【連載】2021年度インカレ直前対談『大成』第1回 竹村侑大×尾松大輝×白石健祐

特集中面

 最初に登場するのはチームを盛り上げる竹村侑大(スポ4=埼玉・早大本庄)、尾松大輝(政経3=大阪・清風南海)、白石健佑(スポ3=東京・小平)の外野手3人組だ。昨年主力だった4年生が引退し、一からのチームづくりを必要とされた今年の男子部。その中で新しくレギュラーになり、試行錯誤しながら打撃や守備に取り組んできた3人にお話しを伺った。

※この取材は8月24日に行われたものです。

「新しい武器を手に入れられた」(白石)

バスターについて話す白石

――初めに東京都大学連盟春季リーグ戦(春季リーグ戦)とそのあとの練習試合を振り返るといかがでしたか。課題や収穫があれば教えてください

尾松 そうですね。春季リーグは僕個人としては打撃成績が全然良くなくて、一応チームの中ではバントとか小技で塁に出ようという風に言われていました。それでバントメインでやって行こうという話をしていたんですが、バントが決まらない。小技も全然できないなということで、リーグを終えた後キャプテン(澤優輝主将、人4=東京・国学院久我山)と話して、尾松は打っていこうということになりました。そこから練習も変えたことで今凄い調子がいいので、自分に合ったスタイルを見つけられたのかなと思います。

竹村 僕自身は全試合スタメンで出るというのが初めてだったので、実戦の経験を積めたのがとても良かったかなと思います。いろいろやりたいとを試していったなかで、バスターというかたちが自分の中ではまったと思います。リーグ戦は普通に打っていてヒットとかは出たんですが、思うようなかたちが出ていなかったなかで、最後のトーナメント戦のページ(特別ページシステム)でバスターを始めて、チームにあった打撃スタイルを見つけられたことが収穫だと思います。

白石 僕は春リーグに関しては、打撃成績は個人的には良くて、思った以上に打てたなと思います。竹村さんとかぶるんですが、自分もバスターに取り組み始めてからヒットも何本か出て、一つ新しい武器を手に入れられたのかなと思います。外野手として出たのが春季リーグが初めてで、一つ盛大なエラーをしてしまったんですが、自分にとってはいい経験になったのかなと思います。

――バスターにするというのは首脳陣の方からアドバイスがあったのでしょうか

白石 そうですね。3試合目の中大戦が終わったあたりで、振りが大きい、1から10のバッティングの中で10とか9(強いスイング)しかやってないと言われて、6とか7のバッティングをするためにバスターを始めたらどうかという風に言われて取り組み始めたのがきっかけですね。

――昨年の主力だった4年生が抜けて大きく変化したところはありますか。また今年のチームをどのようなチームだと考えていますか

竹村 基本的なスタンスは変わらないですね。走塁や小技系で相手を崩してくというのは変わらないです。大きく変わった点は…

白石  メンバーがいっぱい変わったくらいじゃないですか。

竹村 あと右バッターが増えた。

尾松 あと1年生が増えた。下がだいぶ出るようになった。

白石 あと守備位置が大きく変わりました。

竹村・尾松 それはお前だけだ(笑)。

――白石さんにお聞きします。春季リーグ戦でマスクを被ることが少なかったことに対してどのように捉えていますか

白石 キャプテンで4番の澤さんがマスクを被ることに対して何の不満もないです。キャッチャーにこだわって試合に出られないよりも、外野手として試合に出られた方が僕としてはうれしいです。

――キャッチャーとして試合に出ることよりも今は打撃に力を入れるということですね

白石 そうですね。

――続いて竹村さんと尾松さんに伺います。今年からレギュラーになられましたが意識の違いはありますか

竹村 今はこの3人で外野を守らせてもらっていますが、自分は最上級生でセンターというポジションでもあり指示出しもしなくてはいけないです。最初は試合に出始めたばかりだったので自分のことで精一杯だったのですが、最近は周りを見て自分が引っ張っていくようになったことが去年と変わった点です。

