新入生インタビュー第5回は、浅間百合子(商2=東京・東洋英和女学院高等学校)。一度競技を離れたものの昨年秋に復帰したという浅間に、競技歴やスケートへの想いだけでなく、大学生活や今後についても話を聞かせてもらった。
※この取材は5月17日に行われたものです。
笑顔の浅間
競技について
――スケートを始めた時期ときっかけを教えてください
小学校1年生になるころに始めました。バンクーバーオリンピックをテレビで観てスケートを知って。塾の友達にスケートをやっている人がいて、スケートって習えるんだ、ということを知って始めました。
――競技の魅力は何だと思いますか
芸術とスポーツが一緒になっているところです。元々バレエもやっていたのですが、バレエは芸術だけだけど、スケートは技だったり競技の要素が入ってきて、そのバランスが面白いなと思います。そこが辛いところでもありますが、好きなところでもあります。
――スケートはバレエの要素もあると思いますが、スケートに活きていると感じるところはありますか
手の動きや背中の使い方はスケートでも意識しています。そこでバレエの筋肉の使い方が少し活きているんじゃないかなと思います。
――ご自身の強みは何ですか
昔はスピンが圧倒的に自信があったんですけど、一度競技を離れてから下手くそになって、強みがなくなってしまって(笑)。一応柔軟性かなと言っておきます。
――競技から離れていた時期があったのですか。復帰したきっかけは何ですか
高校3年間丸々休んでいて、大学1年生の秋に復帰しました。高校1年生の時に怪我をして辞めていたのですが、4級をずっと取りたかったのに取れなかった心残りがすごくあったんです。そこを自分の中ですっきりしてからスケートを離れたいという思いがあって。足が治ってきたからもう一回やってみようかなと。
――現在は足の具合はどうですか
やっぱり完全ではなくて。私はメインがスキーなんですけど、競技スキーとスケートと、となるとやはり足に負担がすごくかかるので、今年の冬はすごく辛くてまだ治ってないです。大学生でのスケートの目標は、無理をせず怪我をせず、あまり結果にこだわらずに純粋にスケートを楽しみたいです。
――3年間のブランクに加え足のケガもあると思いますが、復帰前と比べてどれくらい取り戻せていますか
やっぱり(ジャンプの種類は)減りましたね。復帰前は長い間スランプだったのですが、辞めるってなってから急に調子が上がって(笑)。その時は4級のジャンプは全て飛べていたんですけど、今はループは跳べないです。(4級に受かれなかったのは)気持ちの問題だったので、辞めるってなって気持ちが変わったらバンバン飛べていました(笑)。
――気持ちが変わった今、また再チャレンジというかたちになりますか
でもやはり跳び方も忘れていますし体系や筋肉も変わったので、大分トレーニングしないと戻らないだろうなとは思っています。
――どんな選手になりたいか、選手としての理想像はありますか
元々ジャンプが得意なタイプではないので、それ以外の部分、華やかさで勝負しないといけない。オーラがある人っているじゃないですか。手の動きや腕の動きなどでオーラを出せるプログラムを滑れるようになりたいです。大学では結果を追い求めないので、スコアじゃなくて見た目重視で滑りたいです。
――オーラがある人、というのは具体的にどのような人でしょうか
同じクラブの同期にシンクロをやっている子がいて。シンクロの人って、団体ですけど個人の華がすごいんですよ。シンクロをやっている人の個人での演技を観ているととても勉強になって。シンクロをやっている友達を勝手に参考にしています。
――早稲田大学のスケート部に入部した理由、経緯を教えてください
早稲田に入った時にはスケートに復帰する決心はついていなかったので部活は考えられていませんでした。スケートに復帰してやはり大会に出たいとなった時に、大学の部活に入らないと試合に出られない、と言われたので入りました。
――早稲田の先輩や同期と交流しましたか
4月に入ったのでまだ2,3か月ですが、同じリンクの人もいましたし、狭い世界なので友達の友達とかが多かったです。最初は級も低いので申し訳ない気持ちもあったのですが、皆暖かくて安心しました。入るのを渋っていた時に(穂積)乃愛ちゃん(人通1=駒場学園高等学校)に、「百合子ちゃん入るよ」って背中を押してもらいました。あと、実際入るとなってからは、シンクロをやっている親友に(妻鹿)愛ちゃん(政経3=大阪桐蔭)を紹介してもらって、愛ちゃんが全部やってくれました。
――早稲田学内外問わず、仲の良い選手などはいらっしゃいますか
私にとってスケートの占める割合ってめちゃくちゃ大きくて。一番の親友もスケート(つながり)なんです。仲良し4人組なんですが、そのうち(浅間以外に)2人もスケートを辞めていたのですが、最近最後の一人が復帰してくれて。今は全員復帰して、インカレ出るか頑張るか、って言っているところです。昔に戻れたみたいで嬉しいです。
私生活、大学生活について
――趣味は何ですか
スキーとドライブです。スキーには基礎スキーと競技スキーがあって、(スケートでいうと)基礎スキーがフィギュアスケート、競技スキーがスピードスケート、みたいな感じなのですが、私はずっと基礎スキーをやっていて、一番上の級まで取りました。私、スキーは結構上手いんですよ。スキーには競技として真剣に向き合っているので、スケートよりスキーの方が語れちゃいます(笑)。基礎スキーでもっと上手くなるには競技スキーも必要だというので、競技スキーのサークルに入りました。大回りのGSは膝の負担が強いのですが、小回りのスラロームの方はできるかなと思って技術を極めています。スキーは冬しかできないので、スケートは夏の間の埋め合わせも兼ねています。
――大学生活には慣れましたか
もう染まりました(笑)。小中高12年間同じ制服を着ていて思い入れがあるので、街中で母校の制服を着ている子を観ると羨ましいです(笑)。
――学業とスケート、スキーなどの両立はいかがですか
あと私、1年生のころからインターンもやっているんですよ。4足の草鞋を履いていて忙しいです。大学生活てんこ盛りというか、なんでもやっているんですが、せめて大会前はスケートに集中できる時間を作りたいです。
――スケート以外で、大学4年間でやってみたいことはありますか
この生活を維持するのに精一杯です(笑)。
今後について
――今シーズンの目標を教えてください
インカレ出場です。
――今シーズンのプログラムは何ですか。どんなところに注目してほしいですか
この間曲が決まりました。テイラー・スイフトの『lover』です。私は元々クラシックバレエに曲をやりたかったのですが、先生に却下されて。洋楽の中で私らしい柔らかい曲となったら、『lover』がぴったりかなと。まだ振付は決まっていないのですが、この曲絶対私に似合う、という自信があるので、それを無駄にしないように頑張りたいです。
――残り大学3年間の目標、ビジョンを教えてください
スケートで思い出を作りたいです。私は今までの人生で作った思い出も、スケートの友達とのものが多くて。最後の学生生活である大学でも、頑張りたい、というよりスケートで思い出を作りたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 荘司紗奈)
◆浅間百合子(あさま・ゆりこ)
東京・東洋英和女学院高等学校出身。商学部2年。所持級はシングル3級。