【連載】競泳 インカレ前対談『栄虹』 第9回 松﨑りん×青木虹光

特集中面

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第9回は、女子長距離の仲良しコンビ、松﨑りん(人2=東京 日大二)と青木虹光(スポ1=群馬・明和県央)。彼女たちの笑顔の裏には、長距離という孤独な争いを制するための計り知れない努力があった。

※この取材は、8月20日に行われたものです。

お互いについて

――他己紹介をお願いします

松﨑 彼女の名前は青木虹光ちゃんと言います。自由型の長距離を得意としていて、400メートルとか800メートルが得意な選手です。いつも練習中もニコニコ、明るく練習していて、それが印象的で自分もその明るさにいつも助けられています。

青木 私もなんか恥ずかしいんですけれど、私も練習自体やっぱりきついなって思ったり、泳ぐ前にネガティブになったりすることもあるのですが、自分も明るくなってポジティブにすることで体も動きますし、周りも明るい雰囲気にさせたいなと思っているので、自分がニコニコすることで、りんさんも今言ってくれたように助けになっていることを聞いてうれしいです。

――松﨑さんの紹介をお願いします

青木
 りんさんも私と同じグループで練習していて、今までは中距離ぐらいの種目をやっていたと思うんですけれど、最近になって私と同じ長距離をされていて切磋琢磨しながら一緒に練習させてもらっています。りんさんはすごい練習が強くて、私が勝たなきゃいけないなというところでも、結構りんさんの方が速くて、「おっ」という練習が結構多々あります。りんさんと一緒に泳いでいると頑張らなきゃいけないなと思いますし、一緒にいることでお互い頑張って、大会で結果を出せていけたらいいなって思えます。今まで長距離を一緒に練習する方がいなかったので、私にとって、練習仲間でもあり、ライバルでもあり、すごく良い存在として、今一緒にいさせてもらっています。りんさんも私のこと明るいって言ってくれたんですけれど、りんさんも結構明るい人でニコニコ一緒に練習を頑張っています。

松﨑 私も結構女の子で長い距離で一緒に練習するという人が今までもいなかったので、すごい新鮮な気持ちです。きついんですけれど、絶対速くなってるなというのを実感しながら練習できているので、一緒に練習できてうれしいです。

――趣味やオフの日の過ごし方を教えてください

松﨑 最近オフの日はよくゲームをしていて、スイッチで最近はマリカーにハマっています。虹光ちゃんともよくやっています。


最近マリオカートにハマっているという松﨑


青木
 私は結構趣味が多い方で、色々動画見たりアニメを見たりすることが多いんですけれど、最近はりんさんと同じで一緒にゲームやって遊ぶことが多いです。

――オフの日もお2人は一緒にいることが多いのですか

青木 そうですね。時間が合う時は結構一緒にお互い誘い合ったりしています。

今シーズンについて

――今シーズンの目標や現時点での達成度、印象に残っているレースを教えてください

松﨑 私は今シーズンはインカレでベストを出して表彰台に乗るというのを目標にしています。早慶戦ぐらいまではベストがあまり出なくて、ちょっと止まっていましたが、この間の関カレ(関東学生選手権)でやっと自分の納得できるベストタイムを出すことができて良かったなと思いますが、でもまだちょっと表彰台には届かないタイムなので、あと2週間で頑張って仕上げていきたいなと思っています。


国際大会代表選選手考会での松﨑

青木 私も今回のインカレは400と800メートル自由形に個人種目は出場します。今まで全中(全国中学校水泳競技大会)もインターハイも結構良い調子で優勝することもできていましたが、大学生になって1年生から4年生までいるというところと、やはり普通に自分だけではなくて周りの方とかもすごくタイムを伸ばしてきているので、今大会は表彰台に上がってベストが目標なんですが、結構接戦になると思うので、私も今の持っている自己ベストよりもさらに更新できるように頑張っています。現時点としては、大学に入ってから4大会ぐらい出場したんですけれど、 400メートルの方では結構スピードがついてきたおかげでベストが出て、800メートルは最近の関カレだと前半良かったんですけど、後半かなりきつくて、全然タイムが落ちすぎてしまってベストに届きませんでした。その面を今体力面として強化しているので、あと2週間私も調整うまくして、ベストをしっかり出して表彰台や表彰台以上を狙っていきたいです。

