【連載】早慶クラシコ特集『Refuse to Lose』【第4回】青柳龍次郎×鈴木大翔

ア式蹴球特集

 第4回には、今季ア式蹴球部(ア式)に入部した新1年生のMF青柳龍次郎(スポ1=群馬・前橋育英)とFW鈴木大翔(スポ1=ガンバ大阪ユース)のお二人が登場!入学してから3カ月が経った今、新たな環境での生活やどのような4年間を過ごしたいかなど、さまざまなことを伺いました!
※この取材は6月29日に行われたものです。

 

フィジカルの面でも負けている訳ではないし、頭を使うという部分でも全然やれている(鈴木)

ボールを運ぶ鈴木

 

――入学されてから早稲田の生活を振り返っていかがですか

青柳 最初はやっぱり環境の変化というのがあって、サッカーのレベルは高くなったけど、高校に比べて自由な時間が増えたのでそこで自分とどう向き合っていくかっていうのは、今までにない経験だったので苦労しました。けど、だんだん慣れてきていて、サッカーの面でも自分のらしさというのがはっきりしてきて、これからが勝負どころかなというところですね。

鈴木 まず、最初の1週間くらいでケガをしてしまって、ケガをしない体づくりとかの必要性を感じています。それとこっちに来てから、ユースとかでも大分指導されていたんですけど、(ア式では)細かいところはあまり指導されないので、そういった自分で気づくとことかを振り返って反省とかをしていかないといけないなと思いました。

――プレー面ではどんな感じの手応えですか

青柳 最初は、自分自身先輩とやるのが苦手というか、気を遣ってしまう部分がありました、でも、だんだん慣れてきて、ア式の先輩は優しい人が多いので、受け入れてくれるところがあるので、自分は試合中怒ったり、口悪くなっちゃうことがあるんですけど、先輩はそういうところも受け入れてくれるので、だんだん遠慮せずにできるようになってきたという感じですね。

鈴木 最初の1週間で自分はやれるって分かっていたんですが、まだまだできていないところや、出せていない部分もあるので、そこを出していければもっと良い感じになっていくかなと思っています。

――私生活という面で、これまでの大学生活の感想を教えてください

青柳 もう暇っすね(笑)。

鈴木 時間がめっちゃあって(笑) 。

――自分のことに割ける時間が増えたと思われますが、そういう時は何をしていらっしゃいますか

青柳 大学入ってからは睡眠が増えましたね。1限がなかったら昼まで寝ていますし、ちょっとでも時間があったら寝ちゃいますね。

鈴木 僕も寝てますね(笑)。それか、筋トレするかって感じです。

――筋トレは好きですか

鈴木 好きじゃないですけど、でもやらないとというか感じで。トレーニングとしてやっていますね。

――鈴木選手はリーグ戦デビューを果たされたと思いますが、手応えはいかがですか

鈴木 自分の中では、(大学は)プレミアリーグと大差はないと思うんですよね。やっぱりフィジカルの差が大きくて、でも、フィジカル以外の面でどう戦っていくかっていうのを考えた時、フィジカルの面でもそこまでガッツリ負けている訳ではないですし、頭を使うという部分でも全然やれていると思っています。

――青柳選手はFCやIリーグの試合に出られていると思いますが、手応えはいかがですか

青柳 最近は結構調子も上がってきて、高校の時に自分の課題だった守備という部分で、結構強みとしてやれています。それでも、高校の時に強みだった攻撃をまた出せていないので、出していってトップチームに行けるようにしたいです。

――高校と一番変わったなというところはどこだと思いますか

青柳 フィジカルですかね。

鈴木 プレースピードどフィジカルですかね。

――その点を挙げられる方が多いですが、いきなり何段階も上がったなという感覚ですか

青柳 自分としては、今まで言葉にしなくても分かっていた部分っていうのがなくなっているので、そうなってくるとやっぱり個の力っていうのが重要になってくると思います。だから、やっぱり個で見るとフィジカルが一番重要なのかなと思います。

鈴木 ユースの時にトップのチームと練習試合する時があったので、 ある程度そこら辺は慣れていたのですが、高校の時の試合と比べたら(大学では)ここ来るってところでも全然来てないし、そういったところが大学との違いだなと思いました。

