【連載】全日本大学女子選手権直前特集 第1回 源関清花×小林菜々子×中田有紀×船木和夏

ア式蹴球特集

 最初に登場するのはDF源関清花(スポ4=ちふれASエルフェン埼玉)、DF小林菜々子(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)、DF中田有紀(スポ4=兵庫・日ノ本学園)、DF船木和夏(スポ1=日テレ・メニーナ)のDF陣!最終ラインからチームを支える4人に今季の振り返りやインカレへの思いを語っていただいた。

※この取材は12月10日に行われたものです。

「(源関は)真面目で、コツコツ型の、メディシンボール」(小林)

丁寧に質問に応じる小林

――船木選手が対談初登場なので、お互いの他己紹介をお願いしたいと思います。まずは小林選手の紹介からお願いします

中田 ア女を客観的に見られる人だと思っています。ざっくりですけれど、一歩引いた目線で見ることができる人だなと。

源関 プレー面でもチームメイトとしても、とても信頼しています。チームに対して良い影響を与えられる言葉や、チームとしての気づきにつながることを言ってくれるし、必要不可欠な存在だなと思っています。

船木 今年は隣でプレーさせてもらうことが多かったですが、すごく落ち着いてプレーしていて、客観的な視点も持っていますし、状況に応じたプレー選択ができるのがさすがだなと思います。

――小林選手は今の言葉を受けて、どう思われますか

小林 あまり性格の部分を言われなかったので残念です(笑)

――ご自身ではどのような性格だと思っているのですか

小林 うーん、気分屋かなとは思います。

――だそうですが、小林さんは気分屋ですか

中田 えー、みんな気分屋じゃない?(笑)

一同 (笑)

――続いては中田選手についてお願いします

小林 嵐好きのおばさん。

一同 (笑)

中田 やばいやばいやばい、(早スポに)載るから!(笑)

――中田選手にとって『おばさん』はNGワードだそうですね

中田 そうなんですけど、この人(小林)と源関が、マジで言うんですよ(笑)

――載せても大丈夫ですか?

小林 はい、お願いします(笑)

源関 有紀(中田)は今季グラウンドマネジャー(GM)として、サッカーについてすごく考えなければいけない立場になりましたし、チームのためにGM同士で練習メニューを組んでくれています。チームのために動いてくれていますね。

船木 有紀さんは体力が半端ないです。自分はサイドバックをやることもあるのですが、逆サイドから見ていてすごい頑張っているなといつも思っています。

――グラウンドマネジャーのお話が出ましたが、昨年までと今年を比べて、試合の見方の変化などはありましたか

中田 試合をすると課題が出てくるので、その度に練習メニューにどうやって反映させようかというのを毎週毎日考えながらやるのがGMの役目だと思っているので。そういうところはチームにとって大事な役割だと意識しながら責任を持ってやっています。

――続いて源関選手についてお願いします

小林 真面目で、コツコツ型の、メディシンボール。

一同 (笑)

――メディシンボールというのはいつから言われているのですか

小林 高校の時からです。メディシンボールを使ったフィジカルトレーニングがあって、それと源ちゃん(源関)の顔が似ていたから(笑)

中田 真面目なことを言うと、口数は少ないながら、私生活においてもプレーにおいても冷静な判断ができると思っています。

船木 1年生の中で怖そうに見えるランキングが1位です。

――それは意外でした

船木 あまり喋らないと怖いってなりがちになってしまうからだと思います。

源関 別に全然怖くないんですけどね。

中田 うん(笑)

源関 あまり喋らないってだけだと思います。喋るときは喋りますし。

中田 喋っている時の7割はふざけているけどね(笑)

――それでは最後に船木選手の紹介をお願いします

小林 和夏(船木)のライバルは、有紀だと思います。

――なるほど

小林 というのはサッカーじゃなくて、ニノ(二宮和也)の(笑)

一同 (爆笑)

中田 そっち?(笑)

――どうですか、ライバルですか

中田 いや、全然。

源関 全然って(笑)

中田 いや、そういうことじゃなくて(笑)。共感できる人ができたっていうだけです。仲間です。そんなオタクの話をするところじゃなくない?(笑)

――全然大丈夫です(笑)

源関 落ち着いていると思います。サッカーも私生活でも。

船木 見せかけです(笑)。

「苦しかった関東リーグの経験を、インカレに向けてうまく生かせたら」(源関)

