【連載】ア式蹴球部 早慶クラシコ&総理大臣杯前対談 第8回 東廉×松尾倫太郎×光田脩人

特集中面

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対談第8回は4年生2列目トリオ、東廉(スポ4=清水エスパルスユース)、光田脩人(スポ4=名古屋グランパスU18)、松尾倫太郎(人4=千葉・八千代)の三人。

ーー今季ここまでを振り返ってください
光田 チームとしては自分たちが思い描いていた関東リーグ(関東大学サッカーリーグ)1部昇格という目標に対しては、まだまだ実力不足な前期だったかなと思っています。シーズンが始まる前から結構勝てていた中で、公式戦が始まってなかなか勝てない時期に4年生がどれだけ引っ張るかだったり、そういった部分が足りずなかなか思い描いていた前期にはならなかったです。個人としてはケガで公式戦に前節(リーグ戦第11節)しか出場していなくてチームに貢献できていないので、これから頑張っていきたいなと思っています。
ーーケガ空けということで、コンディションはどうですか
光田 ケガ期間に6キロぐらい増量しちゃって(笑)。ほんとに食べたいものだけ食べて衝撃の70キロを超えるというやばい状況になったので、最近練習終わりにジョギングをするルーティーンがあります。コンディションと体重を戻していきたいです。
 シーズン序盤は天皇杯(天皇杯予選学生系の部)で国士舘大学、駒澤大学と1部のチームに勝てていた中で、今年は行けるんじゃないかという思いがみんなあったと思うのですが、開幕戦に勝てなくてそこから負けが続いて、結局現状7位になってしまったので最初思い描いていたものと違うとみんな思っていると思います。もっと内容と結果にこだわってやっていかなければならないという思いがあります。個人としては試合に出させてもらっている中で、勝てなかったり点が取れない部分があるので、ここからはそこを求めてやっていきたいです。

ーー東選手はチームの中でもプレー時間が長いですね
 出てる以上は勝たなきゃいけないなと思っています。勝てていないのに自分が出ていいのかと思ってしまう時もありますけど、やっぱり出てみんなで勝って喜ぶのが一番良いことだと思うので、これからも試合に出場し続けて責任を持ってやっていきたいなと思います。
松尾 プレシーズンからリーグ戦が始まるまではチームが本当に良い感じだったんですけど、最初の3、4試合ぐらい勝てなくて。悪い流れを最初断ち切れなかったのと、先制しても追いつかれたり、勝てる試合で勝ち切れなかったりして勝ち点を取りこぼしてしまったのがもったいなかったなと感じています。でも、まだ勝ち点的にも次勝てば大きく順位が変動するし混戦になっているので、後期は少しでも勝ち点を積めるように頑張っていきたいです。個人の振り返りとしては、今シーズン最初から出る試合が多くなくて、役割的には途中出場からの得点だったりジョーカーや切り札的な役割が多かったです。得点のチャンスがあった中で、公式戦はまだ3点しか決められてないので後期のリーグ戦ではもっと決めたいと思っています。後は、守備も改善していきたいです。

ーーここまでの公式戦では、後半に松尾選手のゴールが増えましたがご自身の決定力に関してはいかがですか
松尾 自分の決定力はゴールの前のクロスに合わせたりキーパーと1対1を決めたりする力はあると思うんですけど、ミドルシュートやペナルティーエリアの外からのシュートがあまりうまくないのでそこをもっと改善していきたいです。

