※早稲田スポーツ新聞会ホームページリニューアルに伴い、早スポオフィシャルブログの内容をそのまま掲載しています。
日々、スタンドやステージで音色で思いを響かせる早稲田大学応援部吹奏楽団。演奏やドリルステージを引っ張る小野玲々菜副将 兼 吹奏楽団責任者 兼 インスペクター(国教4=東京・かえつ有明)、佐藤空連盟常任委員 兼 指揮(文4=東京・早実)、西村礼緒奈ドラムメジャー(人4=神奈川・洗足学園)、勝真優美ガードチーフ(政経4=大阪桐蔭)の4人に「音づくり」のこだわりやSpring concert 2024への思いについて伺った。
――他己紹介をお願いします
佐藤 小野玲々菜です。吹奏楽団責任者を務めていて、吹奏楽団のトップ。後は応援部の中の副将を務めています。指揮部門の中ではインスペクターという、第二指揮の役割を担っています。(小野は)クラリネットパートなのですが、パートに下級生がいっぱいいて、面倒見がいい性格でお母さんのようなキャラクターです。強くてかっこいい人だなと思います。
小野 西村礼緒奈です。人間科学部で応援部ではドラムメジャーという役割を担っています。ドラムメジャーとは、応援部では演奏、応援、ドリル、マーチングをやっていてマーチングの長でフォーメーションを考えたりマーチングを取り仕切る役割を担っています。楽器はホルンで、性格としては真面目で陰でいろいろ考えて行動してくれているなというのをいつも見ていて思います。そして、優しくていつも誰からも好かれています。かっこいいし、かわいいっていうポジションです。最強です(笑)。
西村 勝真優美です。ガードチーフをしていて私がドリルメジャーとしてドリルをやっているのですが、一緒にガードという旗を使ってドリルを鮮やかにしてくれるグループの長をされています。楽器はフルートをやっていて、大阪桐蔭出身ですごく上手でアンサンブルでも金賞を取るような感じの演奏面もすごいし、ドリルでも引っ張ってくれる存在です。
勝 佐藤空さんです。早稲田の指揮と連盟常任委員という役職を務めています。連盟常任委員は六大学連盟での仕事を行う役職で六大学のいろいろな大学の方とも仲がいいです。空(佐藤)は、楽器はトランペットをやっているのですが、いつも前に立って吹いてくれてリードしてくれる存在です。性格はいつも明るくてワハハハという感じで
佐藤 (笑)。
勝 そんな感じ(笑)。空がいると、その場が明るくなるような存在です。
他己紹介を受ける勝(写真左)と説明する西村
――音楽系サークルではなく吹奏楽団に入部したきっかけを教えてください
佐藤 吹奏楽団はコンクールで早稲田大学の代表として出場できる唯一の団体ということと楽器で応援できる唯一の団体。あとはドリルというマーチングで楽器を吹きながら動いてフォーメーションを作るステージ。ドリルの活動が唯一できる団体というように唯一ここでしかできないようなことがたくさんできる団体なので吹奏楽団に入部しました。
勝 私もそんな感じなのですが、本番の数がすごく多くて体育各部の沢山の人に音を届けられて、届ける相手が多いのがすごくいいなと最近感じています。
小野 私が吹奏楽団に入部したのは楽器が続けたいからという何気ない理由だったのですが、吹奏楽団はサークルとは違って部活動という面が強くて金銭的な補助があったり活動場所が確保されていたりメリットが多くありますし、私自身が高校時代を海外で過ごしていて、部活をやっていなかったので部活という一点集中できる環境がすごくいいなと思いました。
西村 私も楽器が続けたいという理由で音楽系サークルや部活を探していたのですが、演奏するだけでなく応援に行ったりドリルをしたりだとか、他の団体ではできないことが多くて、大学生活を営む上で音楽以外にも取り組んだり、いろいろな人とコミュニケーションが取れる団体なのかなというのが魅力だなと思います。
――普段自分が演奏で使う楽器の紹介をお願いします