関東リーグを振り返る源関

――これからは今シーズンを振り返させていただきます。まず、関東リーグ(関東女子リーグ戦)は11連覇を達成しましたが例年より苦しんだ印象です

小林 前期は自分も教育実習などで出られない試合が多くて、チームもうまくいっていなかったので、どうすれば良いのか考える時間が多かったという印象があります。個人的にも関東リーグでは良いプレーができなかったので、苦しかったですね。

中田 1年生の頃から出させていただいていたので四年目になりますが、確かに一番苦しい関東リーグだったなと思います。開幕戦(尚美学園大戦、◯5―0)はヒロ(FW廣澤真穂、スポ1=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)の4得点で良いスタートを切れたと思ったのですが、群馬FCホワイトスター戦(●1―2)で完敗した時に、「これじゃダメだな」 と思ったことは印象に残っていますし、その後の試合でも(けがの影響で)出場機会が少なかったので、難しい時期が続きました。それでも最終節の東洋大戦(◯4―2)で、気持ちの部分かもしれませんが、結果を残せたのは良かったと思います。

源関 今年の関東リーグはあまり試合に出られず、チームに貢献できなかったですし、チームもあまりうまくいっていなかったので、優勝の時は喜びより安堵(あんど)感が勝りました。この苦しかった関東リーグの経験を、インカレに向けてうまく生かせたらと思います。

――船木選手にとっては日テレ・メニーナ時代から出場している大会ですが、ア女に入って初めての関東リーグはいかがでしたか

船木 もう関東リーグ7年目になりますけど(メニーナでは)優勝したことはなかったので、優勝することの難しさは感じていましたが、改めて優勝することの難しさを知りましたし、11連覇できてすごく良かったです。12連覇へのプレッシャーもありますが、結果を残せるように来年も頑張ります。

――メニーナ時代に抱いていた対戦相手としてのア女の印象と、味方になってからのア女の印象では、何か違いはありますか

船木 メニーナ時代は、本当に(ア女と)試合はしたくないと思うくらいキツかったですね。絶対に勝つチームだったので、「疲れないんだろうな」とか、「とても楽にサッカーをしているな」と思っていました。それでもア女に入ってみると、いろいろな大変なこともあったし、その中でも選手やスタッフだけでやっているのは、知らなかった一面でした。メニーナではコーチなどに言われてやる感じだったので、さすが大学生だなと思いました。

――関カレ(関東大学女子リーグ戦)では例年より快調なスタートを切りました

小林 正直どの大会が関カレで関東リーグなのか分からなくなる(笑)。個人的にはたくさん点が取れて、得点というかたちで貢献できたことはすごく良かったと思っています。同時に守備の面では自分にとっての課題があったので、メンタル面は安定しつつ、自分の課題も得られた大会でした。

中田 8月の終盤から始まって、1週間というスパンで試合がある中で、みんなが関東リーグの時より高い意識を持って取り組んだ結果がスタートダッシュにつながったとは思います。ですが試合が続く中で、終盤の筑波大戦(△2―2)や神奈川大戦(●0―2)のところで、気が緩んだじゃないですけれど、気持ちの部分でやられたなという印象です。2位には終わりましたが、これで終わりというわけではないので、この結果をしっかり受け止めて、インカレにつなげたいと思います。

源関 勝てていた関カレ序盤も、苦しんだ筑波大戦以降も、チームにとってはプラスになり得ることが多いからこそ、しっかりインカレにつなげなければいけないと思います。帝京平成大戦(△0―0)で勝ち切れなかったのは自分たちの弱さだと思うので、それをしっかり受け止めて、あと2週間ほどしかありませんが、修正できるところは修正して全員で取り組んでいきたいと思います。

船木 世代別代表でいないことも多かったのですが、関東のレベルが上がってきて接戦の試合が多かった中で、勝ち切れなかったり、最後の最後で失点してしまうことがけっこうあったので、インカレではそのようなことがないようにしたいと思います。

――関カレのポイントになったのは筑波大戦の引き分けだと思いますが、試合中から皆さんのおっしゃる気の緩みはありましたか

中田 どの試合も相手のレベルが高い中で、全部接戦になったと思いますが、失点してもおかしくないシーンはどの試合もあって、その中で、筑波大が後半やってきた戦い方に対して、判断しきれなかった部分というか、そういうところもあったのかなと感じています。

