【特集】注目ルーキー特集 第2回 小松龍一×湯浅桜翼

野球特集

 注目ルーキー特集第2回は、小松龍一(スポ1=岩手・花巻東)と、湯浅桜翼(スポ1=宮城・仙台育英)が登場。ともに東北の高校出身で、対戦経験もある2人が、早大野球部に合流して感じたこととは。

※この取材は2月11日に行われたものです。

【第1回】佐宗翼×徳丸快晴

「スポーツの最先端を学びたい」(小松)

実践形式の練習で登板した小松

――まず初めに自己紹介をお願いします

湯浅 仙台育英高から参りました湯浅桜翼です。

小松 花巻東高から参りました小松龍一です。よろしくお願いします。

――高校時代に対戦経験があると思うのですが、お互いの印象を教えてください

湯浅 東北の中でも全国の中でもトップクラスのピッチャーだったので色々研究もしてましたし、ストレートが速くて変化球も非常に良い印象です。3年生では対戦することはなかったんですけど、2年生の甲子園で対戦して全然打てなかったのでいいピッチャーだったなという印象があります。

小松 プレー自体を見ることはあったんですけど、まさか同級生だとは思えないようなスイングの強さだったり、守備範囲だったり、送球の強さというものがあったので実際に同級生だと思って対戦すると怖さがあるバッターでした。自分は1回しか対戦経験はないのですが、チーム同士は練習試合でもよく対戦しており、チームメイトから今日湯浅がすごかったという話は聞いていたので、すごい選手なんだろうなという印象はありました。

――なぜ進学先に早大を選んだのですか

湯浅 高校2年生の夏に甲子園の決勝で慶応さんと対戦し、その時に慶応の応援がすごくて、色々調べたところ早慶戦というものを知りました。その早慶戦に出たいという気持ちがあったので、早大を志望しました。

小松 自分はスポーツ科学部でスポーツの最先端を科学的に学び、自らにフィードバックしながら自分の競技力を高められたらいいなと思い、スポーツを学びながらスポーツを思うようにできる早大を志望しました。

――早大野球部の練習に参加してから10日ほど経ちますが、高校野球との違いを教えてください

湯浅 まだあまりわからないですが、早大は慣れない環境の中でもレベルがすごく高いので、練習の中での緊張感が高校とは全然違うと思います。

小松 自分もまだ練習しか分かりませんが、高校では与えられたメニューをやるだけというシステムだったものが、大学では自分で考える時間が多くて、一緒に練習している先輩方はひとりひとりが課題を持っていてすごいなと思いました。

――先輩方の印象を教えていただきたいです

湯浅 非常に優しい先輩方が多いなという印象です。

小松 答えがわからないことだったりを先回りして教えてくれたり、自分はなにもやることがなくて困ったりしないように気を遣ってくれたり、その中でも自分の練習に対して妥協なく取り組んでいてすごいなと思いました。

――小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)の印象を教えてください

湯浅 練習の中でもメニューが終わるごとに監督さんの話を聞く時間があるのですか、その時に指摘される言葉のレベルが高いです。常に早大が日本一になるためにはということを考えていてらっしゃるので野球に対して非常にストイックな方だと思います。

小松 自分も湯浅と同じで、ひとつひとつの練習が終わるごとに監督さんからのアドバイスがあるのですが、その中でも一球の重みに対しての発言が多いです。野球で生きてきた方だからこそ言えるようなワンプレーワンプレーに対する大切さだったり、重さを重要視している方だなと思います。

――練習に参加されてから具体的に小宮山監督からアドバイスはありましたか

湯浅 今のところは特にないのですが、ケガのないようにやってくれると言われました。

小松 焦らずにケガなくということと、ピッチングの際に自分の振りたい腕の振りと開きが合ってなくて振りたい位置に腕が振れていないと言っていただいて、もっとキャッチャーの方に向かっていくようにというイメージを持ったらどんどんよくなるというようにアドバイスをいただきました。

――オフの日の過ごし方を教えてください

湯浅 まだこの辺のことがあまりよくわかっていないので、1回目のオフはずっと部屋にいて、昨日2回目のオフだったのですが、接骨院に行ったり友達とご飯食べたりしました。

小松 自分もあまりこの場所のことがよくわかっていないので、近くにいる高校時代のチームメイトとかとご飯に行ったりしました。

――注目している野球選手がいれば教えてください

湯浅 メジャーの開幕戦が東京ドームで行われるので、テレビで見たいなと思っています。

小松 自分はプロだと山本由伸投手(ロサンゼルス・ドジャース)に憧れていて色々なところで学びを得たりしていて大学野球だと伊藤樹投手(スポ4=宮城・仙台育英)に高校時代から憧れがあって。1年しか一緒に野球をできないので多くのことを学びたいなと思っています。

