【連載】ア式蹴球部 早慶クラシコ&総理大臣杯前対談 第10回 ヒル袈依廉×神橋良汰

特集中面

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対談第10回はプロ内定守備コンビ、サンフレッチェ広島内定・ヒル袈依廉(スポ4=鹿児島城西)と川崎フロンターレ内定・神橋良汰(スポ4=川崎フロンターレU18)の二人。

ーー今季100周年の節目の年ということもありますが、ここまでを振り返ってチームとして、個人としてはいかがですか
ヒル 入ってきた時から100周年ということは強く意識していた中で、4年生としてもそうですし、これまで以上に責任感を持ってやっていかないとなという強い覚悟というのは必要になってきてます。今シーズンの当初は、プレシーズンマッチで調子良かった中で、開幕して苦い経験をしました。チームも、僕自身もケガがあった中で、真価を問われる時期だと思うんですけど、仕上がり的には良くなっているのかなと思います。
神橋 ヒルも言ってくれたように、プレシーズンまでは色々遠征が多い中で、僕ら2人はデンソーカップとかシーズン入る前はかなり良い仕上がりで、チームとして高いモチベーションですごくやれてて、島原のフェスティバルだったり、モチベーションが上がりやすいレギュレーションが多い時期だったのでチームとしてモチベーションが高くて、手応えある試合をみんな重ねてこれました。でも実際リーグ入ってみると、その波には乗れず。去年感じた難しさというところは今年も同じように痛感していてチームとしてなかなか勝てない状況だったり、早稲田の勝負弱さだったり、前期振り返って大きく感じるなってところはあります。個人的には、結構早い段階でケガしてしまってチームを離脱することがありましたけど、こういう経験(長期離脱)も、大学4年間で初めてだったので責任感だったりチームに大きく迷惑をかけたなという気持ちはあります。ケガをした後にどういう行動をしたら良いかっていうのはすごく考えてたので、実際長期離脱して戻ってきた後の振る舞いとしてはすごく個人的には意識していたのでチームとしてのまとまりはあると思いますけど、実際に結果が出ていないので非常に難しくて、今が真価を問われる時期かなと思います。

ーーケガの期間中は、どんなことを考えたり、チームの状況をどんなふうに見て過ごしましたか
ヒル 僕も大学入って長期離脱を初めて経験して、いざチームを離れてみると成長のスピードってめっちゃ早いなと、チームを外から見ていて強く感じて、俺も休んでられないなと、すぐ復帰してすぐスタメンを取らないと、プロ内定している身としても足りない部分はたくさんあると感じたので、そこのチームの成長の速さというところと、ケガした時期っていうのも僕自身のプレーとしてもメンタル的な部分でも落ちてしまった時期だったのでその分苦い経験はしました。指のケガだったので、足元のところは引き続きトレーニングできる中でフィールドに練習に混じって練習重ねることはできたので、そこら辺の雰囲気ってところは途絶えることなく捉えられたので、(チームにも)うまくついていけていました。復帰したら4年生、プロ内定している身として示さないといけないというところはあるので、発信する力というところはすごく意識している途中になります。
神橋 自分はリーグ始まって割と早い段階で、鎖骨骨折してしまって実際に手術して入院したり、結構チームを離脱して3週くらいチームを離れる時期がありましたけど、その前にJリーグの方からお話を頂いていたので、お話を頂いた中でより責任強く、チームを引っ張っていかなきゃないけない立場であるという中での大ケガだったので、実際ついてないなというか、厳しいことになってしまったなというのはありました。けどケガしてしまったことはしょうがないので、それを切り替えてチームに戻ったときに、チーム付きだったり、ベンチに入っていって選手とコミュニケーションを取ったり、別の角度で間接的ではありますけど、チームの勝利に貢献するっていうところも、チームに平日の練習とかも早めに行ってリハビリしてなるべくみんなの練習の側に入ってみて、声掛けしたりとか、自分が戻ってきた時に、急に戻るんじゃなくて、チームに溶け込んである状態っていうのを自分で作り出そうと思ってました。そういう行動は自然に自分の中でできたと思うので、自分はそういう貢献の仕方はすごく意識して、ケガの期間はやってました。

