【連載】ラクロス部 関東学生リーグ戦前特集『捲土重来』 第6回 G柏原陽菜乃主将×MF田中美亜×MF脇田萌衣

特集中面

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最終回は、G柏原陽菜乃主将(創理4=東京・大妻多摩)、MF田中美亜(スポ4=東京・国立)、MF脇田萌衣(教4=東京・白百合学園)の3人。主将、戦術幹部としてチームを引っ張る3人に、これまでの4年間を振り返っていただきながら、リーグ戦にかける想いを伺った。 

※この取材は6月11日に行われたものです。

対談中笑顔を見せる3人

――まず、他己紹介をお願いします

柏原 脇田萌衣は、ライドリーダーとして昨年から務めているのですが、こだわりがやはりすごくて。ライドですが、奪うとなったらとことん奪ったり、相手によって戦術を変えたりするなど、こだわりの強い、本当に頼りがいのある早稲田のエースです。

脇田 田中選手は今年はドローリーダーをやっています。昨年まではクリアリーダーをやっていたのですが、今年はドローリーダーで、MFがやる特有のものを、よりこだわりを持ってやってくれているなという印象があります。昨年ももちろん素晴らしく、信頼の置ける選手だったのですが、今年はさらに自分の技術も磨き上げていて、すごく頼れる選手です。プラスしてドローのリーダーとしてもやはりメンバーみんなを引っ張っていく、すごく貴重な素晴らしい選手だと思います。

田中 柏原選手は頼れる主将です。 柏原選手の特徴としてはやはり声が大きくて、柏原選手がいるとチームが盛り上がるというところで、やはり主将としていつも練習も試合でも引っ張ってくれています。あと、大事なところでゴーリーとして止めてくれて、チームをいい流れに持っていってくれる選手だなと思うので、やはり試合でもすごく頼りになります。信頼している選手です。

――ラクロスを始めたきっかけは何でしたか

柏原 私は中学1年生からラクロスをやっているのですが、その時はやはり誰でも初心者というところだったりとか、 初めて見たスポーツだったので、先輩が走っているの見てすごくかっこいいなと思って始めました。高校時代にコロナで最後の大会がなくなってしまい、不完全燃焼だったので、大学でも続けました。

脇田 私は高校の同級生の子が早稲田に一緒に入って、その子がラクロス部に体験に行きたいと言っていて、 その時に誘われて行ったのが初めてのラクロス部との接点でした。最初は全然興味がなかったのですが、体験に行ってみたら、その時の同期がすでに仲が良さそうで。その明るい雰囲気にすごく惹かれたのと、先輩たちが同じ日本一という目標に向かって頑張っている姿を見て、私もこんな部活に入りたいと思ったのがきっかけです。

田中 私はまず家が近かったので東伏見の部活をいろいろ見て、その中でラクロス体験に行ったら、ラクロス自体も楽しかったし、私も同期と先輩がすごくいい人がいっぱいいたので、いいなと思って入りました。

――なぜ現在のポジションを選びましたか

田中 オフェンスもディフェンスも両方やるポジションなので、フルコートを走り回れるというところと、元々陸上部だったというのもあるので、自分のスピードを生かせるなと思ってMFを続けています。

脇田 私もMFをやっているのですが、アタックにディフェンス、そしてMF特有のドローというのもあって、それもすごく魅力的で、どれも頑張りたいなと思ってMFをしています。

柏原 私は中学1年生の夏休みの終わりになったのですが、全員体験をやって楽しいみたいな、この止める感じとかが。あと、先輩が止めてるのを見てかっこいいなと思ったのでゴーリーになりました。

――皆さん役職に就いていると思うのですが、それぞれの役職の仕事の内容を教えてください

柏原 主将はチームの状況を見てミーティングを開いたり、今どういう状況が起きてて何が課題なのかを見つけて解決したり、どっちかと言うと組織面の方が大きいです。下級生のモチベーションをあげるために、ミーティングを開くといったことなどを組織幹部と一緒にやっています。

脇田 戦術幹部としてはチームの課題が何かというものを分析して、その分析から出た課題をもとに日々の練習メニューに落とし込んだりして、毎日メニューを作ったりしています。それこそ他の幹部とも連携しながら、日本一を目指す組織とはなど、そういったところまでみんなで考えながらやっています。

田中 なんかかっこいいね(笑)。

――脇田選手は2年連続でライドリーダーをされていますが、昨年と何か変えたことはありますか

脇田 ライドで言うと、昨年は結構前線で奪う、フルコートの中で上の方だけで奪うというものだけを奪い所としていたのですが、今年はそれに追加して、その中盤辺りだったり、あとはエンドラインという1番下のラインの2カ所でも奪えるという、さらにパワーアップしたライドの戦術を展開しています。