――六大学の中で対戦してみたい選手教えてください

湯浅 明大や法大に高校時代の先輩たちがいるのでそういう人たちと対戦してみたいなと思います。

小松 自分はどの選手もレベルが高いので誰ということなくひとりひとりと戦いたいなと思っています。また、高校の先輩である法大の熊谷選手(法大2年)とは一緒にプレーしていた時間も長かったので対戦してみたいと思います。

――大学に入学してから強化したいと思っているポイントを教えてください

湯浅 スポーツ科学部に入るので体の動きとか、身長があまり大きくないのでそういったところを勉強してフィジカルアップにつなげたいなと思います。

小松 まず体作りということで、体の線も細いですし、高校生の中でも体格のいい方ではなかったので大学レベルの体づくりをすることと、スポーツ科学部で体のつくりやバイオメカニクス等を学んでもっとも正しいフォームを作れるようにしていきたいなと思っています。

――早大に入学してからやってみたいことを教えてください

湯浅 大学生になって高校とは違って課題などが出て、自分でレポートを書くというシステムになると思うので、そういうのを率先的に取り組みたいと思います。

小松 授業で得た学びを自分のプレーに生かすとういうことはここでしかできないと思うので、それを活かして野球に向き合っていきたいと思います。

「チームを勝たせるピッチャーになる」(小松)

――続いて小松選手への質問に移りたいと思います。高校時代で一番印象に残った試合を教えてください

小松 特にはないです。全部印象に残っているというか、どの試合も楽に勝てるような試合ではなかったので、特にこれと言ってはないです。

――自分の武器を教えてください

小松 ストレートの伸びと変化球の組み合わせは自分の中で大事にしているところです。また、練習に対する姿勢に関しては誰よりも負けないようにしていきたいなと思っています。

――現在の自分の課題を教えてください

小松 まずはボール一つ一つの力を上げてストライクゾーンでの大学生のパワーに負けないようにしていくことです。また、まだボールのばらつきが多いので自分の狙ったところに毎球いくようにしていきたいと思います。

――高校野球で学んだことは何ですか

小松 中学校までは自分の実家で生活して親になんでもしてもらうことが当たり前だったのが、高校に行って色々自分でやらなきゃいけないことが多かったり、そして甲子園に出たことによって周りからの支援がたくさんあったので、野球ができていることが当たり前じゃないんだなというふうに思って周りの方に対する感謝だったり謙虚な気持ちというものを学びました。

――進学先を決める際佐々木監督からアドバイスはありましたか

小松 自分は高校入学当初はプロに行くことを目指していたんですけど、プロに行って戦力外になってしまったら何も残らないから大学に行けばもしダメだったとしてもそこから新しい道を作ることができるというのと野球だけの大学に行ってしまうと何も残らないという風に言っていただき、勉強の面も高いレベルで行っていて文武両道ができる早稲田大学というものを薦めていただきました。

――先ほど山本投手の話があったのですが、憧れの投手とその投手の魅力を教えてください

小松 憧れの投手は山本由伸投手でフォームはすごい独特で色々な人から注目されていますけど細部を見てみると基本がすごくできていたり、制球力がよくてピッチトンネルが小さくてまっすぐな軌道から色々な変化球に振り分けられるので、そこもすごいなと思います。

――ピンチの時に心がけていることを教えてください

小松 まずマイナス思考にならないようにして。そういう場面でマイナス思考になるかプラス思考になるのかだったら絶対プラス思考になった方がうまくいくと思いますし、ここ打たれたらどうしようではなくてここ抑えたらチーム盛り上がるななどと成功したイメージを持つようにしています。

――速球が武器だと思うのですが、得意な変化球は何ですか

小松 フォークとツーシームです。

――花巻東高校時代、佐々木監督から受けたアドバイスの中で心に残っていることは何ですか

小松 プレー面はもちろんですけど、人としての部分で、調子がいい時に寄ってくる人っていうのは、表だけで、利益を求めてやってきている人で、調子悪い時こそそばにいてくれた家族だったり、チームメイトだったり、指導者だったり、こそ大切にするようにと言われました

――早大ではどんなピッチャーになりたいですか

小松 チームを勝たせるようなピッチャーで、登板した際に第1戦を任されるようなピッチャーで、小松が先発したら勝てるという雰囲気をチーム全体が持てるような信頼度のあるピッチャーになりたいです

「守備の要、ショートを守りたい」(湯浅)

