【連載】全日本大学女子選手権直前特集 『頂』 第3回 高橋雛×土居明日香×廣澤真穂×山田仁衣奈

ア式蹴球特集

 今回登場するのはFW高橋雛(社1=兵庫・日ノ本学園)、FW土居明日香(スポ4=ちふれASエルフェン埼玉)、FW廣澤真穂(スポ1=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)、FW山田仁衣奈(スポ4=大阪・大商学園)の仲良し4人組!FWとしてチームの勝利に貢献してきた4人に、今季の振り返りやインカレへの思いを伺った。

※この取材は12月20日に行われたものです。

「(高橋は)みんなに『かわいい、かわいい』って言われてちやほやされています(笑)」(廣澤)

楽しげな表情を見せる廣澤

――初登場の方が3名いらっしゃるので、お互いの他己紹介をお願いしたいと思います。まず高橋選手の紹介をお願いします

廣澤 とっても面白くて、ギャグが大好きですね。けっこう静かに見せているのですが、おしゃべりで、みんなに「かわいい、かわいい」って言われてちやほやされています(笑)。全部可愛いです(笑)

高橋 なんか恥ずかしい(照)

一同 (爆笑)

山田 はよ言ってや(笑)。終わらんから(笑)

廣澤 じゃあ言ってよ(笑)

山田 ってなると難しいですね(笑)

――山田選手は対談4年目なので締めの部分がいいかもしれないですね(笑)

土居 じゃあ先言ってください。

一同 え(笑)

廣澤 かみ合わない(笑)

一同 (笑)

土居 なんだろうな、可愛いです。一つひとつの仕草が可愛いんですよ。

廣澤 おー!すごいね(笑)(拍手)

土居 でもサッカーに関しては真面目で、しっかり自主練とかもしていてすごく尊敬しています。

山田 1年生みんなそうなのですが、人懐っこくて、距離感が近いですね(笑)。始めはあんまり来なかったのですが、慣れてくるとやばいですよ(笑)「仁衣奈さぁーん⤴」みたいな(笑)舐めてますね。

――これは廣澤選手にも該当するのですか

山田 そうですね、むしろレベル高いです(笑)

一同 (笑)

――続いて廣澤選手の紹介をお願いします

高橋 常に元気で、何に対しても一生懸命な人ですね。

土居 意外とテスト勉強とか前々からやったりしているんですよ。

――へー!そうなのですね!って失礼ですね(笑)

一同 (爆笑)

土居 意外と真面目な部分がありますね。意外ですよね。

――テスト勉強など前もってやられるタイプなのですね

廣澤 はい、前もってやるタイプです(笑)。やることはやります!(笑)

――山田選手はいかがですか

山田 真面目ですね。授業休んでることとか聞いたことないですし、「テスト勉強する」って言ってしているんですよ。自分と違いすぎて焦りますよね(笑)。まああんまり頭良くないですけどね(笑)。努力で補うタイプです。

――続いて土居選手の紹介をお願いします

高橋 土居ちゃんはいつも前向きで、なんかこなしている感じがすごいです。

廣澤 けっこう謎っぽいですが、優しくて、何に対しても本当に怒らないです。あとめちゃ頼りになります。何かあった時は何でも助けてくれます。

山田 助けなあかんからな(笑)

一同 (笑)

山田 同期ですが、まだ土居ちゃんを分かってないです。多分掘り起こしたらもっとやばいと思います。まだ出してないので、インカレでがっと来ると思います(笑)

――今どれくらい出していると思いますか

山田  まだ50くらいですね。まだまだ全然『土居ちゃんワールド』をつかめてないです。

――最後に山田選手の紹介をお願いします

高橋 仁衣奈さんは本当に優しさの塊です。

山田 うんうん(笑)

高橋 (笑)。本当に気遣いがすごくて、周りが良く見えています。

――どういうところで感じましたか

高橋 声を掛けてくれたりとか、そういうところに惹かれますね(笑)