勝 私が普段使っているのはフルートで、今は値上がりして200万円くらいします(笑)。多分プロの人でも使えるようなものを使っています。応援の時はパーカッションを担当していて、スネアドラムやシンバルを使っています。カラーガードでは代々受け継いできた旗や衣装があるのでその中から舞台にあった衣装を選んで使っています。
西村 私は演奏と応援とドリルがあるのですが、どれもホルンを吹いています。ホルンは金管楽器でカタツムリのような形をしたものです。マーチングやドリルではトランペットの大きい版の前にベルがついている楽器を吹いています。
小野 私は応援、演奏、ドリル全てクラリネットという楽器を吹いていて、よく黒いリコーダーと呼ばれるような楽器を吹いているのですが、使っている楽器は音に、そして物にこだわりたい思いがあって、最近部品を買い替えたりして、カスタマイズして楽しんでいます。そういったところがクラリネットの魅力だと思います。
佐藤 私は演奏、ドリル、応援すべてトランペットを演奏しています。自分が演奏しているトランペットは中学生の時に購入したもので、ちょっとどっしりとした音が出る種類のものを使っています。トランペットは華やかでメロディラインを担当するような楽器で応援でも一番遠くまで聞こえる音色だと思うので楽しいです。
――楽器の演奏経験はどのくらいですか
勝 中学から始めて今年で10年目です。パーカッションとカラーガードは大学から始めました。
西村 私は中学1年生から始めて、高3の時はやっていないので8年くらいです。
小野 私も中学1年生からなので、今年で10年目くらいです。
佐藤 私は小学校4年生から始めたので今年で12年目です。
――使われている楽器の魅力は
勝 フルートは大体銀製なのですが、私の楽器は銀に金のコーティングがかかっているので華やかな響きがするというのが特徴かなと思います。金がかかっている分、圧が必要で吹くのが難しいのですが頑張って練習して吹けるようにしています。
西村 ホルンは金管楽器なのですが、木管楽器と一緒にアンサンブルをするくらい柔らかい音色があって、柔らかい音色で柔らかいフレーズを吹いたり、伴奏を支えることができるのが魅力です。ホルンかわいいし、ホルンの音楽の中での役割もそうですし、そういう性格の人が集まるのかなって思うので
一同 分かる~(笑)。
西村 居心地がいいなと思っています。
小野 クラリネットは吹奏楽の中では、オーケストラでいうとバイオリンのような役割を担っていて、メロディーや細かい音符を吹くことが多いですが、吹奏楽曲でもいい曲ありますし、オーケストラでソロ曲を聴いたり、木の柔らかいポンポンとした音がすごく好きです。あとはほかの楽器とは違って、パーツが多いのでカスタマイズできるのがすごく楽しくて、誰かと共有したい(笑)。
佐藤 トランペットはベルという音を最終的に出す場所があるのですが、そこが真っ直ぐ向いているので直線的な音がする楽器です。メロディーを担当することが多くて、人数も1団体に6人か7人くらいいるので、何パートかに分かれてハーモニーを作る事ができるのが楽しいです。やっぱり有名な楽器なので、「トランペットです。」というと「かっこいいね!」と言われることが嬉しいです(笑)。
――練習で意識していることを教えてください
勝 フルートはバンド(吹奏楽団)の中で一番高い音を担当しているので、上に音が広がるようにキラキラした明るい音で吹けるよう意識して、そういう音を目指して、練習しています。
西村 ホルンはベルが横や後ろに向いているので直接的な音というよりは響きを作ることを大事にしていたり、ホルンパートで一体感を持たせるような演奏をしたいなと練習をしています。
小野 クラリネットはバンドの比率的に一番人数が多くなる楽器だからこそ、合わせるのが大変なのですがそこをどういう風に合わせていけるかを考えています。自分は合奏に参加するときには曲がどういう雰囲気でどういう風に吹かなければならないのかを考えていきながら微妙な音色の違いを追求できるように頑張っています。