――皇后杯はベスト8以上が目標という中で、2回戦敗退となりましたが、日体大戦でチームとして手ごたえをつかんだというコメントが多かったと思います。振り返っていかがですか

小林 リーグ戦とは違って、皇后杯はトーナメント戦なので負けたら終わりという中では一人ひとりに緊張感があって、試合会場が遠かったこともありそこに来れなかった選手の分もという思いで、選手一人ひとりの覚悟というものは大きかったのかなと思います。いつもはア女よりも少しレベルの低いチームとやることが多いのですが、皇后杯は日体大も含め、自分たちよりも強いチームとやったので、そこは挑戦者として戦う姿勢が持てた大会だったと思います。

中田 いま挑戦者という話をしていたと思うのですが、皇后杯という大会は大学のレベル以上のチーム、なでしこリーグだったりというところにチャレンジできるチャンスという風にみんな捉えていると思うので、その中で楽しめた試合がある意味日体大戦かもしれなくて。それでも負けてしまったというのはやはり悔しかったし、決定力というところでももっと磨いていかないと勝てないなと思いました。

源関 日体大戦は出られなかったのですが、外から観ていて、菜々子(小林)が言ったみたいにチャレンジャーという気持ちがすごい観ていても伝わってきて、球際や「やるぞ」という思いが伝わってきたので、そういうできた部分とか、結果はどうあれそういう自信になるところは今後の弾みになるのかなと思いました。

船木 皇后杯は自分たちよりもレベルの高い相手と試合ができて、その試合に出させてもらったことをうれしく思います。その中で、自分に足りないものとかも分かったので、とても良い経験になりました。

――今季は開幕から調子が上がらない中で、ビルドアップだったりラインコントロールの部分で課題があると試合後にコメントされている選手が多かったと思いますが、最近改善されていると感じます。意識して取り組んだことなどはありますか。

小林 ラインコントロールの部分は、相手が後ろを向いたときとかに少しでもラインを上げようという意識をディフェンスラインで持てているというのと、ラインコントロールはディフェンスだけの問題ではなくて、FWからの守備だったり、そういうところをFW陣が意識してくれている分、改善されているのかなと思います。

中田 練習でできない限り試合で意識して取り組むということはできないと思っているので、どうにかして練習でビルドアップやラインコントロールのところを取り入れていきたいなとは思っていて。その中で、奥野(僚右、平5卒)コーチがいらっしゃって、いろいろアドバイスをいただきました。でも結局は一人ひとりが意識しないと変わらないところだと思うので、その面で意識が変わったからこそ良い方向に向かっているのかなと思います。

源関 GMがそのような課題が出た時に、練習に反映させてくれたので、意識しないといけない状況に置かれていましたし、意識しやすい環境をつくってくれたと思います。

船木 最初の方はまず、他の選手の特徴とかがよく分からない状況で試合を迎えていたのですが、最近は特徴も分かってきたし、コミュニケーションも取れるようになってきたと思います。

――いまコミュニケーションの話が出ましたが、試合後にグラウンドで話し合う姿が今季は印象的だと思っていて、それは関カレの調子が上がらない時もそうだったと思いますが、始めたきっかけなどはありますか。

小林 今年から分析班が試合後に、(試合を)観ていた選手、サブの選手、出場した選手で話し合ったことを分析するという決まりごとがあったので、自然にというよりも意識的に話し合う習慣がついたのかなと思います。

――今年のア女の攻撃陣は、最終ラインから見ていてどのような印象ですか

小林 去年の朱里さん(河野、平31スポ卒=現INAC神戸レオネッサ)のような、決定的なストライカーがいないなというのは去年と比較して思っていて。その分、調子の波が大きくて取れるときはすごく取れて、取れない時は取れないというのが攻撃陣だけでなくチーム全体として思っていて、調子の悪いときにこっちから声を掛けたり、安易なミスをしないというところは心がけています。

中田 個の能力は攻撃陣に限らずみんな高いと思っているので、それを生かせるようなプレーが自分にもできたらなとも思いますし、全員ができるのがベストだと思います。他の選手への思いやりのあるプレーができれば、より良い方向に行くと思います。

