第5回に登場するのは、サイドを駆け上がる蔵田あかり(スポ4=東京・十文字)、三谷和華奈(スポ2=東京・十文字)と、アンカーとしてア女をコントロールするブラフ・シャーン(スポ3=スフィーダ世田谷FCユース)、築地育(スポ1=静岡・常葉大橘)。仲良しMF陣にインカレに向けての意気込みを語っていただきました!
※この取材は12月22日に行われたものです。
「得意料理は肉じゃがです」(築地)
最近一人暮らしを始めたと話す築地
――まずはプライベート編の他己紹介をしていただきたいと思います
三谷 (築地)育はホームシックだよね(笑)。すぐに帰りたがる。
築地 家族が(試合を)観にきてくれたりすると泣いちゃうんです(笑)。 泣いちゃうくらいのホームシックです。
ブラフ 他のエピソードない(笑)。完全にプライベートじゃないけど、全てが100%ですかね。自分たちはアップのときにアジリティのトレーニングをやっているのですが、こっちは6割の力でやっているのに、育は全力でやるみたいな。めっちゃ顔がガチなんですよ(笑)。
蔵田 元気度を書くときに、みんなが疲れている時も育は100です。本当に元気だよね。あと、今まで寮だったんですけど、最近一人暮らしを始めました。
築地 一人暮らしだと自分のペースで生活できますね。寮は(人に合わせないといけないので)疲れますね。料理もします。得意料理は肉じゃがです。
――次に、三谷さんの紹介をお願いします
築地 漫画とかアニメが好きです。この間「鬼滅の刃」主題歌がいいよって言われたので歌ってくださいってお願いしたんですけど、歌ってくれませんでした(笑)。
ブラフ 和華奈は同期からなんでもスルーされます(笑)。スベってます。でも喋っているので無敵だと思います。
蔵田 高校の(部活が)同じでしたが、すごく厳しくてプライベートは知らなかったです。でもこの2年間過ごしていて、ものすごく素直だなって。あとは、料理がすごく上手です。よく食べさせてもらうのですが、おいしくて。感謝して頂いています。
三谷 余裕があるときに簡単に作れるスイーツをインスタで探してやってみています。試食してからみんなに配ろうと思っているんですけど、試食の時点で半分以上なくなっちゃうんですよ(笑)。自分が作った中で一番おいしくできたのは、炊飯器で作ったさつまいもケーキ。
一同 あれは美味しかった。
――シャーンさんはどうでしょうか
築地 シャーンさんは、最初は怖かったです。海外の感じが。でも面白くない感じが面白いです。のほほんという空気が楽しいです。試合前は真剣だし。
一同 それはみんなだ!
三谷 シャンシャン(ブラフ)は面白くない。(自分と)同じものを感じる仲間(笑)。スペックがめっちゃ高いと思いきや、おやじギャグ言ってくるし。一周回って面白いとかもない。スベるの、もう怖くないもんね(笑)。
ブラフ ね(笑)。
蔵田 シャーンは愛犬の「やまと」をめっちゃストーリーにあげています。
ブラフ 猫もいます。「なん」と「くう」。「なん」は最初はやせ細ってたのに、うちに来ていっぱい食べたら太って、お母さんがそれをナンみたいだねって言って。「くう」は九月に来たから。
蔵田 そうなんだ!でも更新率は圧倒的に「やまと」だよね。
――蔵田さんについてもお願いします
築地 ストレッチ! 高校の時から有名人で、(マスコミに)取り上げられていた時に「大事にしていることはストレッチです」って言ってて、すごいストレッチがあるのかなって思ってたんです。そしたら、みんながやる股関節をほぐすやつ(笑)。
三谷 あぐらみたいなやつね(笑)。
蔵田 馬鹿にしないでよ(笑)。
三谷 高校の時キャプテンだったんですけど、テレビとかで密着されてる雲の上の存在って思ってました。でも、大学で話してみたらなかなか…天然(笑)。
築地 ビブス着て帰っちゃったり(笑)。
三谷 聞き間違えとかも多いですね。紅白戦している時に、メンバーに呼ばれたのに聞こえてなくて(笑)。
ブラフ ほんとに難聴です(笑)。基本的に「ん?」聞き返す。最初入ったときは、「十文字の蔵田あかり」って思ってたけど、話しかけてくれたりして、自分は大好きです!