アミノ杯専大戦出得点を決めて喜ぶ松尾

ーーお互いのプレーはどのように映っていますか?まずは東選手のプレーからお願いします
光田 東選手はポリバレントなプレーヤーです。1日ごとにポジションが変わったり、右ハーフをやってるのに次はサイドバックをやったり、いろいろな場所で気が利く選手なので、例えばチームの誰かがケガした時もいろいろなポジションできますし、そういったところは自分は持っていないのですごいなと思います。
松尾 (東は)中間でボールを受ける技術、トラップやポジショニング取りがうまいなと思いますし、コーナーで触って点を決めている印象です。割としれっと点を決めているみたいなことが多くて、自分にはない器用さや1.5列目のうまさがあるので良いなと思います。後は、監督にも3、4キロ足りないって言われてて。見たら分かるんですけど、身長の割に細いんですよ。
光田 (東は)俺と体重同じなんですよ。はっきり言ってあり得なくないですか?
松尾 180センチの人間が166センチ(の光田)と同じなのは、はっきり言ってあり得ない。
 めっちゃ言われるやん。
松尾 (東は)増量したらもっと良い選手になるんじゃないかなと思います。
 結構食べてはいるんですけど。
松尾・光田 食べてない。

ーー光田選手のプレーはお2人から見てどうですか
 光田は僕が会ってきた中で一番ドリブルのキレがあって、縦にもいけるし中にも行けるし、正直1対1で対峙(たいじ)したら止められない選手です。それに加えてボディバランスもすごくて、体に幅がありますしどれだけ押されても倒れないところがあります。ライン際でのボールキープがすごくて、そこで時間のタメをつくってくれるので、試合中すごく助かります。
松尾 光田選手は、本当に唯一無二の選手ですね。ドリブルがものすごくて1対1にしたらもう終わりなので、絶対的な武器を持った選手です。
光田 脳筋キャラみたいになってない?
松尾 後は、下半身がめちゃくちゃ太いので、守備の光田って言われるぐらい守備が強いです。あとは、ゴキブリみたいにこそこそ走ってきてヘディングする、ゴキブリヘッドっていう技を持ってて。下半身がゴツすぎて、ジャンプ力もあるから打点も高い。正直とんでもない選手ですね。
光田 1回ヘディングで練習があったんですけど、184センチぐらい身長がある学生スタッフの山本(優時、スポ2=東京・暁星)に競り勝った経歴だけは持ってます。
 20センチ差ぐらいあるもんね。
光田 しかもちょっと競り勝ったとかじゃなくて、上からたたいたっていう。

立正大戦にてケガから復帰した光田

ーー松尾選手のプレーはお2人から見てどうですか
 松尾は暴走機関車みたいな感じで、1人で全部行けちゃいます。とにかくボール持った時の推進力がすごくて、1人で最後のライン際まで行ってクロスを上げたり、シュートを打つので、試合中はすごく助かっています。
光田 東が言ってくれた通りで、1人でやれるので、とりあえず松尾の裏とか足元に蹴ればもう収められないことがないので。フォワードもできるし、サイドもできる。ボールを収めて、チームもそこから攻撃が始まるので頼りになります。

ーー昨季までと比べ、個人的に最も変わった点、成長した点はありますか
松尾 ゴールポストのところまでクロスに入ってこいと兵藤さんが常々言っているので、逆サイドにボールがある時もサボらずに内側まで入っていくことは意識してます。自分自身も点を決めるイメージが今できつつあるので、継続してやっていきたいです。
光田 自分は考え方の部分が変わりました。これまでは自分だけやってればいいやという感じだったんですけど、仲間と仲良くて楽しいので、チームのために最後みんなで優勝したいと思うようになりました。最上級生になったのもありますし、後輩とも仲がいいので。
松尾 俺もちょっとそう、分かる。
 嘘つけお前、一番違うキャラやろ。
光田 サッカーを楽しむというか、楽しもうみたいな感じになりました。
松尾 東、何成長したの?
 フィジカルのところで、
光田 (東が)フィジカルないみたいな話さっきしたじゃん(笑)。
 体重は少ないですけど、光田くんと一緒に最近体幹トレーニングを始めて。
松尾 大学4年生になって?
 大学4年生で体幹トレーニングを始めて、それでちょっと体の安定感が出ました。フィジカルコンタクトやスプリントも体が安定してできるようになりました。体幹は(光田と)毎日一緒にやっていきたいと思います。
光田 1人ではできないので。