――廣澤選手は山田選手と仲良しなイメージなのですが、いかがですか

廣澤 仲良しですが、あんまり褒めたくないんですよね(笑)。でもマイナスな部分が見当たらないくらい、本当にすごい人です。ピッチ内でもピッチ外でも頼りになります。

土居 めちゃ(自分たちのこと)頼りにするじゃん(笑)

山田 確かに(笑)

一同 (笑)

廣澤 後輩ですから(笑)

――土居選手は同期としていかがですか

山田 自分も1年間しか関わっていないので、そんな深くは分かりませんが、困っている人がいたら絶対に助けに行くし、段取りとかも全部やってくれるので、頼りになります(笑)

――山田選手は同期からも後輩からも頼りにされているのですね

山田 まあそうですよね(笑)

一同 (笑)

廣澤 こういうところなんですよ。だからあんまり褒めたくないんですよ!本当に(笑)

一同 (笑)

「チームの成長が試合を重ねるごとに見えてきて、それが結果につながったのかなと思います」(高橋)

満面の笑顔で取材に応じる高橋

――ここから今シーズンの振り返りをさせていただきます。まず関東リーグ(関東女子リーグ戦)は11連覇を達成されました。高橋選手は初めてのリーグ戦だったと思いますが、いかがでしたか

高橋 自分はピッチの中より外で見ていたことが多かったですが、チームの成長が試合を重ねるごとに見えてきて、それが結果につながったのかなと思います。

――試合に出た時にはゴールを奪っている印象ですが、得点面は自身でどう評価していますか

高橋 FWだったらやっぱりゴールを一番意識しないといけなので。入った時はうれしかったです。

――廣澤選手は得点ランキング上位でしたが、初めての関東リーグを振り切っていかがですか

廣澤 最初のスタートは良かったのですが、大事なところで(ゴールが)取れない時もけっこうあって。最後までギリギリの戦いで、もう少し(ゴールを)決められたら楽に11連覇が決まったんじゃないかなと思うので、もう少し(ゴールを)決めたかったなと思います

――開幕戦でいきなり4ゴールを決められましたが、振り切っていかがですか

廣澤 前日からすごく緊張していたのですが、思い切ってやろうと思ったら、いっぱい入りました(笑)

――土居選手も早稲田に加入して初めてのリーグ戦でしたが、振り切っていかがですか

土居 そんなに試合に関わっていたわけではないですが、チームとしてどんどん成長していくことができたのはすごく良かったと思います。

――加入後すぐの公式戦(前期第2節、群馬FCホワイトスター戦、●1-2)でゴールを取れたことは大きかったですか

土居 FWなので、チームが苦しい時に(ゴールを)決めたいとずっと思っていて。それがその試合ではできましたが、勝つことはできなかったので、そこは悔しい部分でした。

――山田選手は開幕戦で負傷するなど前期は思うようなプレーができなかったと思います。徐々に自身の調子が上がってきた中で11連覇を達成できたことはどう評価していますか

山田 自分が1年生で入った時から当たり前のように連覇してきたリーグで、自分は開幕戦でけがをしてあまり試合に出れていませんが、一戦一戦試合に出ていない中でチームに声を掛けたり、チームの勝つためにという、一戦に対しての気持ちが4年目にして大きくて。後半けがが治って試合に出れるようになってからは、出る人の責任をすごく感じるリーグでしたし、FWとしてそこまで結果を出せていなかったので、すごく悔しいリーグでもありましたけど、11連覇できたことはチームにとってもア女の歴史においても達成できたことは良かったと思います。

――この4年間で一番苦戦した関東リーグだったと思いますが、11連覇に対する焦りはありましたか

山田 自分の中ではやばいなという感覚はなくて、そこまで11連覇を重く感じてはなかったというか。結果はついて来るものだし、一戦一戦にこだわってやっていく感じだったので、あまりプレッシャーは感じませんでした。

――一方関カレ(関東大学女子リーグ戦)は2位に終わりました。1年生お二人は初の大学生のみのリーグ戦だったと思いますが、振り切っていかがですか

高橋・廣澤 難しいね・・・。

山田 そもそも1年生の時関東リーグと関カレの違いがよく分からなかった。

土居 うん、分からない。

山田 でしょ!難しいかな?

