第6回は、背泳ぎを専門とし、同郷の亀井涼子(スポ3=東京・淑徳巣鴨)と水野柚希(先理1=埼玉・栄東)。幼い頃から競い合ってきた2選手が胸の中に秘める熱い思いを語ってくれた。
※この対談は、8月20日に行われたものです。
お互いについて
――他己紹介をお願いします
亀井 柚希ちゃんとは、出身が同じでクラブの系列も一緒なので、かなり一緒になることが多くて、見るたびにどんどん速くなっていて。すごく良い子なんですよね。頭良くて水泳も速くて、でも謙虚なので欠点がないなという印象があります。
水野 涼子さんは本当に優しくて、いつも大会とかでも結構一緒に泳ぐことが多いんですけど、その泳ぐ前とかにもお話してくださったりして、大会のたびに涼子さんがいて、いつも安心してレースに臨めています。出身が同じというのもあるので前から知っていたのですが、本当に埼玉の背泳ぎといったら本当に涼子さんという感じで。ずっと昔から速いし、もう小さい頃から憧れの人だったので、こうやって今一緒に泳げて本当にうれしいです。
亀井 恐れ多いという言葉に尽きますね。年下ですけど、私も柚希ちゃんにすごく学ぶところがあるし、尊敬してる部分があるので、そんなことを言ってもらえてとてもうれしいです。
対談中、笑顔を見せる亀井
――趣味やオフの日の過ごし方を教えてください
亀井 オフの日は前までは家にこもってても平気だったのですが、最近は外に出たいなって思ってきて、外に出て美味しいものを食べに行くことが多いです。
水野 趣味というのはあまりないのですが、1日家で過ごすこともあれば、結構最近は友達と予定を合わせて一緒に色々な所に出かけたりしています。
今シーズンについて
――今シーズンの目標や現時点での達成度、印象に残っているレースを教えてください
亀井 私は昨年のインカレが終わったあたりから、100メートル背泳ぎで3位だったのですが成長してきしたいなという思いがあって、それに向けてやってきました。今年の初めくらいにケガがあって、それを引きずってしまって、早慶戦まではあまり納得のいかないタイムやレースをしてしまったことが多かったんですけれど、この間行われた関カレ(関東学生選手権)では予選だけですが、2年生のインカレぶりに1分1秒台を出すことができたので、自分にとって自信につながるレースではあったかなって思います。やはり目標にはまだまだ遠いので、それには満足せず今少しずつ調子を上げにいっているという感じです。
――関カレで調子が良かった要因は
亀井 私はいつもスイミングクラブで練習しているのですが、あまりにも早慶戦がひどかったので、何か自分の中で変えたいと思って練習拠点を大学に移しています。クラブではよく見てもらえたりとかあるのですが、まず長水路の練習が毎日できることと、それに加えて同じインカレという舞台をメインで考えているチームのみんながいることで、すごく私にとって刺激になっています。そこから私の意識も結構変わってきてるなという印象です。
選考会での亀井
水野 私は昨年1年間、あまり自分が納得いくようなレースができていませんでした。今年に入って関カレでは今までで1番、200メートルでレースプランを自分なりに立てて、このペースで入って、後半はここで抜かれないようにしようみたいなことを初めて自分なりに考えてレースしました。タイムはベストからはちょっと遠かったのですが、自分が考えていたレースプランのペース通りに泳げていたので、最近の中では1番良いレースというか、インカレに向けて自分の課題が見つかるレースができたかなと思います。
――水野さんは今年大学に入学されて環境も変わりましたが、何か変化などはありましたか
水野 やはり高校の時の水泳部が人数が少なくて、 大学に入ったら本当に周りは良い人ばかりで、みんなレベルも高いですし、意識もすごく高い人たちの中で練習しているので、今年のインカレに向けて良い状態で調整できているのかなと思います。
――今回のインカレで引退される4年生の方もいらっしゃいますが、4年生との印象的なエピソードはありますか