デンソーカップに出場したヒル

ーー今シーズンで特に印象に残った出来事はありますか
ヒル アミノバイタルカップを勝ち抜いた場面ですかね。リーグ開幕からうまく行ってないことが続いた中で直前になって勝ちを積み上げて行き、上手く自信がついたところでのアミノで、本当にうまくいかないところの連続でしたけど、劇的同点だったり勝ち越しを、チームとしても経験して、最後も海本(慶太朗、スポ2=大宮アルディージャU18)のPKとかで、ギリギリですけど出場権獲得して、日本一取れるチャンスを広げることができたので、そこは印象的なところかなと思います。
神橋 自分もアミノの明治との試合で、スコアから見るように、結果も内容も衝撃的な試合だったなというふうに感じています。自分はケガが治ってなかったので、チーム付きとしてベンチに入って試合に挑みましたけど、結果的に試合を時間が経っていく中でどんどん失点していくチームの崩れかかるシーンだったりっていうのをピッチサイドで間近でみていた自分が試合に出れないっていう悔しさだったり情けなさをずっと感じながら見ていましたし、明治とは今リーグ違いますけど、僕らが1、2年のときは一緒で、なかなか勝てない相手なので自分が4年になったら勝ちたいなと思ってた中で、自分の代であれだけ失点して、大敗してしまうっていうのは自分たちはまだまだだなというのを痛感させられた試合だったなと思います。

––リーグ戦では現在7位(取材時点)という位置にいますが、自分たちの現在地はどこだと感じますか
ヒル 非常に混戦しているという印象があるので1回勝てば上がるし、1回負ければ下の方に行ってしまうっていうわかりやすいリーグ順位になっていてそれくらい1試合の重みが確かにあると思うんで、今年だけじゃなくてそれはもう去年経験していることなので、その中で一昨年は降格してしまったりとか、後勝ち点2で上がれなかったっていうギリギリの部分で一緒に戦っているかっていう部分があるので大切に、慎重に、チーム全員で自信を持ってやっていけば、昇格っていうところは間違いなく手に届くところにあると思ってます。
神橋 リーグが混戦していて、ここ3試合勝ちなしですけど、3試合前を振り返った時、僕たちは3位だったので、これくらい非常に混戦しているのと、1試合の重みっていうのは最近感じています。チームの目標として日本一を掲げている中で、前回のアミノで関東10位だったので、現在地としては関東10位のチーム。日本一を目指す中で、自分たちの現在地はまだまだ低いと思います。その中で、チームがみんな必死でやってるんで、危機感を持って練習に取り組めているかなと思います。

ーーここ最近の試合は僅差で負けてしまっていますが、チームが勝利を掴むために何かも必要だと思いますか
ヒル 前節(12節産能大戦)の試合が全てを物語っているなと思っていて、前半にまた追加点を取ったけど、終盤間際に追いつかれてしまうっていう。最近入りってところを意識していた中で、前節は(試合の)締め方っていう課題が新しく見つかって、90分を通して、気を落とせないなというとことを、この3試合、特に前節で感じて、特に課題なのはゴール前のところ。練習の雰囲気、熱量っていうのは兵藤さん(兵藤慎剛監督、平20スポ卒=長崎・国見)から口酸っぱく言われていることなので、かなりこの3試合だけでも課題は多く見つかっているので、うまく次の法政戦に繋げて、全ては修正できないかもしれないんですけど、一つ一つやっていけば問題ないかなとは思っています。
神橋 実際にケガ人等含めて、今シーズンはフルメンバーで戦えてないっていうのはありますけど、それは置いといて、チームとして、ヒルも今言ってくれましたけど、チームとして今の課題は試合の入り方と、試合の締め方ってとこは間違いなく、平日のゲバルト(紅白戦)含めて顕著に出てるなっていうのは全員が今感じてるかなって思います。