尾松 今年レギュラーになったのは、自分で勝ち取ったというより開いた穴に勝手に当てはまったという感じで、あまりレギュラーであるという自信がないです。どれだけ澤さんなど実力のある人たちにつなげられるかというような謙虚さというか、悪く言うと自信の無さみたいなものは少しあります。

――お三方とも外野手ですが、外野手の守備で気をつけていることはありますか

竹村 お互い声かけは気をつけていますね。コミュニケーションを常にとって。白石も(外野手を)始めたばかりなので一人にさせないように常に声かけをしています。

尾松 声かけが第一です。あとは、内野の人のモチベーションが下がらないような守備ができればいいかなと思います。

――エラーをしないように

尾松 そうですね。白石みたいなエラーをするとみんな怒っちゃうので(笑)。

白石 おいおい(笑)。

尾松 ピッチャーを助けられるような守備ができたらいいなと思います。

同期にしか見せない一面

同期には意外な一面を見せるという尾松

――ここからはプライベートについてお聞きします。まずお互いの紹介をお願いします

白石 尾松に関しては賢そうに見えてすごくアホなところがあります。上と下には賢く振る舞うけど、同期には違う一面を見せてくれます。あとはたまに狂った行動するのが怖いです。クーラーボックスに氷を入れるんですが、おもむろに氷を取り出して人の背後めがけて思いっきり投げてくることがあります。言える範囲ではそれぐらいです(笑)。

尾松 小学生のいたずらのようなものです。好きな相手にはやってしまいます(笑)。

竹村 尾松は白石の言う通りあまり自分を出さない。食事をおごったあとは調子に乗り始めますけど。

尾松 そうですね。竹村さんは音楽が好きです。コロナ前はよくフェスに行っていたらしいです。僕たちはフェス兄さんと呼んでいます、呼んでませんけど(笑)。あと自称料理が得意です。おつまみだったらいつでも作れると豪語していました。それから自称後輩力が高い。僕たちが後輩力の低い行動すると毎回そう言います。

竹村 それだけ(笑)?

白石 同じ主務を務めているので以前手帳買っていただきました。意外と優しい一面もあります、薄いですけど。

竹村 それで十分です(苦笑)。

尾松 白石は人を笑わせる天才です。一発ギャグしてと頼めば3秒でできます。やってもらいましょう。

白石 それはやめてくれ(笑)。

尾松 それから、ものまねは1回目だけうまいです。2回目以降は下手です。ドラえもんがオバさんになります。

竹村 白石か、うーん(沈黙)。

白石 それが一番困ります(笑)。

竹村 まあ次の主務として頑張ってほしいです。適当です(笑)。

――続いて白石さんにお聞きします。男子部のホームページ上で、特技に食べ終わりの美しさを挙げられていましたが、周りの方に言われるのでしょうか

竹村 あれ見られてるのか(笑)。

白石 食べ終わりがきれいなのは自分で勝手に思っていることです。でも本当にご飯とかも1粒残さず食べます。周りからは言われませんが、代わりに美味しそうに食べることを褒められます。

--竹村選手はオフにカラオケに行くそうですが、おはこの曲はありますか

竹村 sumikaの『Lovers』って曲が好きです。いつもsumikaを中心に歌っています。

--尾松選手は人の話を聞き流すことを特技と挙げられていましたが、よく指摘されるのでしょうか

竹村・白石 (爆笑)。

尾松 これはよく親から言われることです。一緒に住んでいた祖母が夕食の時、隣でずっと喋りかけてくるんです。だから食べながら適当に相づちをずっと打っていました。そうしたら親に言われました。子どもの頃からそうですね。

「先輩たちに恩返しできたら」(竹村)

インカレへの意気込みを語る竹村

――ではここからは今回の対談のテーマでもある全国大学選手権(インカレ)について質問していきます。お三方とも主力として出られるのは初めてだと思いますが、インカレの印象はいかかですか