亀井 4年生は私が入学してから1個上でお世話になることが多くて、誰か1人を選ぶというのは難しいんですけど、私は小原さん(小原天寧女子主将、スポ4=東京・目黒日大)が1番お世話になっている感じもしますし、尊敬している人です。小原さんは、同じ学外選手ということもあって普段とても優しく気さくに話しかけてくれたりとか、周りを見てこの子はこういう子だっていうのを考えたりしているのがすごく伝わってきます。学外でも、学内の様子も見てる感じがしていて。もちろん競技面でも最近はやはりラストイヤーのパワーもあってか、どんどん自己ベストを更新してタフなレースをこなす姿だったりとかは、人間としても選手としても強い人なんだなというふうに感じています。
水野 私は入学してからあまりいっぱい交流しているというわけではないのですが、小原さんとは普段練習とかはあまり被らないのですが、こう試合に行くたびにすごい周りを見て、チーム全体として盛り上げてくれているというか、声出しとかもしてくださっているので、 私はやはり自分のことしかまだできていないので、そういうところで本当に主将としてチームを支えてくれているなと感じています。
インカレについて
――インカレについて伺います、出場種目とそれぞれの目標について教えてください
亀井 私は100メートルと200メートル背泳ぎに出場します。私は200メートルをかなり苦手としていて、今のランキングでも得点外になってしまっているのですが、私はこの2年間でベストが出ている種目の200メートルで少しでも上の順位に食い込んで、大学にここで貢献できたらなというふうに思っています。100メートルに関しては私の得意種目ですが、年下の子たちが水野さん含めかなり速くて、結構厳しい戦いにはなると思いますが、優勝を見据えて。タイムも1分00秒の前半を出して、得意とするレースプランで良い結果を出していきたいなというふうに思っています。
水野 私は100メートルと200メートルの背泳ぎに出場します。一応目標というのは自己ベスト更新としていて、順位もインカレなのですごく大事なのですが、緊張しすぎてしまうかなというところで、とりあえずは自分のレースプランを立てて、自己ベストを更新することが1番の目標かなと思います。
――現在、目標達成に向けて重点的に取り組んでいることはありますか
亀井 私は200メートルはペースが大事になってくるので、それは今まで自分が培ってきた持久力のベースを信じて、同じ泳ぎで持続できるように苦手な練習も頑張っています。100メートルも後半がとても苦手なので、いつも前半かなり速くはいって、後半のバサロでみんなから出て後半みんなに抜かされてしまうということが私の中で課題だなと思っているので、体を高い位置に保ったまま、綺麗な泳ぎで最後まで安定して泳げるようにするという練習を今重点的にしています。
水野 私は、100メートルの練習で前半から結構いってしまって、 後半泳ぎが崩れてしまうということが多かったので、今は100メートルを泳ぐとなった時に後半、最後のタッチするまで良いフォームで泳げるスピードというのを前半から考えていけるように、スピードを覚えられるようにしています。あとはやはりターンから離されてしまうので、ターンをしてからしっかりバサロキックを10回を打つということを最近重点的にやっています。
対談中の水野
――早大で注目している選手を教えてください
亀井 みんなインカレいうこともあって、 結構注目選手というのは多いのですが、1人あげるとするならば、同期の村上汰晟(スポ3=兵庫・明石南)です。 同じ背泳ぎなんですけど、彼も入学してからどんどん伸びてきてるっていうのもありますし、この間のパリオリンピック選考会(国際大会代表選手選考会)では200メートルの背泳ぎで決勝に残って、自己ベストも出して。その後の大会もここに来るまでかなり高いレベルで動いてきているので、インカレもこれはやってくれるんじゃないかなというふうに思っています。
水野 私も同期の加藤心冨(スポ1=埼玉・春日部共栄)に注目しています。私と同じで彼女も結構な負けず嫌いなので、インカレではすごいタイムで優勝してくれるのではないかと思って、彼女に注目しています。
――同じ背泳ぎが専門ということで、お互い刺激になることはありますか
