第102回日本学生選手権水泳競技大会水球競技(インカレ)直前対談第3回。鈴木杏梨主将(スポ4=神奈川・白鵬女子)、橋本彩星(スポ3=神奈川・白鵬女子)のお二人に、今シーズンの振り返りやインカレへの思いなどを伺った。
*この対談は、8月21日に行われたものです。
ーーまずは、他己紹介をお願いします。
鈴木 橋本彩星さんです。神奈川県の白鵬女子高等学校出身の大学3年生です。誕生日が6月27日、水球のポジションは右も左もできるオールラウンダーです。結構ふわふわした性格なのですが、やるべきところはやるメリハリのある性格かなと思います。
橋本 鈴木杏梨さんです。白鵬女子高等学校出身で、早稲田大学4年生のキャプテンをやっています。誕生日は1月29日です。本当にしっかりしてる性格で、計画を立てて1個ずつ目標を決めて、コツコツとできる人だなと思います。

対談中の鈴木
ーー互いの良いところ、ここ変わってるなと思うところを教えてください
鈴木 良い意味で深く考えすぎずに色々なことにどんどん取り組んでいってる部分が良いところだなと思います。変わってるなと思うのは、人との距離感がめっちゃ近いことです。特に女の子とかって初対面だったら探り合う期間みたいなのがあると思うのですが、高校で初めて会ったときからめっちゃ距離感近くて(笑)。それが悪い気持ちのする近さではないのですが、そういうところは変わってる部分でもあり良いところでもあるのかなと思います。
橋本 杏梨さんのいいところかー(笑)。
鈴木 あるじゃんいっぱい(笑)!
橋本 良いところは、普段みんなの前にいる時の雰囲気とは違って、2人とか少人数とか、心を開いた人に対して自分の意見をめっちゃ言ってくれるところが、私の思う良いところだと思います。変わってるところもいっぱいあるな(笑)。私とは逆で人にめっちゃ壁を作るタイプの人ですね。最初は、結構シャットアウトされちゃうので変わってるところだなって思います。
ーーお二人は高校が同じだったということですが、高校時代から変わったなと感じることはありますか
鈴木 初めて会った時は本当にすごい天然で(笑)。それが今は結構しっかりして大人になったなっていうのが一番あります。
橋本 最初が怖かったわけじゃないけど、今の方が雰囲気が柔らかくなってるなって思います。
ーー高校の頃は、上下関係が厳しかったのですか
鈴木 部内では厳しかったです。高校も寮だったのですが、寮も最初この子が入学してきたとき1年ぐらい同じ部屋だったので、高校の時の部内の上下関係で厳しいみたいなことは無かったです。
ーーお二人で遊びに行かれたりするのですか
鈴木 直近だとディズニーに1日行きました。遠征で千葉まで行った時に、そのままディズニーの近くに泊まって、次の日朝から夜遅くまで 1日ディズニーに行きました。
ーーオフの日の過ごし方は
橋本 オフの日は外に出るか一生寝てるかの2択です。外に出てる時はカフェに行くことが好きなので、カフェに行ったり、あと1人でプラネタリウムを見に行ったりします。
鈴木 私は基本的には室内にいることが多くて、室内にいるときは YouTubeを見たり、サブスクのアプリでいろんな映画とかドラマとかを見るのが多いです。最近は一人旅まではいかないですが、1人で行動するのにもハマってて、神社に行ったり皇居の周りを歩き回るとか、そういう散歩とかにハマってます。
ーーロールモデルや憧れの選手はいますか
橋本 高校生の時から今もですが、杏梨さんに憧れてます。泳ぐのも速くて、プレーの中で右サイドというポジションもあって、ボールを持って、周りをコントロールしてくれる力とか状況判断力は、本当に尊敬してます。
鈴木 私が 1年生の時の4年生だった女子の先輩 2人です。主将の高橋里佳子さん(令6スポ卒=千葉・秀明八千代)と副将の石山佳乃さん(令6スポ卒=埼玉・幕張総合)です。理由としては、まず1年生から見た4年生というのもあるのですが、すごく大人だな、落ち着いてるなっていう部分があり、周りを俯瞰して見ながらも、自分たちが進むべき方向を見失わずにチームを引っ張ってる姿は、自分もこういう選手になりたいなと思います。