ーーここから個人としてこだわりたいこと、磨き上げていきたいことはありますか?
ヒル チームを離脱していった中で、個人的にも多少の自信を失ってしまって、そこら辺の自信を取り戻す作業っていうのは、復帰してから常に自分の中で模索していく中で徐々にですけどゲームとかで自分の強みを出したりして、修正してきてはいるのでそこら辺のチーム全体の信頼感をこの夏の期間で取り戻していって、総理大臣杯、9月からまた再開される関東リーグにベストな状態で臨めたらいいなと思っています。
神橋 自分もケガ明けなので試合感を戻すっていうところと、信頼のところに関してはやっぱりシーズン明けてから早めに離脱してしまったので、4年生としての自分の存在証明はチームに示していきたいですし、自分がいたら勝てるよねとか、自分が試合出てる時は負けないなっていうのをみんなに思わせるというのは、今の自分の目標だと感じてて、技術がある選手が多いですけど、技術だけでは勝てないというのは、ずっと感じてきているので。精神的な部分で、後ろから引っ張る声だったりリーダーシップを張る部分は、自分が率先してやっていかなければいけないなと思います。

ーーア式の一員として戦うのは長くてもあと5ヶ月ですが、ラストイヤーで成し遂げたいことはありますか
ヒル この夏で全てをかけて、チーム全体で底上げして今シーズン1の状態で大臣杯を迎えて、日本一とそこら辺の自信だったり結束力ってところは問われるかと思うので、そこで優勝して日本一を取って、インカレ出場を実現させたいなと思います。
神橋 リーグ優勝ってところは何としても成し遂げたいなと思っています。前期今厳しい状況にありますけど、大臣杯だったら結果を出して11月にはリーグは終わりますけど1日でも長くインカレだったり、ア式蹴球部員としてサッカーをやれる日数っていうのは自分たちの力で伸ばせると思うので、まずはリーグのところではありますけど、大臣杯であったりも含めてしっかりいい結果を残せるようにチームで準備していきたいです。

ーー最高学年として意識することはありますか
ヒル もちろん4年生というところで、例年の4年生を見てて、4年生からの発信力だったり、影響力っていうものはものすごく大きくて、そういうところを大事にしている組織だったので、そこをうまく受け継ぎながら、自分なりに雰囲気作りってところをやっています。ゴールキーパーってところもあって、もっともっと出せるんじゃないかってところは監督から伝えられてはいて、そういったところを意識してはいるんですけど、まだまだ足りないというのは自覚してるので意識していきたいなと思ってます。
神橋 自分もまあ4年生として毎日の練習を質の高い練習にできるかってところで、発信する部分っていうのは自分の中で4年生になってからは意識し始めたかなというふうに感じてて、自分もその身に甘えてたというか淡々と練習する日々が続きましたけど、最終学年として何をしなきゃいけないかとか、下級生にどういう態度を見せなきゃ行けないのかっていうのは少しずつ感じてきてはいるので、特に自分はバックラインですし、喋るのも1つの仕事だと思うし、気負いすぎずチームとしてよりより活発なトレーニングができれば、週末の試合にいい影響ができるのかなと思うので、後ろから発信する部分は1人のいい選手として成長するための要素でしかないかなと思うので、そういったところは意識してしているかなと思います。