ーー最上級生としての意識はありますか
光田 去年より声は出すようになりました。駒沢(直哉副将、スポ4=ツエーゲン金沢U18)やケガをしてしまった伊勢(航主将、社4=ガンバ大阪ユース)が引っ張ってくれていた中で去年よりは声を出すように意識してます。
 僕はしっかりやるところはしっかりやることを意識していて。
松尾 低レベルだな(笑)。
光田 小学生でも言えるやん(笑)。
 ここにいる3人みんなそうなんですけど、みんなふざけちゃうところがあって。アップは楽しくワイワイやってるんですけど、しっかりメリハリを持って練習に入って、声を掛け合ったり、集中できてない選手がいたら厳しく言ったり意識してやっています。
松尾 僕も声を出すことを意識しています。とりあえずふざけた声でもいいので、チームの雰囲気を明るくするために大きな声をアップから出すようにしています。

ーー皆さん声出しを頑張ってるということですね
松尾 声出し頑張ってます。ファイトとか。
 最高とか。
光田 行こうとか、頑張ろうとか簡単な2文字ぐらいですね(笑)。

ーーここからこだわりたいことはありますか
松尾 得点にはもっとこだわっていきたいです。ワンチャンス決めるところで決められなくて厳しい試合が結構あったので、決めるところ全部決めていきたい。練習から頑張りたいなと思います。
光田 前期は全然チームに貢献できなかったので、1部昇格や日本一に向けて自分にできることを全力でプレーしたいなと思います。
 自分は体力がないキャラで通ってるんですけど、ハードワークを頑張りたいと思っています。そんな自分がハードワークしてたら他の人もやろうと思ってくれると思うので、プレーで引っ張っていきたいです。
松尾 高校の時走るキャラじゃなかったの?
 歳取ったんよ。
光田 結構最近走れるキャラになってきたよね。
 頑張って走ってる。

ーーチームの現在地はどこだと思いますか
松尾 総理大臣杯(全日本大学サッカートーナメント)で優勝する可能性は全然あると思うし、リーグ戦も何連勝かすれば1位まですぐに追いつけると思います。欲を言えば、リーグ戦でもっと勝ち点を積んでおきたかったんですけど、自分たちの目標を達成するために最低限のことはできてるかなと思うので、(チームの現在地は)山で例えるとエベレストの標高8000メートル中4000メートルぐらい。(東は)沖縄から北海道まで出発した時に今何県にいるか例えて。
 じゃあそれで行くか。今は群馬、真ん中ぐらいですかね。今松尾が言ったように優勝できる位置につけれてはいますし、総理大臣杯も出ることができるので、ここから一人一人がどれだけ意識を高く持ってやれるかで成長の幅が決まってくると思います。もう少しギアを上げてみんなで頑張っていきたいです。
光田 めっちゃ考えてたんですけど(例えを)全部出されたので普通に言っていいですか(笑)?
松尾 サッカー選手で例えればいいんじゃない?メッシ(現インテルマイアミ)が一番上で、どれぐらいの選手なのか。
光田 どれぐらいの選手かで言ったら、セルジ・ロベルト(元バルセロナ)ぐらい。
光田 今ケガ人も戻ってきて、チームの競争力が高まっている状況なので、良い選手が集まっているからこそ、後は団結できれば日本一もいけると思っています。

明大戦でヘディングシュートを放つ東

ーーアミノバイタルカップ(アミノ杯)を振り返っていかがですか
光田 自分はピッチ外から見てたんですけど、全国行けなかったら自分は引退するぐらいの気持ちで…。
松尾・東 (笑)。
光田 競馬を見るみたいに毎試合祈りながら見てたんですけど、奇跡が連続して、ただうれしかったですね。松尾のゴールで追いついたり、一番高い倍率の馬が当たったみたいな感じだったので、つないでくれてよかったです。
 PK戦が2つあったと思うんですけど、どの試合もほぼ負けみたいな状況からひっくり返したので、そこはチームとしての運や勢いがあったと思います。予選で苦しんだチームが意外と全国で結果を残したりするので、この勢いを持って全国で戦っていきたいです。
松尾 アミノは全試合、内容だけ見たらゴミみたいな本当にひどい試合ばかりだったと思うんですけど、そういったひどい内容でも勝つことができたのはチームの粘り強さが徐々についていっていると思うので、詰めるところは詰めて万全の状態で総理大臣杯に臨みたいと思います。