佐藤 トランペットはメロディーを担当することが多かったり、音が目立つことも多いので、個性豊かなパートで音がバラバラしがちなことが課題だと思っていて、なるべく音をまとめることを意識してまとめたいなと思っている最中です。指揮として前で合奏を仕切る時は、合奏でみんなで吹いて練習することも大事ですが、自分がどういう役割かということを自覚して吹くことができたらすっきりするので、そういったことも意識しながら練習に取り組んでいます。
――本番でこだわっている点はありますか
佐藤 練習のクオリティを本番で出せるのが一番いいのですが、やっぱり緊張もあるので、練習の時から本番を意識して挑むのが大事かなと思います。
小野 普段練習している場所と音の聞こえ方が違うのでホールでリハーサルしている時に調整して、本番でいい状態に持っていくというのが大事かなと思います。
勝 練習だとのびのびと吹けていたのに、本番だと音の距離感が変わって音が固くなってしまうので、本番でも華やかな音を出せる様にしたいです。
カラーガードに関してはいかにお客さんの視界の中でアピールできるかがすごく大事だと思うので、いいポーズや表情で表現できるように意識して練習に取り組んでいます。
西村 ドリルでいうと動きを覚えるのも大事なのですが、動きがそろっているかというような基礎動作ができているかが大事だと思うので、普段の練習から意識して、基礎動作ができるようになって動きも合わせられるということが練習でできると本番でできるのでそこを意識しています。
インタビューに答える西村
――今までの活動で一番印象に残っている演奏を教えてください
佐藤 定期演奏会が一番やりがいのある活動かなと思っていて、演奏する曲数も多くてお客さんの声も一番聞きやすい活動でもあるので、演奏もそうですけどドリルがバッと決まった瞬間にすごく大きな拍手をいただくこともあって、それが嬉しいですね。やっぱりお客さんに届けている身でお客さんに届かないと演奏は成り立たないなと思っているのでお客さんの反応っていうのはすごく嬉しくて、やりがいにつながりますね。
勝 お客さんという面でいうと、コロナ禍でお客さんがいなかった2年の時のコンクールですね。課題曲がフルートのソロで始まるんですけど、そのフルートソロを担当させていただいて、しかも出演順が1番で(笑)。全然人がいない上に、1番という不利な状況で、自分の音で曲が始まるという緊張感がすごく印象に残っています。その時のコンクールは緊張で印象に残っているのですが、達成感での印象に残っている活動いうと、さっき空が言ったように、定期演奏会のドリルの最後の曲とかですね。お客さんの反応があると嬉しいし、いい思い出として残ります。
西村 応援部っていろんな本番があって、その際にお客さんが目の前にたくさんいることが多くて。例えば依頼演奏というときに、生音で曲を吹くと喜んでいただけることが多いですし、直接演奏をして、喜んでいただける時がやっぱり印象に残りますね。
小野 私が印象に残っている演奏は、少し不思議かもしれないのですが、一昨年の定期演奏会で演奏した早稲田大学校歌です。私の2つ上のクラリネットの先輩がすごく大好きで尊敬していたのですが、最後に今まで応援でも演奏してきた校歌を一緒に演奏するということで、すごく印象に残っていて。ホールでの響きも普段とは違ってよく聞こえますし、練習も沢山したので印象に残っています。
印象に残っている活動について語る小野(写真左)と佐藤
――応援での演奏と室内演奏で意識を変えている点はありますか
佐藤 応援はすごくスタミナを使う活動なので、いかに最初から最後まで同じクオリティで演奏できるかということを意識したいと思いながらやっています。野球だと9回にはバテバテになってしまうこともあるんですけど(笑)。トランペットパートとしては吹く場所を分けたりしながら、音が途切れないようにクオリティを保つことを意識していて、その先に音楽の表現だとかタイミングを合わせるということがあるのでそこまで意識できるようなクオリティに持っていきたいなと思います。演奏は応援に比べて本番での演奏時間が少ないので、何分間かの本番にどれだけクオリティを持っていけるかが大事だと思っていて、例えばコンクールでは12分間の演奏時間があるんですけど、それまでに百何時間と練習していくので、そういった部分では音楽は儚いなと思うのですが、その12分間に全力をささげて練習するみたいな感じに思っています。
