【ラグビー】2026関東大学対抗戦 立大戦展望

ラグビー男子

関東大学対抗戦 9月27日 対立大 秩父宮ラグビー場

 街を歩くと金木犀の香りが秋の訪れを感じさせる。そんな中、9月12日の日体大戦で勝負の秋、すなわち関東大学対抗戦(対抗戦)を迎えた早大は次なる相手・立大との一戦を秩父宮ラグビー場で執り行う。2年連続で全国大学ラグビーフットボール選手権大会・準優勝という結果を受け、今年度こそ優勝を狙う早大は銀ではなく金への香りを漂わせることができるのか。五感で早大の放つ闘志を、執念を、勝運を感じ取れ。

巧みなゲームメイクをみせたCTB島田

 前節、日体大との一戦では69ー0と完封し、大差で勝利を収めた早大。試合は開始直後のファーストスクラムで主導権を握り、SO服部亮太(スポ3=佐賀⼯)のパスを起点に敵陣深くまで攻め込むと、最後はルーキーFB吉廻温真(スポ1=早稲⽥佐賀)が対抗戦初出場ながら今シーズンでのチーム初トライをマーク。好調な滑り出しを見せた早大はその後もラインアウトモールで13分にHO清⽔健伸主将(スポ4=東京・国学院久我⼭)、服部のキックパスから15分にFL久我真之介(⽂構3=東京・早実)が立て続けに得点。前半終了間際には服部が自らスペースを突き、43ー0で前半を折り返した。

力強いキャリーをみせるFB吉廻

 後半になっても早大の勢いは衰えず、ここまで服部とともにチームの頭脳として牽引してきたCTB島⽥隼成(スポ3=福岡・修猷館)が中央からディフェンスラインを突破し後半ファーストトライを飾る。さらに20分には島田からの裏へのグラバーキックをドリブルし、CTB森⽥倫太朗(スポ4=兵庫・報徳)がボールを押さえた。その後は交代で入ったこちらもルーキーのSO⽵⼭史⼈(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がゲームメイクし、自陣からも積極的に攻める姿勢でアタックのテンポを生み出す。29分にはFL平野仁(スポ3=神奈川・法政⼆)のステップから大きくゲインすると、最後は怪我で長期離脱していたWTB池本晴⼈(社4=東京・早実)が自らのAチーム復帰を祝うジャンピングトライを見せ、皆が待ち望んでいた頼れる男の一本に会場が沸いた。早大が誇るアタッキングラグビーをアピールした一方で、堅守でゴールを明け渡さず、69ー0の完封勝利で今シーズンの対抗戦初戦を終えた。

後半から司令塔を担ったSO竹山

 対する立大は9月13日に北の大地・北海道の月寒屋外競技場にて筑波大との一戦に臨んだ。前半、筑波大に連続トライを許し、一時は0ー19と突き放されてしまう。しかし27分にLO高尾翔太が相手のキックをチャージし、そのままトライ。その後、32分にペナルティーゴール、38分に敵陣深くでのラインアウトからFL中山英琥が持ち込みグラウンディングに成功。15ー19と接戦で前半を折り返した。後半に入ると流れが筑波大に傾き、トライへの道筋を描けない。一方的にアタックされる展開となり、15ー51と点差をつけられ敗北を喫した。最終的には力の差が出てしまったものの、昨年度対抗戦2位の実力者に対し、前半の粘りはチームにとっても大きな収穫となるだろう。

ディフェンダーをかわすWTB鈴木

 次戦の立大戦で注目すべき選手を紹介する。まずは早大の2人の頭脳となる⽵⼭と島田だ。島田は日体大戦ではパス、キック、ランと全ての項目で高いレベルを披露。後半から投入された竹山も巧みに仲間を動かした。自らも仕掛けられる存在が2人もいることは相手にとって厄介だろう。また、竹山は今試合では『赤黒』の10番に袖を通す。彼のゲームメイクには注目だ。この頭脳に連動して外からディフェンスを崩す両WTBの鈴⽊寛⼤(スポ4=岡⼭・倉敷)と⻄浦岳優(社3=東福岡)の動き出しにも注目だ。そして対抗戦に入り、厳しい戦いになってくるとより重要になるのが途中出場の選手の存在だ。近年ではリザーブの選手たちを控えではなく試合を終わらせに行く選手、「フィニッシャー」と呼称している。その存在として真っ先に思い浮かぶのはPR前⽥麟太朗(スポ3=神奈川・桐蔭学園)。夏合宿の帝京大戦では交代で入った最初のスクラムで大きなインパクトを残した。日体大戦であれば平野もその存在として挙げられるだろう。CTBのポジション経験がある平野はFWながら華麗なステップで池本のトライをアシストした。後半、体力を消耗し、足が重くなる時間帯に長身ながら軽やかに動き、攻守で高いワークレートを残す存在がチームにどのような変化をもたらすのか。フィニッシャーたちが創り出すチームのもう一つの形態を見逃すな。

後半から攻撃のテンポをあげたFL平野

 立大の注目選手は両FL中山と山田哲平だ。前節、中山はトライで、山田はジャッカルでそれぞれ見せ場を作っており、攻守にわたってプレッシャーを与えてくるだろう。また、BKでは高校日本代表にも選出され、こちらも立大の頭脳となっているCTB向井悠統もキーパーソンとなる。前節では鋭いタックルで筑波大の攻撃を止めるシーンが目立った。SOの経験があり、ゲームメイクしながらも高いスキルでチームを牽引する向井と島田の背番号12対決から目が離せない。

ライン際を駆け抜けるWTB西浦

 優勝までの険しい道のりを乗り越えるために求められるのは単に勝利だけでなく、毎試合の成長だ。稲穂が実り、収穫を迎えるこの季節。金に光り輝く稲穂を胸に闘う戦士たちは果たしてどんな収穫を得るのだろうか。立大との試合開始を告げるホイッスルの音色が間もなく響き渡る。

(記事:髙木颯人 写真:髙木颯人、吉田明日香)

メンバー表