ーー去年の総理大臣杯を振り返っていかがですか
光田 去年の総理大臣杯は自分は5分しか出てなくて、旅行みたいな感じで。
松尾 東も出てないよね。
 僕は0分で。
光田 ここ2人(光田と東)で一生遊んでましたね。ずっとふざけてたイメージある。その中でもチームの雰囲気壊さないように盛り上げたりとか。とにかく楽しかったです。3万かけて東北まで行って、出場時間5分だったので一応請求だけはしました。
 僕は前日は交代1番手みたいな雰囲気があって、1回戦も後半が始まって5分ぐらいで「準備しとけよ」と監督から言われて。そこから1分も出なかったので、不服はありました。チームとしては、1回戦までうまくいって2回戦は関学大に完敗してしまって。去年の関学大は大学でも高いレベルにあったと思いますし、そういったチームに勝つにはスタメンに出ている選手だけではなくて、サブの選手の層の厚さがあった方が絶対全国で戦っていけると思うので、ここから競争を激しくしていって戦える選手を増やしていけたらなと思います。
松尾 僕は(東伏見キャンパスの)教室でパブリックビューイングで試合を見ていました。去年の関学大はシーズンが始まる前にもやっていて、めちゃくちゃ強い印象がありました。正直あのレベルのチームは、明大や筑波大とかと同じランクに入ってくるので、実力で負けたなという印象でした。

ーー全国の舞台で楽しみにしていることや意気込みは
松尾 まず、明大と筑波大と同じ山に入らないように祈るっていう。まだ今の段階では、あの2チームには負けてしまう、少なくとも向こうの方が実力は絶対にあるのでこの夏の期間に自分たちの力をつけていって、総理大臣杯で7失点の借りを返したいです。
光田 やっぱり、絶対みんなで勝って日本一を取りたいという強い思いがあります。練習強度はすごく上がってますし、このままやればいけるんじゃないかという感覚もありますけど、そう甘くはないと思うので日々の練習を積み重ねて総理杯に挑みたいです。勝った夜とかは多分人狼(ゲーム)とかもできて楽しいと思うので、色々な意味も含めて楽しみなのが今の率直な気持ちです。
 自分は1年から何回か全国大会はメンバー入りしてたんですけど、そこでも出場してなくて、個人としては大学入ってからは初めての全国大会なので自分がどれだけできるのか楽しみもあります。4年間一緒にやってきた仲間と全国で戦えるのは、すごく幸せなことだと思うので、勝つこともそうですが何より楽しむことを意識してやりたいと思います。

ーー個人として具体的な目標はありますか
松尾 勝つのは大前提なんですけど、総理大臣杯の目標はまず1得点、5ヘディング勝ち、パス成功率60パーセント、シュート枠内率50パーセントです。
光田 総理大臣杯もプロのスカウトが結構来てくれると思うので、自分の最後の就活の場だと思って全力で頑張ります。
 僕は得点もそうですけど、アシストもしたいと思ってるので、目標は1ゴール1アシストでお願いします。

ーープロのスカウトはやっぱり意識しますか
 そうですね、僕と光田はまだプロを目指して頑張ってるので大舞台なので頑張りたいなと思います。

対談中の東(左)と光田

ーー他己紹介をお願いします。光田選手の紹介をお願いします
松尾 光田はギャンブルが強くて。パチンコなんですけど、ここの2人(光田と東)でよく行ってるんですけど、光田が爆勝ちしてます。
光田 (行くのは)4カ月月に1回ぐらいよ。運試し程度に行ったら東が4万ぐらい負けて、俺が10万ぐらい勝って6万勝ちで、2人で3万円ずつ分けます。悲しい時はお互い悲しんで、勝った時はお互い喜べる。
 普通の他己紹介入れとく?
東・松尾 …。
光田 普通のやつ出てこいよ(笑)。
 くもんのバイトしてます。
光田 選手兼先生としてやらせていただいてます。子どもが好きなので、ア式の社会貢献活動のリーダーです。
松尾 人格者。