小野 クラリネットって先ほども申したんですけどカスタマイズできるので(笑)。
一同 (笑)。
小野 やっぱりカスタマイズが楽しくて、応援ではプラスチックでできたクラリネットを使っていて、応援ではとにかくバテずに吹き続けることが大事なので、吹きやすいものを選んだり、リードと呼ばれる部分を少し息で音を出せるものを使うとか、カスタマイズして工夫をしています。
西村 野球応援だと屋外でやるので音が響きにくいので遠くに飛ばすことが大事だったり、選手に届くようにだったり、遠くにいるお客さんにも届くような音を出せるように頑張っています。9回まで同じクオリティで吹けるようにスタミナを調整するということもありますし、アクションもあるので、視覚的な面でも楽しませるような演奏を心がけています。
勝 野球応援ではパーカッションはスタミナが特に大事です。守備回応援と攻撃回応援があって、パーカッションは守備回応援中もずっと演奏しているので体調管理を大事にしながら、いかに長時間叩いていられるか。それと、守備回応援の大事な役目として、外野の選手がボールが投げられたことが分かるように投手が投げた瞬間に音を鳴らすのですが、試合をジーッと見ながら合わせて叩いています。パーカッションは試合に合わせながら、リーダーが叩く太鼓と合わせながら、そして吹奏楽団のみんなが奏でてくれる後ろからの音楽に合わせながら、といういろんなに気を配りながら叩いているので、集中力が大事かなと思います。管楽器に関しては、やっぱり屋外だと音が散ってしまうので音を長めに吹くとかそういう工夫ができたらいい感じに響いて演奏できるのかなと思います。
インタビューに答える勝
――今年度新たに取り組んでいきたいことがあれば教えてください
勝 まずパレードがあったんですけど、パレードでは進行方向に向くダンスだけじゃなくて、沿道のお客さんに伝わるように、ちょっと横を向くダンスを取り入れて、あと真似しやすい動きを入れてみんなが笑顔で最後まで踊れる様にということを考えて振り付けを行いました。
佐藤 今の吹奏楽団って応援部の中の吹奏楽団みたいな感じで応援部感がちょっと強い団体で、音も少しなんかまあ応援時の影響もあって結構バーって広がっている感じのことも多いので、演奏時の表現とかあと音の繊細さとかを重要視した演奏時の応援にも活かせるみたいな演奏団体にしたくて、演奏団体ではあるんだけどちょっと音楽的要素を重視する演奏団体にしたいなあっていう風には思っています。だから音楽性の追求、でもあの新たに変えたこととしては練習時間を30分去年よりも伸ばしたんですよ。もともとその練習時間を3時間だったのですが、去年は授業時間が変わったことで30分短くなってしまったんですけどその毎回の30分短縮って結構チリツモだと大きな差になってしまうなという風に思ったので、その30分伸ばして元に戻して演奏のクオリティーをあげたいなあって思っています。あと吹奏楽って本番で歌わないんですけど歌うことが練習においてすごく大事なんです。楽器を吹くよりも歌う方が表現しやすくて簡単なので、歌で表現したことを楽器に応用できるような練習をしたいなと思って最近練習の始めの十分間を歌の練習にしました。
小野 今年はあと、一年間で通して使える十八番の曲を設定しまして、4月22日に行われるスプリングコンサート2024でおそらく初披露になるんですけれども、そちらで今年の応援部吹奏楽団の曲が披露されます。(曲名はまだ披露できないのですが)すごい王道の曲なので、皆さんも楽しめるかなと思います。あとは、今年はありがたい事に人数がすごく増えてきて、コンクールは全員参加ではなく、選ばれたメンバーだけが参加することになる予定なんですけど、そのメンバーじゃない方の練習とか演奏会を企画したいなという風に今思っているところです。