亀井 さっきも練習していて柚希ちゃんは本当にレースもですが練習が本当に強くて。私も結構自分の中では練習が強いなという自信はあったのですが、やはり隣に並ばれてしまうと、スイムのうまさや持久力で、いつも気づいたら「あれ、前にいるな」ということが多いです。その柚希ちゃんに勝てるような練習をすれば、自分にとっても絶対自信になると思いながらすごい頑張ってるのですが、ただ本当に怖い存在ではあります。
水野 やはり隣で泳いでいるとあまり気にしないようにしようと思っても気になりますし、スタートしてバサロをしていくとだんだん涼子さんが離れていってしまって。このスタートからバサロのところが本当にうまいなと思っています。あとは25メートルのスプリントをやる時に、私は結構タイムが安定しないことが多いんですけど、涼子さんはいつも速くて、そこのスプリントのところでやはり離されてしまっているなって思います。キックとプルが本当に強くて、スイムでは競ることができていても、キックとプルになるともう全然、泳ぎ始めてからもうもうどんどん離されてしまって。最近はちょっと涼子さんのプルを研究させてもらっています。
――ご自身のレースでの強みや注目ポイントを教えてください
亀井 この質問に毎年同じことを答えてしまっているのですが、特に100メートルの後半のバサロが得意で結構苦しいんですけど、15メートルギリギリまで潜って、多分周りには結構失格しないかヒヤヒヤさせてると思うんですけどそこで、どんな時でも大きい大会では頭ひとつ抜ける自信があるので、そこに注目していただきたいです。
水野 200はメートルは後半追い上げるというのが自分の強みなので、そこを生かせるように頑張ります。100メートルは私も後半のバサロを最近頑張っていて、できるだけ15メートルまで潜れるようにするのでそこ注目してほしいです。
――最後にインカレに向けて、インカレ後の意気込みをそれぞれお願いします
亀井 上級生になって今までは先輩方が私たち僕たちが引っ張っていくからついてきてほしいっていうふうに言ってもらっていて、それがとても心強くて私は安心してついていけていたのですが、いざ自分がその3年生という上級生の立場になってきて、やっぱり結果で示さなければいけないけれど、でも考えすぎてしまうと共倒れになってしまうという結構メンタル的に難しいなということを自分でも感じています。でもそれはプレッシャーとは感じずに、自分が良い影響を与えるんだというふうに考えて、もちろん柚希ちゃんと一緒に高いところにいけたら、それはもうとてもうれしいことですし、自分の今できるベストパフォーマンスを出しきれるように頑張っていきたいです。今後の競技生活については、私は来年の4年生のインカレで引退するつもりなので、引退するまでには日本代表になってみたいという気持ちがあるので、インカレの次の目標としては来年の4月に行われる日本選手権でユニバーシアードの出場権を獲得すること、それを経て最後のインカレで笑って終われるようにしたいなと考えています。
水野 私はインカレで1年生という立場で、1番プレッシャーもない立場で泳げると思うので、あまり緊張しすぎないでリラックスして自己ベストを更新できれば良いかなと思っています。これからの競技生活は、やはり日本代表に入りたいという気持ちが強くて、来年1番近い試合だと日本短水路選手権(日本選手権(25m)水泳競技大会)で世界短水路選手権の代表が決まるので、そこで頑張りたいです。あとは来年の日本選手権で、世界水泳の代表が決まるので、そこで自己ベストを更新して代表に入れたら良いかなと思っています。
――ありがとうございました!
(取材、編集 大村谷芳)
◇亀井涼子(かめい・りょうこ)
2003(平15)年5月30日生まれ。166センチ。東京・淑徳巣鴨高出身。スポーツ科学部3年。水野選手から絶大な信頼を受ける亀井選手。対談では、上級生として下級生を引っ張っていくという覚悟が感じられました!
◇水野柚希(みずの・ゆずき)
2005(平17)年5月16日生まれ。163センチ。埼玉・栄東高出身。基幹理工学部1年。水野選手の好きな言葉は「ケセラセラ」。インカレでも1年生らしいフレッシュな泳ぎに期待できそうです!