第２回はＣ石坂悠月副将（スポ４＝東京・国学院久我山）、Ｃ高羽優介（法４＝東京・早大学院）、Ｃ初宮嘉一（スポ３＝東京・頴明館）のセンター陣対談。チームを支えるビッグマン３人に、リーグ戦に向けた想いを伺った。
※この取材は８月６日に行われたものです。
対談中、笑顔を見せる３人
お互いの紹介
――最初に他己紹介をお願いします
初宮 こんにちは、高羽優介です。
石坂 なりきる感じじゃないでしょ（笑）。
初宮 え、違うんですか（笑）。早大学院高出身で、大学からバスケを始めました。趣味は野球観戦で、阪神が負けるといつもキレています。今は鼻が折れてしまっていて、ビッグマン２人に迷惑をかけています。昨日まで胃腸炎で倒れていて、ずっとお腹が痛いです。バスケは、春から悠月さんが休んでいてきつい重いをしながらも頑張りました。
高羽 石坂悠月です。国学院久我山高出身で、１年生からチームを支えてくれていたビッグマンだったので、春は悠月がいなくてチーム的にもしんどい時期でした。それでも初宮とかが頑張ってくれて、なんとか耐えたかなと思っています。悠月は意外に喋らないタイプなんですけど、いつもみんなを笑わせてくれる優しいやつです。最近はダンクもいっぱい練習して（チームを）盛り上げてくれているので、今後に期待です。
石坂 初宮嘉一は、最近練習を頑張っているんですけど、途中で吐いたりして。ただでさえ高羽がけがでいないのに、こいつも途中で「しんどい～」とか言っていなくなるので負担になっています。それでも春は高羽と初宮が本当に頑張ってくれて。今年はこの３人で留学生相手に１部昇格目指して頑張ろうというモチベーションにもなっていますし、すごく良い２人の仲間だと思っています。初宮はこんな顔してる割にはビッグマンの中で一番運動神経が良くて、走るのも速くて。オフェンス面とかで特に貢献してくれていて、みんなそれぞれ良いところがあります。性格はちょっとあれですけど（笑）。
初宮 えぇ？（笑）
対談中の石坂副将
――３人の関係性は
石坂 全員ほぼ同い年みたいなもんですね。こいつ（初宮）のせいで（笑）。舐め腐ってるので。
初宮 親友みたいな。頼れる友達です。
高羽 去年も悠月が一人で出ずっぱりだったので、そこを僕と初宮で緩和していくというのが今年の目標でもあるかなと思っています。
――お互いの尊敬しているところは
石坂 初宮の尊敬しているところですよね。まあ、うーん…。
初宮 えぇ？ うそぉ（笑）。
高羽 誰にでもフランクに話しかけられるし、友達がめちゃくちゃ多いのはうらやましいなと思います。最近就活も頑張っていて、好奇心旺盛すぎて時々不安になることもあるんですけど。このままのキャラって感じです。
石坂 僕はバスケの面で言うと…、尊敬しているところ…？
初宮 えぇ？ あるやろたくさん。
石坂 本当に練習とかでもチームで一番体張って、さっきも言った運動神経を生かしてリバウンド取ったり得点したりしています。この３年間一緒にいて、今一番頑張っているのかなと思っています。尊敬は違うな…。
初宮 え、尊敬でしょ（笑）。
――良いと思っている…？
石坂 そうですね。今年は頼りにしているというか、この３人で頑張りたいと思っています。
初宮 高羽さんはやっぱり賢く生きていて、友達も多くてつながりも凄いし、色々な人に話しかけられて。かっこいいのでモテるっていうのがうらやましいです。バスケも一番体張って、けがしながらも休まず毎日来ていて、一番頑張っていると思っています。悠月さんは、やっぱりかっこいいので（笑）。
石坂 いじってるだろこいつ（笑）。
初宮 モテるっていうのがうらやましいですね。中身も良い人で、オフの日にはみんなで遊んでくれたり、授業の合間に飯行ったり。バレーボール（の授業）も一緒に取っているんですけど、負けたくないという気持ちがありますね（笑）。プレーでは一番ＩＱが高くてディフェンスがうまいので、参考にしながら、悠月さんに負けたくないという気持ちで頑張っています。
――３人は同じポジションですが、お互いライバル意識はありますか
石坂 僕は毎日練習の中でそう思っていて。去年よりもこの３人全員プレータイムが増えて、プレータイムを競うという中でも練習中にリバウンドの取り合いとかお互い良い感じで競い合っていますし、オフコートになったら友達みたいなすごく良い関係を築けていて、メリハリがしっかり付けられていて良いと思います。
高羽 やっぱり練習中のマッチアップは他の選手よりも意識しているところはあるかなと思います。リバウンド取られたくないとか、抜かれたくないとか。そういうところで意識し合いながらやっていけていると思っています。
初宮 僕もやっぱりこの２人には絶対負けたくないと思っています。２人は足が遅いので（笑）。走り負けしないようにという思いがあります。
今季の試合を振り返って