――思いやりのあるプレーというのはスペースを空けたりというものですか

中田 そうですね、自分が自分がっていうのも攻撃の面では大事だと思うのですが、それプラスでそういう動きだったり長い距離を走るというところも必要なのかなと思います。

――源関選手はいかがですか

源関 個の能力が高いので、それを生かすプレーを心がけたいですし、チームでもっと楽にプレーできるところもあると思うし、視野を広げる必要があるのかなと思います。

――船木選手は同期の廣澤真穂選手という強力なストライカーがいますが、攻撃陣にどのような印象をお持ちですか

船木 後ろでゆっくりビルドアップしてというよりは、サイドを使ったりしたスピーディーな攻撃でコーナーキックを取ったりしてそこから得点をするというのは大きな武器だと思いますが、他にもいろいろな攻撃のパターンを増やしていく必要もあるのかなと思います。

――今季一番印象に残った試合はありますか

中田 直近で東洋大戦じゃないですかね(笑)。詰まってます、気持ちが(笑)

――決定力に課題がある中で4点決め切って結果を出しました。しかしその中で、2失点してしまったというのはディフェンダーとしていかがですか

中田 結果を見たら勝ちだとは思うのですが、内容を見たときに、防げた失点だったと確かに思うので、この2週間でそこをどれだけ改善できるかは分からないですが、そこに関してはもっと取り組めることはあると思っているので、それを踏まえても東洋大戦は意味のあるものだったと思います。

「自分が後ろにいてすごく安定感のあると思われるくらいの選手になっていきたい」(船木)

自身のプレーを振り返る船木

――続いてお互いのプレーの印象について教えてください

中田 菜々子はセットプレーで一番決めているというか、今年とても得点を挙げていると思っていて、それはすごい武器だと思いますし、ラインコントロールの部分では、ラインの声掛けをやってくれているので、自分にとってはやりやすいです。ただ失点はまだまだあるので、DF陣として改善したいと思います。

源関 強いですね。すべてにおいて。足元とか、局面に対する強さもそうですし、ヘディングやぶれないメンタル、落ち着いているというのは隣でプレーしていて安心感があります。

船木 落ち着いてプレーしていて、冷静に周りを見て判断できていると感じます。

――中田選手のプレーについてはいかがですか

小林 よく走ります。あとはボールを持つことができるところ、チームとして左サイドが攻撃の起点になりやすいですけど、それは有紀がボールを持てるからだと思っていて、それは東洋大戦でも見られたと思います。

源関 献身的だと思います。負けず嫌い、だよね?

中田 みんなそうじゃない?(笑)

源関 そういうところがすごい伝わってくるというか、相手を捉えたら絶対逃がさないとかそういう感じで、走ると決めたら走り抜くというはっきりしたプレーが見ていて安心します。

船木 すごい攻撃参加しているイメージです。チームのためによく走っている印象を持っています。

――左サイドからの攻撃というところでは、蔵田あかり(スポ2=東京・十文字)選手とのコンビネーションで突破というシーンが多いと思いますが、チームとして意識はしていますか

中田 サイドハーフを考えたときに足の速い選手がそろっているので、そこも一つア女の強みかなと思いますし、そこに負けないくらい走ってやろうとも思っています。

――やはり負けず嫌いなのですね

一同 (笑)

――続いて、源関選手についてはいかがですか

小林 去年に比べて走れるようになっているのは感じていて、サイドに移ったので走ることが求められるのですが、日頃から意識していたので、その結果が出ているなと感じています。あとはキックの精度が高いので、オウンゴールを誘ったシーンが何度もあったと思うのですが、そういうキックの面はとても上手だなと思います。

――去年は小林選手と源関選手でセンターバックのコンビを組むことが多かったのに対して、今年はセンターバックとサイドバックだったり、組み方が変わっていると思うのですが、変化は感じていますか

小林 去年よりアツいですね。気持ちの面が(笑)

――具体的なシーンはありますか

小林 去年までは相手と接触しないように先にプレーしているイメージがあったんですけど、今年はけっこう接触が多い分、アツいのかなと思います。

――自覚はありますか

源関 冷静に行きたいところもあります(笑)

――中田選手はいかがですか

中田 今はサイドは違えど、同じサイドバックとしてクロスの精度や一つひとつのパスの精度が高いなと思います。たまに源ちゃんが中に切り込んで、そこから一つ飛ばしのパスで自分が受けることがあるのですが、そういうパスもとても精度が高いので、自分が余裕を持って運べる状態にしてくれるような、メッセージのこもったパスが大好きです。

船木 キックの精度もそうですし、ビルドアップのところで相手の逆を取ったりだとか、味方と相手をよく見ているなと思います。ポジションも近いですし、見習うところがいっぱいあります。