西村 ドリルをやっている団体は自分たちしかないですし、大体未経験者としてほとんどの人が入ってくるので、何もわからない状態で入っているからこそ、みんなの基礎力をもう一回見直して上げたいなと思っていて、だから練習方法をちょっと変えたりとかしてみんなで動画で取り合って客観的に自分を見られるようにしたりしていて、これからまた新しく新入生が入ってくるまでに例えば新しい基礎動作とかを見直せる何かを作りたいなと思っています。あとは部活動という特性もあって、あんまり下級生からの率直な意見を聞きにくかったりする時もあるので、聞けるような仕組みを作りたいなと思って、Google Formを作ってみたりだとかっていう取り組みはしています。一人一人の基礎力をあげたいなと考えています。
――最上級生として練習で意識したいこと、また取り組んでいきたいことを教えてください
佐藤 応援部の特性上、上下関係がしっかりしているんですけど、リーダーとか、チアって4年生だったら4年生だけで練習が成立したりということがあるのですが、吹奏楽って4年生だけで集まってもどれかの楽器が足りなかったりとかがあるので、やっぱり全学年で一つの演奏を作り上げるっていうのがすごく大事で。風通しの良い団体にしたいなという風には思っています。特に私たち4年生は役職があるのですが、1個下の3年生にも役職がついていて。指揮で前で演奏練習を仕切る役割を担っている部員が1個下に2、 3人ぐらい副指揮っていう役割であるんですけど、その子たちもすごい今までの演奏の経験とかが豊富で知識もたくさんある子たちなので、知識を持っていたり実力があったりする部員が4年生に固まっているわけじゃなくて、全学年にそれぞれいるので、学年に関わらず、持っているものをどの学年でも発揮できるような環境作りをしたいなというふうに思っています。だから、3年生にも結構合奏を仕切ってもらってます。もともと私たちが新人で入った時は割とまだ縦の関係がしっかりしている方で、1年生はあんまり意見を声に出せない環境だったんですけど、私たちの2個とか1個上の人たちが改革してくれて、どんどん言いやすくなって。今変革期みたいな感じになっているので、私たちももっともっと下級生が発信しやすいような環境作りをして、今後もう何十年も続く団体なので、それを伝統にしたいというか、それでより演奏団体の実現に向かうといいなというふうに思っています。
勝 ドリルバージョン、カラーガードで言うと、バトンができる子がいるのでその子の特技を活かしたり、私はミュージカルとか舞台が大好きなので、たくさん見ているミュージカル要素をちょっと取り入れて、ただ踊るだけじゃなくて何かお客さんに訴えかけるような工夫ができたらなとか。演奏と一緒なんですけど、ドリルも、上の学年から下の学年まで特技を生かしてより良い演技、舞台ができるようにできたらいいなって思ってます。
小野 私は吹奏楽団の1番上の役職につかせていただいて前で発信することであったり、下級生に対していろいろ言うことが多いのですが、まず言う前に自分が1番出来ているように、やっぱり音楽って結局実力ですべて決まってしまうので、自分が1番練習するとか、こだわるとかっていうのを意識しています。インスペクターという役職では、練習予定を結構作ることが多いのですが、どういう練習を入れたら効率が良くなるかとかを考えながら毎月の予定を立てて練習しています。
――今年度の目標である『魂の旋律』(通称:たまメロ)について意識して取り組みたいことはありますか
小野『魂の旋律』は私が考えたのですが、思いとしては、今まで応援部の気合いの面とかがすごく強くて。気合があれば別に音楽面でそこまで追求されていないなっていうのを感じていたのですが、やっぱり科学的に音が綺麗だと飛ぶっていうのはもちろんありますし、選手とか観客の方々を応援する団体としてまず自分たちが1番頑張ってなきゃいけない、自分たちの頑張ることは音楽なんだっていうのをもっとみんなに意識してもらいたくて、魂を乗せて演奏する団体にしたいなという思いを込めて「魂の旋律」を本年度の目標にしました。だから、本年度は音楽性の追求に合わせて気持ちも込めて、気持ちと努力の面を最大限にすることを発信して自分も取り組んでやっていこうと思っています。