キャッチボールをする湯浅

――2年生の夏には、甲子園大会で準優勝されていますが、高校3年間で一番印象に残っている試合を教えてください

湯浅 高校3年生の最後の夏の宮城県大会の決勝で負けてしまったんですけど、その試合がすごく印象に残っています

――ご自身の武器や、ここだけは負けないというポイントを教えてください

湯浅 野球で言えば、攻守のバランスです

――打撃と守備でのセールスポイントをそれぞれ具体的に教えてください

湯浅 守備では守備範囲の広さだったり、肩の強さ、握り変えの速さ。攻撃面では、状況に応じたバッティングができたり、パンチ力に自信があります。

――仙台育英高校での3年間で学んだことや身につけたことを教えてください

湯浅 野球以外の面では、たくさんの人に支えられて野球ができているということだったり、陽の光を浴びる人がいる一方で、その影を支える人が多く存在してくれているということを学びました。

――進学先を決める際に仙台育英高校の須江監督からのアドバイスはありましたか

湯浅 野球もトップクラスですし、学業も非常に高いレベルなので、早大にいけるチャンスがあった中で、そのチャンスをものにしたほうがいいというアドバイスがありました。

――木製バットへの適応について何か工夫している点があれば教えてください

湯浅 まだ木製バットに慣れていない部分があって、大学はもっとレベルの高いピッチャーになるので、練習を多くして、木製バットに慣れていきたいです。

――早大の練習に参加してから、仙台育英高出身の先輩方とお話をされましたか

湯浅 はい。伊藤樹さん、高橋煌稀さん(スポ2=宮城・仙台育英)、尾形樹人さん(スポ2=宮城・仙台育英)と話をしました。最初は慣れない部分が多くあるので、仙台育英出身の先輩達と積極的にコミュニケーションをとるようにと言ってくれました。

――今一番自信があるポジションと今後守りたいポジションをそれぞれ教えてください

湯浅 自信があるポジションはセカンドで、セカンドもショートもサードも自信があるんですけど、その中でやはり守備の要と言われているショートが一番やりたいと思います。

――高校時代に甲子園大会に出場したことで学んだことを教えてください

湯浅 2年生の春と夏に出させてもらって、その時に出れなかった先輩が多くいる中で、試合に出れなくて悔しい思いをしている先輩達が、自分を応援してくれているということが、凄いことだと思いました。

――シーズン中のスランプを乗り越える時に心掛けていることはありますか

湯浅 自分のバッティングの中で、悪くなった時に出てくる癖は自分でも理解しているので、その癖が出てきたら、修正するようなバッティングメニューをこなすようにしています。

「1回でも多くリーグ優勝、大学日本一に」(湯浅・小松)

――目標にしている選手や選手像を教えてください

湯浅 目標にしているのは、メジャーリーグのムーキー・ベッツ選手や、ホセ・アルトゥーベ選手です。野球の中で5ツールプレイヤーという言葉があるんですけど、将来、その5つの能力を備えている選手になりたいです。

小松 自分は山本由伸投手で、スピードだけではなく、ストレートの質、変化球の切れ、制球力、ピンチに強い力、そして完投能力、すべてを備えたピッチャーになりたいです。

――ルーキーとして、チームにどのように貢献していですか

湯浅 自分が高校3年生の時に、1年生の中ではい上がってくるような選手がいたら、チームが強くなると感じました。自分がAチームに食い込めるように努力していったら、チーム内競争が起きて、チームにいい影響を与えると思うので、そういったところを意識してやっていきたいです。

小松 自分は先輩方に比べたらまだまだ力不足なので、その中で練習にひたむきに取り組む姿勢だったり、一生懸命努力していくことで、少しでもチームにいい雰囲気だったり、ピッチャー陣にいい流れを持ち込めるようにしていきたいなと思います。

――最後に4年間の目標を教えてください

湯浅 1回でも多く、リーグ優勝をすることと、日本一に一回でも多くなることが目標です。

小松 1回でも多くリーグ優勝して、大学日本一をとること、4年後にドラフトでプロ野球選手になることが目標です。

ーーありがとうございました!

(取材・編集 藤井一成・矢野吉乃)

◆小松龍一(こまつ・りゅういち)※写真左
2006(平18)年7月21日生まれ。178㌢、74㌔。岩手県・花巻東高出身。スポーツ科学部入学予定。第105回、第106回全国高等学校野球大会出場。

◆湯浅桜翼(ゆあさ・おうすけ)
2006(平18)年5月28日生まれ。168㌢、70㌔。宮城県・仙台育英高出身。スポーツ科学部入学予定。第95回選抜高等学校野球大会出場。第105回全国高等学校野球大会準優勝。