――関東大学選手権（トーナメント）に出場された高羽選手と初宮選手は、大会を振り返っていかがですか
高羽 春のトーナメント前に悠月がけがをして、チームがしんどかったかなというのがありました。３年間ずっと悠月に助けられてきていて、ここで僕たちも成長しなきゃいけないなというのは初宮も感じていたと思います。そんな中でもなんとか目標としていたベスト８に入れたのは良かったんですけど、１部の留学生とか２部の青山学院さんとかビッグマンが相手のところで悠月のありがたさを学びました。僕たちも試合に絡めたからこそ感じられることがたくさんあったので、良い経験になったなと思っています。
初宮 自分も悠月さんがいない穴をどう埋めるか高羽さんと考えつつ、頑張ろうという気持ちで目標に向かって切磋琢磨しました。結果ベスト８に入ることができて、自分の中でも成長できたスプリングトーナメントだったと思います。
対談中の初宮
――早慶戦を振り返っていかがですか
石坂 僕たちはまずアップでテンション上がっていて（笑）。全員ダンクしてやろうみたいな。いざアップになったらみんなダンクしすぎてあんまり盛り上がらなかったです（笑）。そういうのも含めて最後の早慶戦はお祭りみたいな感じですごく楽しかったですし、次のリーグ戦につながる良い試合もできていたと思います。
高羽 僕も楽しかったなというのと、たかが大学の１試合にあれだけ観客の皆さんが入ってくれるのは改めてすごいことだなと思ったし、関係者の方とかＯＢ・スタッフたちに改めて感謝しないとなと感じた試合でした。最後に４年生と一緒に勝てたのはうれしかったですし、リーグ戦につながる試合ができたのは自分にとって良い財産になったと思います。
初宮 自分は緊張が一番大きかったですね。初めて出場して、こんな感じなんだって。アドレナリンも出まくりで、前半飛ばしすぎて後半は体も動かなくて。それでも楽しかったですし、リーグ戦につながる良い試合だったなと思いました。
リーグ戦について
――去年のリーグ戦を振り返っていかがですか
初宮 僕はあまり試合に絡めていなくて、ベンチにいて応援していたんですけど、厳しい状況がずっと続いている中でどうチームに貢献しようかと考えていました。練習からチームの士気を高めるために、何をすれば良いか考えていた感じです。
高羽 チーム的にもしんどかったですし、個人的にも全然（試合に）出られなかったです。悠月が疲れている中ずっと出されていて、チームとしては本当にフラストレーションとかしんどい部分があって。星川さん（星川堅信、令６スポ卒、現越谷アルファーズ）という偉大な４年生もいて、４年生のすごさを感じたリーグ戦でした。
石坂 リーグ戦前半の方はプレータイムをもらっていましたが、後半になるにつれ出られなくなって、すごく難しいリーグ戦でした。今思い返すともったいない試合が多かったかなと感じていて、勝ち切れなかったり追いつかれて逆転されたりっていうのも多くて。２部降格が決まった時も後輩に申し訳なく感じたし、来年自分たちが最上級生でどうやっていくのか思い悩んだリーグ戦でした。
――個人的に去年から成長したところをは
初宮 全部なんですけど…。
石坂 最高やん（笑）。
初宮 ディフェンスは細かいところに対して経験を積んでいって、リバウンドとかリムランとかも少しずつではありますが成長できたかなと思っています。
高羽 自分の中ではまだまだ成長したいと思っていますが、プレータイムをもらえるようになったことは自分の中では大きいと思っています。ずっと試合に出たいけど出られない葛藤がある中で、今までは外からの声かけでチームに貢献したいと思っていました。やっとプレーでもチームに貢献できるようになって、もっと貢献したいという気持ちを持てるようになったところが成長できたなと思っています。
石坂 僕は去年より考えて喋るようになったかなと思っています。去年まではがむしゃらに声出してディフェンスしてみたいな感じだったんですけど、今年からはガード陣とかフォワード陣とよく話して、どういう時にスクリーンが欲しいかみたいなことをよく考えています。ディフェンスはもちろんオフェンスの部分でもたくさんしゃべるようになって、それにつれてだんだん味方の癖とかも分かってきました。
――今年度のチームの強みは
石坂 去年までもそうでしたが、今年は特にしつこさにこだわっています。三原ヘッドコーチ（三原学ヘッドコーチ、平16スポ卒＝東京・安田学園）をはじめリバウンドやディフェンスのしつこさにはすごくこだわりを持っていて、練習の中でも去年よりルーズボールとかリバウンド、ディフェンスのところを追求する時間が増えているように思います。