ーーお二人は来年プロの舞台が待っています。今の心境はいかがですか
ヒル 間違いなくゴールキーパーのレベルっていうのは、広島(J1・サンフレッチェ広島)が1番トップレベルにあるのかなっていうのは自覚していて、そこに飛び込むって中で今まで以上に厳しい環境が待ち受けているのかなと思うんですけど成長していって絶対的な守護神がいる中でそこを越えるってところを目標に今からでも準備している部分はあるのでしっかりと競争できるような状態に戻していきたいなと思います。
神橋 自分も中学校高校とフロンターレの下部組織としてお世話になったクラブに戻れるというところで、まず嬉しく思っています。自分が大学を選んだのも4年後にフロンターレに戻るってところを軸に考えてレベルの高いステージで戦いたいなと思ってきたので、一つ大きな目標を達成したことはすごく嬉しいですし、ホッとしている部分ではあるかなと思います。ただ今の状態ではJ1でスタメンを取るのは厳しいと思うので挑戦するからには大学でしっかり結果を残して、少しでも可能性をのこしながら、プロの世界に飛び込めるように、プロを意識したプレーだったり行動ってところはより一層責任がついてくると思うので、意識しながらやっていきたいなというふうにします。

ーー昨年の対談で、ヒル選手は「プロ内定選手という肩書きがつくからそういう目で(プロ内定選手の先輩を)見入ってしまう」と、おっしゃっていましたが、今年ご自身がその立場になって、チーム内で後輩たちにどのような姿を見せて行きたいですか
ヒル 常に見られ方ってところは週末の試合とかその場だけを見てるお客さんにも、見られ方っていうのは非常に難しいところがあるので、1秒たりとも気は抜けないという状況が続いてる中で、けどさっき神橋が言ってたように自分のプレーを背中で見せるじゃないですけど後輩に見せていけば、自ずと信頼感だったり目標にされる選手ってところになってくると思うので、そう言ったところは常に意識はしてます。
神橋 自分も、プロだからこうできなきゃいけないっていうのは考えすぎず、今行動してるかなと思ってます。実際にプロ内定選手として、さすがだなというかプレーで示すってところは一つしなきゃいけない部分だと思うので、ピッチ外での取り組みってところも、後輩は絶対見てると思いますし、気は抜けないなと思うので選手としてというか、4年生としてというか、そっちの方が自分はそういう意識が強いかなと思うので後輩に示しがつくような行動をできればなと思います。

対談中の神橋

——お互いのプライベート面に関する他己紹介お願いします
ヒル これ言える範囲?
神橋 頼むよ(笑)。
ヒル 身長も近いってところで、お互い190cm超えて、そういったところの考え方は似てる部分があると思うので。例えば試合会場でデカい選手見つけると、あいつどうって。 
神橋 毎回言うよな(笑)。
ヒル ちょっとデカいやつ見つけたら、あいつちょっとでかいって(笑)。
神橋 確認する。
ヒル 190センチ超えてなかったらまだまだでしょみたいな。
神橋 うん、絶対やるね。負けたくないもんね。
ヒル 負けたくないってところは、お互いあると思うんで。けど神橋は常に身長負けてるって言うか(笑)。日頃から感じてはいると思うんで、僕も身長縮むことなくこのまま逃げ切りたいなと思ってるんで、そういったとこですかね。
神橋 なんだろうな。ヒルは、自分が思うにも、学年の中で1番優しい性格かなって思ってて。すごくチームメート思いというか、ダメって言ってるところを聞いたことないっていうか。それくらいすごくヒルは優しいんで。でも、デカい選手優しくなりがちっていうのは正直あるんですけど、その中でもヒルはすごく優しい。それはもうみんな寮生も言ってるので。ヒルは優しい性格かなって一途なので。素敵な日々を送ってるんじゃないかなと、羨ましいなと思ってますけど。そういうとこは一つヒルの魅力なのかなって思います。
ヒル 嫌われたくないんですよね、僕は(笑)。キーパーでこういう性格だとダメなんですけどね。
神橋 けど、キーパーって変わってるから。
ヒル まあね。変なやつばっかだね。
神橋 ヒルは良い意味で変わってます。