蔵田 そういうの聞きたかった!
「ア女のために戦いたい、ア女のみんなと喜びたい」(三谷)
ケガで居場所に対する考え方が変化したと語る三谷
――続いてはプレーについて伺っていきたいと思います
三谷 育はもう足元がうますぎて、見ていて本当に「うぉー」と言いたくなる。「ナイス!」って。面白いプレーをする選手だなと。自分は(試合中)サイドで張っていて、外でロングボールとかをもらいたい派なのですが、育はロングボールや逆サイドへの展開がしっかりしていて、いい意味で怖いもの知らずといった感じで、自分も見習いたいと思います。
築地 照れますね。
ブラフ 育は背がそんなに高いわけではないけど、競り合いで当たりも強いし、練習中もマッチアップすることが多いのですが、嫌だなと思うことが多いです。同じボランチですが、育は前線に上がるとか発想力がすごくあるなと思っていて、そこは自分に足りないことだからいつも見習っています。
蔵田 瞬発力がすごいです。守備面で発揮されることが多いのですが、考える前に体が動いてボールを奪っています。自分たちは頭で考えしまいますが、育はいつの間にかボールを奪っている。展開力もすごくて、私もサイドなので和華奈と同じように、ボールがロングフィードなどできたら前に仕掛けるだけなので、本当にありがたいなと思います。
――今季は得点を求められる立場にいることもあれば、アンカーにも挑戦していました。この一年間、ア女の一員としてどのようにプレーしてきましたか
築地 ホームシックもあったり、やってこなかったサイドハーフとかもやったりして、すごくモチベーションが下がってしまったり、サッカーをこのまま1年頑張れるかなと思う時期もありました。でも、色んな先輩に自分の気持ちを話したり、あかりさんとか和華奈さんに、自分が困っていたら試合の時に声かけてもらったりしました。今まで自分がやってきたことだけではなく、新しいことに挑戦して自分の可能性を広げられるかもしれないということに気付きながらサッカーに取り組めたかなと思います。
――1年生らしいフレッシュなプレーが多い印象ですが、その裏でよく泣いている、自分に自信がなさそうだという話も聞きました
築地 誰が言ったんですか(笑)ガッツが自分の良さであるとは思うので、思いっきりプレーをしようとは思っています。だけど終わった後に振り返ると「違うな、うまくいかなかったな」と思ったことが多いシーズンでした。それでも練習に来てサッカーをやっていたら楽しいなと思えました。
――続いて三谷さんについてお願いします
築地 和華奈さんは、自分だったらいけないと思うところをグッと体を入れてクロスまで持っていけるところが強みです。すごいハードワーカーでどんなに疲れていてもずっと(自らの)背後に(ボールを)要求し続けるので、自分で自分を苦しめながらそれでもチームを救おうとしている姿に、じゃあもっと背後に出しちゃおうってなります(笑)。
一同 (笑)。
ブラフ ボールがちょっと流れても絶対追いついてくれるという自信があるから、鬼パスみたいになるのですが、自信をもってボランチとして(パスを)出せます。今年シーズンの初めに(三谷が)けがをして、戻ってきてくれたときは本当にうれしかったし、チームに新しい勢いをもたらしてくれた。一番最初が慶応戦(○8-0)でその時をすごく覚えています。和華奈の縦への推進力がチームに勢いをつけたし、本当に影響力がある選手だなと感じています。
蔵田 和華奈は同じスピードを武器にしているから、よく似たようなプレーをするみたいな感じで言われるのですが、自分はそう思っていなくて。サイドハーフだから何回も攻撃をして奪われることもあるのですが、めげずに何回も何回も自分たちのチームのチャンスメイクをしているのは本当にすごいことだと思うし、それに私も感化されているなと思います。
――けがをされて、サッカーをすることに恐怖を感じたのではと思います。それでも戻ろうと思う原動力になんでしたか