――今のご自身の課題はなんだと思いますか

青柳 得点力ですかね。もっと攻撃したいですね。

――攻撃は自重してという感じなのかバランスを見てやっている感じなのか、どちらですか

青柳 バランス見てという感じで、自分が前に出ちゃうとボールが回らなくなるのでチームで勝つという方を取るなら、自分がちょっと下に降りてやらなきゃという風に思うので、最近はタイミングを見ていますね。

 

――鈴木選手はいかがですか

鈴木 そうですね、圧倒的な得点力というか。もっと結果が欲しいですね。

(鈴木は)ピッチ内ではブチ切れてる(笑)(青柳)

質問に答える青柳

 

――ア式全体の雰囲気をどのように感じていますか

青柳 陽琉君(奥田陽琉、スポ4=柏レイソルU18)とか、平松君(柚佑、社4=山梨学院)とか、めっちゃ明るくて練習で盛り上げてくれますし、下級生に対しても声かけとか積極的にしてくれるので、一緒のカテゴリーでやったりする時はありがたいですし、かといってぬるいとかでもなく、絞めるところはしっかり絞めてくれるので良い雰囲気だと思っています。

鈴木 エネルギーがあると思っています。ポジティブな声も多いし、かといって厳しい言葉もみんな掛けるし、良い環境でできていると思います。全体的にもバランスを見てくれる人がいたり、良いと思います。

――一番仲の良い先輩は誰ですか

青柳 4年生だったら、戸部君(広大、スポ4=埼玉・早大本庄)とか松沢君(遥、スポ4=松本山雅FCユース)とか、やっぱりカテゴリーが同じなので、結構かまってくれますね(笑)。遥君とかめっちゃ構ってくれて、結構自分から絡みに行きますね。

鈴木 2年生だったら山市君(秀翔、スポ2=神奈川・桐光学園)と奈琉君(佐々木、社2=新潟・帝京長岡)で4年生だったら陽琉君ですね。

――奥田選手のゴール後に、お馴染みのポーズを一緒にやられていましたが、やはり奥田選手のゴールはうれしかったですか

鈴木 そうですね。

――他己紹介をお願いします

青柳 大翔はピッチ内だったら、もうめちゃくちゃ負けず嫌いで自分が結構先輩に遠慮してしまうところがあるので、大翔に「お前どうなの?先輩に遠慮とかしないの?」って聞いてみると、先輩には絶対に負けたくないって言ってて、その負けず嫌いなところを見て、自分も頑張ろうって思うので、良い影響を与えてくれていますね。ピッチ外だったら、マジで抜けているというか、ちょっとアホみたいな(笑)。だから、ピッチ内だったらお互い切り替えてやれるし、ピッチ外は二人でふざけ合っているので、本当にそこの切り替えというのがうまいから面白いですね。オンとオフの切り替えがうまいです。ピッチ外ではフワフワしているんですけど、ピッチ内ではブチ切れてるんですよ(笑)。言葉にはしないけど、内側からめっちゃ怒ってるのが分かります。結構言われるもんね?

鈴木 言われますね。良く感情を出すって、言われるんですけど、内に秘めてしまうので。それが出てますね(笑)。

――鈴木選手から見て、青柳選手はどうですか

鈴木 ピッチ内では龍次郎も結構負けず嫌いで、結構というか根に持ってるものがすごいんですよ。あまりそう見えない人もいるかも知れないんですけど、この学年でも相当な負けず嫌いだし、それを言葉に出すから、僕たちには伝わるし、どう見えているか分からないけど、僕はものすごく良いと思います。ピッチ外では、なんか、可愛いです(笑)。人を惹き付ける能力を持っているとおもいますね、人たらしみたいな。

――可愛いと感じたエピソードとかはありますか

鈴木 エピソードとかはないんですけど、普段の行動が可愛いという感じです。

青柳 言われたことないけどな…。

――逆に負けず嫌いの自覚は結構ありますか

青柳 ありますね。サッカー以外でも二人で結構ゲームとかやるんですけど、対決して俺が負けて、拗ねてたら、大翔帰っちゃって(笑)。でも次の日から、もう普通に戦ってるので(笑)。

