第三回には副将・中島瑞貴(スポ4=福岡・西日本短大附属)と松崎渡(スポ4=埼玉栄)、笠井雄太(スポ3=愛知・桜丘)と長澤篤希(スポ4=静岡学園)が登場。これまで柔道部を支えてきた実力派の4年二人、そして次の柔道部を背負う3年生二人に柔道からプライベートまでさまざまな話を伺いました!
他己紹介をしてください!
――他己紹介をお願いします
笠井 長澤くんとは中学からの知り合いで、そこから続いてます。今年9年目とかの仲になります。後輩にも厳しく当たれて、僕にはない魅力をいっぱい持ってる、そんな長澤くんです。(笑)
長澤 結構古い付き合いで中学の時とかも大会で見たりしてて、高校で全国優勝して、で、中学の時から、もうほんとに20キロか30キロぐらい増量してすごい見違えるような姿になって全国優勝して、それでも早稲田に入ってきてからも筋トレを欠かさない、本当に努力家な人です。
中島 松崎渡くんで、自転車部です。声出すのは得意ですね。僕と一緒にスポーツ推薦で入学して一緒にやってきたって感じですね。柔道に関してはあんま言うことないな。でもここまで一緒にやってきて一緒に1番僕が仲良くしてもらってる同級生です。以上です。
松崎 どうも、松崎です。中島瑞貴を紹介したいと思います。まずこの子は親の名前はたかふみさん。まずそこはしっかり皆さん覚えていただきたい。彼西短(=西日本短大附属)という、ちょっと早稲田に行く人がとてつもなく少ない、歴代2人目っていうすごい高校から来たんです。今も寝技は得意って感じでね、オールマイティーに上手いってことでかなり魅力的な男かなと私は思うんですけども、彼は去年も全国大会で個人優勝しましたし、今年も講道館杯で3位っていうすごい成績を残したんで、彼を近くで見てきた松崎としては、背中を追って一緒に舞台に立ちたいなってそういう気持ちもあったんですけども、叶わず。私も高みに立って頑張りたいと思います。
――これを聞いていかがですか
中島 僕もずっと一緒に戦いたかったんですけど、なかなかついてきてくれないっていう感じです。ケツ叩いてたっす。
松崎 僕はケツ拭いてもらってた。
――中島さんの活躍を目の当たりにして後輩のお二方はいかがですか
笠井 正直なところケガの影響が大きくて大会に出るか出ないかみたいな時期で、今年はぶっちゃけ結果残せないだろうなみたいなことを心の中で思ってたんですけど、そこでもしっかり結果残すあたり、なかみずさんらしいなと思いました。
長澤 講道館杯はずっと最初から1試合目から動画で追ってたんですけど、 あれよあれよと「瑞貴ワールド」で上がってきて、 最後は惜しいとこもあって負けちゃったと思うんですけど、ずっと最初から最後の見てて、流石瑞貴さんだなっていうのを思いました。
――ここからは個別にお伺いします。松崎選手はなぜ早大を進学先として選択されたのでしょうか
松崎 決め手は少人数だからですね。国士舘大や東海大は部員が多くて試合に出られないことが多いので、少人数のところを考えていました。あとは大学卒業後に柔道をする予定はなかったので、就職のことも考えて選びました。大学の名前もあり、少人数で強いからって感じです。
――早大に入って良かったことを教えてください
松崎 1年生の時にはある程度上下関係があったんですけど、今はそんなに厳しくなくて。後輩からでもしっかり意見が言えるのはいいことだと思います。あとは、後輩や同期に恵まれたのが一番いいことだと思います。
――次に笠井選手にお聞きします。学年や大学を問わずにライバルを置くとすれば、それはどなたでしょうか
笠井 1年生の頃からなんですけど、階級が近いこともあって、智博先輩(中野智博副将、スポ4=神奈川・桐蔭学園)ですね。意識しているというか、いい刺激をもらっています。ライバルかと言えば違うんですけど…。
中島瑞 他の大学を入れても?
笠井 そうですね。私生活や食事面、トレーニングで自分の考えをしっかり持っているところは、すごく影響をもらっています。だから、智くんですね。
――来年は最上級生となりますが、どのようにチームを牽引していきたいですか
笠井 今年と比べてポイントゲッターがどうしても必要になってくるので、試合ではポイントゲッターとして頑張りたいと思っています。あとは、4年生ということで学年の色がすごく出ると思うので、学年全員で引っ張っていきたいなと思います。
松崎 よ!頑張れ!!