三谷 お医者さんにもサッカーはやめたほうがいいかもみたいに言われて、恐怖心も確かにありました。サッカーをやるか迷ったときもあったのですが、「ア女のみんながいるから」とか「待ってくれている人がいるから」というのがすごく大きくて。正直1年生の時は自分のことしか考えていなかったし、自分が活躍できればいいから、ア女はその(自分が活躍できる)場所でしかないみたいな考え方であったのですが、気付いたら「ア女のために戦いたい、ア女のみんなと喜びたい」と思う自分がいました。ここが今プレーしたい場所なのだと思った時に、帰ってきてみんなのためにプレーするのが自分の使命というか、それが原動力になっていました。けがを通して自分の奥底にあった気持ちに気付けたので、苦しかったけど今となってはこのけががあって変われたし、ア女の人たちと今まで支えてくれた人たちに感謝したいなと思います。
――復帰後は多くのゴールを決められていますがそういった思いがかたちとなっているのでしょうか
三谷 自分の強みがチームの流れを変えられることだと思っているのでそれがスタメンであろうが途中出場であろうがそれを体現できる自信を身に着けてきたから、恐れずに何回(ボールを)獲られようが、何回転ぼうがどんどん前に仕掛けていくことがチームの助けになるというのを信じてやり続けるしかないので、それは残りの4日間もやりたいなと思っています。
「絶対に自分を中心に流れを変えていこう」(ブラフ)
自分(アンカー)が目立たない試合の重要性を口にするブラフ
――続いてブラフさんについてお願いします
築地 シャーンさんは、マッチアップするとき、自分がジャンプして「高く飛べた!」と思った時も、もっと上にいてボールを跳ね返されたりします。守備でも少し(ボールが)足元に入るとグイグイ体を入れられます。プレーではなく精神的なところだと、真ん中にいる選手は周りからプレッシャーを受けますが、堂々とプレーしている部分を見て、リーダーシップというか頼れるボランチだと思います。
三谷 ファースト競れるというのはチームとしてすごく大きいし、その高さ、ジャンプ力というのはすごいと思っています。短いパスも丁寧につけられるし、ロングフィードも蹴れるとわかっているから(自分は)裏に走れるし要求できるので、すごく信頼しています。あとは相手を前に進ませない守備ができるので、総称すると器用かなと。どんな状況でも臨機応変に対応できて、一歩引いて冷静にゲームをコントロールしてくれます。自分や育みたいな選手だけでは試合は成り立たないから(笑)。バランスをとるのがうまいと思います。
蔵田 シャーンは今年は大きいけがもなく、コンスタントに試合に出ていたかな。そのなかで足元の技術であったり、ロングフィードであったりするところは強みだと思います。今年一番変わったのがチームのために声を出すということです。シャーンはあまりチームを盛り上げるタイプではないなかでも、もがきながらもチームのために行動してくれるといったことがあり、すごくうれしかったです。
――1年目は出場機会もある中で、スタメンに定着することはありませんでした。出場する同期もいましたが、そういった部分で葛藤はありましたか
ブラフ 1年生の前期はスタメンで出ることも多かったですが、だんだん自分も気持ちが守りに入っちゃったというか、もっと伸びしろがあるのにミスしないようにプレーしたり。けがも重なりました。でも同期で真穂(廣澤、スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)、雛(髙橋、社3=兵庫・日ノ本学園)、和夏(船木、スポ3=日テレ・メニーナ)とか出続けている人がいて、素直に応援できない自分がいた。1、2年のころはチームのためというよりは自分が出て試合に勝つということが一番だったから、チームが勝っても自分がそこにいなかったら、別にうれしくもなかったです。今年は試合にも絡み続けられるようになって、勝つことに対する責任を意識していて、そこは最後までやっていきたいと思います。