――センターバックから右サイドバックになって意識していることはありますか

源関 攻撃参加ですかね。

――精度の高いキックが目立ちますが、昔から自信のある部分なのですか

源関 そうなんですかね(笑)。自信があるというか、受ける人がどこでどう受けたいのか、どこが一番受けやすいのか、どうやったらゴールに直結するか、そういうことしか考えてないですね。

中田 思いやりだね(笑)

――最後に船木選手についていかがですか

小林 和夏は代表でもプレーしている分、すごく自信をもってプレーしているのが印象的で。あとは体の使い方がすごく上手なので、ボールを失うことが少ないですし、相手のボールを奪うことも多いなと思うので、総合的な能力としてすごく高い選手で、すごく頼りになります。

中田 どこのポジションでのこなせそうな能力を持っているというか、(ボールの)持ち方がうまい分、やっぱり周りを生かすパスも出せるし、自分での突破力もあると思うので、のびのびプレーしてくれたら、こっちからしたらとてもやりやすいというか、いて欲しい存在だなと思います。

源関 オールマイティープレーヤーっていう感じですね。ヘディングも強いし、1対1も負けたところは見たことないし、けっこう攻撃も積極的な参加がうまいなという印象です。

――先輩方から自身のプレーを評価されていかがですか

船木 いや、もう、うれしいです。

一同 (笑)

――今シーズンの自身のプレーに点数を付けるとすれば何点ですか

小林 70点ですね。正直去年とあんまり変わってないなと思うのですが、その分結果が出ている点でちょっと高めに評価して。ただ失点が多いので、その分マイナス30という感じです。

――逆に100点のプレーができたという試合はあったりしますか

小林 100点はないですね。

中田 どうなんだろう、点数か。50なんですかね。どの試合もその時にできる100%のプレーをもちろん体現してきたつもりですけど、欲を言うとなかなか得点できなかった年でした。結果を出せていない分もありますし、失点数も一番多いと思いますし、4年生としての責任の中ではまだまだやれるというか、その分をインカレで返したいと思っている5割です。

源関 自分も50ですね。1年を通して試合に出たり出れなかったりという波があって、そういうのが良くないというか。選手として波はあっちゃいけないなと思うし、同じプレーを継続できるというか、同じプレーかつどんどん良くなっていくようなプレーをしていかないといけないのに、出れなかったり安定感のないプレーがけっこうマイナスな部分ですね。走れるようになったことは、菜々子もさっき言ってくれたんですけど、栄養的なサポートやお母さんとかの支えがあって今年走れるようになったので、そこでちょっと高いかなという感じです(笑)。

船木 50くらいです。ほとんどの試合に出させてもらってすごいいい経験ができたというのはありますけど、直接チームの勝利に貢献できたかというとあんまりできなかったし、ディフェンダーとして失点数が多いのはやっぱり反省しないといけないことですし、自分が後ろにいてすごく安定感のあると思われるくらいの選手になっていきたいので、まだまだです。

――船木選手は世代別代表での活躍もありましたが振り返っていかがですか

船木 代表は周りに付いていくので精一杯だったし、代表で学んだことをア女に持って帰ってチームに広めたいと思いますけどなかなか難しくてできないし、ア女の勝利に生かせてもないので、生かせられるようにもっと頑張りたいです。

「何が何でも『頂』を獲れるように食らい付いていきたい」(中田)

笑顔で取材に応じる中田

――ここからインカレの話をさせていただきます。組み合わせを見て、率直にどういう印象も持ちましたか

小林 ラッキーだなと思いました。

中田 どの試合もというか、自分たちは2回戦からで、どのチームもその一戦に懸けていると思うので、そこに油断しちゃいけないなという気持ちですね。

源関 同じように、どんな相手でも目の前の相手に勝ちに行くだけだと思います。

――船木選手にとっては初のインカレとなりますが、インカレにはどのような印象を持っていますか

船木 去年の決勝の舞台をスタンドで見ていて、結果日体に負けて、自分が来年ピッチに立って日体大に勝って優勝したいという気持ちがすごく沸きました。日体大とは逆山でそのチャンスはあるので、絶対決勝まで行って日体大とやりたいなと思います。

――今回のインカレは奪還を目指す大会となりますが

小林 個人的な話をすると、自分は負けたらサッカー人生が終わりなので、すごく覚悟を持ってやりたいなというのと、ア女じゃない人たちは決勝なら観に行くって言ってくれている子がいっぱいいるので、まずは決勝まで自分の力で行って、そこでサッカー人生への恩返しができたらなと思います。