対談中の橋本
ーーお二人から見た後輩たちはいかがですか
鈴木 3年生は個性が強く、自分をしっかり持ってるなと思います。私がチームを運営していく中で迷った時とか、普段の練習で迷った時とかも 3年生はしっかり自分の意見言ってくれるなっていうのが一番大きいです。一人一人軸を持っているのはすごくいい学年だなって思います。2年生はなんだろうなー・・・可愛い(笑)。
橋本 2年生なりのまとまりがある気がする。
鈴木 2年生は3人いるのですが、そのうち 2人は小学生からずっと同じチームでやってきた 2人ともう 1人は、関東の子ですが、 3人のバランスがすごく良くて、技能の差とかそれぞれある中で、そこを補い合っていくところや、日頃の人間関係もうまく良好にやっていて、すごく良いバランス保ってるし、可愛いなって感じます(笑)。1年生は何事にも一生懸命やってくれていて、自分自身が頑張らなきゃいけないなっていう風に思わせてくれる2人です。1人は授業が忙しくてあまり一緒に来れなかったり、チームのミーティングとかに参加できない時期もあるのですが、そういった中でも積極的に聞いてきてくれるところもいいですし、もう一人の子はスポ科なのでいつもいてくれて試合にもたくさん出てるので、1年生なりに自分ができないことにも直面する中で腐らず一生懸命やってくれてる姿を見てなんか私も頑張らなきゃなっていう風に思わせてくれる感じです。可愛いです(笑)。
橋本 2年生は杏梨さんが言ってた通りで、まとまりのある 3人でいい同期っていう感じだなって。1個下なので、結構助けられる部分も多くて。プレー面でレベルの高いことを聞いても返ってくるし、頼りになるところもあります。逆に向こうも頼って聞いてくれる時もあるので、可愛いなって思います(笑)。1年生は本当に自分のことにひた向きに頑張ってて、もう可愛いんだよな(笑)。
ーーここはどの大学にも負けないぞと思うところを教えてください
鈴木 学生が戦術からチームの運営まで考えているところは他大学と雰囲気が違うかなと思います。特に水球の面で、戦術や選手交代についても自由に自分たちの意見を尊重してくれるようなスタッフ陣が今いらっしゃるので、まず勝つためには自分たちを知ることが1番大切なので、試合の状況や自分たちの状況を考える力、自分たちで水球を作っていく部分は、他の大学とは違うかなと思います。
橋本 あとは他大学よりちょっと人数が少ない分、その擦り合わせが良く出来ているなと思います。人が多いと練習しててもこの人とあまり同じような練習が取れないみたいなことがあると思うのですが、早稲田大学はそういった連携の面で、他大学より強い面があるんじゃないかなと思います。
ーー練習で一番きついメニュー教えてください
鈴木 フットワークですね。私はもともと競泳をやってたので、水球選手がよく嫌いなスイム練習というただ泳ぐ練習は、全然苦ではないです。ただ一方で、重りを持って足を巻く練習や相手選手と押し合って水球独特の巻き足を強くするという練習が苦手です。あとは俊敏性の練習で水の上に高く上がるものや横に大きく移動するという、フットワークが泳いでる途中であると、その後また泳ぐのがすごくきついので、水球始めた時から大嫌いです(笑)。
橋本 私は短い距離のダッシュが大嫌いですね。体を早く動かすっていうことがとても苦手で、腕が速く回らないっていう面で短い距離のダッシュがとても嫌いっていうか、苦手です(笑)。

関東学生リーグ・初戦順大戦の鈴木主将
ーーご自身のポジションの魅力はどこでしょうか
鈴木 私は右サイドといって、攻めるゴールに対して右側のポジションをやっています。その役割としては、攻撃面ではいち早くボールを前につないでアシストパスをする。そしてディフェンス面では相手のエースとなるポジションを守るっていうのが大きな役割です。魅力としては、泳ぎの速い選手が右サイドになることが多いのですが、審判の笛に左右されないように泳ぎだけで得点を取れる、そういう形を作れるのが右サイドの一つの魅力です。あとアシストパスができれば良いシュートにもつながるので、相手のエースを守って、得点につながるような良い流れを作ることができるのが右サイドの魅力かなと思います。
橋本 私は今左サイドをやっています。ディフェンス面は、基本的に右利きが多いので、そのボールが右側から回ることが多くて、そういうボールを当たって止めて、右が守ってる左サイドのチャンスのところにボールを投げさせないようにするっていう役割です。左サイドの大きな役割はやはり攻撃面だと思っています。得点を取りに行くことが、左サイドの役割です。上手い選手は1人で前に入って、点を決めに行くこともできますが、クロスを使ったりとかして、左サイドの連携の中でどんどん得点をしていく部分も魅力というかやらなければいけないことだと思います。
今シーズンについて
ーー鈴木選手は4年生は一人で主将でもあると思います。チームをまとめる中で、特に意識していることなどはありますか
鈴木 特に意識しているのは、自分の軸をぶらさないことです。学生主体でやっている中で、最終的な意思決定を上級生に任せてもらえる部分が多いです。そういった時に自分がどうしたらいいかなと常に迷っていたらチームの方針も固まらないし、後輩たちも不安になるかなと思っています。なので、例えば何か聞かれた時に最終的な目標はこれだから、「こういう風な選択をした方がいいよね」とすぐみんなに答えられるように、チームの方針を決める時も軸をぶらさないように、自分の中での軸はしっかり持つことを意識してきました。
ーー橋本選手は主将としての鈴木選手の印象はいかがですか
橋本 高校生の時も主将をされていましたが、後輩への関わりを大事にしてくれてるなと感じます。ミーティングの場面であっても、意見を言いやすいように指名してくれたりとか、何かある?と問いかけてくれたりするので、後輩の意見も大事にしてくれてるなっていう風に思います。

