと考えています。
鈴木 ごめんなさい、指示しました(笑)。でも間違ってはない。
西村 キーマンというか、1番から9番まで役割があって、どの打順もキーマンなのですが、特に1番バッターはキーマンになると思います。その中で畠山が(1番バッターの)筆頭に上がってくるので、キーマンになるということは全員が思っているところだと思います。
安孫子 キーマンというよりかはチームが勝つためにということだと、さっきも言ったのですが右打者かなと。澤さんという絶対的な4番はずっと打ってくれているので、その他の出塁系の右打者ですかね。今でいうと4人と打線の半分くらいを占めるので、そこがアウトにならずに次につなぐことがキーにはなるのかなと思います。出塁系の右打者がアウトになることが春季リーグでは多かったのですが、徐々に改善はされてきているかなとは思います。
鈴木 キーマンはいないかなと思います。インカレの試合を戦うにつれて、その試合で大事な人は変わってくるので、大一番、ここで勝負しないといけない時に、(打順が)回ってくるのは1番から9番のどの人も同じだと思います。小技がつなぐべき時につなげなかったら負けますし、7回に2回くらいしかないチャンスを4番や8番というポイントゲッターがつぶしたら負けると思うので、キーマンは全員かなと思います。キーマンはそれぞれの試合によって違ってくると思います。
――最後に、インカレに向けての意気込みをお願いします
西村 コロナが日本に入ってきて1年半が経つ中で、大会が開催されるということ自体、また大会に参加させていただくこと自体に感謝しなければいけないと思います。感染対策を徹底した上で出ることは、チームとして徹底したいなと思います。個人的には最後の大会になりますし、全総(全日本総合選手権)と東日本(東日本大学選手権)という大きな大会がなくなったので、今年最後の大きな大会を、副将としても最高学年の一人としても、チームを引っ張って優勝したいなと思います。
安孫子 目標はもちろん優勝ですし、そのために自分ができることは、一番結果を残してチームに貢献できればいいかなと思います。あとは、3年ということでチームを引っ張っていかないといけないと思うので、下級生も含めて4年生のためにという雰囲気をつくりながら、プレーでもベンチワークとかでも引っ張っていければいいのかなと思っています。
畠山 まず、インカレの目標としては優勝するということで、そのために自分は自分の決まっている役割を果たすだけだと思います。
鈴木 4年生を胴上げすることを目標というかイメージしてこれまでやってきました。それを実現するために後輩は4年生を立てる、4年生は立てられたものを結果で返すというのがインカレだと思います。そのために、3年生はブレーキになってはいけないと思うので、僕らが4年生を立てる役割になれるといいなと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 玉置理沙子 写真 杉﨑智哉、渡邊悠太 )
四人の個性が光る明るく楽しい対談でした!最後は「おちゃらけたのもいいですか? 」という鈴木選手の一言でこのポーズになりました!
◆安孫子徹(あびこ・とおる)(※写真左)
2000(平12)年11月6日生まれ。170センチ62キロ。東京・昭和高出身。スポーツ科学部3年。内野手。右投右打。安定した守備でチームメートからも頼りになると言われる安孫子選手。インカレでは守備や打撃だけではなく、ベンチワークでもチームを支えます!
◆畠山陸(はたけやま・りく)(※写真左から2番目)
2002(平14)年4月23日生まれ。165センチ60キロ。高知西出身。スポーツ科学部1年。内野手。右投左打。日本代表にも選ばれたことのある実力の持ち主にもかかわらず、おごらない姿勢で先輩からもかわいがられている畠山選手。インカレでは1年生らしく楽しんでプレーします!
◆鈴木涼介(すずき・りょうすけ)(※写真中央)
1999(平11)年11月19日生まれ。176センチ65キロ。福島・安積黎明高出身。スポーツ科学部3年。内野手。右投左打。明るく誰にでも話しかけることができるという鈴木選手。フレンドリーな性格が対談でも伝わりました! インカレでは4年生を胴上げするべく全力でプレーします!
◆西村悠太郎(にしむら・ゆうたろう)(※写真)
1999(平11)年6月6日生まれ。169センチ65キロ。福岡・筑紫丘高出身。人間科学部4年。投手、内野手。右投右打。チームメートからは宇宙人と呼ばれるほど私生活が謎だという西村選手。ここまで副キャプテンとしてチームを引っ張って来た西村選手のバットに期待がかかります!