廣澤 うーん、勝てる大学に勝てなかったりというのがあって、悔しかったですね。大学の中では逆に負けたくなかったというのはあったし、悔しかったです。

高橋 自分も(ゴールを)決めれるところで決め切れなかったのが多かったかなという印象です。

――いろいろなポジションで起用されることは、やはり難しかったですか

高橋 そうですね、やっぱりやることが変わるので。

――4年生お二人はいかがですか

土居 関カレは、代表でヒロ(廣澤)がいなくて自分がスタメンの時がありましたが、その試合が引き分けと負け(筑波大戦△2-2、神奈川大戦●0-2)で結果を残せなくてそこはすごく悔しかったです。自分も点も取れなかったので、すごく悔しいイメージですね。

山田 関東リーグと違って関カレはインカレにつながる大会で、各チーム気持ちの入れ方が全く違う中で勝つことの難しさをすごく感じました。インカレも同じような状況の中で勝ち進んでいかないといけないで、その雰囲気を味わえたこと自体プラスに考えて、今後につなげていきたいなと思いました。

――皇后杯(全日本女子選手権)は2回戦敗退となりましたが、日体大FIELDS横浜(日体大)戦(●0-1)で手応えをつかんだというコメントが多かった印象です

山田 その前の関東リーグのジェフ(ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)戦でみんなの気持ちが入っていなかったというか、勝つ気持ちが見えなかったというのが正直試合に出ていなった選手からも声が出ていて、チームがバラバラになった状態で、新潟で試合がありました。ですが皇后杯は格上の相手とやるすごくいい機会なので、自分たちの気持ちの面もそうですし、自分たちがどこまでやれるのかすごく楽しみな大会で。皇后杯を通してチーム状況が良くなったという感じはすごくするので、負けてしまいましたが、いいきっかけになってくれた大会だったなと思います。

――日体大の一軍と戦えたことは大きかったですか

山田 そうですね。ただ大学生が多くて、インカレで準決勝や決勝であたる機会は必ずあると思っていたので、負けたくはなかったです。やっぱりうまさだったり、なでしこ1部でやっている分その差は感じたので、すごくいい刺激になりました。

――1年生お二人は初めての皇后杯を終えていかがですか

高橋 日体大戦は見てても楽しかったゲームだったので、次につながったのかなと思います。

廣澤 自分は今まで皇后杯は県の予選までしかやったことがなくて。まず皇后杯の関東予選にも出たことがない中で優勝して、本大会に出ることができたのが、まずうれしかったです。すごくチームの雰囲気も良かったので、日体大戦もしっかり勝って、また強いチームと戦いたかったなという気持ちがあります。

――皇后杯予選では決勝ゴールを奪うなど活躍が目立ちましたが、ご自身でどう評価していますか

廣澤 日テレ(メニーナ)との試合(〇2-0)の時はすごくミーティングをして挑んで。あと試合に行く組とこっちに残る組で分かれていたので、その残っている人たちのためにもしっかりと勝ちたいと思っていました。ワンチャンスしかなかったですが、(ゴールを)決められたので良かったと思います。

――土居選手は早稲田での皇后杯をどう振り返りますか

土居 目標がベスト8で、それはなでしこリーグのチームに2回勝たないといけなくて。今回なでしこ1部10位のチームとやって、負けてしまいましたが、それを経験したことでチームが良くなったので、仁衣奈も言っていましたが、いいきっかけになったかなと思います。