一同 (拍手)
――次に長澤選手にお聞きします。大学や学年を問わず、ライバル的な存在はいますか
長澤 ライバルというか、一番気にしているのは、笠井くんなんですけど…。
笠井・松崎 おぉーー!!
松崎 いけいけ、やれやれ。
一同 (笑)。
長澤 大学入学時に、高校の実績が全く一緒だったんですよ。そこで比べられる中で、去年雄太が優勝した都学(東京都学生体重別選手権)で自分は3位だったので「先いかれてるな〜」と思っていました。今年は互いに結果が良くなかったんですけど、雄太を見ていると、自分もやらないとなと思いますね。
――下級生対談では、板東選手(板東新、スポ2=静岡・加藤学園)と南出選手(南出健槙、スポ2=石川・鶴来)が長澤選手のお名前を挙げていました
笠井 おお!ライバルだって。
長澤 板東に関しては、高校の時に静岡県大会の決勝でいつもやっていたので、意識している部分はあります。でも、雄太ほどじゃないです(笑)。
笠井 「先越してる」って言ってるんですけど、(長澤選手は)高校時代も先に全国優勝してるし、俺が1年生の時に結果が振るわなかったのに対して、3位に入っていて。見ていて「俺もやらなきゃ!」って思っていました。そういう意味では、ライバルなのかもしれないですね。
松崎 お互いにね、お互いに高め合ってきたわけですね。
――来年は最上級生となりますが、どのようにチームを牽引していきたいですか
長澤 さっき雄太も言ってたんですけど、今年に比べてチーム全体の実力は戦力的に落ちると思います。その中で1年生の時からメンバーだった俺とか雄太、あとは中島竜生(文構3=東京・早実)の3人で団体を支える必要があるのと、精神的支柱だった飯田先輩が抜けるので、4年生で下の学年をケアしなければと考えています。
「日本一を獲りたいの気持ちが原動力(中島)」
――最後に中島瑞副将にお聞きします。昨年の全学(全日本学生体重別選手権)優勝の前後で、自身にかかるプレッシャーに変化はありましたか
中島瑞 結果が全くなかった状態と、出過ぎた状態がすごく極端だなと思います。結果が出ていない時の方が気持ちは楽だけど、結果が出ていないから苦しい。対して結果が出た後は、結果が出て楽だけど、「次も結果を出さないと」と思って苦しいんですよ。意味合いが違う苦しさがあり、楽な部分がありました。どちらかというと、とりあえず結果を残せたという点で、結果を出した後の方が自分の安定剤になっていた部分があると思います。気持ち的には「一旦結果が出たから、ここからまたプラスに上がっていければ」と足し算で考えていました。
――今季は講道館杯(講道館杯全日本体重別選手権)でも3位に入りましたが、大学入学時にここまで成績を残せると考えていましたか
中島瑞 思ってはなかったですけど、柔道をやっているからには「一回は日本一を獲りたい」という気持ちがありました。獲れる自信があったかと言われると、なかったですね。でも、獲れるだけのことはやったと思います。獲れる自信はないけど、やってきたことへの自信というか、自分なりの最大限をやったとは思っていました。
――最後に、早大に入って良かったことを教えてください
中島瑞 自分が早大を選んだのが、自分の強くなるためのメソッドと早大のやり方が一緒だったからでした。自分がこうやりたいと思ったことが、早大でちゃんとやれたことが良かったと思います。いい環境だったのが一つで、もう一つは智博と健介がいて…(松崎を見る)。
松崎 ………(首をかしげる)。
笠井 (笑)。
中島瑞 ほんとは松崎くんもそこに入る予定だったんですけど。その2人がいきなり全学2位(中野副将)とジュニア(全日本ジュニア体重別選手権、飯田主将)2位になった中で、自分はもっと手前で負けていて。自分が満足することが全くなかったことが、逆に良かったですね。健介なんて就活をしっかりやりながら結果も残していて、一番刺激になる存在が近くにいたという点で、早稲田で良かったなと思います。(松崎を見る)
松崎 …俺を見るなって。
一同 (笑)。
対談では本音で腹を割って話した
――次にプライベートについてお聞きします。オフの日の過ごし方や、ハマっていることを教えてください
松崎 自転車かな。土日は結構バイトで入って卒論やれって話なんだけど、 そんなに卒論を何時間もできるわけないし。