今年度の目標について語る小野
――それぞれの役職についての説明と、その役職を希望した経緯を教えてください。
佐藤 指揮はみなさんがイメージしやすいのは、神宮球場で校歌を振ったり、応援の時に指揮を振ったり、指揮を振る場面では定期演奏会、去年はポップス曲を前で振ったりとかしています。あとは演奏練習の運営をしています。練習予定とかは指揮部門が決めていて、結構何でも決められちゃいます(笑)。なので、歌練習とかを入れてみたり、練習の頻度も決められるので、上手くなるためにたくさん練習したいなと思っています。あとは、指揮はコンクールとかクラシック曲の指導は、外部の先生にお願いしているので、常任指揮の先生とのやりとりだったり、一緒にコンクールの曲を決めたりっていうのを行っています。
指揮を志望したきっかけは、自分が2年生の終わりぐらいに大きなきっかけがあって、ホルンの2個上の指揮の方がいらっしゃって、その方はすごくホルンが本当に上手で、今まで出会った中で一番上手だなって個人的に思っていて、あとすごく優しくて一緒にアンサンブルコンテストを誘っていただいて一緒に出たり、すごく面倒見良く接していただいていたので、憧れを持っていました。その方が指揮をやっていて憧れっていうのもあったんですけど、自分が2年生から3年生になる時、2個上の方の引退のタイミングで、その方の指揮のハチマキ(4年生の時にしかつけられないもの)をもらって、その時に「私絶対に指揮になりたい」と思いました。やっぱり前で校歌を振れる人って限られていますし、演奏に対してアプローチできる立場っていうので、今までの自分の経験を活かしたいという面でも魅力的に感じていたので志望しました。
もう1つの役職の連盟常任委員っていう、六大学応援団連盟の早稲田の代表としてやり取りするような役割なんですけど、六大学の行事を取り仕切るような役割を担っています。志望した理由は結構今まで六大学の合同演奏会とかに出ていたり、六大学の交流が同期の中でもある方だったので、連盟行事に関われる仕事に就きたいな、というふうに思ったのと、六大学連盟の中でも各校の立場とかって大事で、早稲田の立場を良い立ち位置にしたくて、下級生が連盟行事とかに気持ちよく参加できるような環境を整えたいなというふうに思ったので連盟常任委員を志望しました。
勝 私が務めているガードチーフというのはカラーガードパートのリーダーです。カラーガードはドリルの時に華を添えるようにダンスを踊ったり、旗とかライフルを使ってやる役割なんですけど、仕事内容としては、コマを考える時にドラムメジャーと一緒に考えたり、ダンスの振り付け・指導やドリル練習の練習予定を組みます。与えられている自由度が高いので、その中で効率よくいかに完成度を上げられるかっていうのを大事にやっています。志望理由は、高校の時マーチングをやっていたんですけど、私は歩く方でやっていて。友達にドラムメジャーをやっている子がめっちゃ格好よくて、密かに憧れがありました。大学生になって改めてマーチングドリルのカラーガード映像とか写真を見た時にやっぱり格好いいなと憧れを持ったので、大学ではカラーガードを担当してきました。演出を考えたりだとか、自分のイメージしたものをそのまま形にできるってなんて魅力的な役職なんだろうって思って志望しました。
小野 インスペクターは指揮部門の一部で、指揮を振ることに関しては、基本的に指揮がいない場合の代行と、明治神宮では7回のエール交換の時に校歌の指揮を振ります。あとは、定期演奏会で指揮を振る以外に、インスペクターは練習予定の方だったり、指揮部門での事務的な仕事とかをやったりします。インスペクターを志望した理由は演奏をもっと良くしたいっていうのを思っていて、賛否両論あるんですけど、私はコンクールも本気で取り組むべきだと思っていますし、そういう面で練習とかのマネジメントをやりたいなと思ったからです。あとは指揮を振ることにやりがいを感じて、音楽を作るのって楽しいなっていうのを3年生の副指揮をやった時に思ったので志望しました。