――柏原主将は主将になってから金井前主将(令6卒)とコミュニケーションを取られましたか

柏原 私は学年キャプテンや組織幹部などに関わったことがなかったので、どういう主将がいいのかをすごく悩んだ時期がありました。そうした時に、金井前主将に話を聞いて、何を意識していたかなど、そのようなことを言って相談していました。

――実際に主将をやってみて、ここまでいかがですか

柏原 金井前主将はザ主将みたいな感じだったのですが、自分はそういう感じではないないかなと(笑)。先程田中選手が言ってくれたように、自分らしく、声で盛り上げたり、雰囲気を明るくしたり、そこに特化して頑張っています。

――お2人から見て主将はいかがですか

脇田 昨年とは違って、全然別の主将像としてすごくいいなと思っています。雰囲気を盛り上げてくれたり、チームを鼓舞してくれたりして、引っ張ってくれて。すごく頼りにしています。

脇田 ちょっと褒めすぎたな(笑)。

田中 ほぼ同じです。 後輩とのコミュニケーションも取りやすい雰囲気を出してくれていて、4年だけではなく、下級生も巻き込んで一緒にチームを作り上げることができています。いいチームだな、今年のチームの雰囲気好きだなという感じです。

六大学交流戦立大戦で声を出す柏原

――ここからは4年間を振り返っていただきます。まず、一番楽しかったことや思い出を教えてください

脇田 私は昨年の立教戦で勝てたことです。というのも、その時初めて3年生としてライドリ―ダーをやらせていただいた時に、自分で提案した戦術が、結構リスクを負ったもので、反対意見もあって。ただ、最終的にはみんな信頼してくれて受け入れてくれて、その戦術を体現してくれた試合で。そこで立教に勝てたことに貢献できたのかなというところがあるので、すごく嬉しくて、印象的な思い出です。

柏原 やはり昨年のリーグの立教戦はすごく印象に残っています。脇田と田中が3年生ながら、先輩にも物怖じせず引っ張ってくれていた戦術が、この試合でしっかりはまっていったのが印象的で。私は少ししか試合に出ていないのですが、セーブで貢献できたというのもありますし、同期や先輩とか、本当に1人1人が全員活躍していたのが印象的でした。逆転された瞬間もあったのですが、最後に同期が取り返して勝ったというのが本当に印象的な試合でした。

田中 今年の早慶戦はすごい自分の中で印象に残っています。やはりチームとして本当にこの早慶戦は勝ちたいと思っていて、戦術面もだし、組織面も含めていっぱいミーツも重ねたし、早慶戦に向けての準備はめちゃくちゃやってきました。だからこそ、実際負けてしまったけれど、1、2Qしっかり良い戦いができて、リーグで絶対に勝とうという気持ちにもつながったし、 すごく大きな舞台でプレーできたというのはすごい楽しかったなと思っています。

――逆に一番辛かったことは何ですか

柏原 今年の早慶戦ですね(笑)。やはりゴーリーは1枚しか出れなくて、初めて自分がスタメンで出て。もちろん主将としても絶対に勝ちたいなと思っていたし、チームの状況的にも絶対勝てると思った試合で、自信を持って臨んだのですが、 最初勝っていて、でもやっぱり負けるという展開でした。セーブできなかったり、 チームをうまく引っ張れなかったり、チームの雰囲気を変えられなかったというところで、一番悔いが残る試合でした。

脇田  早慶戦というもちろんその1つの試合もあるのですが、なんだかんだ今が苦しいというか辛いなと思っています。理由としては、 やはり今年に入ってからまだそこまで大きい結果をみんなで残せていない、チームとして結果を残していないのが結構まだ心残りだからです。それを原動力にしてリーグで結果を残すというのはもちろんなのですが、戦術幹部としても個人としても、このチームで結果を残せていないのがすごい悔しいので、これから本当に日々精進して、みんなで一丸となって、リーグの勝利につなげて、絶対に結果を残したいなと思っています。

田中 同じです(笑)。早慶戦と今年の結果ですね。

――4年生はどのような学年ですか

柏原 まず明るいし賑やかな学年なのですが、結構個性豊かで。でも根底にあるのは優しさで、本当にみんな優しくて、人思いというか、そこが大きいなと思っています。後輩とのコミュニケーションも全員取れますし、困っている人がいたら助けてくれたり、 1人1人がチーム全体を見て、優しさあふれる学年だなと思っています。