――アンカーとしての責任をどのようにピッチに還元したいと思っていますか
ブラフ 守備は自分の中では最低ライン。調子が悪い時でもそこは絶対に何があっても負けないというのは意識しています。アンカーとして、いつでも冷静にゲームをコントロールする。試合の流れがいい時も悪い時も絶対に自分を中心に流れを変えていこうということは強く思っています。インサイドハーフの選手とかフォワードの選手が目立っている試合で、自分があまりボールを触っていないように見えても、ポジショニングの一つとかでチームのためになっているのだなと今年は感じています。あまり目立たないかもしれないけど、自分でどれだけ高められるかがチームの勝敗に関わってくると思うので、引き続き意識していきたいと思います。
――それでは蔵田さんについてお願いします
築地 あかりさんはもう超速い。パスミスをパスミスにしないで自分たちのボールにしてくれるので、(パスの)出し手からしてもすごく助かります。でも速すぎて中に入ってくる人が逆に間に合わなくて、「ああ、待って…」みたいなシーンがあります(笑)。そういう時は自分でゴールを奪いにいくので、そういったチャンスを作ったりチャンスを掴んだりする嗅覚がすごいと思います。
三谷 自分とあかりさんは全然違うタイプだと思っていて、自分は(ボールを)もらって自分で仕掛けてクロスを上げたいタイプだけど、あかりさんは周りと連携しながら、ワンツーで自分がフリーになってクロスを上げるといったプレーの方が多いから、似ているけど思い描いているプレーは違うなと感じています。自分が1年生の時もサイドハーフの先輩を比較していた部分もありました。でも、今年になって色々話してみたら、自分はあかりさんになれないし、あかりさんも自分にはなれない。あかりさんは自分の良さを自覚していて、いい意味で本当に刺激を与えてくれる選手です。あかりさんって明るいしすごく話しかけてくれるから、敵対視とか絶対しない(笑)。
――実はバチバチですか(笑)。
三谷 そんなことないです(笑)。どうしても同じポジションだと意識したりしていたのですが、あかりさんはそういったことがなくて、きっとそんなところを目標にしているのではないのだろうな、将来とかも考えられているし、自分の良さというのが分かっているのだろうなとすごく感じています。内面的な器のでかさが好きです。
蔵田 告白されちゃった(笑)。
ブラフ あかりさんは試合中の修正力がすごいと思っています。コミュニケーションも取りやすいし、プレーごとに「今のこうだった?」とか聞いてくれて、うまくいかなかったら、前向きにというか悲観しないで修正してくれる、めちゃくちゃポジティブなんですよ。「大丈夫、大丈夫!」といった声かけとか、流れがあまり良くないときにあかりさんの一声でチームの雰囲気が変わるとか、自分はすごく感じていて、それがあかりさんの良さだなと感じています。
――チームの状態が悪い時も、あえてポジティブであらなければいけないという思いがあったと思いますが、4年生としてどのようなことを意識してプレーしていましたか
蔵田 ア女は4年生がチームのカラーを作ると言っても過言ではないと思います。4年生が不安な顔をしたら後輩たちに伝わってしまうので、なるべくそういった面を見せずに、「自分たちはこういったことができているよ」ということを見せようと考えていました。自分はチームを声で鼓舞するよりはプレーで体現して引っ張っていくタイプであると思っているので、自分がシーズン初めにけがをしてピッチに立てないのはすごくもどかしかったです。ここにいて何ができるのだろうと悩んだこともたくさんあったのですが、そ悩み続けたところで解決策が出てくるわけでもないし。それなら自分が置かれている立場で今できることをやるだけだなと切り替えができたので、それをやり続けたというのがポジティブなところにつながったと思います。