ーー東選手の紹介をお願いします
松尾 東はほんとにやばいやつですね。ヤリラフィーです。
 違うだろ。
光田 クリラボ(CREATIVE LABO)っていうジムに(東は)結構通ってます。
松尾 新横浜にあるジムで、そこまで通ってるけど、光田と体重が同じっていう。
 週2回通ってます。

ーー松尾選手の紹介お願いします
 塾講師1位になった?
松尾 塾講師は頑張ってる。埼玉県の生徒の成績を上げた先生の2位になりました。
光田 あと、料理じゃない?
松尾 料理好きだね。
光田 松尾も社会貢献活動をやってて、子どもがめっちゃ好きで。みんなを巻き込む力があるので、今年Aチームの人も社会貢献活動に参加してるのは多分松尾のおかげです。
松尾 この前も、石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18)と障がいを持った子たちの学童みたいなところに行って、一緒に水遊びしました。

ーー最近ハマっていることは
 俺はカラオケです。(光田と)行きます。

ーー何を歌われるんですか?
 『どんなときも』です。
光田 東は『どんなときも』のスペシャリストって言われてて(笑)。サビに入るときは下手なんですけど、「どんなときも」だけは150点ぐらいの点数出せるんですよ。今でも歌えます。
 いいですそれは。

ーー光田選手は何を歌われるんですか?
光田 僕は『残酷な天使のテーゼ』を歌います。

ーー松尾選手は新体制対談の時に資格勉強に励みたいと話していました。光田選手も資格勉強に励んでいるとの噂を聞きました
光田 僕はFP(ファイナンシャルプランナー)3級の勉強をしています。自分は中学校のときも結構勉強していて、何かを学ぶことが好きなので将来のためにも資格はあった方がいいと親からも言われたのでやってます。暇な時は電車の移動とかでYouTube見られるのでそういった時に活用してやってます。
松尾 僕は卒論が忙しくて資格の勉強はストップしてて。ビートルズとか好きなので、レコードで聞くことにハマってます。
光田 サウナにも最近ハマっていて、週1で行きます。
松尾 サウナ、僕も石谷光基(スポ4=名古屋グランパスU18)とよく行きます。

対談中の松尾(左)と東

ーー早慶クラシコのことを伺っていこうと思います。まずは、前期の慶大戦を振り返って
松尾 ひどい試合だったね。
光田 自分は外から見てたんですけど、圧倒されたなと思ってて。前半は特に相手のペースでボールを回されてたし、後半も早稲田も(ボールを)持ってたけど持たされてたイメージもありました。カウンターでしっかり仕留められて、完敗だったと思っています。
 自分は後半の途中から出たんですけど、攻撃は何回かチャンスをつくれて行けるかなと思ったんですけど、 相手のフォワードの塩貝健人くんに少ないチャンスでものにされてしまって。やっぱりチャンスを仕留め切る力は圧倒的に負けているなと思いましたし、内容も相手はやりたいことがハッキリしていて、そこで負けたと思います。でも勝てない相手ではないと思ったので早慶戦は絶対勝ちたいと思います。
松尾 前期の慶大戦は相手キーパーからのシュートが入って、今も課題である入りで失点してしまって。気を抜いて前半早々にやられたり、不用意な失敗が今年は多い。前期は完全にそれで流れを持っていかれて、そこから立ち直せずに相手の勢いに負けてしまったので、早慶戦ではそういったミスの改善も含めて勝ちたいです。しかも勝てると思います。ただ相手の塩貝は本当にやばいので、神橋(良汰、スポ4=川崎フロンターレU18)に抑えてもらおうかなと思います。