――後輩はどのように見ていますか

柏原 3年生は個性が豊かすぎてすごいのですが、本当にラクロスに熱いです。自主練に行ったら絶対にいます。たまに厳しくて、チームの雰囲気が壊れるんじゃないかと思う時もあるのですが、でもそれも全部ラクロスが好きで、本当に勝ちたいという思いからくるもので、ラクロスに熱い学年です。

脇田 2年生は秘めてる熱さはあるのかなと思っています。3年生はもう表だってすごく熱いのですが、2年生はその一方で結構冷静というか、その中でも熱さを持っています。1人1人、先輩を見ながら、 どんどんいろんなことを吸収して、地道にコツコツ、少しずつうまくなっていく子が多いのかなというふうに思います。

早慶戦でフリーシュートに臨む田中

――ここからは今シーズンを振り返っていただきます。まず、六大戦を振り返っていかがですか

田中 チームとしては六大戦は自分たちがやりたいことをしっかり体現しようという目的で、もちろん勝ちも目指しつつ、そこまでにいろいろやってきた戦術もやっていこうという試合でした。でも、実際初戦で立教にボコボコにされて(笑)。昨年1回勝ったことがあったけど、やはり実力の差というのを感じました。それまでの練習試合は割といろんなとこに勝てていて、今年のチームいい感じなのかなと思っていたのですが、やはり実力の差を思いきり感じました。 頑張らなければと思ったし、実際明大や慶大にも大した差ではないけれど結局負けてしまって。立ち位置としては全く変わらない状態で、本当にここからリーグ戦までの間に絶対にここに追いつかなければいけないんだと思いました。チームとしてまとまりがあまりなかった部分もありましたが、ここから早慶戦とリーグ戦に向けて頑張ろうと気を引き締められる試合だったかなと思います。

――今年の早慶戦を振り返っていかがですか

脇田 みんな早慶戦に向けてすごく練習もしてきて、自信もかなりついていた試合でした。自信もあった一方で、やはり3Qから流れを持っていかれたところにはすごくショックも大きかったです。結構入りは今年強いと言われていて、自分たちのやりたいことだったり、流れを持っていけるという場面が結構多くて。そこまでのみんなの技術というのは体現できていたのですが、やはり3Qで流れを持っていかれてから、私たちがそれに対応できなくて、流れを持っていかれてしまったのが反省でした。これをいい経験にして、自分たちが思ってる力を全て出し切れるように、そして流れを持っていけるように今後はやりたいと思います。

――早慶戦が終わってから練習で意識して取り組んでいることを教えてください

脇田 特に最近は結構練習試合続きで、ゲームコントロールを意識しています。早慶戦で出た課題で、2Qまでは良かったけどそこからが崩れてしまったというところがあったので、コントロールができるように、コートに入っている10人全員で今どの戦術をすべきなのか、今はシュートを打つべきなのかどうかなど、そういった判断がまずできるように、 ゲームコントロール力というのを鍛えられるようにしています。

早慶戦でボールを運ぶ脇田

――目標としている学生日本一に向けて、現状でまだ足りていないことや必要なことを教えてください

柏原 まず個人の技術というところです。やはり学生日本一というのは本当に高い目標で、もっと全体的に上げなければいけないというのがありますし。あと、やはりゲームコントロール力です。まだまだ早慶戦が終わってから、練習試合を通してまだできてない部分もあるので、コントロール力と自分たちでその場で見つけてすぐ判断して解決するという修正力をどんどんつけていかなければいけないなというふうに感じています。

――リーグ戦で一番倒したい大学はどこですか

脇田 やはり東農大を倒したいです。それこそ昨年東農大にゲームコントロールで負けてしまって。今年の早慶戦と同じ展開で、2Qまで良かったのに、その後の戦術判断だったり、1人1人の判断が甘くて負けてしまったというところがあるので、今年はゲームコントロール力を早慶戦からさらにパワーアップして、一段と鍛えて、絶対に東農大にリベンジしたいなと思っています。

柏原 私も東農大です。昨年立教に勝って、次東農大に勝ったらFINAL4に行けるよという時に負けて、ゲームコントロール力とか、最初勝ってたのに、絶対に勝てる試合だったのに自分たちで自滅してしまった試合だったので、今年こそ絶対にもう勝って見返してやりたいです。