――けがから復帰されてプレーで示せるようになってきた状況で、どういったプレーをしていきたいですか
蔵田 前線(の選手)なので、結果が欲しいなと思うところはありますが、それでもチームが勝てればそれでいいと思っています。自分があまりよくないプレーであったとしても、最終的に他のみんながいいプレーをして結果につながったらいいですし、安心感であったり安定したプレーだったりを、これからも次のステージでも続けることを意識していきたいなと思います。
「与えられた時間の中でどのようにチームに活力を与えられるか」(蔵田)
全力でプレーすることを誓った蔵田
――次に、今季の振り返りを聞かせてください
築地 まず関東リーグは目標だった四冠のうちのひとつで、日程的にも重要な試合の間に入ることが多くありました。他のリーグや大会では(調子の)波もありましたが、関東リーグという場はチームとして勢いをつけ直す、良いタイミングになっていたかなと思います。チームとしても個人としても色々なチャレンジができる場だったので、多くの収穫が得られたリーグでした。
――皇后杯予選は3位という結果になりましたが
三谷 自分自身も多くの試合に関わることができ、強く印象に残っています。今シーズンの前期はチームの調子は良かったのですが、後期に入ってからはなかなか思い通りの結果が出ず、皇后杯予選もそんな不完全な状態で臨みました。準決勝の日テレ・メニーナ戦(9月18日、●2-6)の敗戦では、自分たちの力がまだまだなんだな、というのを思い知らされたように思います。ただそこで崩れずに3位決定戦(9月19日、〇3-1)ではしっかりと勝って、少しでも高い順位で本選に進むことができたのは自分たちのチーム力の成長の成果でもあったと思います。良い気付きができた大会でした。
――皇后杯本選は、2回戦敗退となりました
ブラフ 「WEリーグ撃破」を自分たちの目標として掲げていた中で、まだまだだな、ということをすごく感じました。2回戦は自分が所属していたスフィーダ世田谷FCとの試合(12月6日、●0-1)で、とても強い思いを持って臨んだのですが、その差を痛感する結果になりました。もちろん格上相手に通用した部分も多くあったのですが、後から見直すと自分の中では本当に課題だらけで。目標の一つだったWEリーグ(のチーム)との対戦もかなわなかったということはチームの誰もが悔しさを感じたんじゃないかと思います。インカレに向けてまだまだレベルアップしなければいけないな、ということを強く感じさせてくれましたし、今思えば良い敗退だったのかなとも思っています。
――最後に関カレ(関東大学女子リーグ戦)はどのように振り返りますか
蔵田 関カレは今年から通年になって、4月の末から土日2連戦という形で続いたのですが、チーム全体でハードワークできました。とはいえ勝ちたい相手、帝京平成大(6月27日、△0-0)や東洋大(7月3日、△0-0)に前期勝つことができず、より良い結果を出したいと思いながら後期に臨むことになったんですけど、後期はさらに厳しい試合が続くことになってしまいました。そんな中で行われた東京国際大戦(11月4日、〇1-0)はすごく印象に残っています。ピッチ上の選手だけではなくまさにチーム一体となってつかんだ勝利だなと。そこからまたア女の強さを見せることができたと思っていますし、最終的には3位という順位でしたが、良い経験も悪い経験もできたリーグだったと思います。
――ではインカレでの注目選手を、それぞれ教えてください
ブラフ 注目している選手は、あかりさん。ケガでの離脱が多くて、自分が長期離脱していた時も一緒にリハビリをしていたんです。だからこそ、今年あかりさんが復帰したことがすごくうれしくて。4年生なのもありますし、絶対に最後4年間の思いや悔しさを(インカレに)ぶつけてくれると思うので!