白石 インカレはやっぱり特別な感じがしていて、他の大会やリーグ戦よりも、熱が入って気持ちのこもった大会だと思いますし、どうしても力が入ってしまうと思います。どこか硬くなるところもあると思うんですけど、そこは他のメンバーに助けてもらいながら頑張っていきたいと思います。

竹村 そうですね。インカレは白石と同じで特別な場所だと感じています。あとは4年生が目立つ場所だというのを1年生の時から感じています。大事な場面で最上級生に回ってきたり、最上級生が結果を出したらいい雰囲気になって勝つというのが自分の印象なので、自分も最上級生としてインカレ優勝を果たせるようにチームを引っ張っていきたいと思います。

尾松 インカレは個人的にはとても楽しい場所だと思っていて、すごいワクワクしていて、緊張以上に楽しみが勝つと思います。先ほど竹村さんも言っていたように、歴代の早稲田を見ると4年生が活躍すると勝てると思うので、僕ら3年生はどれだけお膳立てできるか、4年生にチャンスで回せるかというのを大切にしたいと思います。

――昨年の全日本大学選抜選手権(インカレ代替大会)は初戦敗退という悔しい結果に終わりましたが、どのように見ていましたか

白石 個人的にはまさかという風に初めに思いました。4年生とのお別れが早かったなという感じです。去年の4年生にすごい良くしてくれる方がいらっしゃったので、寂しい気持ちもありつつ、来年こそはリベンジしてやろうという気持ちでした。

竹村 自分もまさか1回戦で負けると思っていませんでした。あとは自分が力になれなかったという情けなさがありましたが、今年は試合に出られるので先輩たちの思いを晴らせるように頑張りたいと思います。

尾松 僕はまさかという思い以前に悔しかったです。僕は大阪出身というのもあって西のチームには絶対に負けたくないですね。あとは自分が出場したのが代走だけだったので、もっと何か貢献できたことはなかったのか、自分の実力含め情けなかったと思います。

――インカレでは毎年日体大が最大のライバルとなっていると思いますが、今年の日体大のチームをどのように見ていますか。また警戒している選手や注目している選手はいますか

白石 スターばっかりだった去年の4年生の代が抜けて、また新たなチームになったと思うんですが、個人的な印象としては去年見てたチームよりは今年の方がチャンスがあると思うので、そこまで重くはとらえてないません。注目している選手はショートの古敷谷(宗)くんですね。

――それはどのような点ででしょうか

白石 守備範囲が広くて、足も速くて、小技もできて何でもできそうな選手なので本当にすごいなと思います。

竹村 僕も去年より強いというイメージは正直ありません。リーグ戦で2回負けたんですが、自分の中では行けるなという手ごたえは感じていて、去年よりは勝てる自信があります。注目している選手は同級生で主将の倉見(育瑠)君ですね。自分はセンターで守っていて、(そこから見ていると)どんな球でも体勢を崩されずちゃんとした打球を打っていたので、すごいいいバッターだなと感じて注目しています。

尾松 日体大は個人的には手が届きそうで届かない相手だと思います。スコア的にも3-0とかで一打出れば逆転できるようなスコアですが、いかんせんチャンスがつくれていなかったので、そういう意味で届きそうで届かない相手だと思います。でもインカレで勝てばいいので、10回中1回でもいいのでその一回に精一杯頑張りたいと思います。注目選手は実はあまり名前を知らないんですが、唯一知っているのが古敷谷くんで、走攻守そろっててあとイケメンなんですよ(笑)。そういうスター性のある人に活躍されるのは腹が立つ(笑)。そういう意味で注目しています。

――他にも警戒している大学や選手はいますか

白石 西のチームですかね。今年一回もやってないですもんね。今年は遠征できていなくてまったく知らない状態なので、西のチームは怖いというか警戒しています。

――インカレに向けて今のご自身の調子はいかがでしょうか

竹村 正直今はあまり良くないです。いろいろな取り組みをしすぎてあまり結果が出ていないというのが今の状態ですが、あと2週間ちょっとあるのでその期間でうまく調整できればなと思います。