――お二人のルームメイトは

青柳 伊藤猛志(スポ1=ジュビロ磐田U18)ですね。

鈴木 僕は柏木陽良(スポ1=鹿島アントラーズユース)ですね。

――同部屋の二人に対する印象はいかがですか

青柳 自分の同部屋はめっちゃ自立してるので、部屋を綺麗にしてくれたり、お金は折半なんですけど、家具を買ってくれたり、俺は結構だらしない面もあったりするので助かっています。

鈴木 サッカーが好きな印象がありますね。同部屋の子はオフの日もサッカーしに行ったり、サッカー見ていたり、サッカーが好きな印象がありますね。

――お二人の出会いはア式蹴球部ですか

青柳 いや、中学から知ってました。話したことがあるくらいでした。

――第一印象はいかがでしたか

青柳 大翔は中学の時、代表に入っていたので結構怖いっていう印象でした。意識高い系の人なんだろうなって思ってたら、全然普通の人でギャップでした。

鈴木 シャイな感じなのかと思っていたんですけど、喋ってみたら意外と普通で結構喋れるなと思いました。

――オフの日は何されていますか

青柳 オフの月曜日に1限から授業があるんですよね。起きて、行って、帰ってから寝るという感じですね。

鈴木 サッカーするか、寝るか、ユースの子が拓殖大に行ってて、その子の家に泊まりに行ったりもしましたね。

――授業との両立はどうですか

青柳 思ったより簡単でした。スポ科なので(笑)。あと、オンデマンドっていうのもあって、自分のタイミングでできるので。

鈴木 僕も同じですね。

(平松主将は)めちゃくちゃ良いキャプテン

ドリブルをする青柳

 

――1年生はどういう学年ですか

青柳 抜けてる人が多いかなっていう印象ですね。

鈴木 結構抜けてますね。

青柳 全体的に抜けてる人が多い印象ですね。

鈴木 そうですね、メリハリ無いくらい多いですね。

――1年生の中で、まとめ役は誰ですか

青柳 学年リーダーは武沢(健伸、スポ1=鹿島アントラーズユース)なんですけど、彼が結構抜けてるので、全然まとまらないですね(笑)。

――学年リーダーはどのようにして決めたんですか

青柳 いや本当に、いなくて。どんどん時間が経っていって、痺れを切らして健伸が「俺やるわ」という感じです。

――鈴木選手はユースから来られたと思いますが、ユースと部活の違いはありますか

鈴木 うーん、特に無いですね。ユースは元から環境が整っている感じだったんですけど、部活は自分たちで準備とかもしなければならないのでそこはユースでの環境が恵まれていたんだなと思いました。

――上下関係の厳しさなどは感じますか

青柳 いや、全然無いと思います。俺がちょっと舐めてるだけで(笑)。

鈴木 そうですね、ピッチ内では全然要求するし、ピッチ外でも気軽に話せるので良い感じです。

――平松柚佑主将(社4=山梨学院)はどんな方ですか

青柳 めちゃくちゃ良いキャプテンですね。ふざけて笑わせるとかもするし、大事な場面ではめっちゃチーム引っ張ってくれるし、練習終わって一言言う時に、松君は言うことが大人っぽくて、すごいなって。試合中も声出すし、あれがキャプテンなんだなって感じますね。

鈴木 学年には一人はおって欲しい存在ですね。やっぱり声が特徴で、声も通るし、オンとオフのメリハリもはっきりしてるし、そういったところは僕たちも学ばないといけないところですし、学ぶところもいっぱいあって、すごく良いキャプテンだなと思います。

――兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)はどんな監督ですか

青柳 僕は兵藤監督に教わる機会があまりなくて。

鈴木 結構頭を使うというか、考えて采配とかをされていて、一回面談をしたんですけど、兵藤さんも結構負けず嫌いでそういうところが結構伝わってきました。

――兵藤監督の攻撃的なプレースタイルに合わせていこうってなったときに、手応え的にはいかがですか

青柳 元々育英でそういうサッカーだったので、こっち来て逆に物足りないなって感じています。

鈴木 ガンバも兵藤さんが言っていたように4点取られたら5点というスタイルだったので、もっと細かいところまで求めていったら、もっと点も取れると思っています。

――今後の戦い方でどのように自分らしさを出していきたいですか

青柳 今のプレーを続けていれば上がれると思うので、なるべく早く上がってトップチームでより点に絡めるような存在になりたいです。

鈴木 出場時間をもっと延ばして、みんなコンディション上がったらどんどんAチームに上がってくると思うのでそこにも負けずに、自分がチームを勝たせられるように頑張りたいと思います。