――今回のインカレで引退される4年生もいらっしゃいますが、4年生との印象的なエピソードはありますか

松﨑 私は長距離の小原さん(小原天寧女子主将、スポ4=東京・目黒日大)と金星さん(金星洋将、スポ4=大阪・桃山学院)には本当に、練習でもそうですし、特に金星さんは毎日一緒に練習してくれて、多分金星さんがいないと練習乗り切れないんじゃないかというぐらい支えてもらいました。小原さんは学外で練習拠点が違いますが、それでも試合の時とかいつも一緒にレースにでて、本当に2人で競って、良いレースができたりするので、あとご飯とかにもよく連れて行っていただいているので、その2人には関わりが強かったなと思っています。

青木 私は4年生と半年もまだ一緒に過ごしていませんが、一緒に練習している4年生の男子の金星さんと、学内だとマネージャーさんとの関わりが多かったです。最近大学生になって初めてマネージャーさんという存在がいるので、最初は普通にタイムを取ってくれるだけなのかなって思っていたのですが、想像以上にすごくハードな仕事とかをこなしていて、私たちのために他の周りのこととか、私たちを支えてくれていました。マネージャーさんの2人は周りの気遣いもすごくできる方で、私は選手なんですけれど、周りをしっかり見ているところとかは見習いたいなって思っていて。金星さんは一緒に練習していて、長距離だと練習がきついというか、長かったりするので、人が1人いるだけでも気持ち的にも、一緒に練習していて頑張れると思っています。今りんさんが言っていた学外の天寧さんも、入学前に私が早稲田に行きたいなという話をした時から、大会とかで会った時に気遣ってくださって、入学してからもすごく先輩として接してくださって。練習の時もそうですけれど、練習以外でもご飯に連れて行っていただいたりとか仲良くさせていただいて、すごくかっこいい存在だなと感じています。

インカレについて

――インカレについて伺います、出場種目とそれぞれの目標について教えてください

松﨑 私は400メートルと800メートルの自由形に出場させていただきます。目標としては、どちらも自己ベストを更新して決勝に残って表彰台に上ることです。今のままでは多分表彰台には届かないタイムだと思うので、インカレ本番で大きく自己ベストを更新して表彰台に上りたいと思っているのと、小原さんと虹光ちゃんと2種目とも3枚残りできたらうれしいなと思っています。

青木 私もりんさんと同じく400メートルと800メートルの自由形に出場します。私も自己ベストを更新することと、表彰台以上の成績を残すことを目標としています。今のところ400メートルで結構良い記録でベストを更新できているので、その400メートルのスピードを生かしたまま800メートルにつなげて、800メートルの記録を久しぶりに大幅に更新できたらなと思っています。あとはとリレーでおそらく200×4メートルのメンバーに入っていて、りんさんと天寧さんも一緒に泳ぐメンバーで、リレーに出るのも私は初めてになってくるので200メートルは専門種目ではないですが、やはりそこでもしっかり自分の力を出し切って優勝を狙いたいと思っています。

――現在、目標達成に向けて重点的に取り組んでいることはありますか

松﨑 私はこの4月からプルの練習に結構力を入れているというか頑張っていて、腕だけを使うのではなくて、背中を使うように練習しています。それがちょっとはまっててきたのか、タイムもちょっとずつ伸びてきているので、試合本番でも練習してきたことを生かせればいいなと思います。プルは、昨年は全然進まなくて、練習にもついていくのが精一杯だったんですけれど、最近は結構速いタイムで泳げるようになってきたと思います。

青木 私は今までもそうなんですけれど、50メートルの折り返しのターンがすごく苦手でした。ターン自体はそこまで周りと差はないんですけど、泳いでる時のスピードが減速してから回ってしまうということが自分の改善するべき点で、それを早稲田に入ってから藤井監督(藤井拓郎、平20スポ卒=大阪・太成学院)に相談して、直接教えてもらうことができて、以前よりは少し改善できたなと思っています。そのターンで周りに離されないように意識を持って泳いでいます。最近8月の関カレでは、800メートルに出場した時に前半と後半のタイム差が大きかったので、その体力強化という面で練習に臨んでいて、りんさんと一緒に練習すると結構私も負けてしまうことが多いので、りんさんにいつも勝つぞという気持ちで臨んでいます。