――具体的にはどのような課題でしょうか

竹村 今自分は上位にいて、相手に球数を多く投げさせて出塁するというのが自分の中であるのですが、あまりうまく粘れていないというのが今の課題です。

尾松 自分の調子としては割と良い方です。春季リーグのときはちょっとした病気で筋力が少し落ちていたのですが、そこが戻ってきたということと、自分のスタイルが明確になったという部分で、自分のなかでやる気というか戦闘態勢に入れているというのがあります。

――もう一つここを伸ばしたいというところはありますか

尾松 バッティングでちょっと三振が多いかなと思うので、ツーストライクまでに仕留める力と、ツーストライクになってからどれだけ粘れるかというところはこれからもうちょっと伸ばしていかないといけないと思います。

白石 自分の調子としてはあまり良くないほうで、バッティングが今不安定な状態なので、それを残りの期間でしっかり定めたいなと思います。守備に関しては、実戦でなかなか外野を守る機会が無くて、捕手も一人しかおらず実戦機会がないので、練習試合とかで経験をとにかく積んでインカレに臨むというイメージをしています。

――インカレ優勝に向けてチームの鍵となるのは誰だと思いますか

白石 澤さんと見せかけての?

尾松 自分とか言うの? (笑)

白石 いや俺でもある(笑)。澤さん以外ですね。周りがどれだけ頑張れるかっていう。

尾松 個人的にはピッチャーかな。あの二人(佐藤慶弥、スポ2=静岡・飛龍と稲垣拓朗、スポ1=群馬・新島学園)が抑えてくれることで試合の流れがつくれるというのはあるので。春季リーグを通して多分全員が思ったことなので、そこをどうやって上げられるか、僕らがどうやって乗せられるかというところかなと思います。

――最後に意気込みをお願いします

白石 とにかく全力を尽くすしかないと思っています。初めての大会で、プレーヤーとしてまだ分からないことだらけの状態なので、自分ができる一生懸命をインカレで発揮できれば特に問題はないかなと思っています。

尾松 僕も全力を出すことと、全力を出すためにどれだけ準備できるか。そして本番ではどれだけ好戦的な姿勢というか、「やったる」という思いを強く持っていきたいなと思います。

竹村 自分は最後の大会なので、全力を尽くして悔いの残らないようにできたらいいなと思っています。あと、自分は結構先輩方にお世話になったので、先輩たちが果たせなかった優勝というかたちで先輩たちに恩返しできたらなと思います。

――ありがとうございました! 

(取材・編集 玉置理沙子、有川隼翔、吉岡直哉 写真 是津直子)

学年を超えての仲の良さを感じられる対談でした!

◆竹村侑大(たけむら・ゆうだい)(※写真左)

1999(平11)年8月25日生まれ。168センチ68キロ。埼玉・早大本庄高出身。スポーツ科学部4年。外野手。右投右打。後輩の白石選手に手帳をプレゼントするなど優しい竹村選手。インカレでは、昨年のインカレ代替大会で優勝を逃した先輩たちの思いを晴らせるよう、全力でプレーします!

◆尾松大輝(おまつ・ひろき)(※写真中央)

2000(平12)年12月5日生まれ。172センチ62キロ。大阪・清風南海高出身。政治経済学部3年。外野手、捕手。右投左打。普段は自分を出さないけれど同期だけには意外な一面を見せるという尾松選手。インカレでは「やったる」という強い気持ちで優勝へ突き進みます!

◆白石健祐(しろいし・けんすけ)(※写真)

2000(平12)年3月1日生まれ。164センチ76キロ。東京・小平高出身。スポーツ科学部3年。捕手、外野手。右投右打。人を笑わせる天才だという白石選手。明るい笑顔が印象的です! インカレでは内野の間を打ち抜くような攻撃が期待されます!