ーー他のキーパーはどうですか?
ヒル 早稲田は特に、異種格闘戦みたいな。すごいよね。考えてることわかんない先輩もいたりとか、奇声を上げる後輩がいたりとか。良いチームではあるんですけど。
神橋 仲良いよね。
ヒル フィールドとは違うメニューをするってところの結束力があると思うので、キーパーはバカなやつが多いってところは特に早稲田はあるのかなと思いますね。
神橋 ですね。そんな感じですね。

ーー最近ハマっていることを教えてください。ヒル選手は、シティーズスカイライン。神橋選手は温泉と回答されてましたが
神橋 え、え、なんて?
ヒル シティーズスカイラインっていう街作りゲームがあるんですけど。
神橋 スマホ?
ヒル いや、プレステがリアルで。いろいろ道路の位置を変えたりとか、幅を変えたりして、細かいところがあるんですけど、そうですね、市長になった気分で、いろんな視点で物事を考えるって意味ではそこら辺は日々成長しながら遊んでるって感じですね(笑)

ーーサッカーにも生かされてますか
ヒル 間違いなく生かされてます。
神橋 温泉は、今も継続して、ここ最近始めたことで。同期の光田脩人(スポ4=名古屋グランパスU18)と東廉(スポ4=清水エスパルスユース)と3人でここら辺の近くの温泉に行って、サウナ入ったり温泉入ってサッカーのこともそうですし、プライベートのこともしたり温泉浸かりながら3人で喋ってるのがすごい良いなと思ってて、寮の中だったら良いなって思ってることも、裸の関係というか、普段話さないような話題だったりコミュニケーションが取れるんで。風呂上がった後のリラックススペースがあるんですけど、そういうのでだらしない3人なんでずっとこうゆっくりして時間潰しちゃうんで。良い意味でも悪い意味でも仲良いんで。時間を無駄にしてしまうのも最近はいいかなって思うので。よねんせいなので授業ももうないので、みんな暇なので。結構時間がある中で、温泉に3人で行くことが増えました。逆に地元で遊ぶことが減ってきたので両立できるように頑張ろうかなと思います。

ーー残りの大学生活で、プライベートでやりたいことはありますか
ヒル 振り返ってみて、寮生との時間は最近無いなと思ったんで、残り少ないのでそっち重視に過ごしていきたいなって今思いましたね。過ごしたいなと思ってます。
神橋 友情重視で。
ヒル そうね。
神橋 自分も、どっかのタイミングでお話しさせてもらったんですけど寮生でどっか旅行行ければなって。みんな口にしてますけど、なんやかんやにあふとかさんおふとかたまにあるんですけど。結構彼女が入ってますとかなんか言われるんで、結構なくなっちゃうんで。なかなかタイミングが合わないんですけど。どこかしらのタイミングで大学生のうちにみんなで旅行行ければなって。社会人になったらオフとか休みとかだいぶ減ると思うんで。大学生のうちに1回どっかしら行ければなと思います。