田中 東農大はもちろんそうなんですが、明治に勝ちたいなと思っています。今年は結構明治のメンバーがそろっていて、 だからこそ学生王者になるためにはブロックで倒さなければいけないし、明治に勝てたらかなり自信を持ってFINAL4とその先に進めるのではないかなと思うので、一番勝ちたいです。

――リーグ戦のキーマンになる選手はどの選手だと思いますか

柏原 西川佳(文構4=東京・東洋英和女学院)です。同期の4年のATなのですが、 ここ最近安定感とショットの決定力がすごくて、本当に安心感があります。早稲田はワンキャラが多いのですが、そのような中で、裏からゴリゴリ攻めるタイプで、本当に注目の選手だと思っています。

脇田 3年生のびび(DF西田葉南、文構3=東京・城東)で、DFなのですが、びび個人の対峙力がかなり高くなっていて。昨年サブチームで結構ずっといろんなところで苦しんでいたにも関わらず、今年に入ってからすごく安定感が増していて、 本当に1人の選手としてすごく信頼できるDFだなと思っています。特にクロスワークが私はうまいなと思っていて。例えば、パスが通った時のインターの力で取り切る力だったり、グラボでかさらっていってランクリする力だったり、DFだけどDFではないみたいな、そういったクロスワークがすごく上手で、本当に信頼できる、安心感の置ける選手だと思います。

田中 ゴーリーの2年生の星井(萌子、スポ2=東京・駒場)選手で、柏原主将とはまたタイプの違うゴーリーです。ゴーリーに転向してから半年くらいだけれども、トップチームで2枚目としてかっしー(柏原)の後ろで支えている選手で、やっぱリーグに向けてもどんどん伸びてきているので、かっしーとタイプが違うからこそ、 2枚目としてポイントで活躍してくれるのではないかなと期待してます。  

――柏原選手から見て、星井選手はいかがですか

柏原 身長もまず全然違くて。向こうの方が全然高かったり、バスケをやっていたり、元々フィールドプレイヤーとしてやっていたので。フィールドプレーやセーブの仕方も自分と全然違くて、そういったところで相手アタックの苦手なショットに合わせたゴーリー使いみたいなところができるのではないかなと思っています。すごく安心感のある後輩ですね。

――最後に、リーグ戦に向けて意気込みをお願いします

脇田 まず個人としては、やはり得点で絡むことです。やはり点が入らないとラクロスは勝てないので、得点で勝利に貢献する。それに加えて、やはりMFなので、ドローで試合の開始からボールを取って、1回もディフェンスセットに持ち込ませないぐらいの勢いで、ボールの支配率を制して、チームに流れを持っていきたいなと思います。また、戦術幹部としては、それこそ今年のゲームコントロールという課題もあるので、フィールドに入っていてもベンチにいても、今この戦術が合ってるのかを判断して、ライドだけではなくて全ての戦術が今合ってるのか、そういったところを判断しながらチームの勝利に貢献したいなと思います。

田中 私もチームの勝利に貢献したいと思っています。私が得意なのはやはりグラボ(グランドボール)とか誰よりも走るというところだと思うので、そういったところでチームに貢献したいです。点も頑張って決めて、戦術幹部としてしっかりチームを引っ張っていって、試合中でもしっかり声を出して頑張って貢献していきたいと思います。

柏原 チームとしてもちろん勝つというところがあると思うのですが、やはりチームとしても個人としてもラクロスを楽しむというところを大事にしたいなと思っています。チームも楽しんでいる時の方が結構流れが良かったり、1人1人がプレーを発揮できたりするところもありますし。 私たちのチームは雰囲気から自滅しがちな部分があって、勝手に暗くなって勝手に苦しんでいくということが多いチームなので、少し肩の力抜いて、楽しみながらラクロスやって勝ちたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 佐藤結、長屋咲希 写真 廣野一眞)

◆柏原陽菜乃(かしはら・ひなの)(※写真中央)

東京・大妻多摩高出身。創造理工学部4年。星川選手と同じく、ネットフリックスで「ハイキュー!」を観るという柏原選手。「ハイキュー!」を観て気合を入れて部活に行くのが日々のルーティンだそうです!

◆田中美亜(たなか・みあ)(※写真右)

東京・国立高出身。スポーツ科学部4年。昨年の対談から変わらず、フワちゃんが好きだという田中選手。最近はフワちゃんのラジオにハマっていて、聴くといつでも笑顔になれるそうです!

◆脇田萌衣(わきた・めい)

東京・白百合学園高出身。教育学部4年。脇田選手も昨年の対談と変わらず、趣味はスイーツ巡り。早慶戦が終わってから、スイーツビュッフェによく行くそうです!