――青柳選手は中盤の選手だと思いますが、中でも一番勝負したいポジションはどこですか

青柳 本当にどこでも良いんですけど、まあトップ下か、ボランチって感じですね。サイドよりは真ん中で。

――鈴木選手はいかがですか

鈴木 僕はフォワードですね。

――ポストプレーヤーだったり、裏抜けだったり、さまざまなタイプがあると思いますが、鈴木選手はフォワードとしてどんな選手になりたいですか

鈴木 全部できる(笑)というか、味方を生かすプレーをやっていたので万能型ですね。

――青柳選手はどこが自分の強みだと思っていますか

青柳 俺も結構オールラウンダーっていう感じで、攻撃も守備も卒なくこなすタイプなので、こなせるだけじゃダメだと思うので、どっちも突出させていきたいなと思っています。

チームがしんどい時に点を取れて、勝たせられる選手になりたい

質問に答える鈴木

 

――FWや中盤は多くの選手がいて競争が激しいと思うんですけど、その中で勝ち抜くためにどういうことが必要になってくると思いますか

青柳 気持ちですね。気持ちが走力とか球際に出てくるので、頭使いつつも、気持ちの面では誰にも負けないように持つ必要があるかなと思いますね。

鈴木 いい心構えはできているので、結果を残すこと。得点、アシストの両方ができるようにしたいです。

――これからのア式のキーマンは誰になりそうですか

青柳 キーマンか…。

鈴木 僕は山市君で。やっぱり人間的なパワーがものすごくあるので、それを生かしつつ、まあ山市君が調子いい時はチームの調子が良いし、良いエネルギーを出してくれると思います。山市君が良ければチームも上向きって感じなので、その点で注目という感じですね。

青柳 俺は、陽琉君ですね。理由は、人間性が本当に素晴らしいので、陽琉君が活躍してると、こっち側も胸に来るものがあるというか。この前の日大戦でヘディングでゴール決めた時とか、感動しましたね。陽琉君も結構山市と一緒で、良いエネルギーとかを持ってきてくれるので、陽琉君が調子いいと、チームもすごい良い方向に向かっていくと思っているのでこれからも活躍してどんどん点とってほしいですね。

――個人の目標を教えてください

青柳 自分はまずトップチームに昇格することで、昇格しても最初は試合にあまり絡めないと思うんですけど、数少ないチャンスをモノにしていって、後期のリーグ戦は1試合は出たいなと思っていて、大臣杯もメンバー入って、試合に絡んでいけたら良いなと思っています。

鈴木 チームがしんどい時とかに点を取れて、勝たせられる選手になっていきたいなと思っています。

――この4年間をどんな4年間にしていきたいかを教えてください

青柳 楽しみたいですね。サッカーの面では、今の安斎君(颯馬、社3=青森山田)みたいに3年からJリーグに絡んでいきたいと思っているので、本当にそこ目指すとなると、4年になったらア式で試合に出ることが少なくなってしまうと思うので、3年生までに取れるタイトルは取っておきたいなと思います。

鈴木 僕も同じなんですけど。兵藤さんとの面談の時にも言ったんですが、今の安斎君のようなルートを辿っていければ、より上でも戦えると思っています。

――ありがとうございました!

(取材、編集 髙田凜太郎、宮下幸)

 

 自由なテーマで色紙を書いていただきました!

 

◆青柳龍次郎(あおやぎ・りゅうじろう)

 2004(平16)年11月11日生まれ。181㌢、72㌔。群馬・前橋育英高出身。スポーツ科学部1年。鈴木選手の同部屋の柏木選手の影響で筋トレにハマっているという青柳選手。最近は懸垂を中心に行っていて、筋肉痛が気持ち良くなっているそうです!

◆鈴木大翔(すずき・ひろと)

 2004(平16)年4月8日生まれ。174㌢、66㌔。ガンバ大阪ユース出身。スポーツ科学部1年。最近はアニメをよく見るという鈴木選手。2月から1000話近くあるワンピースのアニメを全部見たそうです!