ーー去年の総理大臣杯はどうでしたか
ヒル 去年は3位という形で全国に乗り込んで、チームとしてもすごく雰囲気の良い中での久しぶりの全国大会ということで、チーム全体みんな盛り上がってたし、ギラギラしてたんで、ものすごく良い成績が残せるなっていうふうには僕自身も感じてはいたので、その中でも関西のチーム相手に2試合とも苦しい戦いをしていた中で、関学に最後力の差を見せつけられたってところで、僕だったら勝ってたんじゃないかってところを正直感じちゃったりして、その前のアピールが足りなかったりって部分は反省があったので、ここからの大臣杯に向けては去年よりも一層大事にしていきたいなと思ってます。
神橋 大臣杯もそうですし、その前のアミノからただだた悔しさだけが残った大会だなと感じていて、自分もケガはしてなかったですし、自分にも出るチャンスがあったにも関わらず、準決勝で久々にスタメンで試合出れましたけど、実際にそうやってターンオーバーしてチャンスが目の前にある中でチームを勝たせられなかったっていうのは責任感感じてますし、力不足だなって素直に感じたので、個人的なパフォーマンスは決して悪いものではなかったと思いますけど、結果の部分で、目に見える部分で貢献できなかったのは悔しかったですし、トーナメントだったので負けてしまって、大臣杯の出場は決まりましたけど、その大会で初めて負けた試合のスタメンってところですごい責任を感じたのを今でも覚えています。大臣杯も同様に、関学大の本当に残り数分くらいの出場だったんですけど、当時は正直な話なんで出してくれないんだっていう気持ちの方が強かったので、結構感情的になってたので試合内容は覚えてないですけど、1回戦の立命含めて、立命にユースのときの高校の同期がいるので、関西で距離が遠くて、一緒に試合出れたらいいねって連絡は取り合ったりしてたので、唯一当たれる機会で楽しみにしていただけに、彼は出てましたけど、自分は出れない悔しさと恥ずかしさすら感じたので、そういうところはベンチで試合を見るだけだったので悔しさはその時残りましたし。なんで出してくれないんだろうって言いそういう反骨心というか、そういうのがあって、その後の成長に繋がったのかなと感じてて、なんで試合出れないんだろうっていう不思議な気持ちになるのはみんな思うと思うんですけど、そういう気持ちを原動力に変えてきた人生だったので、自分はエリート街道歩いてきたわけじゃないですし、悔しさはありますけど、そういう気持ちを持ちながら練習したりしてきたので、唯一の大臣杯の収穫はここかなと思います。

ーー全国の舞台で楽しみにしてることはありますか
ヒル 会場も去年と同様ということで、試合以外のホテル周辺でのプライベートなんですかね、近くにスーパーがあったんで、そこらへん買い物行ったりとか限られてはいたんですけど楽しい思い出も多少あったのでそこら辺の部分も楽しみにしてますし、もちろん試合に出たいってところは一番にあるので、ここからの時間ってところは大切にしていきたいなと思っています。
神橋 ピッチ外の部分で関わる機会っていうのは必然的に増えると思うので、コミュニケーションを取って、結局そこの目的ってピッチで力を発揮するためのものでしかないと思うので、1番はやっぱり大臣杯で結果を残すっていう、そこを逆算したぴっぢ位の行動をできればいいかなと思ってあるので、体を作る部分だったりピッチ街の過ごし方ってところは楽しみながらも他大学とは差をつけれるような取り組みをできればなと思います。

ケガからの復帰を果たした神橋

ーーまずは前期の慶大戦ピッチの外から見てどう振り返りますか
ヒル 前期の試合で、慶応が1位になったっていう調子のいい時期で、もちろん塩貝だったり、それ以外の選手にも圧倒されたっていうのが、応援席から見た率直な感想で、やれることとか通用する部分はあったんですけど、それ以上に上回られたっていうことでその試合を経てチームでミーティングして、チームの決まり事だったり、方向性を落とし込む機会はあったので、間違いなくそこから反省できた部分はあると思うので僕自身もっと鍛えて慶応より成長できたって思わせる戦いをできたらなと思います。
神橋 自分は、前期慶応戦の前日のセットプレー練習でケガしてしまったので、前日までもちろん慶応相手で気持ちも昂ってて、楽しみにしていた中でこういうアクシデントがあったので、やっぱり悔しさが1番にありました。本当はピッチの上に立っていなきゃいけないのに、応援席側で応援する立場になっていたので、もちろんチームに迷惑かけてますけど、申し訳ないというよりかは、驚きというかなんでここにいるんだろうっていう気持ちのほうが正直強かったのは今でもすごく覚えてて。スコアからもそうですけど、結構派手にやられたなっていうのは外から見てて、ありました。自分だったら止めてるのになみたいな気持ちは間違いなく多少ありましたけど、チームがああいう崩れ方をしてしまって、相手は1番負けてはいけない相手だったので、いろいろ複雑な気持ちはありましたけど。前回対戦は、自分も心の整理がついていなかったので、早慶戦の前日のケガしたのが午前中なんですけど、夕方くらいに手術するっていうのが決まってたので、生きた心地がしないといったら大袈裟ですけど、まだ整理がついてなかったかなというふうに思ったので、正直そんなめちゃめちゃ集中して試合見れてたかっていうとそうじゃないんですけど、悔しさは間違いなく自分の中であったのは確かだったと思います。