吹奏楽団責任者兼副将は仕事内容で言うと、まとめるぐらいで抽象的で、やることといえばこれと言って無いんですけども、その中でどこまで部員に向けて発信したり自分がやることを見つけていくのかっていうのが重要だと思っています。志望したきっかけは吹奏楽団の音楽的な地位をあげたいっていうのを思っていて、すごく優秀な同期だったり後輩もいっぱいいるので、意見をたくさん聞きながらまとめていって、「早稲田の応援部って言ったら吹奏楽団だよね」って将来的には言ってもらえるような基盤を作りたいと思ったから志望しました。
西村 ドラムメジャーの仕事は3つあって、ドリルっていうとコマって言われる、その1人1人の動きの隊形変化を作ることと、その練習面をすることと、本番ではその指揮を振らせていただくこと、パレードとかだとバターを振ったりします。私がドラムメジャーを志望したきっかけとしては、今までのドリル練習って、このコマ覚えるのが結構大変なんですけど、覚えることに注視しまったりだとか、他にドリルをやっている団体がないのでやっているだけで「すごいね」って言って頂けたりするんですけど、実際クオリティの面で言うと、自分たちはレベルが高くないかなと思っていて、その面でちゃんと基礎力あげたいなと思って志望しました。また、私があんまり前に立って引っ張っていくリーダーシップをとるタイプではないからこそ、後ろから支える感じなりたいっていうか、下級生でも言いやすいだろうなと思って志望しました。結局舞台を作っているのは下級生とか同期を含めた全員なので私がリーダーシップを取ったらいいものになるというよりかは、1人1人が能動的になったり、まとめている私に対して、意見を言いやすかったりした方がいいものになる気がしています。
指揮についての思いを語る佐藤
――4月に行われるスプリングコンサートでの見どころを教えてください
佐藤 見どころは今回初挑戦する学年のアンサンブルです。今まではみんなで演奏したり、アンサンブルって言っても、学年ごちゃ混ぜのアンサンブルをしていたんですけど、人数が多いこともあって、学年で何とか演奏が成り立つくらいの人数がいるので、学年ごとに曲を3分くらい演奏します。さっき言ってくれた、十八番も初めての試みなので、「吹奏楽団といえばこの曲だよね」って思ってもらえるぐらいいいものを作りたいなって、たくさん演奏したいなっていう風には思っています。コンクールの課題曲2曲も演奏するので、1つの成果発表として頑張ります。
勝 メドレーをするんですけど、曲の間にいつもフォーメーションを変えるためにちょっと時間を空けるんですが、時間が空くとお客さん側から見て没入感が薄れてしまうので、今年はそれを無くそうということに決めまして。その分移動の時間がなくなったりとか、カラーガードだったら、旗を入れ替える時間、着替える時間が少なくなってしまうんですけど、それをどうにかできるように工夫して、練習しています。
小野 今いろんなところで「アンサンブル」という単語が出てきたと思うんですけど、スプリングコンサートでも学年アンサンブルだったり、ドリルのアンサンブルとは別にまた他にアンサンブルがあって。本年度はアンサンブルコンテストで活動が始まったんですけど、アンサンブルで個々が音楽表現をするっていうことに、力をいれていきたいなというふうに思っていて、楽器ごとの魅力が伝わるといいなと思っています。あと、個人的に第1部のシンフォニックステージでミスサイゴンというミュージカルの曲がすごく好きで感動的なので、私は中学校のすごく名演と言われるようなものをよく聞くんですけど、魂の乗った音楽を当日皆様にお届けできるといいなと思って練習に励んでいます。
勝 あ、カラーガードも楽器吹きます!あと、いつもドリルステージの最初を4年生のドリルスタッフ、カラーガードチーフ、ドラムメジャーから始まることが多いのですが、曲を全部つなげる関係で最初をサブの3年生に任せたので、それもちょっと新しい取り組みかなっていうか、風通しが良くなったということが現れているかなと思うのでそこをじっくり見ていただきたいです。