――1年生お二人はア女に入部して、入部前と印象が違う部分や高校時代と違う部分は何かありますか

高橋 今までにない選手主体というのが初めてだったので、新鮮というか、自分たちで考えて自分たちで行動していくというのが、ある意味いいことだなと思いました。

廣澤 上の人たちにしっかりしている人が多いので、プレーでもすごく引っ張ってもらったりしていて、刺激というか勉強になる部分が多いです。4学年で人数がたくさんいますが、上下関係もあまりなく、みんなが仲良くという感じなので、すごくいいチームです。

――プレー面でも気を遣わずにできているのですか

廣澤 はい、素でプレーさせていただいております!(笑)。

一同 (爆笑)

――土居選手は4年生から加入されましたが、加入まで経緯を教えていただきたいです

土居 もともとエルフェン(ちふれASエルフェン埼玉)にいて、3年目が終わってところで契約を切られてしまって。その後どうしようってなった時に、大学に通いながらサッカーができる環境は早稲田のア女くらいしか選択肢がなかったので、ア女に入れてもらいました。

――実際に加入してみていかがですか

土居 4年生でぽっと入りましたが、居づらさは全くなくて、けっこうウェルカムというかすごくいい雰囲気で迎えてくれて、すごく入りやすかったです。

――土居選手が加入した時に何か歓迎会はあったのですか

山田 うちらの学年って、2、3、4年と一人ずつ入って来ていて、しかも全員常盤木なんです(笑)。それで毎回やっています。学年で仲が良いので、ただ自分たちが楽しみたいだけだと思うのですが、一応歓迎会はやっています(笑)

――今年のチームで去年までのチームと何か違うところはありますか

山田 去年は4年生自体がサッカーで引っ張れる中心選手が多くて、けっこうその選手に合わせるというか、サッカーのベースはだいたい決まっていました。今年はそうじゃなくて、自分たちでミーティングを重ねながら、自分の長所を生かしながら相手の長所を生かしながらやっていこうという感じなので、1年生もうまくチームに馴染めているとさっき言ってくれましたし、自由にプレーしてくれた方がいいと思います。でもそういうのを引き出すのは4年生ですし、チームをつくっていく上でけっこう大事だなと感じます。さっき(廣澤が)自由にやっていると言ってくれましたし、良かったです。

――今季は意識的に試合後のミーティングを行なっているとのことですが、いざやってみていかがですか

山田 初めはけっこう「決まりごとだから」という感じで試合後に話していたのですが、だんだんと試合後に自然とみんなが集まるようになってきて。これは勝ちたいという気持ちあってこその行動だと思うので、今年のチームはそういうところが良いなと思います。

――学年関係なく意見を出し合っているのですか

山田 そうですね、本当に学年関係なくいろんな意見を出してくれますね。

――これまで戦ってきた中で、印象に残っている試合はありますか

高橋 (皇后杯の)日体大戦です。今までの試合はギリギリでの勝利が多かったですし、内容もそんなに良くなかったのですが、日体大戦では負けはしましたが全員がやるべきことを共有してプレーできていたので、「チームとして戦う」というのが見ていてわかりましたし、成長を感じる試合でした。

廣澤 これ違う試合の方が良いですか?

――いえ、同じ試合でも大丈夫ですよ

高橋 真似すんなよ〜(笑)

廣澤 違う試合にしますね。

一同 (笑)

廣澤 練習試合ですが、日テレ・ベレーザ戦です。一番最初に戦ったのですが、かなりボコボコにされて。それがスタートになったので「しっかりしないと」と思わされました。大学でサッカーすると決めたからには、どのクラブにもチームにも負けないように、クラブに行った選手にも負けないようにしようと思った試合でした。

土居 個人的な話になってしまうんですけれど、早慶戦が一番印象に残っています。今まで観客席が満員の状態で試合した経験がなかったのですが、学生が作った試合で多くの観客がいて、その中でプレーできて。入場した瞬間にすごく感動したことを覚えています。