ーー早慶クラシコの思い出・印象に残ったことを教えてください
ヒル それこそ神橋と1年から入る可能性があって、前日のトレーニングにも2人とも参加して当日のメンバー発表で落ちたってところを経験して、次の年になって2人とも試合出れたっていうのは素直に嬉しかったなっていうのがあって、その中で自分が出た試合無失点で勝ち切れたのは思い出にはなったと思います。印象的なところでいうと、劇的ゴールをやられた瞬間ですかね。あそこで一気に絶望的になってしまったというか、啖呵してたんで、結構ピッチから近い位置にいたんで、悔しいっていう印象がものすごく強かった思い出があります。
神橋 ヒルも言ってくれたように、前日でメンバー落ちたり、2年目はベンチ入りましたけど、僕試合出てなくて。
ヒル あれ?
神橋 試合出てないですね。
ヒル それは申し訳ない。
神橋 まだ試合出てなくていまだに憧れの舞台なんで、出る可能性はあと一回しかないんで、どんな形であれ試合に出たいなっていうのはあります。印象的なのは1年目の同期の直哉(駒沢副将、スポ4=ツエーゲン金沢U18)がとったあのシーンはすごく印象的で、会場含めて盛り上がってましたし、あれだけヒーローになれんだなって一年目にしてやっぱり衝撃的だったので、そこで早慶クラシコの舞台の大きさというか、重みみたいなものを間近で感じられたので、自分もああ言う舞台で点取ったりしっかり活躍して、ヒーローになりたいなみたいなのはあるので勝利ってところは1番だと思うので、そこでピッチの上で貢献できればなと感じています。

ーー今年、国立競技場での開催もありますが、早慶クラシコはお二人にとってどんな舞台ですか
ヒル 普通の試合じゃないってところが1番にあるので、それほどいつも毎週やってるような試合普通の試合のような準備はできないなっていうところはあって。やっぱり国立競技場っていうところで、自分ももし立てたら初めてになりますし、あそこから見る景色は一サッカー選手として味わいたいものなので、そこら辺の楽しみはもちろんあるのと、それを実現させてくれた現運営人にもちろん感謝しなきゃなと。その結果で恩返しできるようなゲームにしたいなと思ってます。
神橋 さっき言ったように、点を取ればやっぱりヒーローになれる舞台だと思うので自分もそういう立場になれればなと今は考えてます。国立開催ということで、多分大学生同士の戦いで国立競技場でやるのはなかなかないですし、なかなか聞いたことないので、早慶クラシコっていう舞台の大きさは小底で感じられますし、選手としてプレーするだけじゃなくてクラウドファンディングだったり、お金を数字として見て、早慶クラシコの大きさというか偉大さを感じているので、責任は準備している段階で感じていますし、クラウドファンディングの金額もすごく大きくて、国立見に行ってよかったなって思ってもらえるような、応援したくなるような試合を、見にきてくれる方々は期待していると思うので、そういうプレーができればなと思います。