ーーこれまでの早慶クラシコの思い出は
光田 思い出は2つあるんですけど、1年生の時の早慶戦でレガースが試合の5分前になくなって、始まる前にずっと焦ってて。たしかベンチに入ってる平松くん(柚佑、令6社卒=現東京ユナイテッドFC)に借りて、めちゃくちゃ申し訳なくて。もう1つはみんながつくりあげてきた舞台なので、声援は素晴らしいものがありましたし、本当に今年も楽しみです。
松尾 早慶戦の思い出は、2年の時も3年の時も早慶戦の前に余計なことをして出られなかったことです。今年は何もせずに、とりあえず変なことをしないことを意識してます。やっぱり国立でプレーしたいので頑張りたいと思います。
 自分は去年途中から出たんですけど、あれだけ観客がいながらプレーしたのは初めてだったのですごく緊張しました。その中で、自分が出た後に右京くん(平野右京、令6人卒=現横河武蔵野FC)が点を決めって勝ったので、あの舞台で点を決めるのは本当にうれしいことだと思うし、楽しいと思うので今年は点を取れるように頑張りたいです。

ーー国立競技場開催については
光田 日本一のスタジアムというイメージがあります。どれだけ観客が来てくれるのか分からないんですけど、素晴らしい舞台で素晴らしい応援もあると思うので、あと1カ月練習から一つ一つやっていきたいです。
松尾 あれだけ広いスタジアムなので、観客が入ればその分だけテンションも上がると思いますし、絶対勝ちたいです。

ーー改めて、早慶クラシコはどんな舞台ですか
光田 やっぱり4年早慶戦に対して頑張ってる人は見てきたので、今年はそれが公平(北村公平、文構4=神奈川・桐光学園)や真生也(成定真生也副将、スポ4=神奈川・日大藤沢)を中心にやってますけど、その日のために半年前から動いて頑張ってくれてる人がいるので、そういった人たちのためにも全力でプレーしたいです。自分のプレーで家族だったり、出身高校の東海学園高校の友達も来てくれるので、勇気を与えたり喜んでもらえるようなプレーができればいいかなと思ってます。
 今光田が言ったように、いろいろな人がつくり上げてくれる舞台なのでそこに責任はありますし、そういった人たちの思いを背負って勝ちたいなと思います。たくさんの観客の人に見てもらえるので記憶に残るようなプレーができたらいいなと思います。
松尾 いろいろな人たちが裏方で進めてくれてるので、OBや選手やマネジャー、来てくれる人たちがあっての早慶戦なので、プレーや勝利で恩返ししたいなと思います。

ーーご自身の見て欲しいプレーは?
光田 自分はボールキープとヘディングです。ドリブルをたくさんしたいと思ってるので、早慶戦ではそういったドリブルで観客を沸かせたいと思ってます。
 自分もドリブルで。あんまりドリブルキャラではないんですけど、早慶戦で目立ちたいのはあるのでドリブルで仕掛けていく姿勢を見せてほしいと思います。
松尾 自分もドリブルで。推進力を生かして大胆に仕掛けていきます。

ーー注目選手は
 アイクソエ怜生オーエンスくん(商4=東京・早実)で。Iリーグ(インディペンデンスリーグ)で頑張ってるんですけど、良くも悪くも見てる人を引きつけるプレーをずっとしていて。見てる人が楽しめるようなプレーをしてくれますし、全然早慶戦でプレーすることもあると思うので、彼に注目してほしいです。
松尾 僕は1年生の林(奏太朗、スポ1=サガン鳥栖U18)が注目選手です。
 好きやな。
松尾 (林は)センターバックなんですけど、ほんとにうまくて。持ち方やビルドアップや見えているところが大学でこんな選手いたかなと思うぐらいうまいです。唯一無二のうまさがあるので、ぜひ見てほしいなと思います。
光田 僕は4年生全員を見てほしいです。特にいうなら舩越(嶺、人4=埼玉・市浦和)や頌英(梅林頌英、文4=東京・国学院久我山)はFCのカテゴリーでもチームのために頑張ってる選手なので。去年も4年生主体で早慶戦に挑んだので今年も4年生みんなで思い出をつくれたらいいなと思います。

