↑駅伝シーズン直前インタビューはこちら!
16年ぶりの三冠へーー。学生三大駅伝の初陣である出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)が今年も幕を開ける。昨年は、惜しくも2位に甘んじた早大。続く全日本大学駅伝対校選手権(全日本)でも本来の実力を発揮しきれず、5位に沈んだ。そして迎えた東京箱根間往復大学駅伝(箱根)。1区から順調にタスキをつないだ早大は、往路優勝を目前とするも、まさかの2位に。復路でも巻き返しがかなわず、4位で箱根を終えた。昨年の悔しさを晴らし、いざ頂点へ。10月12日、早大の三冠への挑戦が始まる。
16年ぶりの三冠へ

昨年の出雲は惜しくも2位となった早大
16年ぶりの三冠を目指す早大は、今大会の優勝候補筆頭として挙げられる。ただ、それに立ちはだかるのは、前回大会優勝の国学院大や、上位6人の5000メートル持ちタイムが日本勢トップの中大、外国人留学生を擁する創価大など強力なライバル校だ。国学院大は、経験豊富な世代が抜けはしたものの、辻原輝、髙石樹などチームの核となる選手が順調にエントリー。レースの展開次第では、後半での逆転も考えられる。また、先行逃げ切りを得意とする中大は前回大会1区で区間賞を獲得した岡田開成や、今シーズン急成長を遂げている三宅悠斗を中心とした主力選手が安定した走りを見せれば、十分に上位に食い込む力を持っている。フレッシュな力が台頭している創価大も要注意。外国人留学生のスティーブン・ムチーニ、日本人エースの小池莉希を筆頭に強力なメンバーがそろう。特に、菅野元太、田村幸太、村上遵世の1年生トリオの活躍次第では、優勝争いに加わってくるだろう。そして、ダークホースとして警戒したいのが、アイビーリーグ選抜だ。5000メートル12分台、1万メートル26分台という驚異的な記録を持つグラハム・ブランクス(ハーバード大)の走りによっては、レースの行方を大いに揺るがす可能性がある。
試合の流れを決める1区(8・0キロ)

前回大会も1区を走った吉倉
試合の流れを決める1区に抜擢されたのは、吉倉ナヤブ直希(社3=東京・早実)。先月下旬に開催された「The Road of WASEDA」で日本人トップを獲得し、勢いに乗っている。昨年も1区を走っているため、経験の面では申し分ないだろう。吉倉の持ち味は、レースマネジメントの高さだ。持ち前のクレバーな走りとキレのあるスパートで、昨年も出雲、箱根で1区を担った。まさに1区職人である吉倉は、エンジのタスキを先頭で持ってくるに違いない。
スピード勝負の2区(5・8キロ)

日本選手権準優勝の活躍を見せた本田
昨年、山口智規(令8スポ卒=現SGホールディングス)が9人抜きを果たした2区には、本田桜二郎(スポ1=鳥取城北)が登録された。今シーズン前半から1500メートルを主戦場とし、立て続けに好タイムを記録。特に日本グランプリシリーズMDC GPでは、山口智の持つ3分38秒16の早大記録を塗り替える3分37秒72を記録した。勢いそのままに日本選手権でも攻めの走りを展開し、予選でまたも早大記録を更新。決勝でも一時先頭に躍り出る積極性を見せ、2位を獲得した。恐るべき怪物ルーキーは、出雲の最短区間にエントリー。昨年の山口智を超える走りを期待したい。
エースが集う3区(8・5キロ)

箱根4区で区間賞を獲得した鈴木琉
エースが集う3区には、鈴木琉胤(スポ2=千葉・八千代松陰)が名を連ねた。前回大会でも1年生ながら3区を走り、区間5位。日本人2位という結果であった。今シーズンもロードのみならず、トラックでも実力を遺憾なく披露した。金栗記念選抜陸上中長距離大会、日本選手権で13分20秒台を記録。高いレベルで安定した力を発揮している。ロード、トラックともに学生最高峰の力を持つ鈴木琉は、間違いなくチームのエースと呼べるまでに成長した。今大会で自身2度目の三大駅伝での区間賞へ。外国人留学生や他校のエースを超える走りに注目だ。
勝負分け目の4区(6・2キロ)

日本選手権5000メートルにも出場した新妻
勝負の分け目となる4区には、こちらも期待のルーキー新妻遼己(スポ1=兵庫・西脇工)が抜擢された。今シーズン前半は、思うような走りができていなかった新妻であったが、先日の「The Road of WASEDA」では、日本人トップの吉倉に肉薄する13分44秒でゴール。調子の良さをうかがわせた。昨年の全国高等学校駅伝競走大会(都大路)では、増子陽太(スポ1=福島・学法石川)、本田と共に1区で驚異の走りを見せつけた新妻。つなぎ区間と言われている出雲4区で爆走を見せてくれるだろうか。
タフさが試される5区(6・4キロ)

今シーズン絶好調の山口竣
続く5区には、3年生エース山口竣平(スポ3=長野・佐久長聖)が登録された。前回大会は、ケガの影響でまさかの欠場。また、1年次の出雲ではエース区間の3区を経験するも、区間11位に沈んだ。ただ、今シーズンの山口竣は、絶好調。7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ千歳大会では、山口智が保持していた5000メートルの早大記録に迫る走りを見せた。山口竣の13分17秒19は、今大会の5000メートル持ちタイムランキングにおいて、シャドラック・キップケメイ(日大)に次ぐ2位。日本人では、ダントツのタイムである。後続に圧倒的な差をつけ、アンカーにタスキをつなぐ走りを見せてほしい。
勝負が決まる最終6区(10・2キロ)

昨年は2位でゴールテープを切った工藤
最終6区には、3年連続で工藤慎作(スポ4=千葉・八千代松陰)がエントリーされた。今シーズンは、ロードを主戦場とした工藤。3月の東京マラソンでMGCの出場権を獲得して以降、多くのロードレースに参戦した。5月の「Tokyo : Speed : Race」では、当時の日本記録に迫る13分31秒を記録。その後も多数のレースで実力を発揮した。早大不動のアンカーは、今シーズンがラストイヤー。16年ぶりの三冠達成に向け、三大駅伝初陣のゴールテープを笑顔で切ってくれるだろう。
令和の最強カルテット

Wポーズをする4人(写真左から上杉、本田、新妻、増子陽太)
また、当日は2人までのメンバー変更が可能となっており、補員としてエントリーされている選手にも注目だ。 昨年の都大路1区区間賞の増子陽太が補員に。持ち前のスピードを生かし、どの区間でも高いレベルの走りを見せてくれるだろう。また、同じくルーキーの上杉敦史(スポ1=千葉・八千代松陰)も補員として登録された。今シーズンはあまり試合に出場していないが、着実に力をつけている選手の1人だ。八千代松陰高時代からロードに定評がある上杉は、駅伝シーズンで大いに実力を発揮してくれるはずだ。
「非常に良い流れで来ている」

今シーズン長距離ブロックを支え続けてきた髙尾駅伝主務
三冠に向け、まずは出雲3度目の制覇へ。髙尾啓太朗駅伝主務(商4=千葉・佐倉)は、注目区間を「後半の4区、5区、6区」と語る。前半からいい流れをつくり、後半勝負に持ち込みたいところだ。また、髙尾駅伝主務は、チームとしても「The Road of WASEDAから非常に良い流れで来ている」とも話す。『圧倒的な個』を集結させ、迎える出雲。16年ぶりの頂点獲得を見届けよう。
(記事 石本遥希)