中島 俺は卒業、引退した後どこ行くかとか、どうやって行くかの計画とか、就職まで何しようかっていうとこを考えるぐらいかな。実行はまだ別にしてないけど(笑)
長澤 凝った料理、特に煮込み料理ですね。この間は角煮作ったり牛すじカレーとか作りました。弟が東京来てるんで家で弟と一緒に作って、みたいな。
――続いて、男子部の中で特に「キャラが濃いな」と思う人を教えてください。ここで例年名前が挙がる、渋田選手(渋田凱、スポ3=福岡・嘉穂)以外でお願いします
笠井 工藤大輝(法4、福岡・小倉)っすね。カラオケをねいつ誘っても俺行かんって言って絶対歌わないやつがいて。なんなら行っても絶対歌わないですね。
長澤 俺からしたら4年生全員変わってますよ。ほんとにね。みんなマイタイムがあります。全員ほんとによく言うのはほんとに。中野タイム、飯田タイムとかはみんなよくいいます。
――早慶戦で先頭を切って戦う下級生にエールをお願いします
中島 公式戦って思うとかじゃなくて、いい意味で楽しんでやるのがいいかなって思いますね。独特な雰囲気はあるし伝統が強い大会だから、勝たないととか、自分の柔道とかっていうよりは、自分の柔道に繋げる試合をするっていうのは当たり前なんですけど、伝統を楽しむみたいな気持ちでやってほしいです。
笠井 他の大学だと経験できない大会ですよね。あとは団体戦なんでここで試合感をちゃんと感じてもらって来年の団体に活かしてほしいです。
松崎結構コロナ前はね高校選手権とかも抜き戦だったけども、今じゃ無いじゃないですか。今、選手権もね抜き戦っていうのは結構珍しいので、そこはしっかり独特のものを味わってほしいです。最もフェティッシュにやってほしいっていうのはありますね。
長澤 4年生とやるもう最後の試合で、だからそういうのも考えてその試合とかも4年生を応援したり、4年生に最後の自分を見せるっていうのでやりきってほしいですね。
「有終の美を早慶戦の舞台で(笠井)」
――最後に、早慶戦について意気込みをお願いします
笠井 最も重い4年生が、優秀だけど最も先輩として1番距離近かった4年生でした。そんな先輩方の花道を最後に飾れるよう、フィジカルでもって後輩が有終の美の場を作るということでがんばります。
松崎 今のところ後ろから3番目そうなので、これからの早稲田になっていくやつがどういうものなのか、それをしっかり見定めて指導していけたらなと思います。
長澤 後輩が主の大会なので、後輩が活躍しても最後4年生全員胴上げできるように頑張ります!
――ありがとうございました!
(取材・編集 今村奎太、湊紗希)
今後の決意や想いを示した4選手
◆笠井雄太(かさい・ゆうた)(※写真左下)
2003(平15)年9月16日生まれ。183センチ。愛知・桜丘高出身。スポーツ科学部3年。来年から最上級生となる笠井選手。寄せられる期待も高まりますが、来季も「ポイントゲッターとして頑張りたい」と力強く語ってくれました。4年生にとって最後の早慶戦、自らの活躍で先輩たちに花を持たせることはできるのでしょうか!
◆松崎渡(まつざき・わたる)(※写真左上)
2002(平14)年4月3日生まれ。173センチ。埼玉栄高出身。スポーツ科学部4年。チームのムードメーカー的存在の松崎選手。他の選手をいじったり、反撃されたり、対談中も場を盛り上げてくれました。早慶戦では持ち前のトーク力+元気はつらつとしたプレーで、早大を盛り上げてくれることでしょう!
◆中島瑞貴(なかしま・みずき)(※写真右上)
2002(平14)年8月25日生まれ。172センチ。福岡・西日本短大附属高出身。副将。スポーツ科学部4年。昨年は全学優勝、今年は講道館杯3位など、早大柔道部の歴史に名を刻んできた中島瑞副将。対談では成績を残すまでの苦労、残してからの重圧など、当時の胸の内を率直に語ってくれました。早慶戦では後輩の試合を見守りつつ、自らも躍動して有終の美を飾ります!
◆長澤篤希(ながさわ・あつき)(※写真右下)
2004(平16)年1月16日生まれ。173センチ。静岡学園高出身。スポーツ科学部3年。後輩たちからライバル的存在として名前が挙がった長澤選手。後輩へのライバル意識を伺うと「雄太(笠井選手)ほどではないですね(笑)」とのことでした。今季最後の一戦で、長澤選手の競争心に火をつける後輩は現れるのでしょうか!