中田 インカレの決勝に3年間行くことができましたけど、どの試合も甘くなかったのを身に染みて感じた分、今年決勝まで行けるとは限らないというかそんな甘くないとはすごく思っているので、本当に一戦一戦結果にこだわっていきたいというか、勝ちにはしっかりこだわっていきたいです。あとは責任とか覚悟とかは持って、ただただ楽しみたいなと思います。

源関 去年の決勝に出させてもらって、目の前で失点されているので、日体に対する悔しさというのはすごくあって。そういった意味でも絶対に勝ちたいという思いはあります。日体が上がってくるかまだわからないですけど、去年日体に目の前で優勝されたのが目に焼き付いているので、絶対に自分たちが最後その場で優勝しているのを頭に置いて、目の前の相手にできることをしっかりやりたいなと思います。

船木 初めての舞台で今からすごくワクワクしていて、優勝したいですし、この一年間の集大成なので勝ってみんなで笑って終わりたいです。

――インカレのキーマンは誰になるでしょうか

源関 この人というよりは選手みんな、出ている一人ひとりだと思います。

――インカレで私のここを見てくれポイントをお願いします

小林 無失点というチームの目標がある中で、そのために自分が最終ラインを引っ張っていけるような声掛けだったり、ラインの調整、状況に応じたプレーを見てほしいです。あとは、セットプレーでの得点を見てほしいです。

中田 スプリントです!(笑)。守備でも攻撃でも、誰よりも走って、自分らしく泥臭くチームのために最後まで走り続けます!

源関 さらさらしたプレーが多いと言われるので、献身的にプレーしたいというがあって。クロスとかで目に見えるかたちでチームに貢献できればなと思います。

船木 1対1で絶対に抜かれないで、積極的な攻撃参加で点に絡みたいです。

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

小林 今年のア女の集大成なので、何が何でも結果にこだわっていきます。そして自分にとってサッカー人生最後の大会になるので、ここまで育ててくれたサッカー関係者のみなさんや両親に最高のパフォーマンスを見せて、感謝の気持ちを伝えたいです。

中田 自分たちが掲げた今年のスローガンが『頂』なので、何が何でも『頂』を獲れるように食らい付いていきたいと思います。一戦一戦を大事にします!

源関 絶対優勝というのは目標にあって、それを背景に目の前に絶対勝つというのと自分に勝つというところをしていければなと思います。結果的に優勝しているという感じで頑張ります!

船木 一年間の集大成として必ず優勝できるように良い準備をしていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 永池隼人、森迫雄介、山崎航平 写真 石井尚紀)

インカレへの意気込みを色紙に書いていただきました!

◆源関清花(げんせき・きよか)(※写真中央左)

1997(平9)年9月1日生まれ。165センチ。前所属・ちふれASエルフェン埼玉。スポーツ科学部4年。今季からサイドバックにポジションを移した源関選手。精度の高いキックで数多くのチャンスを演出してきました。インカレでも源関選手のキックに注目です!色紙には「勝」と書いていただきました。

◆小林菜々子(こばやし・ななこ)(※写真右)

1997(平9)年5月19日生まれ。172センチ。前所属・ジェフユナイテッド市原・千葉レディース。スポーツ科学部4年。最終ラインを統率する小林選手。守備だけでなく、長身を生かしたヘディングシュートでもチームの勝利に貢献してきました。小林選手にとってこのインカレがサッカー人生最後の大会。色紙の言葉通り、「有終の美」を飾ってほしいです!

◆中田有紀(なかた・ゆき)(※写真中央右)

1997(平9)年11月28日生まれ。154センチ。兵庫県・日ノ本学園高出身。スポーツ科学部4年。豊富な運動量を誇り、不動の左サイドバックとして君臨する中田選手。インカレでも攻守で躍動してくれること間違いなしです!色紙には「走」と書いていただきました。

◆船木和夏(ふなき・のどか)(※写真左)

2000(平12)年8月10日生まれ。165センチ。前所属・日テレ・メニーナ。スポーツ科学部1年。対人守備に強く、1年生ながら多くの試合に出場している船木選手。初のインカレでも安定感のあるプレーを披露してくれることでしょう!色紙には「楽しむ」と書いていただきました。