西村 ドリルなのですが、途中でアンサンブルが何回か挟まれるので、そこも見どころかなと思っていて。ソロとかがあるドリルステージとかもあるんですけど、今回はアンサンブルが見どころかなって思います。
――最上級生としての意気込みをお願いします
佐藤 私は指揮としてはもちろん、コンクールで都大会に出たいっていう思いがすごくあるのですが、私たちの代だけが輝けばいいだけではなくて、今後の吹奏楽団がどんどん輝く団体になるきっかけの代になりたいなっていうふうに思っています。吹奏楽って1年だけじゃそんな簡単に上手くなれないし、長期的なスパンで技術を向上させていくものなので、私たちの代が先駆者みたいになりたいなって思うのと、個人的には吹奏楽をこんなガッツリやるのって本当にラスト1年なので。中学校の時に全国に行った経験があるのですが、そこで得た経験であったり、団体の中でも長い年数楽器をやってきた、自分が持っているものを周りに発信する最後の年として頑張りたいなっていうふうに思っています。やっぱり、下級生がやりやすい環境っていうのをすごく作りたくて、応援部全体で活動する時と吹奏楽団で活動する時って今も雰囲気が違うのですが、吹奏楽団だったら気負わず自分の力が思う存分力が発揮できるなって下級生に思ってもらえるような団体にしたいなっていうふうに思っています。
勝 私も風通しが良くなって吹奏楽団全員54人全員が輝けるような団体にしたいなと思っていて。輝くためには1人1人をちゃんと見ていって、この人がいれば団体の回りが良くなる様な、この人に相談しようって言ってもらえるような上級生になれるように頑張ろうと思っています。カラーガードパートとしては、上級生として自分がこういうステージにした方がいいんじゃないか、とかたくさん提案をして、それを4年生という立場ではそのまま形にしやすいと思うし、最後の年でもあるので。今まで学んできたことを活かしてめっちゃいい、特別キラキラしたステージを作りたいなと思っています。個人的には、私も吹奏楽としてがっつり練習するのはラストイヤーになると思うので、自分の中でこの1年が1番練習したなっていうか、最後にここまで頑張れたなって思えるぐらい練習したいです。また、役職が1つだけなので、その分役職にも集中できると思いますし、去年までいろんな役職を経験してきて、だいぶ団体が見えている方だと思うので、手があいた時とか、ちょっと広い視野を持って何か困ったことがあったら、同期はもちろんその1個下の子も支えられるようなポジションでいたいなって思っています。
西村 私はドラムメジャーっていう役職1つだけなので、それに集中しようと思っていて、ドラムメジャーっていう役職を頂いたからこそ、ドリルに対する責任は全部持ってやりたいと思っていますし、だからこそちゃんと基礎からしっかり、今いるメンバーが1年間かけてよりうまいレベルになって、吹奏楽団のレベルがこれ以降ももっと上手くなっていけばいいなと思っているので、それを1年間かけて責任もって上手くできるような練習運営をして行きたいなと思っているのと、ホルンパートも子供たち(後輩)が多いので、パートリーダーとして頑張りたいなと思っています。
小野 吹奏楽団を飛躍させます!個人としては、応援部ってすごく面白いところなんですけど、吹奏楽団がその中で今後何十年も栄えていてほしいなという思いがすごくあるので、この年をきっかけに吹奏楽団の音楽団体としての地位が上がり続けてほしいなと思いますし、やっぱり早稲田で1番の吹奏楽団体になる、将来的にそうさせるための1年にしたいと思います。そのためになんでもやりたいです!
――ありがとうございました!
◆小野玲々菜(写真左)
東京・かえつ有明高出身。国際教養学部4年。
◆勝真優美(写真右)
大阪桐蔭高出身。政治経済学部4年。
◆佐藤空(写真中央左)
東京・早実高出身。文学部4年。
◆西村礼緒奈(写真中央右)
神奈川・洗足学園高出身。人間科学部4年。
(取材・編集 井口瞳、橋本聖 写真 井口瞳、橋本聖)