高羽 僕も悠月と同じで。あとは仲が良いというのがあると思います。練習前でもみんな仲良くしゃべっていますし、ただの仲良しチームになるんじゃなくて、チームとして向上していけるようにというのは自分たちで声かけしています。仲の良さがもっと良い方向に向いて、チームの強みとして生きるように頑張っています。
初宮 ２人と似ているところが多いのと、今年は走ることを大事にしています。瑛司（下山瑛司、スポ２＝愛知・中部第一）というガードがいて思い切りプッシュしてくれて、それに周りが合わせて良い速攻が何本も出ている印象です。
――リーグ戦の注目選手は
初宮 ここ（石坂と高羽）はなしですか？
石坂 僕もここ２人で。
高羽 僕もここ２人で（笑）。
石坂 そんなんあかんよ（笑）。
一同 （笑）。
石坂 まじでここ２人ですね。去年よりもプレータイムをシェアして一緒に戦う時間が増えると思うし、２部で留学生につく経験をこれからたくさんしていく中で、ここ２人が僕と一緒に体を張るところとか、献身的にプレーするところに注目してほしいです。今年のチームで一番大事なのはビッグマンで、僕を含めこの３人は他の選手からも期待されていると思うので、一緒に頑張りたいです。
高羽 僕も初宮と悠月を挙げたいです。もちろん悠月は去年から頑張ってくれていて今まで通り注目してほしいなと思います。もうあと１人挙げるなら慶記（飯島慶記主将、人４＝茨城・下妻一）を挙げたいです。去年は慶記自身けがとかでしんどい部分があって思うようにプレーできないところもあったんですけど、今年はキャプテンとしても一選手としてもディフェンスとかルーズボールとかでチームを支えてくれる、本当に早稲田バスケットを体現している選手だなと思っています。今年の主将である飯島くんに注目してほしいなと思っています。
初宮 ここ２人は当たり前に注目してもらいたいんですけど、もう１人挙げるなら同期の岩屋頼（スポ３＝京都・洛南）というガードです。彼は３×３の世代別日本代表を経験していて、去年と違って外からのシュートも打つようになって高確率で決めてきますし、ＩＱも高くて幅広いプレーができるので、彼には絶対注目してほしいです。
対談中の高羽
――リーグ戦を見に来る方々に向けて、見てほしい注目ポイントを教えてください
高羽 チームの一体感を見てほしいです。身長も低いし、バケモノみたいな選手がいるわけでもない中で、チーム力で２部優勝・１部復帰を目指してやっています。早稲田大学バスケットボール部という１つのまとまりとして、ハードに守って走って勝つというバスケをやろうと頑張っているので、チーム力を見てほしいです。
石坂 具体的なところでいうと、ディフェンスに注目してほしいです。今年はすごくディフェンスの練習をしていて、さまざまなプレーを想定してさまざまなディフェンスを試すことを重点的にやっています。個人個人で守る能力ももちろんですが、高羽が言ったようなチームで守るしつこいディフェンスを今年はたくさん見られると思うので、注目してほしいです。
初宮 僕は全員がハッスルするところかなと思っています。昨年より粘ってしつこくいこうみたいな感じで、ルーズボールダイブとかリバウンドとかも皆でしつこくいこうというところが今年の注目ポイントじゃないかなと思っています。
――最後にリーグ戦への意気込みをお願いします
初宮 目標である１部昇格に向けて、まず２部で圧勝、全勝して１位になって、１部に上がりたいです。
高羽 僕も４年間の最後として２部で勝って優勝して、インカレに出場して、１部（で戦う）という権利を来年の初宮の代に渡して卒業したいなと思っているので、チームとしては絶対に勝ちたいなと思っています。個人としてはけがを今すぐ治して、悠月とか初宮とかとプレータイムをシェアしながらも、チームのために頑張りたいなという気持ちです。
石坂 僕は１年生の頃からありがたいことにプレータイムを多く頂いていて、その分４年間の集大成をリーグ戦で見せたいなと思っています。後輩のため、今後のためにも必ず１部昇格という目標を達成して、最高のかたちでリーグ戦を終えたいなと思っています。頑張ります！
ーーありがとうございました！
（取材・編集 三浦佑亮、権藤彩乃）
◆石坂悠月（いしざか・ゆづき）（※写真右）
２００３（平15）年３月22日生まれ。195センチ。東京・国学院久我山高出身。スポーツ科学部４年。最近なぜか頻繁に足がつるという石坂選手。解決策を絶賛募集中です！
◆高羽優介（たかば・ゆうすけ）（※写真左）
２００２（平14）年11月３日生まれ。192センチ。東京・早大学院高出身。法学部４年。高羽選手がハマっているのは丸亀製麺の「丸亀うどーなつ」。きびとう味がイチオシだそうです！
◆初宮嘉一（はつみや・よしかず）
２００３（平15）年11月25日生まれ。195センチ。東京・頴明館高出身。スポーツ科学部３年。柔道の授業を履修している初宮選手。パリ五輪を見て技のすごさを実感したそうです！