――得点も決めて、MVPにも選ばれていましたね

土居 それはまあFWだからゴールするのも当たり前ですし、ちょっとずるいというか(笑)。点取ったら目立ちますし、その結果MVPみたいなところはあるので。たまたまです。

――最終的には4年生全員がピッチに立つこととなりました

土居 その瞬間はピッチにいませんでしたが、早慶戦の価値をイマイチ理解できていなかった時に「みんなでやっているんだ」ということを認識できたので、すごいうれしかったですね。

山田 日体大戦も早慶戦も被っちゃって何にしようってなっているんですけれど(笑)。挙げるとしたら皇后杯予選の日テレ・メニーナ戦かなと思います。我慢して、我慢した末に勝てたことはかなり大きかったし、あの試合でけっこう自分たちの守備のやり方を構築できたと思っています。次につながる、チームとして一つになれた試合でした。

――結果的に皇后杯予選3連覇にもつながりました

山田 そうですね、それがあって「守備のやり方が固まってきた」という手応えはグラウンドマネジャーとしても感じましたし、とても良いゲームだったなと思います。

「仁以奈は自分の動き出しを分かってくれて、パスを出してくれる」(土居)

自身のプレーを謙虚に振り返る土居

――先ほど他己紹介をしていただきましたが、今度はプレー面についてお伺いしたいと思います。まずは高橋選手についてお願いします

廣澤 ゴール前でのシュートはめちゃうまいですし、すんなり点を決めちゃいますね。すごい足が速い印象もないのですが、ドリブルは速いし、結果的に突破しているところがすごいです。ごめん、全部言っちゃった(笑)

土居 身体はそこまで大きくないのですが、使い方が上手でキープもできますし、ドリブルも上手で速くて、自分で突破していける選手です。ミドル(レンジ)から強いシュートも打てますし、すごいなと思っています。

山田 どこからでもシュートを狙っているイメージがあったので、一回そのことについて雛に聞いた時、「いつでもシュートは狙ってるんです」って言っていて…覚えてないか(笑)。それですごいなって思いましたね。自分はあまりFWらしくないのでパスコースを探しちゃったりするのですが、そこが(二人の)得点数の差かなと思って自分も意識し始めました。あとはFWとしてコンビを組んでいても、雛がサイドにいる時でも、めちゃくちゃやりやすいです。イメージがすごく合うんですよ、雛と。ねっ!

高橋 ねっ!

山田 相手を引きつけてパスを出すとか、あまりコミュニケーションをとっていなくても分かります。

――以心伝心ですね

山田 それです(笑)

高橋 えー、もううれしいですね(笑)

一同 (笑)

――インカレでも好連係に期待しています。次は廣澤選手についてお願いします

高橋 決定力がすごくありますし、自主練もすごくしているので、そういうところが得点につながっていると思いますし、真穂を見て勉強させられることが多いです。

――良いライバル関係にあるといったところでしょうか

高橋 そうですね(笑)。良い仲間でもあり、ライバルでもあり。

――いつの日か2トップを組みたいと思ったりもしますか

高橋 2トップ組みたいですね。

土居 すごいゴリゴリドリブルしていくんですが、ゴリゴリいってるのに(ボールを)取られずに最後までキープし続けられます。人が密集している中でもキープできるところがすごいなと思います。

山田 『The・FW』という感じですね。常にゴールを目指す姿勢もそうですし、自分とは真逆のプレーヤーで、自分にないものを持っています。初めは球離れも良くなくて、ちょっと焦ったのですが(笑)。今ではだいぶ周りに合わせられるようになりましたし、その中でヒロの長所を出せるようになってきているので、この一年でめちゃくちゃ成長したと感じています。点を取ってくれそうな期待感もありますし、ボールを持てば頼りになります。ボールを持てばです(笑)。今年はチームを救ってくれるゴールを多く取ってくれたので、インカレでも期待したいですね。