蔵田 ありがとう(笑)。
三谷 私は吉野真央選手(スポ3=宮城・聖和学園)です。去年のインカレの時、真央さんは足首をケガしてしまっていて、ちょうどその時私も足首をケガしていたので、東伏見で試合を観たんです。負けた時には、自分が何もできないやるせなさや、もどかしさを感じたのを強く覚えています。そんな思いを、トレーニングルームでリハビリを頑張っている真央さんからも感じましたし、今季は復帰も果たして、よりパワーアップしてるんですよ。やっぱり自分の強みをしっかり分かっていて、前に真央さんがいるだけでとても頼もしいです。あと、3年生の井上萌選手(スポ3=東京・十文字)。自分がメンタル的にきつい時にも色々とアドバイスをくださった先輩なので、チームで戦っているということを考えた上でぜひ注目してほしいですし、感謝を伝えたいです。この記事、本人に読んでほしいなと思います(笑)。
築地 私は美月さん(浦部、スポ2=スフィーダ世田谷FCユース)。個人的にすごくファンで(笑)。試合後に計測されたデータを見るとスプリント回数もすごく多いですし、それを見なくても攻撃参加やそのあとの守備など、献身的なプレーがとても多いです。一緒にやっていても外から見ていてもパワーをもらえる選手なので!
蔵田 私は4年生全員に注目してほしいです。自分たちが1年生の時に(インカレの)連覇を途絶えさせてしまって、それ以来一度も優勝できずに4年間プレーしてきました。ピッチに立った選手やそうでない選手、そしてスタッフ、それぞれ悔しい思いはみんな持っていると思います。ア女の4年間の最終章として、自分たち4年生が優勝に対しては一番貪欲なんじゃないかな、とも思っていますし、その思いをインカレという最後の大会にぶつけるつもりで戦います。
――最後に、インカレでの自分の注目ポイントと、意気込みを聞かせてください
築地 自分の武器でもあるガッツのあるプレーを見てほしいです。もし出場するチャンスがあればいつも通り全力でプレーするつもりですし、見ている人が驚いてわくわくするようなプレーを見せたいとも思っています。インカレは自分にとっては初めての大会ですが、その空気感をしっかりと味わいながらプレーしたいです。
三谷 私は、フェイスガードに注目してほしいです!(笑)
一同 (笑)。
三谷 見ている人が「なんだあのバットマン!」と驚くような、そんなプレーをしたいなと思います!
ブラフ 守備のフィジカルのところや、声掛けに注目してほしいです。流れが良い時でも悪い時でも、常に自分を中心に試合をコントロールできるようにしたいと思っています。今まで自分はインカレには出たことがないですし、4年生と少しでも長くプレーしたいので、絶対に優勝します!
蔵田 私がインカレで注目してほしいのは、「100%のプレー」です。サイドハーフなので、90分間走り続けるのは難しいことだと思います。ただ、その与えられた時間の中でどのようにチームに活力を与えられるか。思い切り全力でプレーしようと思っています!
――ありがとうございました!
(取材、編集、写真 手代木慶、大幡拓登、髙田凜太郎)
◆蔵田あかり(くらた・あかり)(※写真上段右)
1999(平11)年8月23日生まれ。160センチ。東京・十文字出身。スポーツ科学部4年。「聞き間違える」ことで定評のある蔵田選手。十文字高校時代から注目度が高い俊足を生かしたプレーに期待です!
◆ブラフ・シャーン(ぶらふ・しゃーん)(※写真上段左)
2000(平12)年6月13日生まれ。168センチ。スフィーダ世田谷FCユース出身。スポーツ科学部3年。慶應ソッカー部に双子がいることでも有名なブラフ選手。つまらないおやじギャグを連発するそうで、試合中に見せる冷静さとのギャップがたまりません!
◆三谷和華奈(みたに・わかな)(※写真下段右)
2001(平13)年10月2日生まれ。160センチ。東京・十文字出身。スポーツ科学部2年。今シーズン初めの練習試合の接触で救急搬送され、顔面多発骨折と診断された三谷選手。奇跡の復活を遂げ、「サバイバー」として名を馳せています!
◆築地育(つきじ・いく)(※写真下段左)
2002(平14)年11月13日生まれ。161センチ。静岡・常葉大橘出身。スポーツ科学部1年。環境の変化でホームシックになってしまった築地選手。お母さんの手料理の宅配では満たされず、オフがあるとすぐに静岡に帰省してしまうそうです!