――早大で注目している選手を教えてください

松﨑 私が注目してる選手は、同期の女子の内田さくら選手(スポ2=和歌山・向陽)です。昨年の冬ぐらいから100メートル自由形のタイムが伸びてきていて、練習も本当に毎日一生懸命やっていますし、筋トレも本当に一生懸命やっているので、インカレではまた大きく自己ベストを更新して、B決勝か、もしかしたら決勝にまで上がってくれるのではないかなと期待しています。

青木 私も同期の選手で、加藤心冨選手(スポ1=埼玉・春日部共栄)です。彼女は平泳ぎの選手で、元々100メートルが得意だったんですけど、最近になって結構200メートルでも記録伸ばしてきていて。とても速いので100メートルでも200メートルでも優勝できるのではないかと思っています。本人も二冠したいという気持ちが強いので、タイムの実績からも彼女の意気込みからも1年生から二冠して勢いづけてくれるのではないかと思っています。

――ご自身のレースでの強みや注目ポイントを教えてください

松﨑 私の注目してほしいポイントは、後半にかけてじわじわあげていってラストの50メートルで抜かすというのが結構最近のレースのパターンになってきているので、インカレで周りも速いですが、同じように前半ついていって後半でじわじわ追い詰めていってラストに抜かすというレース展開ができるように頑張りたいです。

青木 私の注目ポイントとしては、私は結構前半からいって、後半耐えるというレース展開が多くて、ベストが出る時も前半からいって、後半も前半と同じぐらいで帰ってこれるというのが私の強みだと思っています。後半の50メートルは結構私も自信あるんですけど、今回のインカレだと私以外にもりんさんもそうなんですけれど、他にも何人か後半の50メートルすごい強い選手が多くいるので、最後の粘りで負けないように頑張りたいなと思っています。

――お二方とも1年生から自由形長距離のエースとして注目されています、お互いに何か伝えたいことは

松﨑 いつも一緒に練習したり、ゲームしてくれたりありがとうございます。3枚残りの足を引っ張らないように、決勝に残れたら負けないぞということを伝えたいと思います。

青木 こちらこそ、練習で毎日一緒に泳いでくれて、先輩としてやっぱりいつも気にかけてくれて日常生活でも一緒に行動してくれてありがとうございます。インカレでは同じ種目なので、一緒に表彰台に乗りたいなという気持ちは強いですし、練習でもりんさんすごく速いので、どっちが勝ってもおかしくないというか。結構タイムが近いので私も負けたくないですけど、りんさんと一緒に表彰台に乗りたいという気持ちがあるので、一緒に頑張りましょう。


松﨑に感謝を伝える笑顔の青木


――最後にインカレに向けて、インカレ後の意気込みをそれぞれお願いします

松﨑 インカレの目標といたしましては、まず3人(小原と青木)で2種目決勝に残ることと、自分は自己ベストを更新して表彰台に乗るということを目標にしています。難しいとは思いますが、この2週間でしっかりと仕上げて、自信を持った状態でスタート台に立てるようにしたいと思います。競技生活では、日本選手権とかで決勝に残ったことがあまりないので、日本のトップで戦えるような、決勝に残って表彰台にも乗れるような選手になることが目標です。

青木 インカレでは「ニコニコ笑顔」を目標にしてます。 自分がニコニコしていたら周りも明るくできるということと、ベストが出たりとか表彰台に上がれたりしたらうれしくて笑顔になると思うので、そういう意味も込めてニコニコ笑顔っていう目標で今年は頑張ろうと思っています。種目の目標としては、自分のベストタイムを大きく更新して表彰台以上を取ることが目標です。競技の長い期間での目標としては、やはり1番はロサンゼルスオリンピックに出場できるくらいに力をつけたいということと、まだ私より長距離でもっと記録を持っている方がまだまだたくさんいるので、その人たちに追いつくか抜かせるようなタイムを出せるような選手になりたいと思っています。

――ありがとうございました!

(取材、編集 大村谷芳)

◇松﨑りん(まつざき・りん)

2004(平16)年7月13日生まれ。159センチ。東京・日大二高出身。人間科学部2年。小原女子主将から「一緒に戦ってくれた仲間」と称された松﨑選手。対談では、決勝での3枚残りへの強い覚悟が感じられました!

◇青木虹光(あおき・にこ)

2005(平17)年5月15日生まれ。167センチ。群馬・明和県央高出身。スポーツ科学部1年。東京六大学春季対抗戦では、1年生ながら優秀選手に選出された青木選手。インカレでも、彼女のニコニコ笑顔と圧巻の泳ぎで大盛り上がりのこと間違いありません!