――廣澤選手は世代別代表での活躍も印象的ですが、ご自身で振り返っていかがですか

廣澤 スタメンで出られることがなくて悔しい思いをしたのですが、出た時にしっかり結果を残そうという思いがあって。周りにはうまい選手が多かったので、自分にしかない武器を見せようと思っていましたし、出場した時はゴールを目指して、結果を出すことを大事にしていました。優勝にもつながりましたし、良かったです。

――続いては土居選手についてお願いします

高橋 土居ちゃんはミドルシュートがすごい入るイメージがあります。いつも「おぉっ」って言ってしまうようなシュートを決めていて、シュートがうまいなと思っています。

廣澤 どんなボールも収めてしまう能力があります。身長もあって、自分もあるんですけど(笑)、高いボールを胸トラップでシュッと収めてしまうプレーとかすごいと思いますし、勉強になります。

山田 雛も言っていたんですが、土居ちゃんの角度、距離みたいなものがあるんですよ、「あ、これは土居きたわ」みたいな(笑)。その時のシュートの安定感がやばくて。常にゴールを狙っているイメージはすごくあります。それと、たまに土居ちゃんがトラップしている時に自分がプレスバックする時があるのですが、脚が長くてボール取れないんですよ(笑)。本当にドイツ人とやっているみたいで、その(脚の)アーチが羨ましいです。後ろからじゃ見えないですもん、「ボールどこ?」ってなりますし(笑)。それがすごく良いなって思います。

土居 ボール取られないことはないんですよ(笑)。自分はむしろボールロストばっかりで…。

山田 謙虚(笑)

土居 みんなのことをすごいなと思って見ているので、頑張ります。

――では最後に山田選手についてお願いします

高橋 いやーもうすごいですよ。

一同 (笑)

――いきなり「すごいですよ」から入りましたね(笑)

山田 何が何が?(笑)

高橋 サッカーのことをよく理解してるし、それをみんなに発信できるし、まあ口にしなくても分かり合えますし(笑)。見習うことばかりで、とても偉大な先輩です。

廣澤 一番近くでプレーを見ていますが、ボールは取られませんし、これ言うと怒っちゃうんですが(笑)、足が速くないことをカバーするためのうまさや身体の使い方、ボールの置き方一つひとつがうまくて、頭をすごい使っているのがよく分かります。自分にはできない繊細なタッチもできますし、周りもよく見えているので、隣にいると安心感があります。

土居 仁以奈が後ろ向きでボールを受けた時に、彼女だけのスペースというかゾーンみたいなものがあって。「ここまでなら取られない」ということをしっかり把握した上でその範囲にボールを置けるので、後ろ向きでもしっかりボールを持てています。あと前を向いて顔を上げた時ですね。自分の動き出しが分かりづらいので、裏へ走ってもみんなパスを出しづらいのですが、仁以奈はそれを分かってくれてパスを出してくれるのですごいうれしいというか、動き出した甲斐があったなと(笑)。感動しちゃいます。

一同 (笑)

――とのことですが、山田選手いかがですか

山田 いや、めっちゃわかりやすいですよ。「パス1本でシュートまで行ける」っていうところに動き出してくれるから、そのタイミングに合わせてパス出しているだけなので…。見えてない人が悪いじゃないですか(笑)

廣澤 あーあー(笑)

一同 (笑)

――他の選手から評価してもらった上で、自身のプレーを振り返った際、点数をつけるとしたらどれくらいになりますか

高橋 60点です。うまく結果につながった時もありましたが、決められるところで決められなかったことも多かったので、練習しなければと思います。

廣澤 じゃあ…65点!(笑)

――同期の高橋選手より5点高いですね(笑)

一同 (爆笑)

土居 70とか80でもいいんだよ?(笑)

廣澤 イメージしている理想が高いので、いつもうまくいっていないように感じてしまうんですよ。それでも1年目で試合に出場して、何度か結果を残せてもいるので、65点です。

土居 んー…、30点くらいですね。

廣澤 低いって(笑)