関東学生リーグ・初戦順大戦での橋本
ーーリーグ戦で最も印象に残っている試合を教えてください
鈴木 最終戦の日本体育大学と戦った試合が個人としてもチームとしても印象に残っています。個人としての理由は、リーグ戦期間中に3週間教育実習に行ってて、全く練習できないまま試合を迎えたのですが、そんな中でも自分を試合に出すことを許してくれたみんなと、普段通りのプレーはできなかったのですが得点できたり、あとは右サイドとしての役割を果たした部分は多かったのかなと思うので、個人として印象に残っています。チームとしてはリーグ戦の中で、日体大と戦うのが 2回目だったのですが、1回目はもう本当に全く歯が立たずに負けていた中で、 2回目は最終的には負けではありましたが、前半の 2ピリオドは結構いいゲームをできていた、かつ後半の2ピリオドは全く相手にならなかったっていう面で、チームとしての課題も明確になったっていうのがあるので、印象に残ってます。
橋本 私はリーグ戦の秀明戦の2試合目が個人としてもチームとしても印象に残ってます。個人としてはディフェンス面での課題が自分の中で明確になった試合です。左利きの選手がいたのですが、その人に対するディフェンス面での不甲斐なさというか、つけなかったことに対して、個人として課題があったので、一番印象に残ってます。チームとしては、結局その試合も負けたのですが、日体戦も秀明戦も両方の試合の2試合目の方が前半の雰囲気がとても良くて、そんな負けてないのに負けたみたいな気持ちではあったんですけど、みんなの攻撃面での雰囲気がとても良かったので、印象に残りました。

日本選手権・秀明八千代水球クラブ戦での鈴木
ーー日本選手権を7位で終えましたが、振り返ってみていかがですか
鈴木 正直に言うと悔しいの一言です。稲泳会として出たのですが、稲泳会としてはまだ1回戦突破したことがなくて、相手も同じ大学生だったので、そこで勝つことを目標にしていました。ですが、1回戦を勝つことが出来なくて、その次の試合も高校生主体のチームでしたが、負けてしまって私も悔しい思いをしたし、みんなもそれ以上に悔しかったのかなと思います。ただインカレに向けて、自分たちが残り3週間ぐらいで何をやらなければいけないのかが明確になったって面では、ここでの負けがインカレに向けての財産になったかなと思います。
橋本 本当に悔しいなというのが一番です。初戦の日体クラブの試合では勝てただろうという気持ちが自分の中でやっぱり大きかったけど、勝てなかったのには理由がありました。2試合目の秀明八千代との試合もチームの雰囲気がどんどん悪くなっていて、点が入らないことによって焦っていくっていう風になったので、インカレという絶対に勝たなきゃいけない場面でまた同じことが起こらないように、もっと高い気持ちを持って練習に取り組んでいけたらなと思います。
インカレに向けて