対談中のヒル

ーー早慶戦では自分のプレーのどこを見てほしいですか
ヒル 西が丘では感じられる部分だと思うんですけど、国立は客席から遠いので、そのピッチからの迫力ってところは(客席からの距離は)多少関係ないくらいのゴール前の気迫だったり、圧倒できるような存在、そういったところを発信していければいいかなと思います。
神橋 自分は、自分の武器であるキックとヘディングの部分は見に来てくださる方には注目してみてほしいなと思っているのと、慶応のフォワードの選手とばちばちにやり合う姿っていうのは、上手い選手じゃないので、熱く戦う愚直に戦う部分っていうのは、慶応のフォワードが嫌になるくらい100%で戦いたいなと思います。

ーー早慶戦のア式内での注目選手を教えてください
ヒル 山市(秀翔、スポ3=神奈川・桐光学園)に期待したいなと思ってます。今ケガして徐々に復帰に向けて頑張ってる途中で早慶戦で奇跡的な復帰をしてくれて、山市の声でしっかりとチームを勝たせてくれたらいいなと思います。国立中にあいつの声を響かせられればいいかなと思ってるのでそこを期待しています。
神橋 自分はやっぱり直哉(駒沢)には期待したいなと思ってます。1年目で点取ってくれたり、間違いなくコンスタントに点を取ってくれますし、チームへの貢献度は攻守共に素晴らしいものがあると思うので、助かる部分もありますしただもうちょっと期待したい部分はあるので、勝たなきゃ意味がないというか、色々準備してきた中でいちばんの部分は勝つところだと思うので直哉には点取ってもらいたいなと思うので、そこで期待したいなと思います。

ーーチームのどこを見てほしいですか?
ヒル 熱量とハードワークですかね。ここ最近言われているベースの部分なんですけど、そういったところを残り1ヶ月でこれまで以上に応援してそのままいつもやってることを出すっていう感じで、やるのでそういったところはアピールポイントではないですけど、誇れるものかなと思ってます。
神橋 自分は、早稲田の良さはやっぱりチームワークってところと、熱量の部分は間違いなく慶応には勝てる部分かなと思ってて、サッカーに対する向き合い方だったり、実際にプロ内定選手っていうのは早稲田の方が多いと思うんでサッカーにかけてきた時間だったりそういったところは熱量だったり、あとは早稲田は技術ある選手がすごい多いと思うので、熱量の部分では攻守共にゴール前での気迫あるプレーっていうのは慶応には負けちゃいけない部分だと思うのでそういうところは早稲田の良さを全面に見せていきたいなと思います。

ーー最後に意気込みをお願いします
ヒル 試合に出るというところ。この1ヶ月で確立していって、その次に絶対勝つということを達成したいなと思っています。例年もそうですけど、試合次第で今シーズンの残りの試合がどうなるかってところをは大きく変わってくると思うんでその1週間後に大臣杯も控えているので、クラシコを制した方が良い結果をだせると思うので、より一層大事にしていきたいなと思っています。
神橋 自分はまだ、出たことが無いので、ヒルと同じように出場するってところが今の1番の目標で、試合に出たら自分は守備陣なんで結果の部分はこだわって戦いたいなというふうに思ってます。総理大臣杯が1週間後に控えているのではずみをつけてしっかりと勝つってところと、やっぱり早慶クラシコって大学サッカーでも注目されてる部分だと思うので注目度含めて、早稲田は強いなさすがだなと思わせるような結果と内容はこだわって勝ちに良い準備をしたいなと思います。

今後に向けての意気込みを書いていただきました!

◆ヒル袈依廉(ひる・かいれん)
2002(平14)年7月9日生まれ。鹿児島城西高校出身、194センチ。スポーツ科学部4年。対談中も、学年の中で1番優しい性格と太鼓判を押されるヒル選手。穏やかな口調で質問に答えてくださいました!

◆神橋良汰(かみはし・りょうた)
2002(平14)年6月16日生まれ。193センチ。川崎フロンターレU18出身。スポーツ科学部4年。プーマ愛が止まらない神橋選手。小学校の頃から一途にプーマ製品を使い続けているそうです!

(取材・編集 勝野優子)