土居 まずそんなに試合に出られていないのですが、FWなので試合に出たら結果を残さなければならないのに、途中出場してもあまり(得点)できませんでした。やっぱり試合の流れを変えなければいけないという役割があるので、それを達成できていないということで30点です。残りの70点分はインカレで頑張ります。

山田 めちゃくちゃ置きにいって、50点で。

――4年生の方はすごく50点の方が多いんですよね

山田 最後だからみんな置きにいっているんですかね(笑)。あまり自分の中でパッとしていないんですよね、めちゃくちゃ結果を残しているわけでもないし。やっぱり点が取れていないということがでかいので、残りの50点は土居ちゃんと一緒で、インカレまで取っておこうかなと思います。

「チャレンジする気持ちで一戦一戦やっていきたい」(山田)

爽やかな笑顔で質問に答える山田

――ここからインカレの話題に移りたいと思います。ライバルの日体大や帝京平成大とは逆山ですが、組み合わせの印象について聞かせてください

高橋 どんな相手にもやることは変わらないと思うので、今やるべきことを全員がやればどんな相手でも結果がついてくるのかなと思います。

廣澤 皆言っていると思うのですが、どこが相手でも、どの戦いも厳しいと思うので、あんまり逆山に強い相手がいるとかは気にせず、一試合一試合を勝ち切りたいなと思います。

土居 高校選手権は、自分が初めての時に2回戦敗退で。1回戦で雛とかの日ノ本学園とやったのですが、「1回戦勝てば余裕だろ」みたいな感じの雰囲気が出てしまって、結局負けてしまいました。そういうトーナメントでは余裕のある試合は一試合もないなとそこで学んだので、今回も一戦一戦大事に戦っていかないとなと思います。

山田 正直に言えば逆山に入ったのですごい良かったなとは思いましたけど、帝平や日体には皇后杯で勝てていないので、欲を言えば当たった方がスッキリしたかなというのは個人的にはあって。ですがどのチームも最後なので、しっかり勝てるように一戦一戦大事にしていきたいです。

――山田さんは女王奪還を目指すインカレ、土居さん、廣澤さん、高橋さんは初のインカレとなりますが、いかがですか

高橋 やっぱり楽しむことを1番に考えています。4年生と最後の大会だし、このチームでできるのも最後なので、楽しみたいと思います。

廣澤 自分も4年生と戦えるのは最後なので勝って終わりたいというのはありますし、今まで4連覇ができていなくて、自分たちは1年目で4連覇を目指すという意味で最初の優勝を獲りたいと思います。

土居 最初で最後のインカレなので、分からないところとか不安もあるのですが、雛とかが言ったように楽しんでいきたいと思います。やっぱり楽しまないと損なので、楽しみたいと思います。

山田 自分は1、2年の時優勝して3年で2位というかたちで終わっていて。優勝した時の景色も見てきたし、逆に去年優勝できなかった4年生の姿も見ていている中で、最後どう終われるかというのは4年生にとってはすごく思い入れのある大会なので、自分自身はチャレンジする気持ちで一戦一戦やっていきたいですし、それ以上にこれまで関わってきたインカレの試合で緊張していた部分もあって、3年間経験してきているので今年はうまくプレーできるようにしたいなと思います。

――キーマンを挙げるとしたら誰になりますか

高橋 山田さんで!やっぱり同じFWだし、4年生だし、チームのためにいっぱいいろいろやってくれているし、すごい人なので!(笑)。インカレでもやってくれると思うので、楽しみです。

廣澤 自分もです(笑)!けっこう自主練とかもしていろいろ合わせてきたのでその成果を発揮したいですし、四年間の集大成ということで自分のプレーを楽しんでほしいなと思います。