対談中の鈴木
ーーインカレは集大成となる舞台だと思いますが、どういった意識で大会を捉えていますか
鈴木 個人としては、10年続けてきた水球の引退試合になるので悔いなく、今までやってきたことを発揮するべき大会だなと捉えています。チームとしては集大成でもあって、1年間自由にやらせてきてくれたスタッフへの感謝や、私が今までお世話になってきた3個上までの代の先輩も応援してくださっているので、「やっぱり早稲田っていいチームだよね」と自分たちも、周りの応援してくれてる方もそういう風な思いになってくれるように頑張りたいかなという風に思ってます。
橋本 個人としては高校生で出会った杏梨さんを優勝させてあげたい大会だなと思います。優勝に貢献したいですし、チームとしては、楽しい水球はやっぱり勝つ水球だと思うので、みんなで勝ちに向かって頑張っていきたいと思います。
ーー日本選手権後の今のチームの雰囲気はいかがですか
鈴木 切り替わりつつある状況です。やはり日本選手権で負けたのは、なかなかダメージのあるものだと思いますし、私が一番ダメージを食らってるかなと個人的には思っています。そんな中でも一昨日くらいにミーティングをして、自分たちの試合の映像を振り返りながら、課題も明確にして、今後何をしていかなければいけないのか、みんなで共有し合った段階ではあるので、本当に残り短い期間で気持ち切り替えて頑張るだけかなというふうに思います。いい雰囲気だと思います。
橋本 いい雰囲気になりつつあるって感じ(笑)。多分近づいていくにつれてどんどんみんな集中していけるんじゃないかなっていう風に思います。
ーーご自身のプレーで力を入れていることや重点的に練習したいことを教えてください
鈴木 力を入れていることとしては泳ぎのスピードと機動力を生かしたプレーです。やはり自分の武器は泳ぎだと思うので、攻撃面でも守備の面でも、相手より先に動く。そして、水球はコンタクトプレースポーツなので掴みとかもあるのですが、泳ぎを生かしてそこに負けないようなプレーをできるように日々練習している段階です。
橋本 左サイドはさっき点を取るポジションって言ったのですが、私はあんまりシュートを打つのが好きじゃなくて。だからこそ、ほんとにシュートが上手い選手がいるので、その選手にどうにかボールを繋げるように、動いてクロスや開ける動きの成功率を上げていけるように頑張りたいです。
ーー注目選手は誰でしょうか
鈴木 城之下佳歩さんです。彼女は2年生なのですが、日本代表の合宿にも参加していて、アジア大会にも出たり、高校生の時のアンダーカテゴリーの中でも結構活躍する、言わずもがな早稲田のエースは彼女だと思いますので、佳歩がキーマンです。
橋本 チームの流れっていうか悪い流れとかいい流れとかを切り替えるのは杏梨さんだと思っています。杏梨さんが1点決めたら、多分みんなの雰囲気っていうか、気持ちも高まるだろうし。
鈴木 そうなの?(笑)
橋本 高まる!うちはね(笑)。私的には杏梨さんだと思います。やっぱり主将だし、4年生1人だし(笑)。見て欲しいと思います。

対談中の橋本
ーー橋本選手はインカレが最後の鈴木選手との試合ですが、特に印象に残っている思い出はありますか
橋本 杏梨さんが高校3年生で、私が高校2年生の時の夏の(杏梨さんが)高校最後の試合の2試合目です。肩を脱臼して、フェードアウトしてしまって、最後に試合することが出来ませんでした。今大会はそんなことにはならないようにしつつ、杏梨さんと最後の試合をちゃんと選手として水に入りながらできると良いなと思います。
ーーインカレの目標と意気込みをお願いします
鈴木 インカレの目標は優勝することです。創部以来まだ優勝はなく、決して簡単な目標ではないですが、色々な選択肢がある中で、みんなが水球することを選んで、中でも早稲田を選んできてくれたっていう面でも、やっぱり日本一になることが大きな目標だと思います。自分たちは日本一になったこともないし、他のチームから見て1番強いねと思われるようなチームではないのですが、挑戦者なので、怖いものなしにガンガン行きたいです!
橋本 もちろん目標は優勝です。1試合1試合に今までやってきたこととかを全部出し切れるプレーをしたいです。全部出し切って、それができたら優勝できるのかなと思います。
ーー最後に色紙に書いた意気込みの説明をお願いします
鈴木 水球人生最後の試合なので何も思い残すことなく、全ての力を出し切り、死んでも勝つという気持ちで「完全燃焼」を書きました。頑張ります!
橋本 私は杏梨さんと優勝することが、今までのやってきてくれたことに対する恩返しになると思いますし、杏梨さんだけじゃなくて、応援してくれる人や親や、全ての人に対して優勝することが恩返しになるんじゃないかなっていう風に思い、「恩返し」にしました!
ーーありがとうございました!
(取材・写真・編集 指出華歩、和田まさき)

橋本(左)、鈴木(右)

インカレへの意気込みを書いていただきました!
♦︎鈴木杏梨主将(すずき・あんり)写真右
2005年1月29日生まれ、白鵬女子高等学校出身。唯一の4年生であり、主将としてチームをまとめる鈴木選手。水球人生最後の試合を「完全燃焼」で戦います!
♦︎橋本彩星(はしもと・ひかり)写真左
2005年6月27日生まれ、白鵬女子高等学校出身。高校時代から鈴木選手と苦楽を共にした橋本選手。応援してくださる方々や保護者の方々、そして鈴木選手に「恩返し」ができるように優勝を目指します!