対談中の光田

ーーチームの見てほしいところは
松尾 今年の良い部分としては点が取れない試合が良い部分かなと思っていて。シーズン入ってから点を取れていないのが島原遠征の新潟医療福祉大学戦と、リーグ戦の順大戦だけで、その他の試合は点が入ってるところで、流れが良い悪いにかかわらず、点を取れるのは大きな強みだと思ってます。何がなんでも点を決める泥くささや粘り強さはチームの良いポイントかなと思います。
 自分は「戦う姿勢」だと思ってます。自分が早稲田に入った時はうまいというイメージはあったと思います。そこから一昨年、昨年とあまり勝てなかったので、今年は戦うチームになろうときつい練習をみんなで乗り越えてきているので早慶戦はより一層思いが強い分、戦う姿勢が出ると思うのでその姿を見たいなと思います。

ーー東選手個人としては戦う姿勢をどのように見せていきたいですか
 僕はハードワークでお願いします。
光田 自分も愚直に頑張るところを見てほしいです。圧倒的にうまい選手がチームにいないので、そういったチームがどうやって勝つかを考えた時に、やっぱりチーム全体の頑張りやハードワーク、チームとして一人一人が戦う気持ちを見せないと勝てないと思うので早慶戦でも意識してやっていきたいなと思います。

ーー早慶戦での個人の意気込みをお願いします
光田 これから先大舞台でいろいろな人が見に来てくれる試合があるかどうかは本当に分からないですし、学生主体でこんなに大きな規模感でやれる大会はないと思います。なので全力で、1週間前ぐらいから9時に寝て、その一戦にかけたいなと思います。
 自分も早慶戦に立てる最後のチャンスなので、1日1日頑張りたいです。チームを勝たせるためには得点という結果が必要だと思うので、ゴールしたいと思います。
松尾 自分も出るからには勝ちたいので、この夏の厳しいトレーニングをしっかり積んで、さらにレベルアップして、早慶戦に勝って良い流れで総理大臣杯に進みたいです。だから1週間前から8時に寝て、夜ご飯も豚バラを取らずに鶏肉にして、トマトを毎日食べて、おみそ汁も毎日飲んで、朝ごはんも毎日とる生活を送りたいなと思います。

ーー最後に、引退まで長くても後5カ月ですが成し遂げたいことはありますか
光田 日本一を取りたいなというのはずっと思ってるので、みんなで日本一取れたら最高かなと思います。1試合1試合全力で挑んで自分の強みを出すことを意識して毎試合やっていきたいなと思います。
 自分も日本一で。個人としては、プロになれるかわからないですけど、最後まで諦めずに結果を出し続けたら(スカウトの)目に留まると思うので、ゴールとアシストを意識してやっていきたいと思います。
松尾 自分は全国に出たことがそもそもなかったので、本当に良いチームなのでみんなで日本一を取って、みんなで喜びたいです。

今後へ向けての意気込みを書いていただきました!

◆東廉(ひがし・れん) 写真左
2003(平15)年3月26日生まれ。180センチ。清水エスパルスユース出身。スポーツ科学部4年。最近カラオケにハマり、おはこは『どんなときも』。フィジカル強化のために新横浜のジムに週2回通っているそうです!

◆松尾倫太郎(まつお・りんたろう) 写真中
2002(平14)年12月25日生まれ。177センチ。千葉・八千代高出身。人間科学部4年。子どもが好きで社会貢献活動に積極的に参加しているという松尾選手。埼玉県で生徒の成績を上げた先生の上位にランクインするほど塾講師のバイトを頑張っているそうです!

◆光田脩人(みつだ・しゅうと) 写真右 
2002(平14)年11月25日生まれ。166センチ。名古屋グランパスU18出身。スポーツ科学部4年。サウナにハマり、週1回通っているという光田選手。学ぶことが好きで、資格勉強にも励んでいるそうです!

(取材・編集 渡辺詩乃)