土居 涼朱(GK川端、スポ3=東京・十文字)で。今年佐和子(GK鈴木、スポ3=浦和レッズレディースユース)がスタメンだったのですが、けがをしちゃって涼朱になって。でも涼朱は今のア女のスタイル的にしっかり組み立てたいところがある中で、ビルドアップからしっかり参加して組み立ててくれて、安定しています。そこだったり、あとはシュートストップとかで失点を少なくしてくれたら、FWは今以上に点を取るので、勝てるんじゃないかなと思います。

山田 最後なので、「自分」って言おうとしたんですけど(笑)、はな(MF高瀬主将、スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)にします。今年キャプテンとして多分いろいろしんどいことはあったと思うし、サッカー面でもコンスタントに試合に出ている中で、やってくれるときはすごいやってくれる選手ですし、みんなからの信頼が厚いし、最後の大会でキャプテンとしてもチームのために結果を残してくれると思うので、はなで!

――先程他己紹介をしていただきましたが、インカレでの自分のここを見てくれポイントを教えてください

高橋 シュートですかね。シュートをどんどん狙います。

廣澤 山田選手との連携を見てください!ざっと軽く10点くらい!(笑)。練習してきた成果を発揮したいです。

土居 みんなが驚く距離からのシュートを打てるくらいゴールの意識をもってやっていきたいと思います。

山田 ズンバっていうダンス知っていますか?高校の時からやっているのですが、それもあってけっこう柔らかいタッチができるんですよ。なので柔らか~いタッチとその後のシュートですかね。

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

高橋 最初のインカレなのですが、このチームでできる最後の大会なので思い切り楽しんで、優勝で終わりたいです!

廣澤 FWなので、しっかり仕事をして勝利に貢献できるように頑張りたいです!

土居 最初で最後のなので悔いなく、最後にみんなで笑って終われるように、今からしっかり準備をして、一戦一戦勝っていきたいと思います。

山田 これで学生サッカーは最後になるので、その独特な雰囲気もあると思うのですが、一戦一戦勝ちにこだわって出ている以上出ていない選手のためにもチームのためにもまずしっかり西が丘に帰ることを目標にして、みんなで掲げたスローガン『頂』を獲れるように全力で頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 手代木慶、永池隼人、森迫雄介 写真 石井尚紀)

インカレへの意気込みを色紙に書いていただきました!

◆高橋雛(たかはし・ひな)(※写真左下)

2000(平12)年12月26日生まれ。158センチ。兵庫・日ノ本学園高出身。社会科学部1年。全てがかわいいと他部員から圧倒的支持を得ている高橋選手。しかし試合になると表情は一変、クールにゴールを奪います。万能さを生かし、インカレでも躍動してくれることでしょう!色紙には「爆発」と書いていただきました。

◆土居明日香(どい・あすか)(※写真中央右)

1997(平9)年7月26日生まれ。174センチ。前所属・ちふれASエルフェン埼玉。スポーツ科学部4年。対談中、常に謙虚な姿勢を見せた土居選手。長身を生かしたキープ力とロングシュートが持ち味です。インカレでは、『土居ゾーン』からの美しいゴールに期待しましょう!色紙には「獲る」と書いていただきました。

◆廣澤真穂(ひろさわ・まほ)(※写真右下)

2000(平12)年10月18日生まれ。168センチ。前所属・ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ。スポーツ科学部1年。ルーキーながら、得点源として活躍する廣澤選手。泥臭く、貪欲にゴールを狙うストライカーです。インカレでもたくさんのゴールに期待しましょう!仲良しな山田選手とのコンビネーションにも必見です!色紙には「実現」と書いていただきました。

◆山田仁衣奈(やまだ・にいな)(※写真中央左)

1998(平10)年2月25日生まれ。166センチ。大阪・大商学園高出身。スポーツ科学部4年。ア女の精神的支柱を担う山田選手。ズンバ仕込みの柔らかなボールタッチと敵を欺くプレーで、攻撃をけん引します。ですが、今季のゴール数には全く満足していない様子。集大成となるインカレではゴールを量産し、チームを優勝へと導いてくれることでしょう!色紙には「道標」と書いていただきました。